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久しぶりの窪美澄さんの本だと何気に手に取って読んだが、すごく良かった。「純喫茶・純」喫茶店のひっそりとした感じや時に心が苦しくなって弱くなってしまった時に寄り添ってくれる人や「椎木メンタルクリニック」の存在がいい。表紙の後ろ側が私の好きなゴッホの「夜空のカフェテラス」に似ていて、期待は高まった。お互いがそっと支え合う。無理しないで自分のそのままでいいんだよと言われているような心が温かくなる話の数々。疲れたGW中にこの本に出会えて嬉しかった。窪先生ありがとうございます。おすすめです。
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物語から伝わる言葉の力に、自然と涙が溢れてくる。その一歩を踏み出すのに、どれほどの時間とエネルギーを必要としたことだろう。今日はきっといい日になる、そう思わせてくれる1冊。
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連作短編集。どの話も良かった。
読み終えてはじめて、自分の心がカチカチに固まっていたことに気づいた。
読んでいて、心がほろほろとほぐれていくのを何度も感じた。
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読めば読むほど物語の世界に入りんでいき、一人一人に感情移入し、読み終えるのがさみしくなってしまう本でした。
この本を読んでから、平気そうに振る舞ってるあの人にもこの人にも、きっといろいろあるんだろうな…と思うようになりました。
人は一人では生きていけなくて、問題を一人で抱えこんだり、がんばり続けるのは、信号が点滅してる状態なんですね。
自分の弱さや欠けたところに気づき、受け入れ、誰かやどこかに助けを求め、少しずつ強くなっていくのですね。
でもその人も、知らず知らず誰かを助けていたりする。
“避難所みたいな人や場所をいくつか作っておくといいよ。”
さおり先生の言葉。
そんな人や場所がいくつかあったら、たいていのことは乗り越えられそうな気がしました。
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わたしも一時期、精神的にキツイ時期があって、そのときにかけてほしかった言葉がこの物語の中にたくさんあった。
すごく優しい物語で、涙が止まらなくなった。
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エピローグ読んでいて自然と涙が出ました。
読んで良かったです。
症状の描写がとてもリアルです。ゆっくり休まなきゃいけないのに、焦って早く治さなきゃって思っちゃうんですよね。メンタルが疲れて参った経験があるとより共感できます。
旬先生やさおり先生みたいなお医者さんが近くにいてくれると心強いですね。
第一話で不眠とうつで打ちのめされた澪さんが、エピローグでは寛解して就活を頑張っている姿を読んでたら涙我慢出来なかったですw
読後感は非常にいいです。癒されました。
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2024/05/22
ご夫婦で営む椎木メンタルクリニックにやってくる患者さんたちの物語。
どの話も共感出来すぎて涙涙でした。
私たちはみんな、まんまるの満月ではなく、欠けた三日月なんだよ、という言葉に救われる思い。
完璧な人間なんているわけないとわかってはいてもついつい自分の不甲斐なさに自信を無くし落ち込む日々だから。
最後の純さんの話が一番共感し、感情移入した。
純さん、辛かっただろうな。
でも、そんな純さんだから人に優しいのだろうな。
夜の中すべてがこんな優しい世界だったらいいのに。
そう願わずにはいられない。
助けあって生きていきたい。
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近所にあるお店にもこんな出来事があるのかなと思わせるような話が多くて、読みやすかったです。
心が温かくなる、優しい登場人物が多い気がしました。
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窪美澄さんの作品は、初めてでした。
読んでいて、優しく寄り添ってくれている感じが伝わってきて温かい気持ちになれました。
産後うつって、子どもを生む前まで全く想像できなかった。皆幸せそうでキラキラしているって思い込んでいた。産後細切れ睡眠からのイライラ、不安もあっておかしくなっちゃいそうだった。そのうち時間あっても眠れなくなるし…それを、乗り越えられたのは 居場所と誰かとの繋がりがあったからなんだと気付かされた。周りの人に感謝だなー。
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一話ずつ少しつ読んだ。
嫌な人なんて出てこない優しい物語、心の病を患ってしまうほど、攻撃的な人間が出てくるのかと思ったけど、そうではなかった。逆に言えばそうでなくても、心が壊れてしまうんだ。特に椎木ご夫婦のエピソードが印象深かった。そして、純さんの『ゆりかご』に出ててきた、ゴッホの夜のカフェテラス、どんな絵なんだろうと調べたら、青と黄色が美しく、素敵な絵を知れた。個人的にとてもテンションが上がった。
みんな、いろんな過去があるんだな。立ち止まることがあるんだな。
また美優ちゃんが最初とラストで、印象が大きく変わった。最後まで読んで良かった。
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とても優しい本でした。
そっと抱きしめたくなるような……
メンタルクリニック
いろんな人の辛い心が語られます
身近に接してきた人のことを思い泣きました
7話の話それぞれに重ねることが多くて
こんなクリニックがあったなら
こんな喫茶店があったなら
細い欠けた月でも照らしてくれる夜が愛しいです
≪ ほのあかい 月が照らすよ 夜の道 ≫
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短編集、
純喫茶・純と旬先生と、さおり先生
◯キャンベルのスープ缶
(美大の女の子)
◯パイプを持つ少年
(A D H D、支え合う生活)
◯アリスの眠り
(愛されること)
◯エデンの園のエヴァ
(高齢出産、パニック障害)
◯夜のカフェテラス
(ふたりの出会い)
◯ゆりかご
(純さんと娘)
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心の病気にかかってしまった人たちのお話。
今でこそ、こういった心の病気は
誰でもなりうるものだと言われているけれど
そうでなかった昔は、どうしていたんだろう
とふと思うことがある。
「人間は完全な丸じゃないし
誰だってどこかが欠けているもの」
疲れた時にはこの言葉を思い出したい。
メンタルクリニックは敷居が高いけど
こんな病院がホントにあればいいのにと思う。
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みんなみんな悩んでる。そこに違いなんてないんだろうな。椎木メンタルクリニックみたいなところがあれば、ちょっとずつでもなんとかやっていけるのかもなぁ。
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連作短編集。装画・装丁がとてもいい感じです。
澪はアパレルの仕事に就くことを目標に上京したものの、大学の被服科の同級生たちと自分の差を感じ授業に出られなくなった。働きたいと思っていたアパレルショップのバイトはすべて落ち、食欲はほとんどない状態で近所の古い純喫茶で重い気持ちで働いている。純喫茶の店主、純から近くのメンタルクリニックを紹介されて…
私の身近にはメンタルクリニックに通っている人も通っていた人もいるので、主人公たちと周囲の人のやりとりが過去の自分をプレイバックしているように思え、辛くてイライラしていた当時を思い出しました。
マイナス思考に陥っていく主人公たちに「そんなことないって」と読みながら言いたくなります。でも主人公たちがこのようなマイナス思考になってしまうのが、まさに、うつやうつ状態なのです。ハッと急に全快することはなく、気が付いたら少ししんどいながらも元気になっていく…この物語のとおりです。
椎木先生の
『「私、一日中、ここの窓から通りを行く人を見ているから……」
という言葉が耳をかすめた。暗い店内に純さんが一人、いるのではないか。今もその店内から僕を見ているのではないか。けれど、今、純さんにとってそれが必要なことなのではないかとも思った』
にグサッときました。落ち込んでいる人は心身を休めることが必要なことが頭でわかっているけれど、私は優しく待つことはできなかったなあ。
個人的な反省を含めて、読んだ後はどんよりしてしまったけれど、ほんと、個人的な感想です。
この本のようなカウンセラーと先生が同時に診察するところがあったらいいですね。メンタルクリニックの敷居が低くなって、気軽に行けるようになったらいいな、と思います。
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窪美澄の本は、自分の経験に重なることが多くて、それが怖いくらいなのだけど、この本も例外じゃなかった。
後半から涙が止まらなくて、一気に読んでしまった。生きていれば、つまづく、あれから時間が止まってしまった思う様な出来事があって、それでも前に進める日がくる。淡い光を灯してくれるような本でした。
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メンタルヘルスクリニックを舞台にした連作短編集。最終的に登場人物はカウンセリングや投薬で救われていきますが、悩みや症状の描写がリアルでメンタルが落ちてる時に読むと辛いかもしれません。
私は少し辛くなり夜に何度か起きてしまいました。
カウンセラーのさおり先生の言葉がしみますね。
生きてる人なら誰だって一度や二度くじけてしまう時期もあるよ。でも、そんなのちっとも恥ずかしいことじゃない。
人間は完全な丸じゃないし、誰だってどこかが欠けてるものなの。
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心療内科・メンタルクリニックが私にとって身近なものとなった
喫茶店の店主やメンタルクリニックの院長やカウンセラーが過去に心が苦しくなるような辛い想いをしていたなんて
自分一人で悩みを抱えず、もっと周りの人に話を聞いてもらったり相談したりして良いんだと思え心が軽くなった
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東京郊外のとある町を舞台にしたヒューマンドラマ。中心になるのは住宅街の目立たない心療内科と駅近くの通りにある古い喫茶店。
そこは、真面目で優しく繊細であるがゆえに心がくたくたに疲れてしまった人たちをゆったり優しく迎えてくれる場所だ。
支える人、支えられる人が紡ぐ物語。全6話およびエピローグからなる。
◇
地方から大学進学のため上京した澪。母子家庭なので仕送りは最低限。週4日のアルバイトで生活費を賄わなければならず、華やかさとは縁遠い日々だ。
通うのは都心の女子大。
目に映る学生は皆、自信に満ち溢れキラキラしているように見える。自分は地方出身で垢抜けないと思っている澪にとっては近寄り難い。また、都内出身者のほか内部進学者も多いためすでにグループができあがっている。
そんなこんなで引っ込み思案な澪は自分の居場所を見つけられずにいた。
始まったばかりのキャンパスライフ。なのに疎外感と孤独感に苛まれる澪は、早くも精神的に不調を来たしはじめていた。
(第1話「キャンベルのスープ缶」)
* * * * *
どれもいい話だった。誰もがスムーズに苦しみから解き放たれているように見えるが、短編が6つもあるため仕方がない。
この作品の肝は、椎木夫妻や純さんが精神的に深刻な苦しみを味わい、そこから懸命になって脱した経験を持っているということだろう。
だからこそ第4話から最終話が、3話目までの主人公たちの快癒にリアリティを与えるのだし、作品に深みをもたらすのだと思う。
精神科の臨床医や心理カウンセラーには挫折を知らずに知識先行でクライアントに当たる人間は向いていない。 ( さおりさんが最初にかかった医師などはまさにそのタイプだろう。)
頑健そのものの人間には病弱な人の気持ちはわからないし、強靭な精神の持ち主には繊細で傷つきやすい人の気持ちは思いやれない。同じように、苦労知らずで生きてきた者には不幸に見舞われた人の気持ちは理解できないだろう。
現代でも、肉体的や精神的に弱さを持つ人の割合は、昔と比べてさほど変わらないように思う。なのに自殺者が後を絶たないほど増加しているのは、気持ちに寄り添ってくれる人が少なくなったからではないだろうか。
そしてそれは、環境や家庭に恵まれて生きていける人が増えた結果、弱い人の気持ちを理解できない人間が増えたからなのかも知れないなと思いました。
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私も子育てと仕事でストレス爆発でメンタルクリニックにお世話になったことがあるので、共感する部分が多く、どのお話も泣かされた。
ただ、メンタルクリニックに行ったことがある身として、こんなに寄り添ったメンタルクリニックすぐ大人気になって新規はすぐに受け入れられないんじゃ…とか、睡眠薬ってそんな効くかな?と物語なのに、つい現実的に考えてしまい楽しめない部分もあった。
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心の病気、今の時代は誰でも患う事もあるのだから、恥ずかしくて誰にも言えないなんて思う事はないんだなと思いました。
不安になった時に、椎木メンタルクリニックの様な居場所があれば救われますね。そして何よりも旬先生やさおり先生の様に親身に話を聞いてくれる先生なら、心のモヤモヤも何でも話せそうです。
本を読み終わって、無性に美味しいコーヒーが飲みたくなりました。
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「生きていたら誰だって、一度や二度くじけてしまう時期もあるよ。でも、そんなのちっとも恥ずかしいことじゃない。」
「自分の不得意なところを補ってくれる人がいれば、その人が味方になってくれれば、きみはもう半分治っている、と言っていいんだよ。君にはもう、そういう存在がいるんじゃないかな。」
「社会人になったら、誰も自分のコンディションなんかきにしてくれないじゃん。大丈夫じゃない時にも大丈夫って言わなくちゃいけなくて。本当はぜんぜん大丈夫じゃないのに。」
「人生っていろんなことが起こるね。思いもよらないことが。でも、人ってちゃんと回復していくんだよ。」
「みんな、いろんなことでぺしゃんこになって、心も折れて、そういうときは、こういうところで少し心を休めて、また歩き出していく。休み、休みでいいじゃない。」
「どうしてももうだめだと思った時は、避難所みたいな人や場所をいくつか作っておくといいよ。」
暗い気持ちになっている時にこういう本を読むと、みんな色々抱えているし、自分だけじゃないと思える。
人はあっけなく壊れてしまうし、出口の見えない真っ暗闇にいることもあって、でも、必ず回復できるというのも自分の体験としても知っている。そしてこの本を読んでも、人間は脆いけど強いな、と思った。
「パイプを持つ少年」の話。自分が人と同じようにできないことがあっても、その欠けた部分も含めて自分の存在を愛してくれて、尊重してくれる人が側にいてくれれば、完全な丸でなくても欠けたままの自分を肯定できるのよね。そんな人に出会えたらいいな。
「エデンの園のエヴァ」の話。母親だから子供を可愛いと思わないといけないとか、そう思えない自分はおかしいんだと自分を責めたり、仕事も子育ても夫婦生活も何もかも順風満帆に見える元同僚から目を背けたくなったり。知りたくない情報が入ってきてしまう世の中だけど、自分の今の幸せに満足できるようになれたらな。
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心に傷を負った人たちが、通うメンタルクリニックと昭和レトロな喫茶店。そしてその経営者たちも心に傷を負ってそれを乗り越えて来た過去が・・・。
自分だっていつ心が病んでしまうか分からないです。過去にそれに近い状態になった事もありますし。そんな時こんなメンタルクリニックと喫茶店が有ったらいいなあ。
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メンタルクリニックの話し
うつ病は真面目な人がなる
不眠症がはじまり
人の悩み解決は
現状の生活の豊かさを再認識する
幸せ 衣食住 仕事 金銭を見直す
日本で生まれ 清潔 安全 食事
妻 子供 親
感謝の心 奉仕の精神
に転嫁すれば安らかなれるのでは
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※
心のバランスが崩れて何もできなくなって
しまうことは、決して特別なことではなく、
いつでも、誰にでも起こりうることだと
気づかせてくれます。
そして、傷ついた心にそっと寄り添って、
回復への時間を見守ってくれる温かい物語でした。
自分のダメさ加減に落ち込んだり、
何もかもが嫌になって投げ出したくなる、
各話の主人公たちの切実な悩みに共感し過ぎて
心が重くなりもしますが、荒んで萎んだ心に
徐々に空気が入り込み希望が感じられる場面では
一緒に励まされます。
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キャンベルのスープ缶
パイプを持つ少年
アリスの眠り
エデンの園のエヴァ
夜のカフェテラス
ゆりかご
エピローグ
全七話