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Posted by ブクログ
大団円。異能もない少年少女の活躍がまぶしい。破壊を免れ、神族の支配から解き放たれた人間の世界を、これから火狩りたちと少年少女たちがどう育んでいくのか、思いは未来を馳せる。
Posted by ブクログ
明楽の表紙!
赤い髪の毛をひとくくりにして、戦う女性の姿は、なんとなく十二国記の陽子っぽさあるよね。
外伝を残して本編はこの4巻目で終了ですが、1巻からずっと思っていたことがある。
世界観がだいぶ違う世界のこと書かれているから馴染むことから始まるけど、馴染んだ後でも戦いのシーンなんかは、結構置いてきぼりになる瞬間がある。
ん?今どう動いたの?
どういう状況になったの?
と。
二大主人公の灯子と煌四でさえ、『何がどうなったのか分からない』状況に陥るシーン(戦闘シーンであったり、神族や〈揺るる火〉に関わるシーン)があって、
それを読んでる読者も分からないという置いてきぼり。
元も子もない言い方するならば、「作者さんは生み出す人だから、頭の中で状況・風景見えてるけどさー、こっちは分からんわ」って感じ。
その置いてきぼり感が、ある意味では、火狩りの優れたスピードや技、神族の人間離れした異能なんかを肌で感じるといえば感じるようにできてはいるんだけどね。
いい意味でも悪い意味でも、
小説を真っ白から生み出すという“創作”を感じるし、縦横無尽に書かれたから壮大なストーリーが出来上がったんだなというように思える。
人によって受け入れやすさにくさ、はある感じだなー。
この感覚が私的に星4の理由になっちゃう感じ。
そう思いながら四巻目までしっかり読んでいるという(笑)
不思議なのが、読んでも読んでも
その場面が白紙から描かれた世界観として読めること。読んでる側から描き出される文字という感覚に陥る。
そうやって、創作物としての『火狩りの王』と読者が追う文字とで乖離があるように感じられるのに、四巻後半にはその乖離が近づいて、ぴったり息を合わせて読めるようになる。
多分そんな感覚になるように書かれたのも、
日向理恵子さんの思惑によるものなのかも。
↓ネタバレ
そうして最後には灯子が〈揺るる火〉を狩り、火狩りの王が生まれ、また村に帰って物語は終わった。
1つの物語がしっかり終わったし、神族が統治する世の中から、明楽が中心となり築いていく世界になった。
それでも変化らしさを感じない収束。
ずっと物語で描かれてきた「繰り返す」ことが、これからも繰り返されていく、そんなことを感じさせます。
それでも命あるものは、その命を生きていく。
これだけ複雑で膨大で圧倒的な物語の語りたいことはとてもシンプルで、四巻の物語があることでシンプルさが際立ちました。
Posted by ブクログ
テーマは「火」
かつて人間が火を征していた時代から、神族が火を支配する時代となってから物語が始まる。
人間は火を得るために、火炎という獣と闘い、生き血ならぬ火種を得て暮らしていた。
とある時に、神族から火を奪い、再び人間が火を支配する時代に戻そうと神族、火炎と闘い、人間の街も、神族の宮も火炎たちの暮らす森も破壊され尽くされる…
このファンタジーには、どの世界が、誰が正しいか、ヒーローとか悪は明確になっていない。
それぞれ違う立場に立てば、何が正義かは見方も変わる。
神族の支配から解放されたものの、新たな神族を束ねる「火狩りの王」の下で、世界が復興されていく…
とにかく、長かったストーリー。
新たな世界がどうかるか、考えさせられるファンタジーに新鮮さを感じました!
Posted by ブクログ
思ったよりあっさりした幕引き。ただ、灯子も煌四も、明楽も、皆それぞれに新しい世界の中で生きていくことができるのは何より。
灯子があっさりの村に帰って行ったのは意外だったが、旅を通して強くなって帰って行き、祖母の最期に間に合ったことも、厳しいようで少し不器用で優しいおばさんと再会できたことも含めての大円団。煌四と緋名子も2人生きていけるし、明楽も何とか本懐を遂げたし、何となく丸くおさまったなという感じ。綺羅は両親を亡くしてしまったけど、最初からそうであったようにきっと強く背筋を伸ばして生きていくのだろうな。
Posted by ブクログ
長かった〜
灯子、煌四それぞれの視点でストーリーが進んでいくからなかなか話が進展しなくて途中しんどかった...笑
壮大な冒険をした割にラストは意外とあっさり気味。
火狩りの王には灯子がなるんだろうとは何となく思ってたけどそういう感じなんだ...とちょっと意外。
大冒険した後のその後がどうなったのか気になる...
外伝はその後の話とかもあるみたいなので読みたい。
Posted by ブクログ
終盤になってもどう物語をたたむのか全く想像できず、寧ろ手揺姫の正体や工場が行ってきたことなど驚かされること多数。
強いと思っていたキャラも退場しちゃうし、どうなるんだと思っていたら、思いのほか静かに終わっていって驚いた。
劇的なカタストロフィはないだろうなとは思っていたけれども、ここまで淡々と終わるとは。
確かに多少世界は変わったかもしれない。
でもそれは、例えば首都を離れた村に住む人たちにとっては、ほんの些細な変化。
姫神さまの分身さまがいなくなったとか、火狩りの人たちが常駐してくれるようになったとか、その程度。
あれだけの大冒険をし、伝承にある「火狩りの王」になった少女(結局は他のふさわしい人に譲渡したので、対外的には彼女は王ではないが)も生まれ故郷に戻り、生活も元に戻った。
そのそばには、亡くなった火狩りから託された狩り犬はいるけれども。
何だか若くして余生を送っているような、そんな終わりだった。
結局、局所的に大きな変化があっても、世界全体からみれば、本当に些細なことなのかもしれないなと思い知らされた気がする。
当事者以外には、世界の変化も他人事なのかもしれない。