【感想・ネタバレ】警察官僚――0.2%未満のキャリアの生態のレビュー

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Posted by ブクログ

警察官としての生活、官僚としての生活、ともに垣間見ることができて面白い。警察官僚として生きた読み物は佐々淳行さんのものが有名と思うが、平成時代の官僚が綴ったものににはなかなか巡り会えなかったので、非常に興味深く読むことができた。

改めて、「なぜ私はこういった警察ものに魅かれるのか」を考えてみたが、やはり現場がある職場であることに親近感を覚えるからなのではないかと思う。本書にも『常在戦場』『指揮官先頭』『一歩前へ』『人の嫌がることをやる』『みずぼらしい神輿は誰も担がない』『指揮官の辞書に困難はない/指揮官に難しいもヘチマもない/そんな覚悟で事件ができると思っているのか‼︎』を始め、現場で困難な業務に仲間とともに向かわざるをえない人にとって含蓄のある言葉が多く散りばめられている。

また、「実質的に課をうごかしているのは課長補佐+係長レベル」「キャリアが現場に出たときに、出来の悪いキャリアはナチュラルに軽蔑され、共に戦うに値すると認められたときは自ずと慕われる」「地方への出向時に親会社と対立する場面があり、その際はともに親会社と闘ったり共犯関係に入ったりしなければならない」という点は、生き方を考える上で非常に参考になった。

警察などの危機管理を生業にする職業は結果に対する誤魔化しが効かないので、その分しっかりと中堅どころまでも結果にコミットする文化が出来上がるのだろうと思う。

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2022年05月08日

Posted by ブクログ

平成一桁入庁の元キャリア警察官僚である著者が、自身の体験に即して警察官僚のリアルな生態等を語る。
なかなかに臨場感のある内容で面白かった。特に、警察官僚の代表的「御霊」業務としての「法改正」の流れを詳述しているのが興味深かった。
ただ、やたらと軽妙さと仰々しさを醸し出すような文体がちょっと煩く感じた

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

警察という特殊な役所の話ではあるが、オールドタイプの組織と官僚主義が継承されている大きめの会社で、風土としてはスマートよりも泥臭さを尊ぶ傾向があるところであれば、こんなものではないかな。
時代の証言者として、内部の(ややマニアックな性質もある)関係者が詳細な記録を残すというのは、未来の人に文献を残すという意味では、なかなかよいのではないでしょうか。よく〇〇会社50年史とかあるが、あれはヒューマンウェアのところには綺麗事しか書かないし、後世の社会学者にはイベント記録の確認にしか使えない物足りないものに違いないので。それに対して、その組織の中枢も経験したジャーナリストや作家さんが、リアルな組織設計やコミュニケーションの実像を描写した記録は、出来が良ければ、はるかな後世まで残るでしょう。

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2022年05月15日

Posted by ブクログ

●内容は面白いが、話がくどい。無駄な鉤括弧、強調が多すぎて読みにくい。
●説教臭いというか、慇懃無礼というか、そんな口調が前作からパワーアップしている気がする笑。個人的にはそこまでうざくもないけど、やっぱり冒頭だけにしておいた方が圧倒的に読みやすい。
●本書は警察官僚のよくわからない一面を記した資料にもなるから、なおさら読み易くしておいてください笑
●にしてもやはり官僚の働き方はパワープレイというか、人を擦り潰す使い方が酷い。前途有望な人材を使っているのだから、もっと大切に育てるべきでは?

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2022年09月19日

Posted by ブクログ

なんだか「高能力の人間が薄給でめっちゃ頑張ってるんやから天下りもええやん、別に」みたいな気分を感じた。それも含めて著者の目論見通りなのかもしれない。同時代の一次史料としてはそれでよいのだ。

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2022年07月19日

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