【感想・ネタバレ】宮沢賢治 水仙月の四日のレビュー

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Posted by ブクログ

ウィー東城店の「日陰コミックを日向に」フェアで手に取った一冊です。1番驚いたのは、挟み込みのしおり。猫しか出てこないオール新作読切コミック雑誌「ねこぱんち」というものがあるそうです。そこで掲載された作品の短編集。

「原案・宮沢賢治」とある通り、多くは原作通りではなくて、少しずつ改変しながら宮沢賢治「水仙月の四日」「猫」「どんぐりと山猫」を描いています。最終編の「猫の事務所」のみは原作に忠実に描いていますが、どうやらこれが柿生さん宮沢賢治デビューらしく、それ以降は「自分の色を出して」と編集者にアドバイスされて、と描いてきたものらしい。

だから、賢治の持つ豊穣な自然観やリズムは少ないけど、「あゝいいな、こんなふうにやさしく受け止めてくれたらいいな」と賢治さんなら感想を漏らすじゃないかと思う様な作風でした。

ちなみに「猫の事務所」で展開されるイジメ問題についての私の解釈は、青空文庫版のマイレビューに載せています。もう現代の教室のカースト制を観てきた様に賢治さんはジメジメしたイジメを描き、それを最後は斜め上からの解決で終わらせて、「(この解決方法に)私は半分同意します」と結んでいるのですが、3年ぶりに読み返して私の意見は未だ変わっていないことを再確認しました。

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2023年06月13日

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