【感想・ネタバレ】風を彩る怪物のレビュー

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Posted by ブクログ

大好きな作家さんの安定した面白さ!
フルート奏者として悩む主人公の少女と、出会う人たちが抱えるそれぞれの事情や葛藤が丁寧に描写され、映画を見ているような気持ちになりました。
夢が叶いそうにない時、誰でも理由をつけて他の道を選びたくなるものですが、この本を読んでいると頑張りたいと思えます。

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2024年02月28日

Posted by ブクログ

音楽を題材にした小説は多々あるが、本作はその中でもオルガンに焦点が当てられている。
オルガンの仕組みだけでも「こうなっているのか」「そうなんだ」と思える記述が続き、取材や膨大な量の資料と格闘した事を伺わせる。
本作で何よりも胸を打たれるのは音楽に、楽器に真摯に向き合う人々の情熱である。様々な種類のある音楽だが、人を夢中にし、熱狂させる「魔物」のようなものが潜んでいるのではないか。そんな風に思わせる。もちろん音楽にそこまで興味がない読者でも十二分に楽しめる内容となっている。圧巻だった。面白い。

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2023年09月19日

Posted by ブクログ

何となく聞いていた地元のFMラジオからふと流れてきた書籍紹介で出会った作品。すぐに題名をメモして、手に取り読み始めた。題名からは想像できないパイプオルガン製作を中心とした、物語。よく下調べがされていて物語に引き込まれる。展開も小気味よく、意外性もありながら気持ちよく読み進められた。遅読の自分としては手に取ったときは、1ヶ月位かかるかと思っていたが、毎日読み進めて思いの外早く読み終えてしまった。読みたりなさも感じず、過剰さもなくちょうどよい分量で、読み終わりも充足感を感じることのできる作品でした。

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2023年07月13日

Posted by ブクログ

いやー、おもしろい。
尻上がりにおもしろかった。

序盤は知識不足から手が止まってしまうことも。
でも第一章の結末から第二章
ページを捲る手が止まらなかった。

音楽って素晴らしい!
自分に無いものを素直に心から尊敬して
手を取り合えることも素晴らしい!

パイプオルガンの音を聞く機会が、今までの私の人生の中にはなかったけれど
チャンスがあればぜひとも聞きたい。

コンサートに行きたくなったし
森の中も歩きたくなった。
海沿いの防風林の中を散歩するのが大好きな私。
風の音、波音、鳥の声、自分の足音。
いろんな音が混ざって、でも不快ではなくて。
寧ろすべてが溶け合って、心地よい癒される音なのだからだなと
この本を読んで再確認した。

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2023年04月06日

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まるで自分がその世界に入り込んだかのように、音も、情景もありありと伝わってきてとても楽しかったです。作者が描いた陽菜と明子の物語を自分が追体験しているようでした。

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2023年01月25日

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蜜蜂と遠雷+鋼の森のような雰囲気の話でした。クラシックはほとんど聴かないけど、オルガンやフルートの演奏風景が眼の前に浮かんできて爽やかな気持になりました。

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2022年11月18日

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私が本当にしたいことは何だろうと考えさせられた。
バレエを教えたいのか、お金持ちになりたいのか、一目を置かれたいのか…
まだまだ答えは出ない。
ワクワクする方へ。
心が躍る方へ。

どっちだったっけ…

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2022年11月06日

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凄い良い作品に出会えました。
演奏者の心理描写や音や自然の表現…素敵でした。
登場人物の成長や、ひとつの事をやり遂げることの素晴らしさ。
タイトルからさ想像がつかない、とても優しい作品です。

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2022年09月29日

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いやぁ…なんと言いますか。すっかりのめり込んでしまいました…

映像として目の前に広がっていく感覚。
本を読んでるはずなのに映画を観ているよう。

セリフが聞こえ、音楽が聴こえてくる。
奥瀬見の自然が迫ってくる。

その中での人間の物語。

私の今年のベストワンかな。

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2022年08月31日

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パイプオルガンは、確かに楽器の『怪物”かも。その製作者をビルダーと言うのも納得。多彩な音の表現に引き込まれ、荘厳な気持ちに。「羊と鋼の森」「蜜蜂と遠雷」以来の音楽小説。賞レースに名乗り出ろにはタイトルにもうひと工夫ほしいところ。

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2022年07月14日

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どんな演奏なのか、何を感じるどんな音なのか…。
これらを文字で伝え記すのは本当に難しいことだと思います。はじめましての作者さんでしたが、音を表す言葉のチョイス・表現の仕方に響くものがあり、前半部分一気読みでした(*°∀°)=3

『闇の中に光を灯すようなフルートとは違い、オルガンは光の塊を放出しているようだった。神に捧げるはずの賛美歌が、神の言葉そのもののように重厚に響いていた。』
『拍子が変わり音楽は疾走する。オルガンを含めたあらゆる楽器が鳴り響きフィナーレに向かって突き進む。大音量のオケを丸ごと包み込むように〈怪物〉は歌った。』

サン=サーンスの「交響曲第3番・オルガンつき」がより魅力的に感じる1冊でした!

2024.5

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2024年05月12日

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大学時代に付き合ってた彼女がピアニストでショパン弾きながらフォークの伴奏もしてくれた。繊細な感性と手先の技術が自分の心を表現する手段だとわかっている人は強いね。欲を言えば完成するまでの数ページを読みたかった、よね。

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2024年03月01日

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ごく短くまとめれば、壁にぶつかってもがく主人公が、様々な出会いの果てに新たな価値観を手に入れて再出発する物語なんだけれど、その過程がとってもリアルで、心に響いた。作者が音楽をやっている人かどうかはわからないけれど、いかにも音楽をやっている人たちが感じそうな悩みばかりだった。自己中な芸術至上主義の人たちの迷惑ぶりや、技術を身につけても魅力的な個性を見つけられずに悩む姿など、もきっととても丁寧に関係者に取材したのではないかと感じられた。
音楽をやっていない人でも、何かにずっと打ち込んできて、限界にぶつかった経験のある人には、きっと感じるものがあるのではないかと思う。
でてくる人たちも、「いい人」「悪い人」ということのはっきりしない、グレーな感じが良かった。

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2023年06月03日

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★4.5
道を惑うフルート奏者の少女と、オルガンビルダーの少女の求道音楽物語。
どちらも音楽を創るという意味では同じだけれど、視点を変えた悩みや戸惑いが胸に迫る。
森の怪物の正体へ行き着くストーリーも必見。

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2022年12月18日

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パイプオルガンの記述が半端ない。あまり知らなかったパイプオルガンの魅力が間違いなく増した。
そしてソロ楽器としてフルートも知ることができた。
主人公は前半と後半でそれぞれ二人の若い女性。お互いが近づきすぎない距離感覚で物語が進む。そしてそれぞれの音楽に対する悩みや、楽器制作に関わる悩みが語られる。
大型のパイプオルガンを「怪物」と表現し、その手の込んだ構造や表現力を文字で伝えることは至難の技だったろうが、流れる音が想像できた。
最後に小さな謎が解決されていくが、それが自然の中で起こる怪物的な音。
構成にしても表現力にしても一級でした。

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2022年08月27日

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陽菜はフルートで音大受験したが失敗してしまった。田舎でカフェをやる姉のもとでしばらく暮らすことにした。するとオルガンを作る工房の人に誘われ、バイプオルガン作りに協力することになった・・・

すごく面白かった。全く知らなかったパイプオルガンの世界の深いこと。楽器とか音楽に畏怖の念を覚える。

そして挫折した陽菜や、オルガン作りに没頭する朋子の人生の物語もすごく読ませる。

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2022年08月21日

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ネタバレ

コンテストで力の限界を感じたフルート奏者陽菜、姉のいる奥瀬見でオルガン製作者芦原と出会う。その娘の朋子もオルガンビルダーを目指し、陽菜と反発しながらすこじずつ歩み寄りお互いに成長していく。
フルート奏者としての新たなる出発とパイプオルガンの完成にむかって進む物語。森の樹々を渡る風の音が聞こえ、バッハやサン=サーンスの響く読み応えのある1冊でした。

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2022年08月18日

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陽菜と朋子、2人の心の叫びと紡ぎ出されていく絆とが、そのまま物語を彩る音色となって、読み終えたあともその余韻が心地良いです。

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2022年08月10日

Posted by ブクログ

オルガンとフルート、音楽に真剣に向き合う人の物語。
確かにオルガンや木管楽器の響きは、森の響きと似ているのかも。
バッハを脳内再生しながら、心地よく読みすすめた。

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2022年08月08日

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タイトルだけではまったく想像もつかないが、素晴らしい音楽小説だった。
フルート奏者の陽菜は、あることをきっかけに演奏することができなくなり、音大の受験にも失敗してしまう。失意の陽菜は、奥瀬見でカフェを営む姉からの誘いに乗りその地を訪れる。そこでオルガンを製作中の芦原と知り合い、協力することになる。
前半は陽菜の、後半は芦原の娘でオルガン製作者の朋子の視点で紡がれる。オルガンという特殊な楽器の構造や歴史、演奏法など、初めて知ることが多くて興味深く読んだ。2人の主人公の成長譚としても読み応えがあった。
いろんな楽曲が登場するが、オルガン=バッハとならない点も高評価。大好きだったサン=サーンスの交響曲第3番(オルガン付き)を久し振りに聴きたくなった。

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2022年07月31日

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怪物すなわちパイプオルガン。
なんかわかる。
あの圧倒的な存在感。
人間が作るんだけど、
そこから出る音色は人間を超える。

それに対する楽器が
フルートというのも面白い。

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2022年07月12日

Posted by ブクログ

「私たち、本当は何になりたいの?」
音大受験に失敗した名波陽菜は自信を取り戻すため、姉の住む自然豊かな奥瀬見にきていた。フルートの練習中に出会ったのは、オルガン制作者の芦原幹・朋子親子。同い年の朋子と〈パイプオルガン〉の音づくりを手伝うことに。だが、次第にオルガンに惹かれた陽菜はこのままフルートを続けるべきか迷ってしまう。中途半端な姿に朋子は苛立ちを募らせ、二人は衝突を繰り返す。そんな中、朋子に思いもよらぬ困難が押し寄せる! 絶望に打ちひしがれながら、オルガン制作を続けるか葛藤し、朋子は〈怪物〉を探しに森の中に入っていくが……。果たしてオルガンを完成させることはできるのか?

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2022年06月06日

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ネタバレ

フルートを続けようか迷う陽菜とオルガンビルダーの父を持ち、引き継いでいこうとする朋子のお話。全然ミステリーの話ではなかった。やっぱり青春ものが辛手なのかも。陽菜も朋子も甘いなーと思うところもあるし、すごいなーと思うし。でも若い二人だもんな。おじさん達の口の滑らせ方の方がひどいけど、これぐらいストレートに言った方がいちいち裏読みせずにすんでいいのかも。パイプオルガンって言わなくても、オルガンと言えばパイプオルガンのことなのか。初めて聞いた時は感動したし、やっぱりマモーミモーの曲を学校で聞いた時に盛り上がったのはよく覚えている。またオルガンの演奏を聴きたいわ。

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2024年01月14日

Posted by ブクログ

メインの楽器はパイプオルガン
なので、私の大好きなバッハのことが多く出てくるし、パイプオルガンについて知らないことも多かったので学ぶこともできます

改めて、音楽の小説って凄いです
音楽は聴くものだし
小説は読むものです
それが合わさると、読んでいるのに聴こえてくるのです

音楽の小説を読むのが止められない理由は、これです

パイプオルガンの世界を覗くにはよい本です

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2023年12月17日

Posted by ブクログ

読みごたえのある一冊でした。
パイプオルガンという、あまり描かれない舞台のお話だと思うので、とても新鮮であり、作者の題材に対するセンスの良さを感じました。
随所にオルガンと「風」を例える場面があり、表現が秀逸だなぁと。
ただ聴くだけ、見るだけだった楽器が、その裏側を覗いてみたくなるような、触れてみたくなるような、そんな気持ちになった一冊でした。

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2023年05月31日

Posted by ブクログ

うーん、オルガンにはとても興味が湧き、音や作成途中など面白いのだけど、物語全体としては好みではなかった。

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2023年05月01日

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