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Posted by ブクログ
一気に読んでしまった。
両親の離婚で幼い頃に離ればなれになった姉妹が、ひょんなことからメールでやり取りをするところから始まる物語。
自分は一人っ子なので、想像するしかないのだが、母と叔母のやり取りなどを見ていて、こんなものかな?と思うことはある。
それにしても俺はこの先、ひとりで両親を看取ることができるのか?最後まで面倒を見ることができるのか?甚だ疑問だ。兄弟がいてくれればな、と思わないではないが、いないものは仕方がない。
最善を尽くすしかないですね。
なんにせよ、非常に読後感はいい。さらりと読める良書。
Posted by ブクログ
メールのやり取りのみ、という珍しいスタイルにまずは驚きました。メールなので区切りやすくて、まとまった時間が取れなくても読み進めやすくて良かったです。次に本を開くときまで、相手の返信を待つような、そんな気分で過ごす事が出来るのも何だかワクワクしました。
本の中で印象に残っているのは、母の携帯に残された宛先のないショートメールに対する千愛さんの「母さんの伝言はこの世に対するお礼で、感謝で祈り……、私にはそう思えます」という言葉。
良いことも悪いことも、さまざまなことが巡る人生を全て受け入れて、しなやかに生きていく千愛さんの感性に心打たれました。
Posted by ブクログ
非常に読みやすい本でした!
全てがメールのやりとりで口語的、だからか、
人が話してるのを横で聞いているかのような
サラサラ感。
大きな展開はなくとも、
一つの家族の形を知ることができました。
たらればって本当に尽きない、
けど、それを前向きに捉えることのできる
発想の転換や気持ちの共有の大切さ、が
随所で表現されていました。
Posted by ブクログ
百花の職場に両親の離婚で離れ離れだった妹の千愛から一通の手紙が届く。
そこから始まる二人のメールのやり取りだけで物語が進んでゆく。
メールというと若者の(確かに二人は若いが)軽いやり取りを思い浮かべるが、そんなことはなく、二人の語る言葉に感情移入して読み進めた。
病に倒れた母の介護から始まり、母の姉、多情な浮気症な(?)父、千愛の夫の武弘、、、人はときに空回りをしながらも繋がって生きているのだと思う。
一人になりたい、自由になりたいと思うこともあるが、それは孤独になりたいのではない。離れていてもお互いを思う気持ちで繋がっている、そんな関係もあるのだなと。
上手くかけないが、穏やかで静謐な月の光に照らされた様な家族の物語。
Posted by ブクログ
TV番組の最後に流れる制作スタッフの名前の中に「渡辺百花」という名前を見つけ、姉かも知れないと手紙を送った千愛。
幼い頃に両親が離婚し、姉の百花は父と妹の千愛は母と暮らしてきた。
この手紙を出すまでは、一切会うこともなく年月は流れていた。
これは姉妹がメールで紡ぐ、家族の物語である。
メールだけなのに今の状況が目に浮かぶほどリアルに書かれてある。
最初は、近況報告だったのがそのうちに母の癌がわかり、それについての苦悩を知らせるうちに次第に胸の内までありのままに知らせるようになる。
そして、お互いが知らなかった父のこと、母のこと、
2人の出会いなどを知る。
姉妹の悩みもお互いに隠すことなく打ち明けて、離れていた年月が気にならなくなるほど。
この姉妹は、父に母にそれぞれ愛されて育てられたんだと思う。
そして、両親は決して離れて暮らしていた子どものことも忘れていたわけではないと…。
夫婦では上手くいかなかったけれど決して憎むべき相手ではなく、信頼してたからこそお互いの子どものことを想っていたのだろうと感じられた。
優しくて静かな家族の物語であった。
Posted by ブクログ
幼い頃に両親の離婚により、別離を余儀なくされた姉・百花と妹・千愛の間に復活した手紙・メールのやりとりと出会い。父母を交えた30数年ぶりの4人での家族の出会いの場と、今度は病気での永遠の別れ。姉妹のメールに込められた愛情、求める気持ち、そして父母の過去の振り返りが胸にキュンとする。千愛の家族の危機も加わって重層的に話が展開していくところがまた、素晴らしかった。
Posted by ブクログ
全編メールで紡がれた家族の物語。
両親の離婚で離ればなれになった姉妹。
姉の百花は父の元へ、妹の千愛は母に引き取られる。
テレビ番組の最後に流れるエンドロールに姉の名前を見つけた事がきっかけで、二人のメール交換が始まった。
30年という時を経たから話せる事がある。
自分自身の事や両親の離婚の事。
面と向かっては言いにくい事や聞けない事。
メールだから素直に心の内を曝け出す二人。
母の闘病で姉妹と父親の距離が再び近づいていく過程に家族の絆を感じる。
メールの文章だけで綴られていても喜怒哀楽の表情までが浮かんで来る作品だった。