【感想・ネタバレ】月の王のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

冒険活劇である。それもコテコテの昭和の……。

舞台は太平洋戦争直前の上海。
このところ現代作家が多くこの時代を描いていることから、背景にある世相はある程度知られているだろう。

明治維新からの急激な文明促進による混沌のなか、熱病にうなされた日本
清朝末期からの他国侵掠による威厳崩壊のなか、行く先を見失った中国
その中で繰り広げられる不思議な“ファンタジー小説”。

作者は、多彩なテクニックを駆使して、描くことを楽しんでいるよう。
アクションの様子は、さながら“動”を“文字”でドローイングする、画家。
血肉飛び散る様子であるにもかかわらず、どこかコミカルでもあり、ワクワクする。

かつての作家平井和正〈ウルフガイ〉シリーズのオマージュというが、『少年と犬』や『不夜城』といった幅広い作風の作者だけに、そんなことどうでもいいほどストレートに楽しめた。

0
2024年02月25日

Posted by ブクログ

面白かった。馳星周の作品としては新境地だと思う。読み始めるまではこんな冒険活劇だとは思わなかった。分厚い一冊をすぐに読み切った。

0
2022年10月28日

Posted by ブクログ

小説ならではの世界観。舞台は中国上海。月の王・大神は狼に、火の王・杜龍は龍に姿を変えての最終決戦。壮大で壮絶な闘いに釘付け。人間そのものが武器になる伊那が打った注射の成分が気になった。

0
2022年05月24日

Posted by ブクログ

色んな要素が絡み合った疾走バイオレンスアクション純愛小説とでもいおうか。第二次世界大戦前夜の魔都上海を舞台にした華族令嬢争奪戦を、人知を超えた太古の昔から不死身として生きる月の王たる大神(狼)明が縦横無尽に暴れ回る痛快さでもって描く。そこに前世で雪と約束した純愛という横糸を入れることで作品の深みも出ている。ノワール感たっぷりのラブ・バイオレンスに寝るのが惜しくなる一気読み必至の極上エンタメ小説。

0
2022年05月01日

Posted by ブクログ

やっぱりウルフガイ、だよね(読んだころないから詳しい内容は知らないけど)。最初に大神という苗字だけ出てきてもなにも思わなかったけど、明という名前に「あれあれあれ~」って (^^) 正体知ったらなおさらでしょ。鸕野讃良なんてでてきちゃうと、以前の不比等を扱った小説あたりからふくらんだのかな、と思ったり。最初本書を手にしたときはあまりの厚さに読み切るのにどのぐらいかかるだろうと危惧したけれど、読みだしたらあっという間に読み終わってた。そういうところはさすがだな、と。

0
2023年06月25日

Posted by ブクログ

タイトルから直木賞動物モノかと思いきや、馳さん本来に近いハードボイルド。ただ、異能、伝奇的要素もたっぷりで、途中、これは今野作品か?と錯覚。ドロドロした面もなく、痛快エンタメ作品として楽しめた。

0
2022年08月28日

Posted by ブクログ

時は世界大戦前で上海を舞台に繰り広げられる、スパイ&ハードボイルド&SFテイストな面白い内容でいっき読み。

皇族の血を引く令嬢一条綾子が留学先のフランスからフランス人の男性とフランス特務機関員名簿を持ち出し駆け落ちして船で上海に向う、日本の上海特殊機関(木之内機関)の伊那と皇室閣下護衛で日本から派遣された犬神等が、中国国民党の蒋介石から命を受けた杜龍率いる特殊機関藍衣社他の各国機関でこの名簿と令嬢の身柄を争奪するストーリー。杜龍は人間離れした身体能力の持主で部下に四天王と呼ばれる手馴れの部下と共に相反するこれ又、特殊能力を有する犬神&木之内機関と戦闘を繰り返す。その過程で徐々に犬神と杜龍の能力の正体が判明し、杜龍は古の火の王である龍の化身、犬神は、奈良の持統天皇時代から皇室と契りを結んだ月の王である狼の化身で共に不死の命を持ち上海で相対する。犬神は長年生きる過程で雪と言う皇室の血を引く女性と恋に落ちた過去を持ちこの上海の地で偶然、輪廻転生での生まれ変わりの中国人李麗雪と出会うが、麗雪は過去の転生前の記憶は無い。最後は、犬神vs杜龍で犬神が勝ちドイツと日本で開発された薬で強靭化された中国701部隊も撃破して令嬢一条綾子、麗雪共々日本に帰還する。杜龍は、犬神との戦い傷が癒え四天王生残り朱雀と共に強靭化薬の抹消を胸にドイツへ向う。

0
2022年07月27日

Posted by ブクログ

読み応えのあるダークネスファンタジー。作者お得意の欺瞞や裏切り、呪詛といったものがないストレートな作品。大神が皇室に対して上から目線でいるのがミソかな。戦時下の魔都上海で華族の娘を巡って各国の特務機関が暗躍する中で、大神と杜龍を筆頭とした藍衣社との戦いが主軸なのだが、それ以外にも大神と愛する女性とのストーリーなど色々と興味深く読めるモノに仕上がっている。伊那は良い奴だったのにな。人間の際限のない欲望は恐ろしい。

0
2022年07月09日

Posted by ブクログ

平井和正ウルフガイシリーズを思い出した。懐かしい。作者さんらしくバイオレンス調に仕上がっているのでそれはそれとして本作よりそっちが関心ごとに。大好きだったなあ。幻魔大戦、高斎正のカー小説、栗本薫のグインサーガ…、大藪春彦の汚れた英雄、アスファルトのタイガーをはじめとするハードボイルド。青春だった…。

0
2022年07月03日

Posted by ブクログ

斉藤洋の『白狐魔記』の現代版という印象。主人公の大神が魅力的でぐいぐい惹き込まれた。エンターテイメント性が高いので映像でも見てみたい。

0
2022年05月14日

Posted by ブクログ

娯楽性の高い一冊だった。最初から最後までアクションの連続息もつかせぬ展開で一気読みだ。中国語のルビも正確だ。アドレナリンの出っ放しで少々疲れた!楽しく読み終えた。

0
2022年04月30日

Posted by ブクログ

新聞広告を見た瞬間に心を持っていかれた。このタイトル、この表紙、そして主人公の名前が大神明!(←犬神明ではないぞ) わかる人にはわかる、わからない人にはなんのことやらだろうが。
ようやく手にした本書は予想よりも分厚く454ページもあった。だが読み始めてすぐ物語の世界に入り込み、一気に読み切ってしまった。
第二次世界大戦直前の上海を舞台に、華族令嬢の身柄を巡って各国の諜報機関が暗躍する。そこに送り込まれたのが天皇の護衛・大神明!
唯一不満なのは、すっきりした形で終わっていないこと。続編を熱望する。

0
2022年04月24日

Posted by ブクログ

装丁を見て馳星周さんの動物ものかと思って読み始めたらハードボイルドもの?だった。そちらは久しぶりに読んだ。人間離れした大神が本当に違ったので若干興醒めしたけれど止まらず面白かった。

0
2022年09月19日

「小説」ランキング