【感想・ネタバレ】払暁 下、男装魔術師と竜の同胞のレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ハルカの性別を知ったグラハムの掌返しと、ハルカを陥れようとした宮廷魔術師サモラの顛末が意外だった下巻。
前者はある意味ざまあなんですが、後者は本当に意外だった。
後半のラスボスになるのかと思いきや、策士策に溺れて、ハルカがどうにかする前に権威を自ら落としたし。
まあハルカ自身が、それ以上に立ち向かわなければならないことが多すぎたので、正直サモラに構っている余裕はなかったと思うが。

自分をこの異世界に呼び出した師匠の罪。
そして、同じく師匠に呼び出された者同士としての対決。
サモラを裏でサポートしていた「黒幕」の存在。
そして、性別を偽り、異世界から来たことを隠していたハルカと、そんな彼女の身の上を結局何も知らないままでいたリカルドの主従関係の結末は。
上巻では、ハルカの細い肩に乗ったあまりにも大きく重い責務に読んでいるこちらが押しつぶされそうで、光溢れる未来を全く予想できなかったが、まさかこんな展開になろうとは。
予想を遥かに超えて、幸せな未来が訪れてくれて感極まった。
よくぞ、よくぞここまで辿り着いた!

無論、無傷で辿り着いた訳ではなく、ハルカは唯一自分と同じ立場でいた「怪物」を解放するために命懸けの闘いをし、その命を屠ったことを今後も引きずっていくだろう。
リカルドが自身に施した呪いは、今後も解けることはない。
それは、呪いを受けた者を廃人にする可能性のあるもの。
でも、きっと大丈夫、そう安心して思えるラストだった。
ハルカの弱さをちゃんと理解し「立ち上がらなくてもいい」と言ってくれたリカルド。
そして、リカルドの傷ついていた過去ごと抱きしめたいと思うハルカ、まさに運命の二人だから。

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2022年03月20日

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