【感想・ネタバレ】五つの季節に探偵はのレビュー

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ネタバレ

「星空の十六進数」に登場した女性探偵みどりが主人公の連作短編集。高校生時代から育児休暇明けまで、色々な年齢で活躍する5編を収録。

熱心なミステリーファンではない俺としては、謎解きとしては文句なく面白いし、人間の本性を知るためなら無理を承知で突き進む、みどりの安全装置壊れた行動描写も読み応えあり…。

私立探偵は依頼人の要望に応えて、しっかり調査しその結果を事実として依頼人に報告するのが仕事。そこに優しさや人間味としての手加減をするのは請負契約履行という見地からして無責任。

探偵小説をヒューマンドラマとして扱うなら行き止まりはそこにある。みどり…いや逸木裕はその行き止まりをどう突破するかを上手く読ませてくれている。

シリーズ化するのだろうか?であれば是非とも追いかけてみたいと思う。

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2023年03月28日

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探偵の父を持つ主人公の成長ストーリー。
最初は高校生だった主人公が探偵になり後輩を指導するまでになる姿は微笑ましい。
ミステリ部分についてもキチンとオチがあり情感的には切なさが残る話が多い。

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2023年01月20日

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表紙からは想像できなかった、なかなかに内容の濃い短編集でした。主人公で探偵でもあるみどりが、高校生から大人になる、その成長も楽しめました。特に大人になって、高校の頃とは違う、心境や心構えとか、そういった変化が感じられます。

推理内容もさることながら、みどり自身のアイデンティティが物語の軸かなと思いながら読んでいました。ここで終わった、というエンドももやもや感がありますが、それも含めて面白かったです。

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2022年04月01日

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普通のミステリーかと思いきや依頼者のほうも癖があり、物語が二転三転して面白かった!
鍵の話はその後犯人は捕まったのかドキドキした展開。
ピアニストの叙述トリックにはまんまと嵌められて悔しかった~。主人公の好奇心はまさに、深淵をのぞく時深淵もまたこちらをのぞいている でした。

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2023年12月07日

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秀逸である。連作短編集の形式を取っていて主人公が次第に探偵という職業に目覚めていく姿が描かれている。
ハードボイルド的なアプローチも面白いが、そこに本格推理の要素も加わって読む者を惹き付ける。それも殺人などといった大仰な事件でなく、日常の謎という趣でまた良い。

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2023年09月05日

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ネタバレ

日常の謎系はあまり得意ではないのだけれど、ここで出てくる謎は無理がなく、確かにあるかもという現実感があり、しかも謎解きの快感がちゃんとあるという、稀有な作品。しかもそれぞれの人物もしっかり描かれていて、主人公の女性探偵の成長も感じられるという、なかなかないですよ、そんなの。しかるべき賞をあげて欲しいくらい。

みなさんと同じく、僕も「解錠の音」が良かったけど、最初の作品からどれも好き。はずれのない短編集だった。

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2023年09月05日

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相談相手は私立探偵
世間は様々な悩み事で相談できる相手が必要な社会となりつつある。この書では「私立探偵」として人々の悩み、相談を解決していくが、ケースによっては依頼者が「被害妄想」から「偽装」させ、「優越感」を持つ様なものまであるのが現代だ。「独りよがり」で「自己満足」の目的で仲間でも犠牲にできる人間が現存し、増えていることが悲しい。それは現代社会の所為だろうか。

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2023年05月25日

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ネタバレ

5篇の連作短編集。全部面白かった。自身で〈常温の水道水〉という、何も夢中になることがなかった高2の榊原みどりが探偵業にはまり、探偵として生きる話。別の作品にも出てくるそうで読むのが楽しみ。すごい良くない結果になると分かっていても、真実を暴かずにはいられない、というエゴというかなんというか。そういう人が探偵をやるのはほんとは良くないのかもしれない。でも、人間の本性を見てみたいというのはよく分かる。最終話の兄の結婚相手なんか、こんな家族だと分かっても離婚しないで過ごすんだろうか。何か米澤穂信の文章と似てる気がした。淡々としてるけど読みやすい。初めて読む作家さんなのに、そんなに癖を感じなかった。この人の本はまた読んでみよう。

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2023年03月27日

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『人の心の奥底を覗き見たい。暴かずにはいられない』
主人公は、どこかサイコパスを思わせる榊原みどり。

「イミテーション・ガールズ」「龍の残り香」「解錠の音が」「スケーターズ・ワルツ」「ゴーストの雫」5話収録の連作短編集は、みどりの高二時代から子を持つ母になるまでを追った成長譚でもある。

5つの物語はどれも趣が異なっていて楽しめる。
探偵ものと言うよりは名推理で事件の真相に近づきながら、それぞれの人間ドラマを色濃く描いた作品。

予想して読み進めていけば思いがけない反転に驚かされる。

捻りが効いたビターなミステリ短編集。

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2023年02月18日

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他作品で登場する女探偵が如何なる軌跡を描いて現在に到達するかを時代を追って描かれている。

女探偵といえば、葉村晶。こちらはみどりさん。どちらもグリーンなイメージでいて、貪欲でタフで安全装置がどこかぶっ壊れている人物描写。どちらも好ましい。

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2022年12月01日

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高校生みどりは同級生から父親が私立探偵だからと無理矢理押しつけられた依頼をこなしていくうちに人の内面に隠された、心の奥に隠し持っているものを見たいという自分の中の性にきづき探偵の道を歩んでゆく。2002年春から2018年春までの16年間の五つの章からなる探偵みどりの成長譚。殺人事件はないけれど場合によっては依頼人を怒らせても自分の筋をとおしてゆく、あまり探偵ものでは見かけないタイプの物語。16年間のあいだにあった他のストーリーとかそれ以降の他の事件も見てみたい。

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2022年11月10日

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五つの季節に依頼された謎。
印象に残ったのは『龍の残り香』かな(*´艸`)
高校時代に初めて依頼された謎も好きでした。

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2022年09月28日

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父親が探偵のみどり。高校、大学、父親の会社に就職、そして探偵になり、課長になり。「人の本性を見たい」という欲求はいつまでも変わらないけど、だんだん大人の振る舞いにはなってるんだなーと。
「龍の残り香」と「解錠の音が」が良かった。

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2022年09月05日

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父が探偵であり、自身も学生時代から探偵の真似事を始めた榊原みどりを中心に起こる5つの出来事を描く短編集。章ごとにみどりが成長していくのも面白い。依頼人を傷付けることになると分かっていても、人間の奥底を暴かずにはいられないみどりを見て「紅蓮館の殺人」の葛城を思い出した。最後は希望の見える終わり方でよかった。

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2022年08月14日

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何事にも熱中することなく、淡々とした日々を送る榊原みどり。探偵を父に持つせいで同級生から半ば強要された依頼をきっかけに彼女が気付いたのは、「人間」を見ることの愉悦だった。やがて探偵業に身を投じることになる彼女が解き明かす事件の数々を描いた、ちょっとビターな連作ミステリです。
隠された人の本性を暴くこと。たぶんそれは、誰もが多少なりとも持っている下世話さと似ているのですが。そのことにより強く引き付けられ、いけないとわかっていても挑み続けるみどりの姿は危なっかしいながらもいっそ爽快でした。たしかに嫌われそうではあるのですが、きっぱりと清々しくぶれがないんですよね。知らない方がいいことは世の中に多いと思うけれど、それを見過ごさない彼女はまさしく「探偵」が天職としか思えません。
お気に入りは「解錠の音が」。なるほど、と納得させられる謎解きでした。しかしそれ以上にこのオチが……さすがというかなんというか。え、そんなことのために? なんてことをー!
みどりの行動にはいろいろな点ではらはらさせられましたが。「ゴーストの雫」ではなんだかほっとしました。探偵もやはり、いろんなタイプの人がいてほしいしね。

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2022年05月20日

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ミステリーとしてはあっさりしてるけど、人情物として楽しめた。
今度は短編じゃなくて長編も出して欲しい

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2022年05月07日

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真ん中3つがお気に入り。

真実を暴いてしまったが故のビターさがリアル。
重すぎないけど軽くもなく、人間の本質が描かれているようにも思う。

全部暴いて全部言ってしまう主人公結構好き。笑

お香やクラシックなどが詳しくなくても読みやすく、それでいてその世界へ憧れをもてるような綺麗な書かれかたで良き。

この人の作品をまた読みたい。

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2022年04月12日

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自身が気になったことは、周りにどう思われるかがストッパーにはならず、とことん解明する。
そんなところにヒヤヒヤしたり、自分が依頼した側だとしたらなんて事してくれるんだという気持ちにもなる。
しかし!鍵の話の結末では、この後どうなる!?と好奇心全開となってしまった。
どの話も全くトリックは見破れなかったどころか、全く違った予想をしていたりだったので、ほほ〜となるばかりだった。

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2024年01月08日

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〈指揮者〉の話をいちばん面白く感じました。『〜の香り』の2冊を立て続けに読んだからか、香道の話からは、自身の生活の中での「におい」について考えさせられました

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2023年10月21日

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連作短編集なので、読みやすかったです。
いわゆる日常ミステリですが、人間の本性に焦点が当てられているため、謎を解くことが、必ずしも人の幸せにつながらないこともあります。
それでも、人はそこから何かを学ぶんでしょうね。

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2023年08月13日

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派手な事件は起こらないけれども、みどりの欲求につい移入してしまい、真相を突きつける場面にドキドキしました。

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2022年12月18日

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本格探偵推理小説ですね。
「星空の16進数」の私立探偵みどりの五話の成長物語。
高校時代に初めて探偵の真似事を経験。
この頃から真相の究明に必要以上の好奇心に駆られることに気付く。
二話の大学時代にも友達から真相の究明を頼まれるのを切っ掛けに乗り出すが、解決が人を傷付ける事になっても、謎解きの解明に躍起に成ることに気付く。
殺人事件の話はありませんが、探偵に夢中になって危ない目にあったり、無茶な捜査にのめり込み性格が顔を出す。
探偵のジレンマをテーマにしているように思える作品です。
読みやすい作家さんなのですが、あまり後味が良くないかな。

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2022年10月16日

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連作短編5編
高校生の時に探偵に目覚めたみどりの、手掛ける調査と謎の解決、そしてみどりの成長を描いている。「解錠の音が」が良かった。

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2022年08月10日

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とある少女が探偵(役)として謎を「暴き立てる」お話。暴くのではなく暴き立てるが正しい印象。イヤミス・・・ではないのかな?とにかくそのあと周りや自分がどうなっても謎というか人の本性を暴き立てることだけに執着しているさまはそこはかとない不快感が。
そもそもそういう作りの話なのかと思ったんですけどね。探偵役が悪役になるような。でも途中からそうでもなくなっていってるような・・・とってつけたような最後の話のまとめもいまひとつでした。

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2022年07月22日

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勉強でも仕事でもやる気がある時は楽しい。もっとこうしてみよう、こうしたらいいかもと真摯に向き合って上手くいけばさらに。
この本の主人公にとって探偵業がまさにそれ。地道な努力も調査もその人間の本質が見えてくるまでやり遂げる。それが読んでいて楽しい。
現実は結果を提示するだけで済まない感じがいい。

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2022年07月16日

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ネタバレ

一人の探偵の人生をなぞる短編集。人を壊しかねない真実を暴いてしまう自分の性質が嫌だけどやめられないというジレンマが面白かった。探偵小説では探偵は称賛されるのに、彼女は批難される場面が多かったかな。
サクサク読めて面白かったけど、なにかがすごく抜きん出てたとは思わなかったので星3。

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2022年06月18日

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「わたしはね、〈人間〉を見るのが好きなんだよ」
他人が被った皮を剥いで、その奥にいる〈人間〉を探らずにおれない榊原みどり。

高校2年、初めて探偵業の昏い楽しさに目覚めた「イミテーション・ガールズ」
大学時代、人間の隠していたものを暴き、友を失った「龍の残り香」
父の経営する調査会社に就職後、危ない好奇心を抑えられない「解錠の音が」
語られる物語に叙述の罠を見抜いた「スケーターズ・ワルツ」
結婚し、子供も産んで、女性探偵課課長になって後継者を育てる「ゴーストの雫」

みどりの16年に亘る探偵としての足取りを描く5つの連作短編は、ただのコージーな謎解きにとどまらず、〈人間〉の昏く歪んだ部分を抉り出す。

みどり自身が持つ、人間の昏い部分への好奇心がなせる技で、全体を包む重苦しい印象はクセになりそう。
続編を読んでみたい気もするけど、時代の流れが早すぎるから、これはこれで完結なのかな〜

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2022年06月14日

Posted by ブクログ

スケーターズワルツが頭から離れない。探偵を始めるきっかけの話が一番嫌かも。調査会社としての探偵って、喜々として謎解きをするのと違って人の嫌なとこいっぱい見るんだろう。

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2022年05月02日

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ネタバレ

【収録作品】イミテーション・ガールズ/龍の残り香/解錠の音が/スケーターズ・ワルツ/ゴーストの雫

探偵の娘・榊原みどりが他人の隠している本性を知りたいという欲求に目覚め、探偵として生きていく連作。
「イミテーション・ガールズ」みどり、高2。同級生から「教師の弱みをにぎってほしい」と依頼され、不本意ながら行動するうちに、内なる欲求に気づく。
「龍の残り香」みどり、京大の2年生。友人の依頼で香道の先生を調べる。
「解錠の音が」みどり、卒業して父親の探偵事務所に勤める。元カノがストーカーになったという依頼。
「スケーターズ・ワルツ」軽井沢で休暇を楽しむみどり。偶然入ったドイツ料理の店で、ピアノを弾いていた土屋尚子と知り合う。話を聞いて推理する。
「ゴーストの雫」森田みどりとなり、産休明けで探偵にもどる。新人の須見要と組んで、エアドロップを使ったリベンジポルノの調査にあたる。

みどりの危うさが魅力でもあり、怖さでもあり。欲望に忠実だが、さて、出産したみどりは変わったのか。

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2022年04月30日

Posted by ブクログ

人の心を覗き見たい暴きたいという厄介な性質をもつみどりが、父と同じ探偵の道を歩んでいく。5話の連作短編集。「イミテーション・ガールズ」「龍の残り香」「解錠の音が」「スケーターズ・ワルツ」「ゴーストの雫」

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2022年04月02日

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