【感想・ネタバレ】麒麟児のレビュー

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激動の幕末を駆け抜けた二人の麒麟児、勝海舟と西郷隆盛。

史実をもとにしたフィクションだと明記されているけれど、まるで本物のように手に汗握り、心を動かされる見事な人間ドラマでした。

最後のどうにもならずに巻き込まれた男の詩を刻んだ石碑の前に立つシーンがとても良い。

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2022年10月16日

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ネタバレ

舞台は幕末の江戸大決戦の前夜から江戸の無血開城がなされるまで。幕末ものの物語が多い中、これだけ短い期間を描いている小説は他にないのではないだろうか。登場人物も勝海舟と西郷隆盛という2人の麒麟児を中心とするだけで、そこまで多くを登場させていない。が、それによって、この江戸無血開城という一連のストーリーにより深みを与えている気がした。また、所々で出てくる過去編も無血開城へ向けた交渉の流れを崩すことなく掘り下げられており、とっても面白かった。
勝海舟と西郷隆盛という敵同士ながら思考回路が共通している2人だからこそ、江戸の無血開城がなったのだ。ということを納得させられる小説になっている。
この2人や彼らを取り巻く人物のように現状を理解し問題とその解決策、そして、その次案と言った基本的な物事の解決策、であろう手順の思考をできる人が現代の今の日本にどれだけいるのだろうか。

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2022年05月16日

購入済み

 

面白かった。
幕末の歴史に疎いので、結構理解が追い付かないところあったけど、面白かったです。
勝がそもそもどういう人物かぐらいは調べておくべきでした。

#切ない #タメになる

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2022年09月28日

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勝海舟、西郷隆盛。
この2人がこの時代の日本にいてくれたおかげで、どれだけの命が救われたのか。
人間1人の思慮で、こうまで歴史が変わるものなのか。
なんとなく知っていた歴史の一部分を、まるでその時に居合わせたように感じられた。

様々な思惑が絡み合う中、広く世界を、日本を見た勝安房守。
生き方、考え方、知識、見解、さらに口調までもがとんでもなくかっこよく見えた。

現代の日本は、勝海舟が尽力した理想の形とは違っているかもしれない。
あの時の、新政府のように私利私欲にまみれた人たちが蔓延って、貧富の差が広がり、諸外国の侵入を簡単に許してしまうかもしれない。

けどそうであってはならない。
この時代に失われた、たくさんの命の上で今の日本がある。
自分がまず一歩、何かしなければ。
そんな勇気をもらえた一冊だった。

勝海舟が西郷隆盛を思う場面は、思わず涙が出た。
紛れもなく良書!

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2022年02月24日

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勝先生、江戸城の無血開城、西郷さんとの交渉などなど。今までに読んできた幕末や明治維新のお話に登場してはいたけれど、実際にはどんなものだったのかよく知っていなかった。
無理難題と思われる要求を携えて交渉に挑む勝先生と、それに相対する西郷さん。面白かった。読みやすくもありました。

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2022年01月04日

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江戸無血開城に至るまでの勝海舟・西郷隆盛の壮絶な交渉。最高に面白かったです。勝さんファンになります。

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2021年12月29日

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『天地明察』がとても面白かったので、冲方丁の他の歴史ものも読んでみようと手に取った一作。

幕末も幕末、江戸の無血開城直前における西郷と勝海舟の二人の、江戸での戦争を避けるための駆け引きが本筋。カバー画の荒々しい感じをよそに、血湧き肉躍るような戦いは一切出てこず、二人の心の動きや会話が繰り広げられる
それが退屈かというとまったくそんなことはない。勝は、なんとかして主君の徳川慶喜に少しでも有利な条件を勝ち取りたい。西郷も、新政府軍には強硬派もいるものの、本人としてはなんとかして平和に主権交代を成し遂げたい。
その主張をストレートには表に出せず、それでもそれぞれの目的を達成するために交渉が繰り広げられる様を、読み手をはらはらさせながら展開していくのはお見事。

このあたりは題材としては手垢がつきすぎているし、冲方丁の筆致も一部司馬遼太郎っぽい感じになったりするが(これはもうどうしようもないね)、それでも独自の視点で切り込んだとても面白い作品だったと思う。

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2024年02月12日

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周りの人間の理不尽さや利己的な振る舞いに、何度も何度も悪態をつきながらも、決して大義を忘れずにやるべきことを粘り強くやり続ける麒麟児たちの姿には、ただただ畏敬の念を感じる。その一方で、こうも報われない、理解されない状況で行動を辞めない姿には、「なぜそうまでできるのか」「なにが彼らをしてそうさせるのか」と、素直にはてなの気持ちが湧いてくる。そういう点も含め、常人には理解できない麒麟児なんだろうか。

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2023年09月24日

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他の幕末関係の本を読んで勝海舟が好きになったが、この本を読んでさらに好きになった。

戦いというのは闘争だけを指すのではなく、目的を達成するあらゆる手段をいうのだなと思った。

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2023年02月01日

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勝海舟と西郷隆盛にスポットを当てた冲方丁の歴史小説。冲方丁が好む主題としては「継承」があるが、本作では二つの継承が掲げられている。一つは江戸という大都市の継承、ひいては日本という国の継承である。

現代の日本を語る上で、江戸城の無血開城は一つの大きなターニングポイントと言えるだろう。仮に首都を巻き込んだ市街戦を行った場合のダメージは筆舌に尽くしがたい。その結末は理解した上で、ヒリヒリとした交渉劇を描く筆力は流石である。

もう一つの継承は西郷隆盛の記憶を継承することであろう。西南戦争で散った西郷であるが、軍歌『抜刀隊』で「古今無雙の英雄」と評される、紛うことなき英雄である。朝敵となって尚ここまでの人気を誇るのは西郷だけではないだろうか。

その人気の下地こそが西郷の「記憶」であろう。西郷隆盛という傑物の記憶が継承されなくなった時こそ、彼が単なる朝敵となるわけで、だからこそ勝は現代よりも強い危機感で西郷の足跡を残そうとしたのだな、ということが分かるラストになっている。

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2022年02月28日

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時代の寵児、西郷隆盛と勝海舟。
幕府と新政府。
戦争か和平。
焼け野原か無血開城。

二人の天才たちによる尋常ならざる駆け引きをうまく描いたとても良い歴史小説だと思います!


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2022年01月28日

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幕末物の小説は数多くあるが、本書は勝海舟と西郷隆盛の江戸城無血開城にいたるところに焦点を当てていて新鮮だった。
斬り合いのシーンはないが、二人が直交渉する駆け引きは緊張感があり、ゾクゾクしたし面白かった。交渉シーンの後も物語は続いて、その辺りは冗長な感じもしたが、私利私欲に走らない二人の麒麟児の姿は強く印象に残った。

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2022年01月01日

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勝海舟と西郷隆盛。江戸城の無血開城を成し遂げた2人の関係以上のことを知ることが出来て良かったです。もちろん、一部、フィクションの様な話もありますが、私利私欲に走る新政府の人たちや、利権を守ろうとする佐幕の人たちの暗躍。そしてより公正や大局観に持っていこうとする二人の正義のぶつかりあいも良かったです。今の政治や政策も、こうであってほしいと思うばかり。
たかが理想。されど理想。
大河ドラマで良い印象のあった徳川慶喜ですが、こちらは暗愚な印象が拭えません。

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2021年12月28日

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江戸が東京になったのは最近なんだなと、歴史を辿ってくると実感。こないだまで平安鎌倉読んでたからなぁ。室町桃山あたりも探してみるかー。歴史苦手でも読める。

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2024年04月05日

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混乱する時代、過激な行動や集団暴発を防ぐために自身に矛盾やジレンマを抱えつつ最善の行動を選択する。そういった生き方を勝海舟と西郷隆盛の2人の交渉の中で描いた作品。

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2023年04月05日

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冲方さんの筆の運びは、やっぱり上手。ぐいぐいと引き込む手腕はさすが。でも、歴史ものに興味の無い僕には、ちょっと分けわからない(涙)
大きな時代の流れを作る努力した人達より、その流れの中でもがく庶民の話は好きなんだけど・・

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2023年03月20日

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勝さんおつかれさま。
西郷さん不憫;;
立場が変われば正義も変わるといえど
前クール大河の慶喜との違いよ・・

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2022年12月29日

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勝海舟と西郷隆盛は、列強諸国に付け込まれないように気を配りながら、何とか日本の位相を転換させるために、フル回転の人生を送ったのだとは思う。小説としては、勝の視点で押し通しているが、西郷があまり印象に残らない。

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2022年04月18日

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ネタバレ

勝海舟を主人公に江戸城無血開城を成し遂げた彼と西郷との会談に焦点を当て、その後の成り行きを描いた歴史小説。
うん、えっと有名なエピソードであり、その困難さと偉業はよくわかるのだけど、小説としてここだけを取り出すのは、ちょっと難しかったなあと思った。
なんと言うか、幕末のそれまでの色んなことがあって初めてその場の困難さと、それ故の感動が起こるのだと思うのだよね。
それを端折ってしまうのは、さすがに無理がある。
それこそ長い長い物語の果ての感動が欲しい所だ。
とは言え、江戸無血開城後の細々した出来事にはあまり知らなかったこともあり、興味を持って読み進められた。
まあ、作者には一度幕末を腰を据えて描いてほしいと思う。

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2022年04月13日

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勝海舟による江戸城無血開城がメインでの明治維新の交渉録。全体に進行がゆったりで、盛り上がりには欠けると思う。交渉相手は西郷どんです。全体に散漫な印象、と長ーい。冲方丁さん作品の中では、あまり好みではなかったです。

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2022年01月23日

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