【感想・ネタバレ】挑戦する脳のレビュー

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Posted by ブクログ

居心地がよく、安定したつまらない仕事をしている中で感じていた
「何か違う、このままでは腐っていきそう」
という気持ちは「挑戦していない」という状況に自分の脳が危険信号を出していたのだと思った。

人間とは挑戦し続けることが存在理由である。

いま日本の産業が衰退していく一つの理由として
日本人が偶有性という不確実な状況の中に飛び込まないことがあげられる。
加えてインターネットの登場で既存の組織や肩書、今まで成功と考えられていたことの価値が薄まってきたことにより、日本人の「挑戦しない」ということが他の国とくらべて如実に出てきているのだ。

今までの価値観が崩れていくのがこれからの時代。
そういった時代で生きていくには、自分が満足する人生を送るには、偶有性の海に自らを投じて、色々な人と出会い、良いも悪いも経験を積み、前に進まなければならない。

今、抱いていたモヤモヤが書いてあった一冊。

ワード:リヴァイアサン、偶有性、ウィキリークス、根拠のない自信、安全基地、オルタナティブな人(否定だけでなく体現する人)

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2013年12月05日

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知識や経験を積んで、既成概念に固められている自分に刺激を与えてくれる一冊。
「挑戦する」ことは、非日常ではなく、日常の中に忍び込んでいる。
「挑戦する」ことが生きることだ。

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2013年03月09日

Posted by ブクログ

脳科学者茂木先生の著書。震災まえから今にいたるまで、茂木先生をTwitterでフォローしていたので、今の日本の旧態依然とした体制及びそれで事足れりとしている日本人への忸怩たる思いを感じていたが、そこに警鐘を鳴らし、具体的な各自の思考や行動に対するアドバイスのような、そんな一冊。激励の書です。脳科学者なのに大上段に構えることなく、読書と同じ目線です、テクニカルタームも殆ど使われていないので解りやすい。というのは、茂木先生の他の著作も同様ですが。

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2012年12月01日

Posted by ブクログ

茂木健一郎さんの考えや発言には共鳴することが多い。今回の「挑戦する脳」もTwitter上で知り、多くの方の高い評価を見て興味を持ち、読ませてもらったのだが、想像以上に得るものがあった。これほど読後の心と脳が心地よかったのは久方ぶりだった。
全編にわたって名著だと思うのだけれど、私が特に共感したのは、「9 脳は転んでもただでは起きない」の中の「安全基地」「根拠のない自信」と、「12 アンチからオルタナティブへ」。
■子どもの頃に十分な「安全基地」が与えられた人は、成長して大人になっても、やはり高いレベルの「安全基地」を自分の中に持つことができる。/ 自分の中に高いレベルの「安全基地」を構築できている人は「根拠のない自信」を持つことができる / 経済がグローバル化し、さまざまな偶有性が増す中で、「根拠のない自信」を持って不確実性に向き合う必要性は増大している
■「アンチ」とは、自分が気に入らないものに対して正面から向き合うこと。その短所を言い募るあまり、かえってとらわれてしまう。下手をすれば反対している対象に対して「おんぶにだっこ」/ 「オルタナティブ」は不満のある現状から飛び出し、具体的なある生き方を示すこと。一つの「創造」の行為。/ 私は、一つの「オルタナティブ」を示せているか。「もう一つの生き方」を実践しているか。社会を革命するなどおこがましい。まずは自分一人の生き方の「革命」を。
子どもを持つ一人の親として、新しい世界に常にチャレンジしたいと思い、日々挑戦を続ける一人の人間として、常に心に留めておきたい言葉が散りばめられている。

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2012年09月23日

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自分の考えの再確認のつもりで読んだのだが、かなりの収穫があった。茂木さんのツイートでよく出てくる「リヴァイアサン」という概念についても頭の中でスッキリ整理できた!
サヴァン症候群の人や、アインシュタイン、『リトル・ブリテン』の演者などなど、さまざまな人物についてのエピソードが面白い。
現代社会に生きる僕らにとって、大きな意味のある一冊。
いろんなことを考えるきっかけになるのでぜひとも読んでいただきたい。

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2012年09月11日

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よかった。
脳がどのように「挑戦」していくのか、そのことを論理的に示していて、納得感と説得感があったように感じる。

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2024年02月25日

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脳が本来的に持っている挑戦する、という性質の重要性と、その挑戦する能力を必ずしも後押ししない日本社会の問題が理解できた。
「自由」「新しい風景」の中に身を置き続けることで、生命自体が更新される。心掛けたい。

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2023年12月11日

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ネタバレ

記録的な巨大台風が日本列島を襲う最中この本を読み、少し前に出版された本ではあるが今ここに生きた思想であることを感じた。
個々人の人生のみならず社会は予測できない物事で混とんとしている。過去もそうであったのかもしれないけれど今の時代は地球規模での出来事に社会も個人も巻き込まれている。「待ったなしの暴風雨のような状況に、私たちは置かれてしまっている」。同じ文脈にとどまっていては対処しきれない。新しい文脈に自らを置き、直面する課題や苦境を自らの必然と受け止め、そこから新たな対処法を創造し続けなければならない。これが「挑戦する」ことであり、有限で不完全な生を備える私たちは、この「挑戦する」という行為をもって自らの脳のメカニズムを最大限に活かし、声明を輝かせることができる。
本書の中では「自由」についても問うている。脳科学からいうと、私たちのいう「自由意志」はほぼ幻想。しかし認識上、自由という感覚が自分自身の主体性を保持することに欠かせない。
文脈の外に出ることがまだまだ抑えられがちな日本社会で、そこにはびこるマインドセットの変革を求める一冊。

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2019年10月13日

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日本の不調の理由は「偶有性忌避症候群」にある、という箇所が印象的でした。ルールやコンプライアンスにがんじがらめにされ、誰もが同じスーツで新卒一括採用される日本。
本来何事にも挑戦できるはずの脳の可能性がどんどん狭められています。このマインドセットを根底から変えない限り日本の再生はない、とこの本は警鐘を鳴らしています。
不確実さが増す世の中、偶有性(「何が起こるかわからないという状況」とのこと)に対処できるようにすることが、いわゆるグローバル社会や、多様な人との共存社会、そしていつ来るかわからない自然災害を生き抜く上でのキーとなります。私達はもっと挑戦しなければならない、日本をもっと挑戦できる社会にしていかなければならないと強く感じさせる一冊です。

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2019年09月14日

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脳科学者茂木健一郎の、コラムをまとめた本。コラムとはいえ、一本の筋の通った話しで成り立っており、脳自体が、自由を求めていること、それ故に挑戦していくべきなのだということ、最後の方には自己を鼓舞し、さらに我々日本人に対しても警鐘を唱え、檄を飛ばしている。

本を読むこと自体が(他の人はともかく)私にとっては未知への挑戦であり、ミクロ的には挑戦しているのかもしれない。

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2019年06月01日

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脳科学者・茂木健一郎が、集英社の読書情報誌「青春と読書」に2010~2011年に連載したエッセイ20篇をまとめたものである。
茂木氏は、日本の社会及び日本人の間に閉塞感が高まっている中で(後半の数篇は東日本大震災後に書かれた)、「私は、ぜひ、人間の脳の持っている「挑戦」の素晴らしい能力について、書いてみたいと思っていた。脳が、いかに、逆境に立ち向かうことから「創造性」を引き出すか、その神髄を書いてみたい。魂の危機(emergency)が、文化の創発(emergence)に通じるその道を、描き出してみたいと思っていた」と語っており、脳の持つ様々な可能性とそれを引き出すためのアイデアについて、自らの思いを綴っている。
エッセイ風でありながら、印象に残るセンテンスも少なくなく、以下はそのいくつかである。
「起源においては「偶然」であったにもかかわらず、いったんそのように存在してしまった以上、それが最初からの「必然」であったかのうように作用し始める。このように、「偶然」から「必然」への命がけの跳躍が介在すること、すなわち「偶有性」こそが人間存在の本質である」
「大人になった時点で、自分なりのプリンシプルを確立できている人は幸いである。そのような人は、何があるか容易にはわからないこの世界の中で、必ずや「根拠のない自信」を持って、「挑戦」し続けることができるだろう。「挑戦する脳」を支えるのは、鍛え上げられた「プリンシプル」である」
「「挑戦する脳」を笑いが支える。笑いの爆発力は、タブーに挑む勇気に比例する。・・・行き詰った今の日本の社会は、あえてタブーに突っ込んだ笑いを必要としてはいないか。笑いは、不安や恐怖で凍り付いた空気を解きほぐし、大らかな生命の時間を取り戻してくれる、大いなる恵みなのである」
「人生には、最初から決まった正解などない。なのに、あたかも正解があるかのような思い込みをして、自分自身がその狭い「フェアウェイ」を通ろうとするだけでなく、他人にも、同じ道を通ることを求め、強制する。それは「挑戦する」という脳の本質からかけ離れている」
「私たちが、ついには病み、老い、あるいは傷付き、死んでいくということ。そこには、ついには「自由」な「意志」など持ちようのない、私たちの生命の本来の在り様が投影されている。その重苦しさをいったん引き受けた上でなければ、生きることの軽やかなステップは戻ってこないだろう」
変化に対して保守的になった脳と心に「挑戦する勇気」を与えてくれる一冊である。
(2012年10月了)

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2016年01月31日

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ダイアログインザダーク

視覚による一覧

視覚というものの便利さと暴力性

全てを一気に見てしまう、見てしまっていると思い込んでいることでかえってこの世から巧みに隠されている豊穣なものたちに十分な注意を向けていない嫌いがある

アインシュタインが相対性理論を生み出そうと苦闘したその日々はまさに暗闇の中を手探りで進むようなものだった

偶有性
私たちが根底において偶有性な存在であるという点に私たちの脳にとっての挑戦することの実質がある

典形と非典形
非典形な脳の持ち主の中に潜む素晴らしい原石

私が一つの言葉を発する
するとキムの神経細胞ネットワークの中に次から次へと連想の渦が生まれる。その速度と広がりが尋常ていはないので常人にはついていけない

偶然と必然

視覚にたよることが自由な創造性の妨げになっている可能性がある

自分の中に高いレベルの安全地帯を構築できている人は根拠のない自信を持つことができるだろう

転んでもただでは起きないのが人間の脳である
挑戦する脳は悪い環境におかれたことで諦めはしない むしろ独創性につながることも多い

挑戦する脳を笑いが支える

何が起こるか分らないという偶有性の状況 偶有性は生命そのものの本質であり環境との相互作用において私たちの脳を育む大切な要素である その大切な偶有性から目をそらしそこから逃走してしまうことで日本人の脳は成長の機会を奪われている

インターネットは偶有性そのものである 予想できるものと予想できないものが入り混じっている状況が常態化している

偶有性の時代に求められているのはある決まった知識を身に付けることではない むしろ大量の情報に接し取捨選択し自らの行動を決定していく能力である異なる文化的バックグラウンドの人たちと行き交いコミュニケーションしていく能力である

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2014年09月27日

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日本の教育のあり方、新卒一括採用、停滞している日本経済等、これらを「脳」に注目して論じているのはとても面白いと思います。
決してそんなに単純な話ではない事だと承知していますが、「脳」の仕組みを理解してからこのような問題に取り組むと意外に最短で解決していけるのではないかと素人的には思ってしまいます。
本書の12章「アンチからオルタナティヴへ」の最後の文は心に響きます。
「自分の意思でどうにでもなると思いがちな人生さえ、革命を起こすことがいかに難しいか。社会という思い石が動き始めるのは、一人の生き方に革命が起こり、具体的な「オルタナティヴ」が示されてから、ずっと後のことなのだ。」
一人一人の生き方に革命を起こせば、社会が動くのなら、こんな面白い事はないですね。

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2013年01月15日

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ネタバレ

人間の脳は「オープンエンド」p13

サヴァン p47
Cf. キム・ピーク、『僕には風景が数字にみえる』

「偶有性忌避症候群」(contingency avoidance syndrome)p111

アンチからオルタナティブへ p121

踊ることが、生きることの偶有性に対する、最も「強靭」な答えであり得る。p190

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2012年11月19日

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医療現場で学生指導をしていてとにかく困るのが、答えをほしがる学生。テストの解答のように、インスタントに唯一の答えがあると信じて疑わない。千差万別の患者さんを目の前にして、あらゆる可能性を考えることが大事なのに。そのためのディスカッションの大切さも知らない。かつて自分もそんな学生だったのですが!

対個のケースだけでなく、日本の社会を俯瞰して、今の日本の問題点を明確にしていると感じます。

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2012年10月07日

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脳を活性化させる、脳を錆びさせないためのエッセンスが学べました。難しい専門用語もあり、少しとっつきにくい点もあり。

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2012年09月24日

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もっと集中して読めば感動を得られただろうなぁ。



登山の仕方には典型的なものもあれば、非典型的なものもある。登坂ルートが異なる。登るときの方法が違う。学校の教育法は、そこに投入される社会的資源の制約などから、典型的な子供に照準を合わせている。その中ですくすくと育っていくのはいわゆる「優等生」。しかし、心地落ちこぼれてしまうような「劣等生」でも、学習していないと言うわけではない。学習法が典型的ではないと言うだけのことである。
保護者が子供に十分な「安全基地」を与えることができた場合、すなわち、子供の自主的な挑戦を背後から見守り、それを妨げない。ただ、見守っていると言うメッセージだけは子供に伝え続ける。そして、困ったときには手助けをしてやる。そのような保護者のもとで育った子供は、成人しても自分の中に十分な「安全基地」のレベルを持っている傾向がある。そのような人は、「根拠のない自信」を持ち、それを努力によって裏付けようとする。不確実な状況にも積極的に飛び込んでいき、新たな挑戦を重ねることを好む場合が多い。
笑いは、自分の置かれている状況を「外」から「客観的」に見る「メタ認知」をもたらす。メタ認知を通して、自分と他者との関係を見直すきっかけが得られる。
オルタナティブとは、「代わりとなる、型にはまらない」といった意味を指す言葉。
臨死体験の話。病院のベッドの上に横たわっている自分を、天井から見つめているこのような「臨死体験」は、死と言う最後の挑戦を前にしての、意識ある人間の脳の精一杯の対応であると考えられる。「臨死体験」から読み取られるべき意識と死の関係とは何か?その幻視の中に、人間のどのような願望が込められているのか?

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2019年06月08日

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『リヴァイアサンでなければ、輝かない』
中国が自国民へのノーベル平和賞授賞を批判して、独自の孔子平和賞を勝手に創設した。無条件に信奉している権威やルールなどは、自分たちが勝手に縛られていただけなのだと気がつく。中国が傍若無人なとんでもない国としか思えないようなニュースであったが、このような視点でみると、我々も見習うべしという気持ちなる

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2018年11月04日

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挑戦する脳

一橋フォーラム2016後半の人工知能で茂木健一郎が登壇するということで、一冊くらいは本を読もうと思い、手に取った本を買ってしまった。文章は少々予想と反するものであった。茂木健一郎は脳科学者、理系のイメージが強かったが、文を読んでみると文系の文章のようである(茂木さんはこのようなくくりを執拗に嫌いそうであるが(笑))。この本はコラム集であるが、コラムごとの考え方の変化がよくわかる。
初めは、非典型な脳についての主題であろうか。キム・ピークというサヴァン症候群の人の話、デレクという盲目のピアニストの話を元に、脳とは欠損を埋め合わせるために、より大きな進歩を遂げるということが述べられている。上記の人々は、障がいを抱えながら、他の部位が人々よりも進化した著名人たちである。デレクについては示唆的である。私たちは、視界という一覧性の下で、より多くの挑戦の機会を失い、聴覚における脳の緊張が失われ、その潜在能力を引き出しきれていないのである。左利きの研究をしていた時に知った脳の可塑性の実例が上記であった。次に面白かったのは、脳は不確実なものと確実なもののバランスをとろうとするということである。自分の中に確実なものが蓄積されるにつれて、私たちは不確実なものを受け入れることができるである。かつて藤原正彦という数学者の本を読んだが、藤原氏いわく、数学者の出身地には宗教的なものを信じる地域が多いという。これは、確実な宗教というものが人々の安全基地となり、不確実性の高い数学という学問で活躍する人を輩出していると解釈できるのではないか。人間社会は不確実性と確実性の入り混じった偶有性というフィールドである。そのフィールドに適応しているのが人間の脳であり、偶有性に対する対処が人工知能の課題なのであるということはなんとなく察知した。後半は一括採用の批判や3.11の話、ウィキリークスの政治学的影響をテーマとしている。時代的という言葉で片づけてしまうのは良くないが、前半より普遍性は低い。
本書は、私人・茂木健一郎のエッセーともいえるものであった。次は、脳科学者・茂木健一郎の本、クオリアについての入門書などがあれば読みたいと思う。

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2016年10月23日

Posted by ブクログ

よく見る俗流脳科学の、たぶん語り下ろしのビジネス本ではなく、筆者がそれなりに考えて書いた跡は感じられる。著者の本の中ではいい方に入るんじゃないかな。
が、特に後半のポエム化にはちょっと辟易。

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2016年10月06日

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挑戦する脳をいきいきと保つためには、今までの文脈を離れた新しい事象に対して、それに向き合う嗅覚と勇気が必要

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2016年06月25日

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集英社「青春と読書」に20回にわたって連載されたものを加筆、修正してまとめたもの。
章ごとに扱う内容もさまざまで、何より章のタイトルが非常におもしろく、引き込まれる。
さすが連載なだけある。
書き方も非常にわかりやすく、すらすら引き込まれるように読めてしまう。
「化粧する脳」「欲望する脳」も拝読したが、その中で1番易しい日本語で書いてあると思われる。
特に読んでほしいのが
12 アンチからオルタナティブへ
19 できない
あとがきも面白い。

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2014年10月02日

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ネタバレ

散文形式の文章を読むのは苦手である。構造のない論理を主張として捉えるのが得意でない。一方で、一見して散漫とした文章のなかで、螺旋状に議論を深めて行くことで、近づける領域もあるらしい。
本書は後者で、「挑戦する脳」という主題から想像される(私の場合は)、体系だったサイエンスの本というよりは、挑戦するという思考を主たる手段とした、哲学の本に近かった。

アンチからオルタナティブへ。は非常に胸に刺さった。また、リヴァイアサンとしての国家、社会集団の定義も新しい。
全体を通してあとがきが一番面白い。

やはりクオリアや偶有性と幻想としての自由意志の話、とかになると、格段に筆致が瑞々しい。この本は実践的哲学書だが、茂木さん自身はやはり科学者だなと思う。

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2014年09月09日

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生まれた時の人間の脳は絶えず挑戦し続けている。それが、成長するに従って、挑戦しない方向に躾けられ、やがて社会のルールに黙って従うようになる。昔はそれが合理的だったが、東日本大震災を始め、想定し得ないような事態が起きると、今の日本人は身動きが取れなくなる。本来、脳は既成概念に囚われず、未知のもの、新しいものに挑戦する物であるということが分かった。これからは何が正しいのか分からない時代。前提が大きく覆る可能性が高いのだから、少なくとも若者に対しては予断を持って語るのはやめようと思う。

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2013年12月05日

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メモ

ソクラテス 無知の知 どんなに智恵のあるものでも知らないことの方が多い、無知を自覚する事が、最高の知性のあり方

人間は変わることに最大の喜びを感じる。変わる事は不安で時に恐ろしい事。自分が更新される事に対する不安は乗り越えなければならない障壁。

脳は逆境に立ち向かうことから、創造性を引き出す。魂の危機が文化の創発に通じる。

魂の危機が起きた時、脳が機能停止しないための安全弁として、笑いがある。

視覚に頼ってしまいがち。見えないものを探るという態度が徹底しない。

今まで探った概念空間の五センチ横に重大なヒントがあるかも。

Derek paraviti

偶有性忌避症候群
contingency
日本の風土病、人々の思考能力の低下
正解とされている道から外れず、他人にも同じ道を通ることを求める。挑戦することの真逆。本来、何が起こるか分からない偶有性に適応し、そこから学ぶのが脳の最も優れた能力

アインシュタイン
感動するのを忘れた人は、生きていないのと同じである。

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2013年09月19日

Posted by ブクログ

エッセイとして捉えれば、この程度なのかもしれないが、著者の意見を訴えるにしても、脳科学の説明をするにしても、非常に中途半端な気がする。

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2013年03月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・何度も同じ刺激を提示されると、次第に「馴化」が起こり、活動レベルが低下してしまう。一度目が一番大きく活動する。二度目、三度目と同じ刺激を提示されると、一度目ほどの活動を見せない。
・オープン・エンドで学び続けるという脳の潜在的能力を十全に発揮するためには、「新しい風景」の中に身を置き続けなければならない。
・「感動するのを忘れた人は、生きていないのと同じである」

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2013年02月11日

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ダイアログ・イン・ザ・ダーク
解決のヒントは、私たちが今まで探った空間の5センチ横にあるかもしれない、それを知らないだけかもしれない。

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2012年11月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不安な社会の中で、日本人は誰もが安定を求め、リスクを嫌う傾向にある。組織という首輪が付いていないと不安…自分も含め、なんでこーなっちゃったんだろうなぁ(´;ω;`)

世の中を変えるとか、だいそれたことはできないにしても、自分もリスクを恐れず小さな挑戦をしていきたいと思う。

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2012年10月28日

Posted by ブクログ

「挑戦」することで脳が活性化すると。
脳研究と、昨今の震災や社会的な事象を結びつけて、
脳科学の立場から説く。
今の日本に対する彼の憂いが見え隠れしているが、
その通りだと思う。

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2012年09月24日

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