【感想・ネタバレ】シェールガス革命とは何か―エネルギー救世主が未来を変えるのレビュー

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Posted by ブクログ

実はシェールガスのみならず、日本・世界のエネルギー最新動向が俯瞰できる良書。
巻末に「シェールガス開発における環境問題と対策」として多くページが割かれており、偏らない公平な視点で論じている。
「主力になり得ない再生可能エネルギー」の章は必読。

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2012年10月20日

Posted by ブクログ

2009年の天然ガスの技術的回収可能量は在来型404兆m3に対し非在来型230兆m3。この内約半分が経済合理性を持って取り出せるとして年間消費量の3兆m3で割ると106年。在来型天然ガスの確認可採埋蔵量が60年あるため経済的に利用できる天然ガス資源量は160年を超える。非在来型ガスの可採量だけ見ると40年分増えただけだが、この本を見る限り産地が変わることの政治、経済的な影響が大きそうだ。

天然ガスは石油と違い相対取引が中心で統一された市場が形成されていない。日本の天然ガス価格は欧州の2倍、アメリカの7倍、LNGで比較しても中国の3割増の17ドル弱/百万BTUで2000年代半ばの5ドルから3倍近くに上がっている。日本の天然ガス調達価格は長期契約で石油価格に連動させているためなのだがこの間得に北米でシェールガスが増産したため06年以降石油価格と天然ガス価格は関連しなくなってきている。長期契約の間はスポット調達を除くと日本はシェールガスの恩恵を受けられない。またパイプラインではなくLNGでの輸送のためLNG化に3ドル、輸送に3ドルかかっており価格の1/3が輸送費となっている。

アメリカは天然ガスの輸入国から輸出国に変わるが今の所TPP参加国向けのみとなっている。また石油依存度を減らし、天然ガスの調達をカナダ、メキシコ、アラスカ、ブラジルなど南北調達を推進している。軍事費の削減を果たすためにも中東から手を引きつつ有ると言うのがシェールガス革命の一つの側面だ。
ヨーロッパはロシアのガスプロムからの天然ガスだよりからの脱却を目指している。中国は四川盆地を中心に世界最大の埋蔵量を持ち開発を進めるとともにロシアからの調達価格の交渉材料として使っている。

日本にもどると発電が天然ガスシフトするのはほぼ間違いない。しかしエネルギー総需要の25%が電力であり、発電効率45%と比べると入り口の省エネの効果が大きい。コージェネで発電を分散して発電の熱をそのまま利用するのがどうやら効率が良さそうだ。それと自動車をはじめとするエンジン向けにも利用を拡げ、石油依存度を下げ、調達先の多様化を図って燃料費を削減するというのが著者の意見だが肝心のパイプラインの整備が遅れている。

なかなかわかりやすい入門書でした。

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2013年02月19日

Posted by ブクログ

急拡大しているシェールガスによって変わる世界のエネルギー問題について解説している。今後の予想も含めて驚かされることも多い。天然ガスの可採年数が160~400年と飛躍的に増加していること、天然ガス自動車の可能性に注目しており、特に天然ガスハイブリットが本命になる可能性があること、石炭のガス化技術が発達していること、世界第6位の石油消費国であるサウジアラビアの国内石油消費量の急増で輸出にブレーキがかかり始めており、同国が近いうちに財政赤字国になる可能性があること、などが印象に残っている。日本のエネルギー政策にとって有効なことは、北米産LNGの購入、ロシアからのガスパイプラインの敷設、コンバインドサイクル発電の拡大など、としている。

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2013年01月20日

Posted by ブクログ

・シェールガスはTPPに加盟しないと恩恵を受けない。
・アメリカは脱中東、中東と中国の関係が強くなる。
・再生可能エネルギー→自然にはよくない。
 風力:音波、太陽光:パネルの下は土壌破壊

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2012年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シェールガスについて初心者にも分かりやすく解説。ガスコンバインド発電の高効率性など原子力代替の候補としての魅力を教えてくれる。ただ、再生可能エネルギーが様々な理由でエネルギー源として主力になり得ないとしているが、最新の技術に触れていない点があったことや地熱発電のどこに問題があるのかよく分からなかった点、経済に与える影響度合いも良くわからなかった点などが少し不満だった。

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2012年10月13日

Posted by ブクログ

シェールガス革命により、アメリカの中東依存度が低下するにつれ、米国の中東への関心が薄れていくことが、日本のエネルギー安全保障に影響を与えるとは、少し考えれば当然のことであるが、重要な指摘である。先日日本エネルギー研究所理事長のプレゼンを聞く機会があったが、同様の指摘をしていた。

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2021年08月08日

Posted by ブクログ

シェールガスについて素人にもとっつきやすい分かりやすさで書かれてると思います。
勉強用に1冊手元に置いておこうと思います。
メタンハイドレートと比較した時の優位性とかも記述があると個人的には嬉しかったのですが、この本の目的とはちょっと外れてしまうのかな?

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2014年09月06日

Posted by ブクログ

シェールガスについて初めて読んだまとまった書籍。きちんとまとまっていて、辞書代わりになると思う。とくに付則として記載のあった環境への課題/指摘が充実している。

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2013年10月05日

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