感情タグBEST3
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なにか大きな出来事が起こるわけじゃないのに、夢中になって読めた。
表現は美しいし、テキストなのに五感で感じられた。
「生活は健康と仕事の土台」
自分の軸を持って生きてる高村さん、生活を自分の思い通りにしている姿がかっこよくて、時間をかけてそんな女性になっていきたいと思った。
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千早さんのエッセイを先に読んでいたので、より食に関する描写は生き生きしているように感じた(笑)
タイトルだけ見て読むと、イメージしていた三角関係とは違い、曖昧で角が無いような印象。だからこそ、夕香が去ることで三角形が崩れて、正和と華の間の線が新たに結び直されるようなラストは直前まで予想出来なかった。
ぶどうパンのシーンは、幸せの象徴のような焼き立てパンが、傷心の華には空虚に感じるという相反する表現が見事で、一番強烈だった。
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むっちゃくちゃすきなはなし!!!2023年ベストブックかも。三角関係のさんかくなのだろうな。研究者の彼女と、料理のうまい高村さんと、ぼく。彼女目線、高村さん目線、僕目線、全てがうまく噛み合っていて、ジレンマも全てが理解できて、そしてご飯がいつも美味しそうで。これこそ求めていたもの!という感じがする。大好きでした。
p.101 でも、北さんに話さなくてよかった。恋愛の真っ只中にいる人間は何でも色恋でものを判断しそうだ。そういう甘ったるい物差しはいらない。話せば、色がつく。話すほど、そのことについて考える時間ができる。時間をかければ、特別になっていく。今、何か思う必要は無いのだ。
p.104 1人の自由も2人のバランスも難しいものだ。誰かを失望させるより、自由の代償を1人で受け止める方を、私はいつも選んできた。なのに、どうしてだろう。また端が止まる。きっと、それは伊藤君だからだ。親しい友人でもなく、異性として恋焦がれているわけでもない、関係としては薄い、失っても痛手の少ない人間だから。お互いの事はよく知らないし、あまり知ろうともしない。と卓さんによる遠慮もある。でも、その趣味はある。そこだけのつながりだから、安心できるのだろう。このカウンターに座る他人同士のように、店の味は愛し、ルールも守るけれど、干渉し合わない。見つめ合わない、ただ、隣横に並んで食べる。そういう関係がきっと私は楽なのだ。
p.199 良い詰まって一体なんだろう。俺の良いイメージと高村さんはかけ離れている。高村さんとの生活は安定していて、清潔で、暖かい食事に支えられている。けれど、甘さは無い。そんなの当たり前だ。生活を支えるものは、知識と規則正しさと段取りと継続性なのだから。空いた時間に手際良く、家事を済ませる高村さんを眺めているとよくわかる。彼女は職人ぽい。もしくはトレーナー。世間的な良い妻と言うのは、選手の記録を伸ばすために尽力する、硬派なトレーナーみたいな存在なのかもしれない。
p.214 「ヘトヘトになって家に帰ってさ、あったかいご飯があったら、それはズルズルとしちゃうよね。しかも、恋人でも、家族でもない。責任のない関係だったら、楽でたまんないわ」
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登場人物の夕香が自分と同じ性格なのか
常にわかるわかる~~と夕香の言動に首を振っていた。
でも、彼女もちの男を自分の家に住まわすのは意味が分からん。
たとえ自分が恋に用事がなくても、それはまじでわからん
きっと相手を恋愛対象として見てないからこそ
夕香の素と正和の素と料理の趣味が合ってしまったのは
あるのだろうけど
夕香と正和がどうか一線を越えませんようにと
願いながら読んでた…
女としてのプライドと一人で生きていくと決めた姿が
正和には惹かれるところがあったのかな
料理だけで同居するって普通にあることなんかなあ
夕香の暮らしにも仕事にも料理にも自分があるって
凄くかっこいいし憧れる三人の登場人物がいるけれど
とにかく夕香に同調しっぱなしでした
料理の描写も凄く美味しそうで
丁寧な料理を食べたくなる
自分も料理をすぐに作りたくなる 。
とりあえず
ふらふらな正和は嫌いだ!笑
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学生時代によく行っていた地名がちらほら出てきて、帰省したらまずはイノダコーヒーでモーニングしたいなと思いました。京都に帰る新幹線で読みたいな。
私は伊藤さんや華のような何かを専門的に追求することが苦手なので、二人のような人がかっこいいなと率直に思いました。
そんなかっこいい二人でも、恋をして、無邪気に嫉妬したり、どれだけしんどくても化粧を頑張ったり、ダメだとわかっていても不倫したりと、心が掻き乱される描写があり、妙にリアルで、親近感をもてました。
実在する3人の数ヶ月間を見させてもらったような感覚で、面白かったです。カウンターの天ぷら食べに行きたいな。
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食べ物の出てくる物語が好きです。幸い昨今そんな物語に出会うチャンスは沢山あるのですが、、
この本に出てくる料理の描写が外食も手作りも素晴らしくて。
カウンターで天ぷらいいな、とかお寿司食べたいな、誰かと手巻き寿司をお腹がはち切れそうになるまで食べたいなとか
淡白なものを好む登場人物がいるせいか食欲も静かに刺激されました。
登場人物三人三様の事情や思考回路があって、ひととの深い関わりを避けたい高村さんも、研究のためなら全てを放り出して向かっていっちゃう華ちゃんも、2人の女性のいいとこ取りをしたい伊東くんも、モノローグを読んでみると心を寄せてしまいます。
本の表紙を見たときは寒々とした、心を削がれるようなさんかく関係のお話なのかなと想像して なかなか手が伸びなかったのですが、実際はそれぞれ傷ついて傷つけて、腹が立って とあるものの大人の気遣いと優しさと時間の経過とでなだらかになっていく感じでした。
傷ついた人も新たな一歩を出したくなる本じゃないでしょうか。
季節の旬の食べ物が温度や光の眩しさ、暗さと共に描写されるので夏や冬にもまた読み返したい本です。
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何かが始まるのかも、何かが変わるのかも、大きな出来事が起こるのかも
そんな気持ちで読み進める
食、ひいては生活を丁寧に描きながら、周りにある心情を描写する
大きな事件は起きなかった
起承転結がばちっと決まるような、そんな大事はなかった
でもたしかに変わったことはあって
始まったことも終わったこともある
生活ってこうだよな
人生ってこうだよな
登場人物たちに特別優しくもなく、厳しくもない
慈しみは感じる
そんな本だった
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丁寧な料理を学びたくなりました。
京都の町屋で暮らす高村さんの生活と作る料理が、文章から目に浮かぶようです。
評価の別れる本のようですが、私は噛み締めるように各章を読みました。
3人の視点で順番に描かれている三角関係。
最後は高村さんの視点を読みたかったです。
高村さんはきっと1人で生きることに飽きてしまって、ペットを飼うように伊東くんを同居に誘ってしまったのだと思いました。
千早茜さんの作品を読むことにはまってしまっています。
I know the difference between making food for someone and myself.
Sharing delicious food is one of the shapes of happiness.
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みんなずるくて「この人好き!」となれないのが残念だった。
高村さんと正和は同性同士だったら一緒にいられたのかと思うと性別がもどかしい。
一方で、高村さんも華も没頭できる仕事があって、どちらも譲れない自分の芯を持っていてカッコよかった。
出てくる料理がどれも美味しそうで、料理を楽しみに読み進めた所がある。
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関係性を決めることを求められるから迷いが生じ戸惑ってしまうんだろうなぁ。男女というだけでそこに恋愛感情があるとは限らないと思う。私の友達は同性よりも異性の方が話しやすいという理由でぽつんと一人女子が混じっていただけなのに変な噂がたてられてなんだか可哀想だった。
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恋人がいながら年上の夕香と町屋で同居している正和
理由は夕香の作る料理がおいしいから
夕香には恋愛感情も無くセックスもないが夕香が外泊してくるとなんだかモヤモヤ嫉妬的感情が現れる
自分は恋人と外泊するくせに
恋人の華は料理や掃除が一切できない女で夕香とは真逆の女性
正和はいったいどっちを選ぶのか気になる
そんな三人の男女の物語
終始おいしい食事とお酒が登場して食べ物だけは読んでいて心地よかったなぁ
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ストーリーと並行して美味しい料理がたくさん出てくる。旬の食材を使った料理で季節を表現していたり、登場人物の心情を表現していたり。さすがだなと思った。
3人の登場人物には、それぞれ違いはあるけど誰しも共感できる部分を持っているなと感じた。
最後には、3人それぞれが自分なりの答えを出して前に進んでいくところが読んでいて清々しい気持ちになった。
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料理の一品一品が目に浮かび、味まで想像出来てしまう描写力。どれも本当に美味しそうだった。
お店の高級料理と手間暇かけた家庭料理が、それぞれの人間関係を象徴的に表していて面白いなと思った。
高村さんの暮らしぶりや作る料理が好きで、無意識に応援していたので、ラストは期待していたものとは違っていたかな。
美味しいものを食べて、伝えたいことを伝え合えたら、それだけで幸せ!
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人間ドラマ物が見たいなと思って買いましたが大正解でした。
料理のうまい高村さんに心惹かれる男、研究職の女性。
「普通じゃない」と言い放った男にまさかハピエンが訪れるとは思っていなく
女の子から惨めに捨てられてしまえばいいのにとすら思っていました(笑)
この男のどこが良かったんだろう?w
料理も美味しそうで、早速家で野菜スープを作りました。
また別の本も見てみたいです。
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いつも小説読みながら、登場人物や印象に残った言葉をメモしたりしている。今回メモしたのは、とうもろこしご飯や塩昆布キャベツ等をメモしていた(笑)
とにかく、料理の描写が美味しそうで。そりゃ、伊東くんも流されちゃうわなー。食の好みが合うって良いよね~❗私も高村さんと暮らしたい❗って思った。
高村さん大人だわ。っていう感想。
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ふと香る出汁のような、噛んだ瞬間ジュワッと熱いものが溢れてくるような、そんな小説。美味しいものを美味しいねと言いながら一緒に食べてくれる人がいる幸せよ。胃が合う人との会話や食事は、何ものにも変えがたい。
出張や旅行に行く時に、どこに何を食べに行こうかな…とウキウキする食いしん坊の私は、高村さんや伊東くんと一緒に長屋に住みたい。
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なるほど、三角関係のさんかくかあ。そんなにぱっとしないけれどそれなりに整っているので微妙にモテル感じの男と、色々疲れてしまってフリーランスになった清潔感のあるアラフォーナチュラル美人同居人。色恋よりも解剖学に邁進するマイウェイで美人の彼女。
忙しくてあまり連絡も取れない彼女に黙って、アラフォー美人とのシェアハウスに引っ越し。実際男女の関係ではないけれど、どんな言い訳してもアウトな感じですよね。しかも美味しいご飯を毎日食べさせてもらってなんて何とも言えずスリーアウト。
こういう優柔不断な男がもてる話は昔からよくありますが、なんだかんだ言ってこういうのみんな好きなんですよね。上手くいく話より三角関係や四角関係の方が当然面白いので。
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【あらすじ】
「おいしいね」を分け合える そんな人に、出会ってしまった。
恋はもういらないと言うデザイナーの夕香。
夕香の“まかない"が忘れられない営業職の正和。
食事より彼氏より、研究一筋の日々を送る華。
正和は、夕香が暮らす古い京町家でルームシェアをすることになった。
理由は“食の趣味"が合うから。
それだけだったのに、恋人の華には言い出せなくて……。
三角関係未満の揺れ動く女、男、女の物語。
『誰かを失望させるより、自由の代償を1人で受け止める方を、私はいつも選んできた。』
『変えるということは選ぶということだ。』
【個人的な感想】
美味しそうな食べ物がたくさん出てきてお腹が空く、、、!
季節の食べ物を食べて、自分を大切にする丁寧な暮らしをする「夕香」の生活が理想的だった。
終わり方は少し物足りない感じだった。
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ちょっと消化不良な感じが現代の恋愛事情をよく表しているな…と思いました。女の人も強くなったし、自分中心で物事を進めることができるようになりましたよね。一昔前の女の人と男の人が逆転した感じがして面白いですね。
美味しそうな料理と登場人物それぞれの感情が上手に書かれていて「さすがさすが」と思いながら最後まで楽しく読ませていただきました。
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この人のお話しは、静かに淡々と
でもしっかりと進んでいくなぁと思った。
独特の雰囲気。
人はぬるい環境からはなかなか抜け出せない。
しっかり寂しさは感じるけれど
引き止める程の情熱もない。
すごく分かる。
悲しいけど、寂しいけど
そんな関係があるのも本当だ。
ずるいなぁ。
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良い物語でした。
食事にまつわる事や、仕事に向き合う姿勢、季節の移ろい、それぞれの価値観。
千早茜さんらしい登場する食べ物の描写が美しく丁寧。
加えて獣の解剖も料理同様に素晴らしくて、驚きました。
その場の匂いや照明の光度、温度感まで伝わってくるようでした。
好きな仕事に真摯に向き合う高村さんと華。どちらも潔くハンサムだなと。その友人であるケーキ屋さんを営む景子と華な同僚のともちゃんも。
空気のような伊東君も実はきちんと仕事に向き合っている。そんな良さをお婆さんは見抜いてくれてたのかと。
人が何を優先して、何を取捨選択して生きていくのかは自由。それが孤独な作業だったり体力的にきつかったり、収入に直接繋がらなくても、本人が楽しく生きている実感が得られるって事が幸せなんだと思う。
だから、食事が毎食カップラーメンでも、研究を優先してる堀教授は幸せなんだろう。
高村さんのような丁寧な暮らしは憧れるけど、それに何も見出せない人だっている。「推し」は自分で決めたい。
価値観の違いを戸惑い、理解したり許したり、受け入れたり。そんな人々が登場する優しい本でした。
…にしても毎回出てくる食べ物が食べたくなる!
今は最後に出て来たバインセオが無性に〜。
あと、元旦にイノダコーヒーもいいな。
ぶらっと「瑞穂」も。結局全部笑
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メシウマ本は好きでよく読みます。
この本に登場する料理は絶対おいしいやつですね!
それなりに手間・暇かけています。
まるで暮らしの手帖的な世界観。
女男女の三角関係。(だからタイトルが「さんかく」なのかな?)
自分が40代という事もあり、どうしても高村さん視点になってしまう。
伊藤君(30代)と華ちゃん(30代)はカップル。伊藤君と高村さん(40代)は食友。
そんな伊藤君と高村さんの関係に変化が訪れる。
「ここ部屋余ってるけど」
高村さんのこの一言で、伊藤君と高村さんの友達以上恋人未満の関係が始まる。
一緒に暮らす前と後とで、絶対ごはんの感じ方(味覚もろもろ)、変わってるよね。
一緒に暮らす前は純粋に食べ物をおいしく食べていたと思うんです。でも、一緒に暮らして、感情に変化が伴うと食べ物事態はおいしいのだけど、その美味しさに感情がついて行かない、というのかな。
読んでて、ちょっと息苦しさを感じちゃいました。
お互いが自分の事をどう思っているんだろう?って腹の探り合いをしながら食事するのってしんどくないですか。
食事をおいしくいただくのって、安定した人間関係(絶対この人は大丈夫という安心感)あってのことだと思うのです。
ぶっちゃけ、人間関係が安定してさえいれば、コンビニ弁当でも(最近はおいしいですが)、極端な話、冷凍ご飯をチンして納豆かけただけでも、美味しいと思うのです。
でも、一緒に食べる相手に安定感がないと、美味しいものを純粋に美味しいと感じられないというか。(少なくとも私はそうなんですよね。)
「美味しいごはん」と「不安定な感情」があまりにも真逆で、胸がキュッとなりました。
登場人物の食べるものに性格が出てるな~、という点も面白さの1つです。
華ちゃんと高村さんがあまりにも対照的。
どこで終わりを迎えるんだろ、と思って読んでましたが、高村さんの大人な対応にちょっと安心しました。
(高村さんには男関係で発狂して欲しくなかった)
ラストは現実的にはあり得ない感じですね(個人的感想)。
あの二人の先行き、なんとなく予想できます。。。
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1冊前にハンチバックを読んだからか、心が癒しを欲しており…「千早茜さんなら!」と手に取った本。
だったけど、華は動物をひたすら解体しているし、タイトルの「さんかく」はなるほど!三角関係か〜〜と、意外と爽やかではありませんでした(笑)
伊東くんは、彼女がいながらどうなんだ?!
というような煮え切らない人物だったけど、千早さん文章力と、とてもおいしそうな料理の描写でスルスルと読めてしまった。
高村さん、京都ぽいね。
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久しぶりに手巻き寿司が食べたくなった。
理系女子である華は高村と対比したキャラクターにしたかったのかもしれないが、視点や背景にもうひと工夫欲しかった。
変と言われるのが嫌だという人物像とは?あっさりしすぎて物足りない読後感。
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ただただ食事の描写にが丁寧だなぁと。
p9の米粒についての描写に思わず笑ってしまうほどでした。
〜土鍋の蓋をあけ、胸一杯に湯気を吸い、炊き立てのご飯に目を細める。眩しい白。光を吸い込んだような米粒が湯気を吸い、ピチピチと微かな声をあげている。〜
正直言ってすごい好きです。他にも季節の食材、初めて聞いた食べ物、異国の食べ物など新たなことを知ると言う意味でもすごく食について凝って描かれている小説だなぁと感じました。内子、外子の存在を初めて知って是非とも早く食べに行きたいと思いました。高級珍味を思いつきで食べれるほどの財布を持ち合わせていないんですが、、。
京屋町の古びた家屋に住む高村さんの家に共同生活した伊藤くん。帰宅して土間を抜けるとだし汁の効いた家庭の温かみのある匂い。台所から油が爆ぜる賑やかな音がして、高村さんがコンロの前に立っているのがみえた。帰ってきたら誰かが温かいご飯作ってくれてるって幸せだったんだなぁと伊藤くんの帰宅シーンを読むたびに思ってました。
その対比で「町屋は黒々とした夜に沈んでいた。土間の裸電球がポツリと照っているだけで、家の中は静まり返っている。台所のシンクが天窓ならの月明かりで冷たく光、夜の蒸し暑さを僅かに払拭した。」
情景の寒暖差が活字ってツールだけでこんなにも読者に伝わるんだっていうのが毎回の情景描写の上手い作者さんの作品を読むと感じる。
京屋町の「ただ古いだけの街」が食の趣味が合うという二人の作る空間によって居場所になってるのが素敵だと思った。
p248の〜高村さんのいない町屋は黴臭さが鼻についた。台所に目を遣ると、吹き抜けの天井から差し込む日光の中で埃が待っていた。俺も引っ越さなくては、と思った。〜。
場所だけが合っても居場所にはならないんだなと強く感じたなぁ。
好きなセリフ
p101
でも北さんに話さなくてよかった。
恋愛の真っ只中にいる人間はなんでも色恋で物事を判断しそうだ。そういう甘ったるいもの尺はいらない。
陰気な雨も京屋町でもは風情ある物になりますね。
パインセオ!!
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香り立つようなコーヒーを淹れるシーンから始まる。あ、これは私好みだと思った。
20代の頃にお世話になった35歳の先輩デザイナー、高村さん、そして千早茜さんご本人が私の中で合致してしまい、どこまでも3人が重なって現れた。
人は誰でも褒められたい。
解消される見込みのない自己承認欲求に苛まれるのはしんどいので、なるべく早く切り替え癖がついている、誰もがそんな感情の中生きているのかもしれない。
どうして追いかけて来るんだろう、なんであたしは拒絶しないのか。あたしたちはわからないだらけだ。華の言葉だ。すぐさままた燃え殻さんの言葉が蘇る。2人の間の常識、それを愛と呼ぶ。
強めに塩を振り、卵と醤油と胡麻油。カレー粉を少し。ぐちゃぐちゃとよく揉み込む。
この唐揚げ、今度作ろう。
高村さんの最後がちょっと肩透かしを喰らったなー。