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Posted by ブクログ
とあるマンションの住人たちの、不倫の短編集。
各話、こんな着地をする不倫話って読んだことないよ...。スカッとしたり因果応報だったりキュンときたり。そして最後の管理人老夫婦のお話による大団円。ウルっときちゃったよ。
不倫のドロドロや嫌な感じがなく、風が通り抜けるような爽やかさのある物語。だけど結果的に今の場所に辿り着いたことで、失ったものもあることを教えてくれる。恋って不思議だ。思いもよらないところに人を連れて行く。
なんだか大切なことを学んだような気になる1冊でした。
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川辺に建つ「リバーサイドマンション」を舞台に、複数の老若男女の不倫(婚外恋愛)をテーマにした連作短編集。
突然、落ちる恋。その自制できない感情に対して、また家庭を既に手に入れている者は、どうすべきなのか。
もちろん、答えはない。幸せか不幸せかでもない。ただ、自分が必要とされるのであれば、それに応えるべきということなのだろう。
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タイプの異なる不倫を描いた6編。胸を掻き毟られたり、ぞっとしたり、キュンキュンしたり...、忙しいですぞ! 椰月先生! 頁を捲る手が止まらず一気読みでした。
最終編での収斂と慈しむ心...。アラフィフ世代の恋愛ってこうだよな! と妙に納得してしまいました。
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「婚外恋愛」をテーマにした短編集。
各編の主人公は、とあるマンションの住人で、
それぞれのストーリーが独自に進む中、
最終章で「同じ時間」を共有するという構成。
同じマンションに住んでいるというだけで、
登場人物は年齢も性別もキャラもバラバラ。
なので、それぞれの「婚外恋愛の事情」もバラバラ。
うまくいくものもあれば、「はずれ」に終わるもの、
もともとが「妄想」だったり...と、バラエティ豊か。
その分、文体も「ストーリー内の時間の進み方」も
まちまで、一粒で何度もおいしい感じ(^ ^
それぞれのエピソードがあまりにバラバラで、
一冊通しての感想を書くのが難しい(^ ^;
が、「まとめ」のような最終章の話の効果か、
「あぁ、えぇもん読ましてもろた」という読後感。
折を見て再読・三読したい好著(^ ^
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カタカナで「フリン」と書いちゃってるくらいな、婚外恋愛を重たすぎず、人生を形づくるひとつの出来事として描いた短編集。
倫ではないけれど、そこに感情があるからどうしようもないのが恋愛。
構成がお上手でした。
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椰月美智子さんは、『しずかな日々』と『るり姉』と、3作目
2作とも好きな小説だったので、迷わず買って読んでよかった
「フリン」という「婚外恋愛」を描いているのだけど
ドロドロしたところはなく、普通の恋愛と変わらないような
色々な男女の関係が、静かに素直に、ちょっと辛辣に描かれている
そして、ちょっと切ない気持ちになってしまう
Posted by ブクログ
〇葵さんの初恋
同じマンションに住む2個上のお姉さん、葵さんが自分の継父とラブホにいるのを見てしまう。
高校生の主人公が淡白というかあっけらかんと状況を認識してる感じが面白かった
〇シニガミ
リアルにありそうな展開、結末だった。
葵さんの初恋の主人公もそうだったけど、この主人公も不倫を淡々としている感じがリアルだな、と思った。
〇最後の恋
これはあまりしっくりこない結末だった。
成人した息子も娘もいるどこにでもいそうな父親で課長の主人公が20代のつかめない性格の女に恋をする話。
不倫をした人は幸せになってはならない、という思い込みが誰しもあるからこの結末にもやっとしたものを抱いてしまうのかもしれない。
〇年下の男の子
これは普通に面白かった
不倫というより主婦がほんのり息子の同級生に恋するお話。
日常のちょっとした幸せとイベント
〇魔法がとけた夜
理解力だ足りないのか結末が良くわからなかったけど、確かに魔法がとける瞬間ってあると思う。
〇二人三脚
これまでの登場人物が全員出てくる所が面白かった。総括のような年配夫婦の不倫を交えた壮絶な人生がこれまた淡々と語られていた。
Posted by ブクログ
連作短編集です。タイトルどおり不倫がテーマ。
ある川辺に建つマンションの住人たちがそれぞれ主役です。最終的に痛い目をみる人、妄想で終わる人、人生最後の恋を貫いた人など色々な人のフリン模様を描いていますが、重苦しくもドロドロした感じもなく、サラッとしています。
最後に登場人物全員集合した上での管理人の老夫婦のデキすぎ感のある壮絶な過去。このまとめ方はどうかとは思うけど、恋愛にはどうしようもなく止められないものが潜んでいて、本能的なものとモラルとの間で揺れ動いているのかもしれないなと思います。
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「婚外恋愛」をテーマに展開される短編群。
さらっとしていて、でもじわじわくる。
悩ましかったり、怖かったり。
人と人が惹かれ合うのって、
結婚って、何なんだろうね?
何が正しいのかな? ほんとに正しいのかな?
Posted by ブクログ
さらっと読める恋愛小説。
実際、婚外恋愛なんてきっともうめずらしいことじゃない。
誰にでも起こりえる、日常の些細な出来事になりつつある。
携帯ではなくケータイだったり、彼氏ではなくカレシであったりするように、フリンとカタカナで表記されたタイトルには、そんな意味も込められているのかもしれない。
特に強い印象を残したのは「シニガミ」。
それはまあ当然ばれているでしょうね、というのと、やっぱり女性の感情は女性に向かうんだな、というのと、あの状況での「因果ですよ」という言葉。
いちばんリアリティがある話。
最後の一話はないほうがよかったように思う。
連作短編で、それぞれの登場人物が一堂に会してしまうのはなんだか興醒めだった。
Posted by ブクログ
リバーサイドマンションに暮らす住人たちの、男女の機微を描いた連作短編集です。
〝フリン〟というタイトルから推察できるように、中には泥沼化した〝不倫〟のお話もあるにはあるのですが、そうでない異性に対するちょっとした感情の変化や、胸に仕舞った秘めごとなど、カタカナ表記に値するバリエーションに富んだ物語で構成されています。けれど、最終章まで読み終えると、それらがひとつになり、ストンッと胸に落ちるものがありました。
恋愛感情ほど不確かなものはありません。なのに惹き寄せられてしまうのは、寂しく、哀しい生きものである、人間の性なのかもしれませんねぇ。ひとは皆、迷いながら生きているのですネ。