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ミステリーの完成度、というより、総合的な完成度が高いと思う。
このような書き方をすると堅苦しいキチキチとした小説のイメージになってしまうが、そんなんじゃなくって、キャラクターや話の流れが読んでいて心地よいのだ。
主人公である竜二、彼はヤンキーでどうしようもない不良のように見えるが、酔っ払いで借金持ちのそれこそ酷い人間のように一見するとみることができない師匠の噺に引き込まれていき変化していく。そこにあるのは等身大の若者であり、誰しも抱えている悩みである。
そんな彼の成長していく姿に、読者は共感できるのである。
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無理やり入門させられた上方落語の世界。
しかしそこに魅力を感じた竜二がその世界にのめりこんでいくというストーリー。
落語の噺がミステリーの謎ときのヒントとなっているところがおもしろかった。
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シリーズを通して、キャラクターが実にチャーミング。高校をドロップアウトした金髪鶏冠頭の元不良・竜治が酒飲みの落語家・笑酔亭梅寿に弟子入りして巻き起こる、成長譚。
古くさくてカッコ悪いと思っていた落語の面白さ、奥深さに目覚めていく経緯、師匠や兄弟子、漫才師・コメディアンたちやとの人間関係を綴るエピソード、襲名問題や東西格差、笑いを職業とする者の悩みと喜びなど、多岐にわたる広い問題意識と、深い愛情を感じる秀作。
映像と舞台とで観たい一作。
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プロの世界にならいかにも居そうな、お酒を飲むとどうしょうもないが芸は確か、情にも溢れた型破りの落語家のところに無理やり弟子入りさせられた鶏冠頭のツッパリ。落語なんかに興味はないと反抗しながらも、次々と起こる事件に巻き込まれながら、家族の良さを知ったり人の機微に気付いたりして成長していく。一話ごとに落語の説明があり、とてもわかりやすく落語の基礎知識が身に付くようで楽しい。上方落語も一度は生で聴き行かなくては、という気になった。
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新書購入
ミステリー。落語。現代物。
弟子に、梅春(元ソープ嬢)、梅毒(この病気知らないヒトも増えてきているかもねー)とかがいる、梅寿に無理矢理弟子入りさせられた、龍二。不良少年。貰った芸名は「梅駆(ばいく)」。鬱陶しい兄弟子の梅雨にいびられながら、師匠にどつかれながら、「なんで俺、逃げないんだろう」とか呟きながら、落語の魅力に憑かれてゆき、そして「新作」というものを知り……。
竜二が謎を解き、師匠の手柄にしてあげてます。妙なところで、年上立てる子です。わりと謙虚です。親が居ないので、行くところがなく、梅寿から破門を食らってさまよったあと、師匠がちゃんとお迎えに。
この師匠。昔風の、酒飲みで暴力ふるって、一見どーしようもないヒトのように見えるのだが……陰で竜二の友人たちに頭下げて回ったりと実にマメ。
落語の筋や聞き所の紹介もあって、なかなか面白いです。
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落語とミステリの融合作。類似作品だと、北村薫氏の円紫師匠と私シリーズや、大倉崇裕氏のオチケンシリーズを思い浮かべますが、それらとは違った面白さでした。特に人情物は良かったですね。続編も買ってあるので、おいおい読み進めて行くつもりです。
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目次
・たちきり線香
・らくだ
・時うどん
・平林
・住吉駕籠
・子は鎹
・千両みかん
目次はすべて落語の演目。
各話の頭に、月亭八天さんの落語解説があります。
主人公は落語なんて全く興味のない、天涯孤独の不良少年・竜二。
落語よりは漫才やコントなどの方が断然面白い。落語なんてダサい。そう思っています。
我慢なんて知りません。頭にきたらすぐキレる。我慢なんてするだけ損。そう思っています。
高校を中退して、好き勝手に生きていた竜二を、元担任の先生が無理やり笑酔亭梅寿師匠のもとに弟子入りさせます。
すぐ辞めてやる。絶対やめてやる。そう思っている竜二でしたが、気分屋で、大酒のみで、すぐに暴力をふるう師匠の落語を聞いて、落語って面白いと思います。
気分屋で、大酒のみで、すぐに暴力をふるう師匠のどこに、人を感動させ笑わせる力があるのか。
それはこの本を読めばわかってきますが、実際こんな師匠みたいな人がそばにいたらたまらないと思いますよ。
笑酔亭梅寿謎解噺ということになっていますが、実際に謎を解くのは竜二です。
でも、「俺には真相がわかっているが、竜二、みなさんにわかりやすく説明してやれ」というので、対外的には梅寿の謎解きとなるのです。…って、師匠は毛利小五郎か!
落語のことを全然知らなかった竜二が落語を学んでいくように、読者も事件を通じて落語を知ることができます。
例えば江戸落語と上方落語の違いなど。
江戸落語では「時そば」
ひとりの男が蕎麦屋との掛け合いの中でそば代を1文ちょろまかす話ですが、上方ではこれが「時うどん」
そばがうどんになっただけではありません。
「時うどん」では二人組の男が1杯のうどんを食べる話。
基本は同じでも、ちょっと違うところが面白い。
「平林」
東京では「ひらばやし」、大阪では「たいらばやし」と発音するのだそうです。
私は「たいらばやし」だと思っていました。
だって「た~いらばやしかひらりんか、いちはちじゅうのも~くもく、ひとつとやっつでとっきっき」って言うでしょ?
「ひらばやし」なんて出てこないじゃん。
面白かったので、シリーズを追いかけて読もうと思いました。
竜二の成長も気になるし。
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ひょんなことから
落語家に弟子入りする事になった不良少年。
初めは興味もなかった落語に少しずつのめり込んでいく。
田中啓文がこんな本も書いていることに驚き。
ホラーしか読んだことがなかったので。
そこまで詳しくはないですが、落語、私は好きです。
難しそうなイメージを持っていましたが、聞いてみると、意外とライトで面白い。
これぞ娯楽という感じ。
主人公の竜二も落語には詳しくないので、読み進めていくうちに一緒に落語を好きになっていく感覚。
師匠もかなりはちゃめちゃな人ですが、私、こういう男の人は嫌いじゃない。
締めるところは締めているし。
解説にも書いてありましたが、ミステリと落語のなんと相性のいいことか。
これは続きが気になるシリーズです。
他の方もレビューで書かれていますが、表紙が少し残念。何だかイメージと違う。
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無理やり噺家の弟子にさせられた鶏冠頭の竜二。彼が、大酒飲みの師匠にどやされながらも古典落語に目覚める。その過程で、古典落語に関連のある事件が次から次へと起る。それを次々に解決していくミステリ。
解説の桂文珍も書いていますが落語とミステリの取り合わせは絶妙です。
月亭八天の古典落語の解説も面白い。
ネタになっている落語を聞きたくなります。落語を知らない人にもおすすめの一冊です。続きがあるようですのでそれも読みたいですね。
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上方の落語界に、髪型の落伍した若者が矯正もかねてつれてこられて、なんだかんだいって落語家になっていく話です。
一つ一つの章がミステリー仕立てになっておって、一話完結で非常に気分よく読める。このあたりは作者の力量でして、嘘も真も織り交ぜて実に破綻なくいける。いけてます。ドラマになってもおかしくない。
なんと言うかこの、マジモンの落語家の納得の高座を見て「ああこれなら、このくらい木戸払っても惜しないわー、いいもん見せてもらいました、どっとはらい」という感じ。お手本的。
と、これで満足すればいいんだろうけどねぇ。
いや、しました。してます。いい出来です。
でもねぇ……。
どメジャーでねぇ。
なんかこの「毒に中る」感じがまったくなくてなぁ。
シニカルさというか、落語界ゆえのウイットというか。
そこが「作り物」なんだろうなぁ。
コンピューターがものすごく発達して、人並みの物語をつむぎ始めたら、こんな感じかもしれない。
あと、江戸落語業の端くれにかかわる者としては、江戸落語を美化しすぎだと思いました。
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主人公の落語家になった経緯とか、
ミステリの部分とか、正直イマイチだけど
落語業界に屯する人々が楽しい。
元気なジジイが出てくる話は嫌いではない。
実際に近くにいたら嫌だけど。
江戸前の落語はちょこちょこ聞いたりすることもありますが
意外と上方の落語って知らないもんですねえ。
ま、表紙はいかんよねえ。
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落語のネタをもとに、事件を解決していく流れが、新しい感じがして良かった。主人公を始め、登場人物が魅力的。
でも表紙の絵が漫画チックでやだなぁ。小説には人物の絵はいらないと思う、
登場人物を想像するのもまた楽しみであるので。
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本屋さんで見かけたけれど手に取るまではいかなかった本。たまたま本屋さんの入り口正面に飾られていたので購入。予想以上に面白かった。落語初心者でも楽しめる。
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最初は、無理やりミステリにしているんじゃないか・・・と鼻白む感じがあったけれど・・・
最後のほうは、「そんなアホな」と突っ込みつつ楽しめた。
宮藤官九郎の「タイガー・アンド・ドラゴン」を思い出してならなかったが、巻末の文珍さんの解説によれば、こちらのほうが先のようだ。
古典落語の世界とうまく融合していて、楽しい。
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最初はどうなんだろうと思ったけれど、だんだん引き込まれていった。
落語はそこそこ知っているつもりだったけれど、ミステリーにも応用できることに驚いた。
ただ、竜二が落語が上手いというのがいまひとつ伝わってこない気もする。
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金髪兄ちゃんの表紙に惹かれて購入。
内容なんて全然気にもしていなかったのですが、落語をなぞった物語です。
引用モノは大好きです。
知っている話だと、先が読める楽しさと、新たな視点で原話に触ることができるので。
逆に知らない話だと、原話が気になるので、自分の知識も増えますよね。
後は、落語ネタ、って部分がお気に入りです。
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解説に桂文珍とあったので、単行本は読んでいたがこちらも読んでみた。
文庫化に当たっての変更点、+解説もいいし、改題も良かったと思う。もひとつ文庫化にあたってイラストがアニメちっくに可愛らしくなってこっちの方が私がイメージする主人公に近いと思った。
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この田中氏は、守備範囲の広い作家さんらしい。いろんなタイプの小説を書いてる。
私はこの本が初だったけど、お気に入りの1人になりそう。
いわゆるヤンキーあがりの竜二は高校のときの担任に、無理矢理落語家に弟子入り
させられる。年がら年中二日酔いで無茶苦茶な師匠、笑酔亭梅寿にこき使われ、
罵倒され、さんざんな目に遭いながらも、次第に落語の魅力にはまっていく竜二。
そんな日々の中で出くわした事件の謎を竜二が解き、あたかも師匠の推理かの
ように周囲に伝えて事件を解決していく。(名探偵コナンみたい?)
謎解きも面白いけど、竜二と師匠、兄弟子達のやり取りや、落語の場面が面白くて
すっかり話しに引き込まれた。
早速、続編も購入。他のタイプの本も買ってみよう。
Posted by ブクログ
鶏冠頭の不良の竜二が連れてこられた先は上方落語の大師匠の家だった。酔いどれ親父に殴られながらも落語の能力を開花させていく。
後半にかかってから面白くなってきた。たちきり線香、らくだ、時うどん、平林、住吉駕籠、子は鎹、千両みかんが題材になっていて、落語に興味がわいた。
Posted by ブクログ
『タイガー&ドラゴン』?
『名探偵コナン』?(ちょっとパターンは違うけどw)
落語をモチーフにした、なぜか探偵ものテイストのお話…。
でも実は、落語の世界をそのままに展開する
人情あふれるお話の数々という印象ですw。
もうちょっと大きい事件も見てみたいなぁと思いますが、
竜二くんがのしていけば出てくるのかな?
個人的には、人情の世界で一人だけ頑として浮いている
梅雨くんのキャラクターが好きです(笑)。
Posted by ブクログ
借本。
著者の本はこれが初めて。
落語とかあまりしらないけど、落語と謎解をうまい感じでまざってて、面白い。2巻も読みたい。
単行本だと3巻迄発売されてるけど、表紙がどーも…
文庫の表紙の方が好みなんで…
Posted by ブクログ
噺家に弟子入りする事になったヤンキーもの。
自分がお酒を飲まないせいか、どうも師匠が。。
嫌だ。。吐く描写が多くて。。
1作目から殺人ネタなのに驚き。
主人公、落語が上手という事だがイマイチ分からない。。
ウケなかったりしてるし。。
とりあえず様子見で続編読もう。。
Posted by ブクログ
金髪トサカ頭の不良少年・竜二は上方落語の大看板・笑酔亭梅寿のもとに無理矢理弟子入りさせられる。
破天荒な師匠の元で下積み生活を送りながら身の回りで起きる事件を解決していく。
全ての話が古典落語を利用し綴られていく。
Posted by ブクログ
中古本屋さんで購入。
いきなり、落語家さんに弟子入りさせられた主人公が少しずつ古典落語に魅せられて、ついでに?推理して、起きるトラブルを解決していくという・・・。
昔タイガー&ドラゴン ドラマを見て落語って面白いな~なんて思っていたらこれを参考にしているのかな?って感じがまたはしばしで感じることができました。
でも、クドカンの脚本のほうが私は好きかも。
すっきり読めるので、私は好きです。
Posted by 読むコレ
人気のシリーズ。ようやく手をつけ始めました。
落語とコメディとミステリに更に作者の多趣味性を
散りばめていてサクサクと軽快に読めますね。
傍若無人に見えてやはり噺家らしく浪花節バリバリの
「梅寿」師匠を始め、ある意味ベタな人物設定の
登場人物み古典落語がテーマになっている為か、全く
気にならないし、むしろその空間が気持ちいい。
主人公の「竜二」の落語のセンス以上(?)の
謎解きパート自体がオマケみたいなものですが
バカバカしいものから本格(風)まであってサービスの
多彩な一冊。
個人的には愛川晶氏の「神田紅梅亭〜」シリーズ
の方がより人情噺っぽくて好みですが、こちらは
もっと軽めに単純に楽しめる分多くの人に受けそう。
Posted by ブクログ
ミステリーにカテゴリわけしたけど、あんまミステリーっぽくはないかな。コナン要素はあるんだけど。
バンドマン(笑)をなんとなく目指していたらしいヤンキー(笑)の竜二が、担任に無理矢理酒飲みの落語家のとこへ弟子入りさせられるのが冒頭。
それから、落語の話に合わせた謎解きを孕んだ、竜二の成長物語的ジュブナイル。…だと、私は思っている。
転職する前、昼休みがその時間なので見ていた『ちりとてちん』をなんとなく思い出したので、噺家さんの仕組みみたいの、なんとなくすんなり理解できたかな。まったく知らずに読んだら、その辺については微妙かも(あんま説明がない。常識なの?)。でも、話は面白いので知らなくても楽しめると思う。落語のネタについては、短編がはじまるまえに本職の人が一頁にまとめてくれてあるから、心配ナッシング。
粗茶一服シリーズ(主人公はちょっと拗ねてるけど実は天才、師匠はロクデナシだけど実はすごい人、何気に師弟愛、メインは主人公の成長、何気に師弟愛、大事なことなのでry)が好きな人は多分好物。
ミステリー好きには正直NG。割と成長物語の方に重きをおいてるように思います。
これ、テレビドラマ向きの話だと思います。
ただ、それはただのタイガー&ドラゴンです(笑)。
※タイガー&ドラゴンより前に書かれた作品です
Posted by ブクログ
元々古典落語は好きなので、楽しく読めました。そして落語が聞きたくなった……! 推理物としては弱いのですが、落語+推理物というジャンルは新鮮です。