感情タグBEST3
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良かった!!
結構長いので旅行のお供に。
初めはそんなに楽しくなく、進むのがゆっくりやったが誠次と晴也が出会って絡み出すと超面白く一気読み。
和歌子先生の一生懸命さに、共感したり園長やひまわり荘側のやつらにイライラしたり。
ラストは想像出来たけど、やっぱり誠次と晴也は再会して欲しかった〜
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理事長を同じくする2つの施設。老人ホーム“ひまわり苑”と“ひまわり幼稚園”は隣り合って建っている。ひまわり苑の所長は理事長の義弟、ひまわり幼稚園の園長は理事長の娘。県会議員選挙に出馬予定の理事長は、自らのイメージアップに必死。老人と幼児の交流を図ろうと、苑と園の間の壁を取り払うのだが……。
幼稚園時代をここで過ごし、園の中でも特に問題児と言われた4人―晴也、伊梨亜、秀平、和樹―が、当時に交わした約束を果たすため、13年後に更地となったこの地を訪れるシーンで物語は始まります。以降の章は当時の様子が描かれ、約束の中身が明かされるのは最終章。
小分けにされた章は、妻に先立たれて苑に独りで入居する誠次、母子家庭に育つ、緊張しぃで口べたながら悪ガキの晴也、晴也の所属する“こぐま組”の担任、和歌子先生が、交代で語る形。
園児たちにとって、自分たちの何十倍も生きている年寄りは一種の妖怪。苑と園の間の壁は魔界との結界だったのに、それが破られたわけです。園児と顔を合わせるようになると、 白塗りの化粧に気合いが入ったり、無理に笑顔を作ったりする年寄りの姿が、もう怖くて仕方がありません。年寄りに声をかけられるたびにビビる子どもたちは、いちいち「ひょえ~、じょわ~」。←パンツの中でチビったところ。
子どもが苦手な誠次は、こんな状態を鬱陶しく思っています。しかし、苑に飛び込んできたボールを拾ったことから晴也らと話すように。誠次がひまわりの種を植える様子を見かけた彼らが、「ジジがミックスナッツを土に埋めている」と考えてビビるところは爆笑。
理事長や園長の都合に振り回される和歌子先生の姿もまた傑作。「パコパコパコ」。何の音かと思ったら、パソコンのキーボードを叩く音。和歌子先生が落ち着いてキーボードを叩いている間はいいですが、だんだん腹が立ってくる段では、スゴイ音になります。「パコパコパコガコベコギコガコ」。可笑しすぎ。
経営者側の思惑のみで構成される、くだらない合同プログラムから脱出して、誠次が悪ガキ4人を苑の自室に連れて行ってみれば、園の机の下でゲームばかりしている無口な和樹が麻雀の達人で「ロ~ンッ!」。誠次と同じく入居者の寿司辰や片岡、おトキ婆が惨敗し、もう園に帰らなくちゃという和樹に向かって、「勝ち逃げする気か、坊主!」と叫んで大人げないことこの上なし。誰から麻雀を習ったんだと聞くと、和樹は「ニンテンドーディーエスです」。年寄り連中は「何者だそれは。外人か」。
苑の経営改善を求めて片岡がバリケード封鎖をおこなうことについては、園児を巻き込んでこんなことやらかしちゃ駄目でしょと思いますが、子どもたちだって言いたいことがあるんだと声を上げるシーンには涙。園長の勝手な判断で演劇発表会の配役や台詞が変更されると、たとえば「主役なんだよ」と家族に話したことが嘘になってしまいます。「僕は嘘はついていないのに嘘つきになってしまった」って。最初はお姫様役に固執していた伊梨亜の言葉には笑い泣き。「おサルは大切な役だって言ったくせに。 おサルでもいいからがんばろうって思ってたのに」。
むずかしい言葉がまだありすぎる子どもたち。それを説明する誠次の言葉のひとつひとつが可笑しくも優しい。非現実的なストーリーではありましたが、こんなふうに世代のちがう人同士が関われたら。
「想像というのは、自分とは違う誰かのことを考えることだ。いまとはちがう明日を考えることだ」。人間は、誰もが一冊の教科書。
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隣接する老人ホームと幼稚園。そこの老人と園児のほっこり交流する話。では終わらなかった。
なんつっても「ひまわり事件」だもんな。笑える場面もあれば、切ない場面もあり最後まで楽しく読めました。
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序盤は視点の変更や流れの単調さに詰まらなさを感じるが、中盤以降勢いに乗ってくると面白い。子供、老人それぞれの感情表現がはっきりしていて移入しやすい。
エピローグもさっぱりとした形で夏の終わりを彷彿とさせる。
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群像劇?
おなじ舞台だけど
登場人物の視点を変えて
とても
わかりやすく
ストレスなく楽しめる
作者のユーモアのある語り方も
長文のなかで
たくさん変化していく
結末が楽しみだったが
優しい着地点も
安心できた。
男が書いた本
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隣接するひまわり幼稚園とひまわり苑の交流が始まったことで出会った園児たちと老人たちの物語です。一緒にひまわりの種をまいたり麻雀をしたり(笑)
それまでお互いに接点も興味もなかった園児と老人たちの距離がだんだん近づいていくのがほほえましいです。すぐに下ネタをいうエロじじい寿司辰がいい味出してます。
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子どもたちと老人たちの気持ちというか、思いというか行動あれこれのすれ違いが面白くて、コーヒー屋で読んでいるのを忘れ、声に出して笑ってしまったり、こうはならないでって思っていたところで、仕方ないけどやっぱりそうなる…ところでは泣かずにはいられなかった。
幼稚園児4人組…ちょっと大人すぎるかな…なんて思ったけれど、エンターテイメント小説として、とても楽しめた。
そして、最後の一文はとても素敵だと思った。
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隣り合う幼稚園と老人ホームの交流の話し。
ほのぼの系かと思いきや、子どもも大人もみんな自分本位、好き勝手するものだから次々に問題が起きる。それでも、それぞれの立場でその人なりに考えて、関係や環境が少しずつ変わっていくのが良い。
ドタバタコメディなのだけど、少しだけ切なくて勇気をもらえる物語。
子どもたちのひまわりでの闘いはうまくいったかな。
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夏の終わりに、なにかこの夏に残るものが読みたくてタイトルだけで選んで読んだ一冊。
ほのぼのとした話が続くと思いきや、終盤からの急展開に驚き。
様々なユーモアが散りばめられた物語ではあるが、時折ほろっとさせられるようなフレーズを残していくのが荻原さんらしくて、とてもいい雰囲気の作品。
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かなり読み応えがある一冊。派手な事件は終盤だけで、老人と幼児たちの不思議な出会いと友情が描かれる話。比喩表現がとにかく面白かった。自分では思いつかないような表現なのに、それがものすごく的を射ているから凄い。
登場人物のキャラが立っていて、どのひともすごくピュア。守りたい人、守りたい気持ちにだけ突き動かされていて、どの登場人物のことも嫌にならずすっきりとした読後感がある。悲しくないのに、その人物にとってのハッピーエンドなのに泣けてしまった稀有な話。凄く好きな話です。何年かしたらまた読み返したい。
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ラストを読むまで、タイトル「ひまわり事件」は、バリケード封鎖のことを指してると思ってました。
誠次と子どもたちが仲良くなる描写は良かったけど、そこまでが長かったです。
ただ、後半は一気に読んで夜更かししてしましました。
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愉快痛快。後半のクライマックスシーンはスカッと!
とにかく個人的には単純に気持ちよくて大好きな系統の作品です。
大きな力に対し個人の力は小さいかもしれない。でも、やってやるという気持ちがあれば、変化をもたらすことは出来る!そんなメッセージを感じました。
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まるで「森友学園」のような舞台で繰り広げられる“老人と子供のポルカ”。子供の描き方の巧さはさすがで、年の差70歳以上、世代間ギャップの大き過ぎる交流が笑える。戦争を知らない子供が爺さんになり、今度は学生運動の語り部となる…ことには時代の流れを感じた。
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有料老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」は壁を隔てて隣り合っている。
ふたつの施設の経営者は同じで、建設会社の社長で、議員でもある。
選挙戦を有利に闘おうと打ち出された、老人たちと園児たちの交流。
壁は取り払われて自由に行き来ができるようになる。
子どもが大嫌いな老人と、老人をゾンビ並みに怖がる園児たち。
徐々に距離を縮めていく老人たちと園児だが、近づきすぎて起こるエピソードが面白い。
老人ホームで行われる「不在者投票」。
認知症の症状が出た入居者への一方的な退去勧告。
老人たちは立ち上がる。
「大人の事情」なんてわからない園児たちも、老人たちといっしょに闘うことを選ぶ。
老人たちと園児との触れ合い。
老人ホームでの年寄り同士の会話。
それぞれの描写がすごくいい。
老人たちの間で繰り広げられる恋のさやあて。
園児に対して媚びるわけでもなく、上から目線で押しつけるでもない。
常に真剣勝負なのが笑えるが、だからこそ感動したりもする。
老人と園児で築くバリケード。
施設内でおこなわれている不正の告発。
痴呆になると追い出される老人たちはどこへ行くんだろう?
「介護難民」って言葉があるかどうか知らないけれど、けっこうキツいだろうなと思う。
誠次をはじめとする老人たちがカッコイイ。
4人の園児だって頑張っている。
出会いはたくさんのものを幼い園児たちに残していった。
満開になったひまわり畑はいったい何を伝えてくれるだろう。
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再読。
荻原氏の作品は毎回面白く読めて大好きなんだけど、いつもラストがほろ苦い。このエンディングもほろ苦さ最強。
でもラストの1文の存在感も素晴らしいな。
あと.初読のとき、なんでセイヤとイリアくっ付けたかなーと思ったけど、再読したら許せたイリアちゃん可愛い。
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同一経営の隣り合った幼稚園と老人ホーム。
選挙に出馬する経営者が人気取りのために幼老交流を思いつき。。
結構分厚い本です。
中心に流れるのは、幼老交流に最初は戸惑いながら、妙に気が合ってしまった老人と幼稚園児の様子と、儲け主義の老人ホームの不正とそれに立ち向かう一部の入居者たちの反乱です。
なかなか重いテーマを扱った作品ですが、そのストーリーだけなら2/3でも済かなと思います。
また、気になるのは登場人物達が見事にステレオタイプな事です。悪徳の理事長、その娘で子供嫌いな幼稚園長、悪がきたち、口は悪いが一本気で寂しがり屋の老人たち。
しかし、初期のスラップスティック作品を思わせるような”笑い”が随所に織り込まれていて、楽しく読ませてもらいました。
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園児と老人の掛け合いが面白くて、読んでいてクスっと笑えるシーンがたくさん。
それぞれの視点が交互に描かれていきます。
後半の事件はちょっとリアリティがないかな…と、多少違和感はあるものの、全体的に面白かったです。
いなせなキャラのおトキ婆が素敵でした!
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もっと若い頃に読んでたらこの長さも気にならなかったのだろうな。ここまで積み上げる必要があったのか…。あと、子供の設定はなんか違和感かなあ。荒木先生に一番感情移入したのだが、違う年齢で読んでたらまた違っただろうな。
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ちびっこにとってはお年寄りって理解不能で怖い存在、お年寄りにとっては幼稚園児は異星人。しかし、幼稚園と老人ホームの相互交流によって少しずつ距離を縮め、思わぬ騒動へと進んでいく。そのあいだの心の交流やその後の様子など暖かな気持ちで楽しく読めた。
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後半が良い。それまではダラダラ長すぎて何度止めようと思ったか。。片岡さんの言う事は間違いないし、共感しかない。でもそれが出来る時代ではないよね。声を上げる者や自己主張する者は煙たがれるし。
しかし、昔の人達って無謀な戦いだったけどよく頑張ったよね。国と戦うなんて今じゃ考えられない。これは前からすごいと思ってた。
読後スッキリするような、ちょい残念なような。
とりあえず、伝えたい事はよく分かった。
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隣接する老人ホーム「ひまわり苑」と「ひまわり幼稚園」は、理事長の思いつきで、相互交流を開始する。当初は困惑するものの、しだいに打ち解けてゆく園児と老人たちだが、この交流が苑と園の運営を巡り、思わぬ騒動を引き起こす。
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読みやすくて面白かった。
荻原浩さんの本は何冊か読んでいるけど、いずれも読みやすくて間違いは無いかな・・・と。
なぜか99の後が101になっていたのが気になったけど単なる誤植かな?
Posted by ブクログ
少子高齢化が題材になっている物語。
隣接する老人ホームと幼稚園を隔てる壁が取っ払われたことで、老人と幼稚園児の交流が始まるのだ。
ただ、核家族化や地域のコミュニティが少なくなっている昨今、互いになかなか歩み寄れない。
それが、ひまわりの種を一緒に植えたり、麻雀をしたりすることで、少しずつ近付いていく。
その後、老人ホームで起こされた事件、その中で語られる言葉。今の世の中への怒り。
様々な問題が盛り込まれた話は、涙や笑いの要素をも含み、ジワジワと心に染み込んでくる。
2016.10.23
Posted by ブクログ
冒頭は結構だれてしまったが、途中からはスピード感もありおもろくなった。
闘っても変えられないこともあるという現実と、それでも受け継がれるものがあるという希望のさじ加減が絶妙。