感情タグBEST3
Posted by ブクログ
こういう不思議なひとたちが出てきて余韻を残していくようなお話が大好きです。
今後までは書かれずにご想像にお任せされるような最後がまたあとをひかれます。
あのひとはピアノを弾けるようになるのかなとか、これからもちょくちょくあの子は店に現れるのかなとか、引き続き不幸を叩き出してるのかなとか。
このシリーズに続きがあるのかわかりませんが、あれば読みたいです。
Posted by ブクログ
潮の道という架空の街を舞台にしたあっさり系ファンタジー。キャラクターも魅力的で続きがよみたい!でないかなぁー
こんなところにすんでみたいなぁと思わせる、作者の地元愛が伝わる作品。
Posted by ブクログ
瀬戸内の風光明媚な町、潮ノ道(あとがきを読まずともモデルは明らかですね)を舞台としたファンタジー作品集。
何気ない日常、でもちょっと不可思議な日常。町のそこここに人ではない"何か"が普通に存在し、ごく自然に溶け込んでいる。中には厄介者も居るけれど、大半のものたちは町にそっと寄り添い、時に人間に手を貸してくれます。
作者が作品世界のみならず、故郷をこよなく愛している事がひしひし伝わってくる、ほっこりあたたかな一品です。
Posted by ブクログ
不思議な力に満ちた、瀬戸内海にほど近い山に囲まれた町、潮ノ道。
小さな奇跡に溢れるこの町は、人間でないものも呼び寄せたり、本来力を持たないものにも力を与える。
読んでいるだけで、素敵な町だなと心底惚れこんでしまうような町でした。
引き寄せられるように集まってくる個性的な面々もいいですね。
もちろん、一番の主軸はこの連作短編集すべてに登場する、お寺の住職、了斎でしょうか。気のおけないおじいさんながら、不思議な町にぴったりな人物です。もはや何が普通なのかわからなくなってしまうくらい、気付けばこの町の空気に馴染んできます。
どこか夢のような、美しい情景がまた特徴的です。
見えない海の上を渡る船や、四季折々を映し出す動く絵画、そして短編のタイトルもまたセンスがよくて美しい。
「桜絵師」
「写想家」
「旅の編み人」など…
思わず、読んでみたくなりませんか?
一番好きなのは「ピアニシモより小さな祈り」
きっと自分の心の底に、想いが形になってほしい、誰かにきちんと届いてほしい、という気持ちがあるのでしょうね。
人を、物を大切にして、それに応えてくれる関係が築ける。そのことがどれだけ素晴らしいことか改めて感じさせる1冊でした。
初読みの作家さんですが、読めてよかったです。
静かで美しい物語でした。
Posted by ブクログ
著者の故郷尾道をモデルとした潮ノ道という町を舞台に紡がれる7編の連作短編。
不思議な力が集まるとされるこの町に住む住人達と、人ならぬ存在が織り成す煌めく物語。
満月の夜に亡き人を乗せて白い小舟が帰ってくるという言い伝えを描いた『帰去来の井戸』、切なる祈りが心に響く『ピアニシモより小さな祈り』が特に良かったです。
『桜絵師』は今この桜の季節に読めて良かった。
物語にただ一人共通して登場する、飄々とした物腰で物語に彩りを加える持福寺の住職了斎がまた何とも言えず良いです。
シリーズの構想もあるようですので楽しみに待ちたいです。
Posted by ブクログ
「潮ノ道」という瀬戸内海に面した町を舞台にした和風ファンタジー。
ほどよくリアルで懐かしいような田舎町の描写と、ちょっと不思議な出来事が自然に溶け合っています。
好きになりました。
「帰去来の井戸」
地元の大学に通う由宇は、伯母の七重の店「雁木亭」という店を時々手伝っている。
店の裏には井戸があり、その水を飲むと必ず町にまた戻れるという言い伝えがあった…
「天の音、地の声」
小学4年の美咲は、持福寺の住職の了斎に頼まれて、劇団「天音」の役者サクヤを迎えに行く。
わずか数人でやっている劇団だが、口コミでけっこう人気がある。彼らのしていることとは…幽霊屋敷と騒がれている古い建物で、美咲は、一端をかいま見ることに。
「扉守」
「セルベル」という雑貨屋に入ってきた少女・雪乃には、何かが取り憑いていた。
セルベルの主人の青年が、実は扉守という役目をしていた。
「桜絵師」
持福寺の了斎のもとを訪れた絵師・行雲が広げていた絵。
高校生の早紀は、描かれた桜が次第に増えていくのを見て、美しい絵の中に入りたいと思う。
「写想家」
人の思いを写す写真家。
違う人生を送る女友達が、ある日抱いた思いは…
「旅の編み人」
ピンク色の翼を持つ何かが、羽ばたいて窓の外へ消えた。
何でも編むという女性のバッグから飛び出したそれは?
「ピアニシモより小さな祈り」
静音は地元で勤めているが、神崎零のピアノコンサートをボランティアで手伝ううちに、ほとんど仕切るようになった。
零には調律師の柊も同行して、コンビで行動している。
静音の家には昔から、鳴らないピアノがあった。
何度張り直しても、音を立てて壊れる…
すねているピアノをなだめると言われ、連弾の練習を始める静音だったが…?
瑠璃山、黒曜山、白珠山という三つの山がすぐ海まで迫っていて、細い道が入り組んだ坂をなす町というのが素敵です。
作者は尾道出身なんですね。
2006年から9年にかけて書かれた連作短編集です。
Posted by ブクログ
第1回広島本大賞受賞作ということで購入。装丁も内容に合わせて幻想的で綺麗。
内容としては尾道をモデルにした「潮ノ道」という昔の面影が残る街を舞台にしたファンタジー。
ファンタジーなんだけど、モデルとなった尾道にも、こんな不思議なことがあっても別に不自然ではないと思わせるような雰囲気があります。きっとこの街だからこそ成り立つ物語なのでしょう。
読んでいて気になる広島弁もなかったし(たまに変な言い回しや時代的に誰も使っていないような広島弁で書かれた作品もあるけれど…この作品は気にならなかった)、ファンタジーが平気な人なら楽しめると思います。
個人的にすきなのは「天の音、地の声」「桜絵師」。
Posted by ブクログ
湖の道は尾道がモデルだそうだ。
時をかける少女の実写映画で見たあの美しい土地ならば、そのようなことが起こり得るのだろう。
「ピアニシモより小さな祈り」では、ほしおさなえさんの
ものだま探偵団シリーズを思い出した。
好きなタイプだ。
Posted by ブクログ
尾道を舞台にちょっとした不思議な事件が起こる日常ファンタジー
というのが唯一の長所か
起こる事件の幅のなさ奥行のなさ登場人物のかるさ
褒めるところが少なすぎる
題材はいいがそれ以外はよろしいといいがたい
Posted by ブクログ
ある人から光原百合さんが良いと伺い、広島本大賞受賞作ということもあって読んでみることにしました。
潮ノ道という架空の街。名こそ変えているものの尾道ですね。それらしい雰囲気が随所にあります。
幻魔大戦風のおどろおどろしいものから、妖精っぽい可愛らしいものまで、連作のファンタジー短編です。
もう一つ統一性が欲しかったかな。優しいものばかり並べるとかすると、結構まとまりが出たような気がします。
Posted by ブクログ
瀬戸内海に面した「潮ノ道」。
この町を舞台に繰り広げられる、ちょっと不思議で
懐かしい和風ファンタジー。
梨木香歩の”家守綺譚”が好みの人は、きっとこの話しも
好きになれるはず。
Posted by ブクログ
ファンタジー作品。私はそんなに得意な分野ではないけれど、尾道を思わせる舞台の地には行ってみたくなる。色々なテーストの作品があって、ほのぼのもブラックな感じも、飽きずに楽しめました。
Posted by ブクログ
全体に流れる優しくて切なくて不思議な雰囲気は好き。
読んでいると歴史情緒豊かな瀬ノ道(尾道)の町並みが目に浮かんで来て、尾道を訪れてみたくなった。広島弁も心地よい。
帰去来の井戸、桜絵師が好き。
特に桜絵師の世界観が好きで、幻想的な絵の世界の中に自分も入ってみたくなった。
Posted by ブクログ
以前読んだ時あまりぴんとこなかったのだけど、なんだかもう一度読んでみたくなり再読。
潮ノ道という架空の土地を舞台にしたファンタジーものですが、どのお話も「想い」が共通点となっていて、ちょっぴり不思議でときどき怖くて、でもとても優しくて。たいへん光原さんらしい短編集となっています。
中でも「帰去来の井戸」「扉守」「旅の編み人」の3作がすきです。
ちょっと短編で終わらせてしまうのは勿体無いくらい。
以前と同様に完全に入りこめなかった要因はもしかしたらその辺にあるのかもなあ。
あと方言がわかりにくいのも難点。
Posted by ブクログ
舞台設定が夢見る女子のロマンをかきたてるものとなっております。
どの短編も、たぶん普段ゼロサムとかGファン読んでる夢豚にはたまらない内容ですね、おそらく。
文章がちょっと垢抜けない感じはありますが、それさえ気にならなければ普通に楽しめる。
さわやかさと、女性作家!という感じは、例えるならあさのあつこ。