感情タグBEST3
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年をとってくると、「山周」はぐっっと心にしみてきてクセになる。
「親おもい」「僕のワイフ」普通に考えたら絶対非のない人もワリをくうし、それぞれの事情やら感情がある。人生そんなもんだよね。1+1=2ばかりではない。
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本当の意味で愛するとはどういうことなのか。
自分の価値観はまだ未熟なのだなあと痛感した。
というか、生きているうちに山本周五郎先生の価値観を理解できる日が来るのだろうか。
ひたむき、とかまっすぐ、とかの純度を最高に高めると山本周五郎先生に行き着くような気がする。
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貧民街に生きる人々を描いた短編集です。
-そこではいつもぎりぎりの生活に追われているために、虚飾で人の眼をくらましたり自分を偽ったりする暇も金もなく、ありのままの自分をさらけだすしかない。-
現実の世界に「普通の」人間なんていないように、この物語に出てくる人物一人一人もまた個性的。
個性的なんだけど、読み進めていくうちに、出てくる人物一人一人に愛着を持たされてしまう。「自分をさらけだすしかない」この街の人々に憧れているのかもしれない。
苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である
「よしよし、眠れるうちに眠っておけ」とそれは云っているようであった、「明日はまた踏んだり蹴ったりされ、くやし泣きをしなくちゃあならないんだからな」
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今のところ最良と呼べる位置に付いた小説のうちのひとつ
西原さんが薦めてたからすぐかりて読んでみたんだけど、本当に懐かしいといか自分の小さい頃を思い出した。
ここまでじゃないけどこんな環境だったんだよなぁ。
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語りはあたかも「街」全体を見渡す
傍観者の視点のように
淡々と複数の話をまたいで進められる。
その客観的な視点からでさえも
「街」の人の生活があまりにも
壮絶だと感じてしまう。
死や飢え、貧窮、不倫や近所に広まる噂話…
そういった世の中の生々しい部分を
浮き彫りにしているようなこの作品。
そこに登場する全ての人物は、
なんやかんやで作者に
嫌われてはいない(いなかった)気がする。
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短編集。
黒澤明監督の映画『どですかでん』の原作となった作品。
戦後直後のヤミ市で生きる、知的障害の青年六ちゃんは
いつも電車に乗っています。六ちゃんにしか見えない電車は
毎日「どですかでん、どですかでん」と音を立てて疾走します。
貧しいが、どんな人でも自由に生きた時代。
やるせなさと暖かさが両立する作品です。
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とっつきにくかったけど、インパクトのある作品。
短編集だけど、同じ舞台で起こっている話。
戦後の貧民街の話で、くさいものに蓋をせず、ただ在るものを「在るもの」として書かれていた。
「意見」を描くのではなく、「本質」が描かれていて、作者の考えよりも、読み手がどう考えるかを促す小説だと思う。
一般に下に見られるような人たちでも、生きてるし生活してる、そんな当たり前に、インパクトがあった。
良い話でも悪い話でもない。在るものの話。
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黒沢映画の原作となった話も含まれている、どこかにある「街」の話。少しばかりでも人生の苦渋を舐めた人間ならば、この街の登場人物にどこかしらに人間の側面を重ね合わせずにはいられないのではないだろうか。この街の人は皆一様に下世話でこころ弱く堕落して哀れで儚い。しかしどこか哀調に彩られたなかに一片の鈍く淀んだ輝きのようなものも交じっている。中でも、プールのある家の調度品や内装を妄想する乞食親子の話がなんとも言えない。目を背けたくなるような美しさ。
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僕のワイフ:謎を残す終わり方、想像をかきたてられます
親おもい:悲惨な感じがわざとらしい
プールのある家:ある種のネグレクトか?
ビスマルクいわく:とても面白いです
がんもどき:悲惨な感じがわざとらしい
ちょろ:大変面白いです
肇くんと光子:サイコパスものか?木○佳○被告とか連想されます
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極貧の街で生きる人々のそれぞれの喜怒哀楽。色んな意味で生々しく力強く生きている姿に凄みがあります。「親おもい」「とうちゃん」の二つが好きです。
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山本周五郎の、戦後の裏街を舞台にした短編。
架空の列車がみえる少年、夫を入れ替える妻達、悪妻をもつ顔面神経症の男性、などなど多彩な顔ぶれ。
それぞれの人生、それぞれの価値観が面白かった。
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昭和の時代にはこんな街があちこちにあったような感じ。近所同士が裸の付き合いをする。スマートでないが、滑稽でもあるが、極めてまじめにがむしゃらに生きている。そして生き生きしている。「がんもどき」がよかった。12.12.1
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貧民街に住む個性的な人達の日常生活を描いた作品。
貧しさゆえ常にありのままをさらけ出して生きる人達の姿は悪く言えば下品かもしれないですが、虚飾だらけの現代人には羨望を覚えるところもあります。
人物は個性的で面白いのですが、可笑しさの中にもどこかに哀しみがあり、その妙な現実味がこの作品の不思議な魅力の一部になっていると感じました。