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Posted by ブクログ 2022年12月09日
『降霊会という名の告白タイム!衝撃の事実が次々と…』
戦後の急速に変わりゆく社会を経験した主人公。
強く心に残った少年時代、大学生時代の想い出の知られざる事実が、降霊会で明かされる…
今では考えられないようなことも、当時の社会状況では仕方がなかったのかな…と考えさせられました。
Posted by ブクログ 2018年10月20日
元会社の保養所であった別荘に一人暮らす主人公は道に迷ったような女性を一晩泊めてやった。その彼女がミセス・ジョーンズの降霊会に招いてくれた。その降霊会で主人公は自分の過去を見た。
Posted by ブクログ 2014年12月29日
ひとつの怪異譚の内包した時間の厚みが膨大で、物語の中の時間軸を突き抜けて手元まで届いてる感じのする言葉のエネルギー
ぼんやり幻に巻き取るようなラストなのに読後感の鮮やかさと苦さが気持ちいい
Posted by ブクログ 2012年11月14日
すばらしい作品だった。
主人公の幼き時代に訳ありの友達をもち、一線をひいて付き合った。老いたのち、霊となった友人と再会する。なんともいえない切なさがたまらない。恨みはなく、さわやかに別れた。
また、主人公は、19歳のころに愛した清純な女性を、その時、振ってしまったことを、長年後悔してきた。一方、...続きを読む自分を愛していた女性には気づかずにいた。自殺してしまった好いてくれていた女性が霊となって現れ、一言さよならを言ってほしかったと激白した。しかし主人公は最後まで言わなかった。心の葛藤、人間模様の描き方が絶妙であり、読ませる。
Posted by ブクログ 2014年11月22日
主人公がふとしたことで「降霊会」に呼ばれ、その中で現れる、忘れたのか、あえて蓋をしたのか、過去に関わった人々と交流する、そんな話。前後半2部に分かれており、前半は少年期の事件、後半は学生の時の話。戦後の混乱期や、学生運動なども絡んで、一筋縄ではいかないこの時代に起こった悲しい話。どちらの話も、「ボタ...続きを読むンの掛け違え」が招いた悲しい出来事だった気がする。前半はあまりに悲しく、後半は少し煮え切らない結末でした。そういえば浅田次郎の作品をあまり読んでいないので、多少読み漁ってみようかと思った次第。
Posted by ブクログ 2014年01月11日
祖父が神憑る際に梓弓の弦を引くことから、梓と名付けられた女が別荘地に迷い込んだところから物語は始まる。梓に西の森に住むジョーンズ夫人を紹介されたゆうは降霊会に臨み、父親に殺された小学生の頃の友人やゆうへの想いを告げることもなく、若くして亡くなった真澄の思いを知ることになる。過去の自分と真摯に向き合う...続きを読むことの難しさを教えてくれる作品。
Posted by ブクログ 2013年04月06日
結末がすこし期待はずれ。想定内?
但し、小説内の2つのテーマはどちらも秀逸で、浅田次郎らしい心の葛藤や心苦しさがうまく表現されていて、とてもよい小説です。
Posted by ブクログ 2013年01月06日
初老の男性がずっと胸の奥に抱えてきた、でも目を逸らし続けてきた過去に降霊会を通して向き合っていくストーリー。
前半の少年時代編と後半の学生時代編に分かれている。
少年時代に仲がよくもあり、半面疎ましくもあった友人キヨが目の前で交通事故で亡くなった話の真相はやるせなくて、重かった。。
浅田次郎さ...続きを読むん、「椿山課長の七日間」しか読んだことがないのだが、やはり作風は似てるかな。
後編はイマイチだというレビューも見たけれど、後編も女性の側からすると切ない・・。
「降霊会」というタイトルから胡散臭い話を連想するかもしれないけれど、過去にタイムスリップするようなお話、かな。
Posted by ブクログ 2012年10月14日
下枝は地を舐めるほどなので、周囲には草ははえず、地面は厚い青苔のい被われていた 車だってわがもの顔の時代だ。歩行者優先なんて標語はお題目で、人間様より車のほうがずっと偉かった 私は傷ついた。百合子の揮った刃物が、皮膚も肉も貫いて骨の髄まで届いたような気がした
Posted by ブクログ 2012年10月08日
初老の主人公は、降霊会に呼ばれ、子供の頃の友人キヨの霊、学生時代の女性の友人真澄の霊、あるいは関連のある人の霊と話す。
前半のキヨの話がとてもせつない。。。
Posted by ブクログ 2023年09月14日
初浅田作品。
前半のキヨ編は、戦争をまだ引きずっていた時代で、悲惨ながら、読まされたが、後半はうーん。
結局、ゆうちゃんは20歳前に振った百合子を30年近く想っていたってことか。
Posted by ブクログ 2022年07月04日
戦後に生まれ、東京の裕福な家庭に育った男性が、ひょんなことから降霊会に誘われ、過去と向き合う話。降霊会というと突拍子もないように思えるけれど、終戦から高度成長期までの時代のリアルな空気、当時の東京で裕福に育った若者達の在り様など、読み応えがあった。
個人的に、終わり方がいまいちしっくりこないような気...続きを読むがして残念だった。
Posted by ブクログ 2016年11月22日
雨宿りのお礼にと誘われた降霊会で、忘れようとしてもいつもどこかに残っていた幼き頃の友への後悔と青春時代の恋と向き合うことに。
戦後復興の時代の格差社会。裕福で善良な家族に囲まれて育ったゆうちゃんが出会った陰鬱で口数の少ない恵まれない境遇のキヨ。帰る方向が同じだから友達になったけれど、子供ながらに感...続きを読むじるキヨとの差異。あの時自らも幼い自分に何かが出来たのだろうか。
キヨとの話はとてもやるせなくて、霊と語ることで、ゆうちゃんがどう思うのか気になり引き込まれました。
後半はゆうちゃんの学生時代の恋愛の話。学生運動がどんなものか分かりませんが、その時代なりのかっこよさのようなものを押し付けた自分勝手な恋愛。別れ際に百合子から残された『私、死ぬわ』という言葉。その百合子への未練と後悔。
ゆうちゃんを想っていた女の子の霊なども降りてきますが、後半は私はたんたんと読める感じでした。
もう少し降霊会を開いた梓さんやメアリーとジョーンズ夫人の話も読みたかったかな。
Posted by ブクログ 2015年10月08日
交霊会で霊に帰らないと言われるより、
読み終えたときのほうが怖かった。
ゆうちゃん、何人の女を捨てたんだろう。
梓はゆうちゃんが忘れてしまった誰か、
と思うことにした。
キヨの話は泣けた。
時代背景、下町の人情に
差別、戦争の傷跡。
人間のいいとこも卑しいとこも
この話で学んだ気がした。
けれ...続きを読むど、そのあとの話は哀しい。
ゆうちゃんにがっかり、したし。
たくさんの女の気持ちを
蔑ろにしてしまったのだろうか。
愛しい百合子は
本当に忘れているのだろうか。
梓たちがゆうちゃんを懲らしめるために
窓の外にいた彼女を
招き入れなかったのではないか。
なんて、いろいろ想像するけど。
でも、百合子に1ミリも想いがない
とするのも、ざまあみろって思うし。
意地悪だね。笑
余生で思い巡らすんだね、
梓が誰なのか。
2015.10
Posted by ブクログ 2015年01月10日
出だしだけ読んで、別本に入っちゃったもんで、ちょっと戻ってしまった。
面白くなかったけど、半分から入り込んだ♪
最後はこうなりますか・・・(-_-;)
出来事の側面性というのか、それぞれの思い込みと思い入れ。。。まぁ、それも作者のあるお話やから・・・・
Posted by ブクログ 2014年12月17日
さして主人公に非は感じないけど、人は知らないうちに傷つけて生きていくんだな、って思った作品。
でも、結局主人公にとってなんのための降霊だったのかよくわからん。
Posted by ブクログ 2014年07月31日
主人公が男性だったからか、時代が違い過ぎるからか、あまり主人公に感情移入出来なかった。話の構成や各関係者の独白は良かったと思うけど、どうも惹かれないのは多分そのせいか。男って、理屈っぽい割には妙にロマンチストよね。
Posted by ブクログ 2014年04月16日
浅田次郎の本なので、期待値が高すぎたのかもしれないが、それにしても比較的まとまってしまっていたような気がする。
ただし、泣かせるところや、考えさせられる点など随所に読み応えのある本でした。
再読はしないかな。
Posted by ブクログ 2013年12月08日
ボクの心霊観は、亡くなった人の想いは残ったり、生きている人は見られていると思わなければ世の中寂しすぎて、それはホラー的な心霊ではなく、神仏と同じように、生きている人たち自身の自戒を促すために、生きている人がつくりだすものだという風に感じています。
そういう意味では、さすがの浅田次郎も今回ばかりは馴...続きを読む染めないと思いながら本書を読み進めました。しかし、やはり浅田次郎であって、そういう心霊観のボクも最後は飲み込まれました。
万人受けはしないだろうという意味で、本書は名作かと問われれば、そうではないと言わざるを得ませんが、懺悔という視点からは2つのエピソードとも深く入り込むことができました。
Posted by ブクログ 2013年11月13日
人助けのお礼にと、即席の降霊会に招かれた主人公。これまでの人生の悔悟として思い出したのは、戦後間もない小学生時代の友人「清」と、学生闘争真っ只中に出会った恋人「百合子」。2つのエピソードが描かれています。
戦後日本とか、学生闘争は、浅田作品にも度々でてくる舞台設定。テイストも『沙高樓綺譚』や『霧笛...続きを読む荘夜話』のような感じで少しマンネリかな、と思って読み始めましたが、なんのなんの。
その時代の背景がしっかり描写されているので、その時代を生きていない自分でも、容易にシーンがイメージできるし、なぜそのような悲劇が生まれるのか、読者それぞれの答えを考えさせてくれるところはさすがでした。
それにしても梓とジョーンズさん達は、一体なんだったのか。ものすごく気になる。
Posted by ブクログ 2013年08月14日
なんかメトロとかぶったなあ。戦争の悪い時代から急速に復興した時代×不思議な力でのありえない出会い というmix感が。最後にもうひとひねり、不思議が待ってたしね。でもなんか、どこかで見たような。。というかんじが拭えないまま本を閉じた、そんな読後感。山野井清と小田桐百合子。それぞれ、主人公である「ゆうち...続きを読むゃん」に悔悟(←このコトバあまり使われないのにキーワードとして出てきたのがなんか一番印象に残ったかも)の念を残していたふたつの思い出を、霊の口寄せで振り返り、滞って固まりかけた思いを解くというような内容。私ならだれを呼ぶかなあ。もういちど話してみたいひとはいくらもいるけど、でも、やっぱ怖いかな。まあなんにせよ浅田さんらしい1冊。家族、恋愛、社会、霊魂、いろんな角度の切り口がとれるから、夏の読書感想文なんかも、書きやすい1冊かも。
Posted by ブクログ 2013年04月30日
終始、胸糞悪い話の連続だった。母親になってから、子供が殺される話は我慢ならなくなった。
1952、メインの語り手と似たような背景で育った男性なら、また何か思うところがあるのかもしれない。
Posted by ブクログ 2013年04月20日
久しぶりに浅田次郎を読んだ。相変わらず巧い。巧いんだけど、素直に感動できなかった。なぜだろう。初期の「日輪の遺産」や「蒼穹の昴」などの、多少とっちらかっていても情熱で読ませるようなものの方が好き。
Posted by ブクログ 2013年04月04日
子供時代の友人と大学時代の恋と、戦後の高度成長時代を背景にした内容はいささか抵抗あり。ラストに意表を突くどんでん返しを期待したが、これも外れ。もちろん、浅田作品としてはの条件付きですが(笑)
似た傾向の作品は短編集でもあり、個人的にはそれほど好きじゃなかった。今回は降霊会で主人公の記憶と死者の語りで...続きを読む構成され、展開以前に主人公のキャラが弱い。謎が多く残されたが、解明へ乗り気にならないな~
Posted by ブクログ 2013年01月20日
降霊会を通して戦後復興と高度成長期を描くホラー?小説。
ストーリーテラーの浅田さんだけに、チープなホラーものでもなく、俯瞰的な時代小説でもなく、その時代の息吹を感じさせてくれます。
戦後復興期、高度成長期に少年、青年時代を過ごした主人公がその時代に残したと意識する罪について、死者たちに語らせる構成...続きを読むはさすがです。
幼い時や若い時にだれもが経験するであろう苦い思いも十分伝わりました。
最後のオチはすごく意味深なような気がしますが、具体的に説明できないの自分の力不足が残念です。
Posted by ブクログ 2017年11月09日
死んでしまった人の霊を呼び出していろいろと生きていた頃のことを語りあうという趣旨の本は、この本の他にもありますが、浅田次郎さんのこの作品は、なんだかとても切ない思いが残りました。
主人公のゆうちゃんは、一夜の宿を貸した女性からご恩返しがしたいから、「会いたい人にあわせてあげます。」と、西の森の奥に...続きを読む住むジョーンズ夫人の元へ案内されます。
ゆうちゃんには、封印している子供の頃の思い出がありました。小学三年生の1学期に転校してきたキヨという男の子。自宅が近いとあって登下校をするようになりますが、その家庭は不思議でいわくありげな家庭でした。。あまりかまうな。という家族の意見もあり、ゆうちゃんは1学期の終わりごろには、キヨから離れるようになっていました。夏休みの初めにキヨは交通事故死します。でもそこには親子の愛憎劇が・・・。
キヨの家庭事情を遠巻きながら察していたゆうちゃんですが、何もできませんでした。ゆうちゃんともういちど話したいとジョーンズ夫人の前で念ずる内に、真っ先に出てきた霊は、ゆうちゃん同様、キヨのことを気にしていた交番のおまわりさんの生霊でした。それによって明らかになったキヨの父親の罪。そして、次に出てきた霊はキヨの父親。自分の罪も敗戦の混乱期がそうさせたとしながらも独白します。肝心のキヨはその次でした。自分の優ちゃんへの気持ち、父母への気持ち、せつない少年の想いが切実と述べられます。最後にはキヨの母。あれから探しているのに、みんなに会えないと嘆く霊は、やっと成仏することができました。
最初の夜にこれだけの心のわだかまりがとけた、ゆうちゃん。次には恋人との苦い思い出を呼び起こします。
人が生きている間には、誤解もあれば、後悔もあります。
それをどう乗り越えていくのでしょう。
どうしても亡き人に謝りたいような出来事があれば、降霊会もいいかなと思います。「会いたい人」にもう一度会って、誤解を解いたりすれば本人も楽になりますから。でも生きているうちにやってあげればよかったなあという、後悔も残るのではないでしょうか。
霊との対話はやっぱり、楽しいものではないと思います。