【感想・ネタバレ】「かわいい」論のレビュー

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Posted by ブクログ

面白かった。特に大学生のアンケート結果が興味深かった。女子と男子とではもちろん違うだろうと予想はしていたが、斜め上の発想や個性的な回答が多くて楽しかったし、そこはかとない時代感を感じた。記載されていた女子の回答の、イラスト付の回答がノスタルジック。

「かわいい」ものが好きでかわいいものを見たり聞いたり身の回りに存在を感じたりするのが好きだ。でもどことなく危うさも感じていた。しかしその感覚に取っ付かず流してきたが、この本を読んで改めて「かわいい」とそれを作り上げたり求めたり、享受する人間の心理的な面白さ、みたいなものを感じた。
深く一つを追求するのでなく、広くそこそこ深く「かわいい」を論じている取っ付きやすさが好きだった。

ぼんやりと、今は「かわいい」じゃなくてより広範囲の意味になる「いいね」なんじゃないかと思ったりした。

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2023年12月20日

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そろそろ真剣に論じられていいと思ってた「かわいい」について。
これから、もっともっと研究対象になってもいい分野なんじゃないかな。
入口として面白い本だった。

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2014年10月19日

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四方田犬彦という名前が本名であるとすれば、そのように名づけた親とは一体どんな人だったのかと常々考えてきたのだが、ひょんな誤植から生まれた筆名だったということを最近知った。

高校生になりたてのころ、浅田彰の『構造と力』が話題になり、わかりもしないくせに現代思想の本を読んでいたころのことだ。『GS』という現代思想の論客たちによる論文集を買って一生懸命読んだ覚えがある。この論文集の編集を手がけたメンバーの一人が四方田犬彦だったはず。浅田彰や伊藤俊治といった他のメンバーの華々しさとは一味違い、四方田犬彦の書籍を本屋で見ることも少なく、論文集の鼎談の隅に小さくピンボケで映っている肖像写真は、分厚そうな眼鏡がその奥にあるであろうまなこをすらあいまいにしていて、ただただ度外れた若きインテリという印象を僕は持っていた。(YMOにたとえれば坂本龍一のような露出度の高い秀才というよりは、むしろ商業路線からは身を引いた本物の天才細野晴臣、というたとえは正しいだろうか)それから約20年がたって、そのブランクの中で彼の顔も柔らかく変貌していた。

四方田犬彦が「かわいい」を論じる。読むものは彼ほどの博学が現代社会の現象をどのように把捉し処理するか、その手さばきに興味があるのである。彼がグロテスクを論じ、小さく幼げなものを論じ、ノスタルジアを論じ、それらと「かわいい」の関係を分析するその手際のよさに感服するのだ。「『かわいい』とはものに宿る本質などではなく、『かわいい』と名づけ、指さす行為」なのだと主張するその小気味よさ。「『萌え』はさしずめ、大衆消費社会のヴァーチャルリアリティにおけるピグマリオン・コムプレックスの発現である」という独自の定義。思考の柔軟性と対象を概念的に把握しようとする志向性がなければ、これほど軽やかな論じ方は出来まい。この本に意義があるかないかなんてことはもうどうだっていいのだ。

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2013年05月27日

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【日本語としての「かわいい」】

歴史的に「かわいい」という言葉がどういう位置づけであったか、性別による印象の違い、海外との比較、「美しい」との差などかなり本格的に「かわいい」という言葉を分析している本です。

面白かった話は
・「きもかわ」は自分だけ気付いた魅力だから
・ぬいぐるみは実はグロテスクでは?
・セーラームーンにおけるタキシード仮面の役割

最後の方では、「かわいい」という概念が世界に与える思わぬ影響について述べています。
実例も豊富でとても分かりやすいので、気軽に読めます。オススメです。

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2012年12月28日

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終始「かわいい」の話題だけで一冊の本ができるのがすごい。文学の視点が入っているので、そういうのが好きな人にちょうどいい一冊です。アウトサイダーアートというものを初めて知りました。

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2021年09月11日

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ネタバレ

かわいいは美とグロテスクの境界領域にあり小ささや未成熟、懐かしさといった性格を持つばかりではない。

かわいいは
・一方では他者依存のための戦略としての媚態であると解釈され、
・もう一方では少女たちにおける意味作用に結実する以前の指示行為、すなわち「かわいい」と指差して叫ぶと言う身振りそのものと考えられている。それはかかる身振りを儀礼として受け止めることでなされる親密な共同体の確認行為である。

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2021年07月08日

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2015.11記。

「かわいい」とはそもそもなんなのか。

古代ギリシアが「調和・均衡」を最も尊び、また西欧でも「成熟」こそ優れたものと捉えていたこととの対比において、古くは枕草子に「かわいいもの。スズメがちゅんちゅんと寄ってくるところ」とあるように、小さく、かよわい、といったものに対する愛着は日本人の感性に深く根ざしている。

しかし議論がより迫力を増すのは、「きれい、美しい」よりも実は「グロテスク」のほうがより「かわいい」に隣接した概念である、といった辺りから。グロテスクさを直視しない社会的な装置、イデオロギーとしての「かわいい」の可能性が検討される(いびつなものを「かわいい」と呼ぶなど)。

日本における「かわいい」があまりにも多義的であるために、ジェンダー論からノスタルジア論まで、章ごとの「かわいい」の諸相のリンケージはあいまいであり、中核的な概念には辿り着かない。その終着駅が「かわいい、海を渡る」の章。著者が告白しているとおり、結局「日本独自の感覚としての『かわいい』が、世界に受け入れられた」のか「世界に普遍の概念としての『かわいい』を、日本がうまく商品化した」のか、という私が一番関心のあった点については解決できていない。

四方田氏ほどの碩学にして「とらえどころのない何物か」(P.21)と総括せざるを得ない代物、それが「かわいい」、であった。というわけで要関心継続。

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2019年01月05日

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アウシュヴィッツの「かわいい」絵の話がかなり印象的。何かで読んだことがあるけど、アメリカが第二次世界大戦のときにディズニーアニメを捕虜に見せてアメリカの力を示していた、という話とちょっと似ているなと思った。
私自身もかわいいものや人が大好きで、「可愛いは正義」という言葉を使うことがある。ああ、これって怖いな、って少し私の可愛い神話が揺らいだ。

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2014年05月08日

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「カワイイ」、「KAWAII」が日本、世界を問わず飛び回っている。そんなかわいいに注目したのが今回の本だ。かわいいだけで1冊の新書にするとは、寝ても覚めても頭の中からかわいいが離れなかったに違いない。

 メディアの中の「かわいい」では、メディアに注目して「かわいい」について述べている。メディアが説くかわいいについて著者は以下のように述べている。「幸福感であり、消費主義であり、生理的年齢に対する精神の勝利である。また手の届くところに置かれた祝祭であり、選ばれてある私を巡る秘密めいた快楽である」。かわいいも1つの消費を喚起するために装置なのかとふと思った。かわいいがこれほどもてはやされるのはどうしてなのかな。永遠に大人になりたくない深層心理を表しているのか、癒しを求めているのかよく分からない。

 意外に思ったのがハローキティに関するとらえ方だ。著者は、アメリカのある女性パフォーマーが、ハローキティ―に口がないことを「アジアの男性優越主義で、女性に対して黙ることを強要しているという主旨の告発をしたという研究者の報告(ケン・べルソン、ブライアン・ブレムナー著、酒井泰介訳 「巨額を稼ぎ出すハローキティ―の生態」東洋経済新報社、2004)を引用している。人の見方は多様だな。

 「かわいい」に対するぴったりした英語やフランス語はないようだ。そもそも日本で使っている意味でのかわいいという使い方で、向こうの人たちは使っていないから無理もない。

 アジアや、中東、中南米、アフリカではカワイイはどう思われているか気になった。誰か研究している人はいないかなと思った。

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2013年04月21日

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結構おもしろかった。
ってか、不用意にかわいいっていうのやめる。
ネコを見ても、服を見ても、「いつここ」も。
バカみたいですから。

日本人に特有の「かわいい」という概念に対し、ポケモン、MD、ミニチュア、おばあちゃん、などあらゆるものを分析した。
また、それをいう対象について、中高大の男女から、秋葉原~池袋~夜の新宿の人たちまで分析した。
「かわいい」っていうことに対する目線がいいなと思った。

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2012年04月20日

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ネタバレ

現代の若者の「かわいい」の感覚、今の「かわいい」に至るまでの来歴や、海外での「かわいい」の受容され方についてなどなど。
日本ではとりわけ小さなもの、幼稚なものを愛でる傾向がある。
一瞬を永遠にとどめたフィギュア。
ノスタルジア。
旅の証拠としての小さなもの、スーベニール。
かわいいとグロテスクは表裏一体。

セーラームーンは、ティーンの変身願望。戦うことよりもどう変身するか、変身シーンが一番大事。清楚なセーラー服に身を包んで戦うのは、肌を露出させたセクシーな大人の女たち。

女性は自分が「かわいく」ありたいから「かわいい」ものを傍におく。自分のためのかわいい。
男性はかわいいものを愛でたいという気持ちがある。

雑誌別の解説がよかった。
cawaiiでは、祝祭気分と男を誘惑するための消費を盛り上げるムード、cutieは人とちょっと違った自分、JJは姉的と妹的に分かれた大人への階段途中の段階でどっちかを選べる、ゆうゆうでは自立した大人の女性がふとリラックスした姿をみせるのがかわいい。

世代、性別、国によって「かわいい」の受け止め方はさまざまで、かわいいを総括することはできない。

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2012年02月23日

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ネタバレ

最近、よく目にする「かわいい」という概念について、様々な面からの見方を示して考察している。
3章から7章までの、アンケートやメディアなどをタネに「かわいい」の色々を暴いていく様は非常に面白かった。「かわいい」というのは、その言外に非常に多彩な意味を含み持っているのがよくわかる。

ただ、(筆者本人もそう意識しての上だが)、終盤に入って問題提起だけして答えまで書かないという部分が割と目立ち、もうすこし詳しく書いてくれるとありがたかった。多分新書程度の本では書ききれない問題なのだろうけど。

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2011年12月20日

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「かわいい」は今や日本のサブカルチャーとして確立された言葉だ。「かわいい」とは何だろう。世界の「かわいい」と「かわいい」を取り巻く日本の状況や経済、女性誌やオタクカルチャーから読み解く。「かわいい」ものが好きな女性のひとりとして、とてもおもしろく読みました。まさかイタリアでセーラームーンが放送されていたとは。

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2011年11月24日

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雑誌の描くかわいいが面白かった。知らず知らずのうちに思想を植え付けられてるんやな。スーベニールの効果については卒論にも使えそう。もっと90年代後半のことを知りたくなった。かわいいの起源。

かわいい=無垢で残酷で小さいもの。これって、少女と同義語じゃないかな?

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2011年12月18日

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マンガ・アニメなど日本のポップカルチャーを特徴づける要素のひとつに「かわいい」があるのは間違いない。そして近年、世界に広まった日本語のなかでも、いちばんポピュラーなのが「かわいい」ではないだろうか。しかし、世界でこれほど人気の「かわいい」カルチャーを正面から論じた本は意外と少ないようだ。その意味でもこの本は貴重だ。著者は、比較文学などを専攻し、映画史などを教える大学教授だという。

著者によると、日本語以外のいずれの言語でも「かわいい」に相当する単語にはいくぶんか軽蔑的で否定的な含みがあるという。だから日本以外では、美しいと呼ばれるとうれしいが「かわいい」と言われると子供扱いされたような不満を抱くという。

逆に日本では女性が男性に「美しい」と言われるとふき出してしまうだろうが、「君はかわいい」と言われれば、それを相手の男性の真意と受け止めるだろう。「美しい」という言葉は日常の日本語の中でそれほどこなれていないのだ。

この指摘を読んで感じたのだが、元来「かわいい」は二人称的な関係の中での相手に対する主観的な感情を表すが、「美しい」は、より客観的な評価に近いのではないか。「かわいがる」という日本語は普通に使われる、「美しがる」という言い方はかなり不自然だ。「かわいがる―甘える」というような親密な関係が、元々「かわいい」の背景にはある。親しい関係を成り立たせる場の存在が前提となっている言葉なのだ。

そんな「かわいい」が世界に広まるとき、客観的な真理よりもその場の状況を大切にする日本的な感性も同時に広まっているような気がする。「かわいい」人とは、成熟した美しさの持ち主ではなく、どちらかといえば子供っぽく、隙だらけで、たとえ頭の回転はよくなくとも、素直で無垢な存在なのだという。これはそのまま日本人が大切にしてきた価値観ではないか。まさにそうした日本人の価値観や感性が「かわいい」カルチャーを通して世界にひろまっているのではないか。

「かわいい」文化の意味を深く考えるきっかけとなる本であった。

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2010年12月07日

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[ 内容 ]
世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。
キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。
その市場規模は二兆円ともいわれ、消費社会の文化商品として大きな意味を担うようになった。
では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか?
本書は、「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する、はじめての試みである。

[ 目次 ]
第1章 「かわいい」現象
第2章 「かわいい」の来歴
第3章 大学生の「かわいい」
第4章 美とグロテスクの狭間に
第5章 小さく、幼げなもの
第6章 なつかしさ、子供らしさ
第7章 メディアのなかの「かわいい」
第8章 「萌え」の聖地
第9章 「かわいい」、海を渡る
エピローグ 「かわいい」の薄明

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2014年10月27日

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時代のせいなのかもだけど女性の視点における「かわいい」研究に思えた。大学生のアンケートのところの性差から一歩踏み込んで欲しい!と思ってしまった。

最後の章の

「『かわいい』という言葉のもとに現実から離反された同語反復のまどろみの中で次第に輪郭を失っていく」っていう記述は、完全に今を言い当ててなあって思った。

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2021年10月17日

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かわいいという言葉についての成り立ち、日本語と海外での捉え方の違いなどは興味深いし、かわいいと感じる背景に小ささ、儚さ、弱さなどが含まれることは納得。
ただ、可愛いというのは結局なんなのかはわからぬままで未消化な部分も結構あった。
なんとなくわかるようなわからないような…

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2020年06月19日

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いわゆるオタク文化の紹介ではなく、もう少し広い意味での文化現象としての「かわいい」現象の実態に、文化人類学的な観点からメスを入れる試みです。歴史的な考察や、学生たちへのアンケート、秋葉原などへのフィールド・ワークなどが含まれています。

本書の中で、「かわいい」という言葉についてフェミニストの上野千鶴子が放った批判が紹介されています。上野は、「かわいい」とは「女が生存戦略のために、ずっと採用してきた」媚態だといい、「かわいい」にまつわる言説が、女性を旧来の依存的存在に押しとどめておくためのイデオロギー的な役割を果たしていることを批判しています。

一方著者は、現在の「かわいい」現象を、フランスの批評家ロラン・バルトの「神話作用」として理解することを試みていると本書で述べています。「神話」とは誤認であり、不自然なものに自然の衣装を被せる意味論的体系を意味しており、うした観点に立つとき、上野のようにイデオロギー的な欺瞞を暴露するという戦術は効をなさないとされます。「かわいい」という「神話」が受け容れられるに際して、その受け手のほうからの積極的な働きかけが必要だと著者はいいます。この複雑な共犯関係に肉薄することが、本書の目標といってよいでしょう。

さらにエピローグでは、アウシュヴィッツの収容所内の壁に描かれたかわいい猫の絵を見たときのことが記されています。「かわいい」は歴史を無効にし、その享受者を永遠の多幸症というべき状態にいざなうと著者は考えます。このことは、「かわいい」という「神話」のヴェールを一枚取り除けば、そこには大量虐殺というおぞましい事態が存在しているということを知っておかなければならないということを、印象的に示しています。

かなり深いレヴェルに考察が及んでいるのですが、具体的な事例紹介とあまりうまく噛みあっておらず、議論が空転しているような印象もあります。

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2017年09月13日

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ネタバレ

ヴァルネラビリティに満ちた存在=「かわいい」。支配したいという欲求。対象を自分よりも下の、劣等な存在とみなすこと。

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2017年07月27日

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結構興味深い内容なんだけど結論出てなくね???ってなった。
なんかキティちゃんとか萌えとかファッションとかいろんな視点から考察してたんだけどもうちょっと絞ってもよかったかなと思う。
まあでも「かわいい」という言葉?概念?について考察してること自体面白いというか斬新なので、一読する価値はあると思います

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2014年08月31日

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分析は概ね納得のできるものだが一言でいうと隔靴掻痒の感が残る。取りも直さずそれは著書本人があとがきで述べるとおり、自身が「かわいい」圏外に留まり観察者として外から覗く姿勢に終始しているからだろう。よくも悪くも新書サイズの読後感。

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2013年03月27日

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かわいいの歴史的変遷や、かわいいの対象多様性、ジェンダー間でのかわいいの受け取り方の違いなど、「かわいい」の定義付けは困難を極めるが、それが逆にこれだけかわいいを普及させることになったのかも。

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2013年01月12日

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最近なんでも「かわいい」という言葉でまとめられていることが気になり読んでみることに。
そもそも「かわいい」の感覚は『枕草子』うつくしきもの に書かれているように平安時代にまでさかのぼるとのこと。
「かわいい」感覚を文化史の視点から分析された本書は、なかなか面白かったです(o^^o)

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2013年01月03日

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まえまえから、海外に行くと日本人女性の「かわいいー!」があちこちから聞こえてきて、日本を象徴する単語だと興味を持っていた。
かわいいにはいろいろな側面がある。
それを余すところなく多方面から考察している本書は大変興味深かった。
かわいいの始まりの枕草子。
かわいいを多用する女子大生。
キモかわいいとは何か。
小さいものはかわいい。
ファッションのかわいい。萌のかわいい。
海外から見るkawaii。
などなど。

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2012年12月25日

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ライトな現代文化論。「かわいい」にはこういう面もあるよ、こういう面もあるよ。ホラ、「かわいい」って不思議じゃない?すごく興味深くない?と提案してくる。
アウシュビッツの猫や双子の写真で言及しているように、「かわいさ」って残酷さや不気味さを示すときもあるよね。どういったときにそう思うのだろう。「美しい」という言葉にもそういう面はあるが、なぜだろう…と、こんな感じで作者の思惑にはまる訳ですねわかります。

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2011年12月14日

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 四方田さんによる書名どおりの内容の本。もはや「言わずと知れた」と形容したほうがよいかもしれないくらいに著名な一冊でございます。

 書名が全てを表しているように、日本独自の感性である可能性もある「かわいい」に関して網羅的に述べている。それこそ、連綿と続く日本文化の中の「かわいい」を紡いでみたり、一般的に「かわいい」がどう捉えられるのかを論じてみたり、メディアがどう「かわいい」を利用しているのかを眺めてみたり、世界に広がった「かわいい」を見てみたり。四方田さん自身も述べているように、雑多な印象を受けないわけではありませんが、「かわいい」がこうして論われたこと自体が大切なことなんだろうなあ。
 それから、これも四方田さんが述べていますが、サブカルチャー論についてはちょっと弱い気がする。東浩紀さんや福嶋亮大さんのような「使いこなしている」感を感じない。やはり寿司は寿司屋に任せるのがいいのであって、日本料理屋では限界があるのかもしれない運転。


【目次】
第1章 「かわいい」現象
第2章 「かわいい」の来歴
第3章 大学生の「かわいい」
第4章 美とグロテスクの狭間に
第5章 小さく、幼げなもの
第6章 なつかしさ、子供らしさ
第7章 メディアのなかの「かわいい」
第8章 「萌え」の聖地
第9章 「かわいい」、海を渡る
エピローグ 「かわいい」の薄明
あとがき

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2011年09月24日

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本を読むときの1つの楽しみは、頭のいい人がすっきりと言葉にしてくれること。
おじさんもぼうさんもアイドルも男子も女子もキティちゃんもブロッコリーもなんでもかんでも「かわいい」の違和感。俯瞰する、というところまでしか行ってないような気もしているけれど、言葉にするという試みは大事だし、細かく分けていく、わかっていることを見直す。ありのままを受け入れる。

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2011年01月19日

Posted by ブクログ

初めて読むまともな「サブカル」分析の本。
「かわいい」について、古典を繙いたり現代の日本文化から考察を試みたり、それこそ「通時的かつ共時的に分析」してはいるんだけど、その範囲が広すぎて収拾がつかなくなっている印象を受けた。
雑多な分析、というか。
もう少し主題(というかアプローチ)を絞ってくれたほうが読みやすかったと思う(逆にそれが今の「かわいい」の複雑な現状を示しているとも言えるけどさ)。

で、結局「かわいい」って何なの?と言われたら僕はP120のこの部分を引用したいと思う。

「われわれの消費社会を形成してるのは、ノスタルジア、スーヴニール、ミニュアチュールという三位一体である。『かわいさ』とは、こうした三点を連結させ、その地政学に入りきれない美学的雑音を排除するために、社会が戦略的に用いることになる美学である」

「かわいい」をある種のイデオロギーと捉えるあたりは、なんか評論の王道という感じがしました。でも後半はちょっと退屈だったかも。
(2006年08月03日)

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2010年08月02日

Posted by ブクログ

途中、飽きてしまい読み進まない部分があったが、
ひとつの考察として読めて良かった。
しっくりくるところと全く響かないところが極端にあった。

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2013年03月25日

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