【感想・ネタバレ】新規事業・成功の<教科書> 200社以上に命を吹き込んだプロ中のプロが教えるのレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

勉強のために読んだのだけれど、思った以上に実践的でためになった。もう一度、ビジネスプランが見えてきたら読み返したい。

0
2010年10月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一章/社内新規事業公募はうまくいかない
社内新規事業公募はうまくいかない。案が集まらない、集まったが年々数が減りてこ入れが必要、どれを選べばいいかわからない、アイデアを出すのが苦痛。
では事業開発部制は。よくあるパターンは、社内での位置づけや自分達の権限も曖昧なまま、新規事業に関する本を読んだり、時にはビジネススクールに通ったり、社内や社外の環境分析や新規事業のネタとなりそうなアイデアを考え始めるといった流れ。その際の社内の暗黙的な合意としては「よいアイデアが出たらおそらく自分たち事業開発部が立ち上げ自体をやることになるだろうな」という程度です。このパターンはありがちな(そして大きな)間違いであるといえます。
「新規事業部」ではなく「事業開発部(或いは新規事業開発部)」になったのは、そもそも成功確率の低い新規事業は、成功事業を生み出すために継続的に複数個を立ち上げていくことが必要になってくる。事業開発部メンバーが1個の立ち上げにかかり切りになってしまうと、1つは事業が立ち上がるかもしれないが、事業開発部に本来蓄積されるはずの新規事業企画に関するノウハウやスキルが蓄積されない。
実際には事業開発部が支援の枠を超えて積極的に新規事業を作る側に関わってもかまわないし、外から見たら事業開発部メンバーが新規事業をやっているように見えてもかまわない。ですが考え方としては、基本的には自分達が新規事業を立ち上げる主体ではないということをはっきりとしておくべき。
よくあるパターンでは、事業開発部メンバーが1個新規事業を立ち上げるが、新規事業の本来の性質としてかなりの確率で数年後に失敗。結果、「新規事業失敗」という結果しか残らず、次に続く企画も無し。あったとしても、1個目のノウハウが直接的に生かされることはない。つまり、新規事業を連続的に立ち上げていくには、事業開発部はプランニング及びプロデュースに専念し、立上げフェイズ以降は事業開発部から基本的に切り出し、別チームに任せることが重要である。
まったく新規事業の経験のないメンバーも、まず1個新規事業を企画しプロデュースすることで、新規事業ならではおのビジネスへの原理への理解は深まるし、それに対応したノウハウやスキルも多く蓄積するでしょう。そのメンバーを、プランニング、プロデュースの専門職として特化させ、それを繰り返していくことで、さらに企画の精度は高まっていくし、社内に新規事業の実構成員に伝達することができる。
プランニングを行う事業開発部メンバーは、どうしても必要に迫られて立上げフェイズにおいて1時的に社長をやるというのはあるかもしれないが、それくらいを限度としてそれ以上立上げに関与していくべきではない。事業開発部は新規事業立上げの母体となり続ける組織であるべきである。
そう考えると、メンバーの人選も変ってくる。極論すれば自分で事業を作るのが苦手な人でもいい。プランニングやプロデュースに徹するなら、社長じゃなくて、事業開発部メンバーとして、新規事業の芽を集めたり、外部から持ってきたり出来ればよい。その割り切りが必要。
事業開発部のあるべき姿は、器としての新規事業のプランニングとプロデュースに集中し、成功体験も失敗体験もそこに蓄積し、そのメンバーが社内において新規事業を指導できるようにしていくのがようでしょう。そうすると新規事業が起こり易くなり、ノウハウを社内に蓄積することができます。
会社によっては、新規事業を別会社で行う事は困難社内の既存の事業部に任せたいというケースもある。その時は、新規事業を既存事業部内に設置、事業開発部から既存事業部に発注するという形。社内取引となり、既存事業部の売上げへの影響がなくなる。

第二章/新規事業をうまくいかせるための考え方とは
新規事業を検討する際は、複数の事業の可能性を並行して模索するが、それをれどの程度の深さまで議論するべきか。全てについてビジネスプランまで作成し議論していたのでは効率が悪い。しかし単なるビジネスアイデアや要素技術レベルの議論では、それがビジネスに繋がるかを検討することすら困難。
著者の場合は、まず「ビジネスシード(種)」を選びだし、それをもとに「ビジネススキーム」を1枚、シートにまとめて議論していく形を進めている。「ビジネスシード」とは「将来的に、継続した仕組みとして収益を生み出し続けることが想定できるビジネスの種」のこと。シャンプーは継続した購入が想定されるが、ぶらさがり健康器は1家に1個あればそれでおわり。
実際にそれらのビジネスシードを評価し議論するには、一度ビジネススキーム(ビジネスの構造)を作ってみる必要があります。ビジネススキームは立上げのイメージや競争環境なども意識したロジックの塊。
ユーザーニーズという言葉もネガティブな影響を与えることがよくある。ターゲットに対してインタビューや調査を行うが、あれもこれもとなりわけのわからにものになる=オバケプロダクト。トヨタプリウスにしてもアップルのiPhoneにしても、実際にはたくさんの消費者調査をしているが、ユーザーの声を過度に意識した形跡はない。企業側が消費者に提案する形で、世の中にそれを受入れさせている。ニーズの過度の偏重、採用の最たるケースが、メーカが製品ではくサービスビジネスに進出しようとする場合。

第三章/組織階層視点から見た新規事業

第四章/「事業開発システム」を活用した新規事業立上げまでの流れ
ビジネス選定基準の中に市場特性があるが、ビジネスシードを選定する際は、市場視点から見た成功しやすさも考慮するべき。「成長市場であること」「競合の参入障壁が低すぎないこと」「自社が競争ルールをつくれる」などは一般的な条件となる。一般には、参入する市場自体が成長状態にある場合の方が、何らかの形でその成長の恩恵を受ける可能性が高い。競合参入障壁についても、今までにない新技術で新しい市場を創造し優位性を築いても、そのうま味を見た他社や他業界の競合がすぐ模倣できるようなものなら、長く維持することは困難。逆に例えば自社で農場をもっていて、安くてクオリティの高い農作物を一定規模、かつ安定的に手に入れられるならば、レストランビジネスにおける価格決定権を持つことができ、参入障壁となり得る。
市場視点も含め良いビジネスシードの条件を一括りで語るのは困難。しかし、インキュベーションチームは、おおむねリターンの期待値が「絶対規模」と投資に対する割合の企業が新規事業をやるのだから、脱サラレベルではなく、1の投資をして千のリターンが期待できるものを選ぶべき。
それから、自社の現業のビジネスから遠すぎるもの、土地勘のないものは極力避けるべき。自社の既存ビジネスが衰退している場合でも、近い領域では成長市場や大規模市場がある場合はよくある。ただし、こうした「今までにない市場」はなかなかマーケティング調査などで確認することは難しい。その「これから生まれる市場」を見つけられるかどうかが大きい。また、市場を創造するのが上手な企業は、市場を見つける力だけでなく、市場を創造する力を持っている企業であるともいえる。
ブルーオーシャン戦略ではないが、期待値の高いビジネスを目指すなら、ルールが自社に新たにつくれるもしくは変えられる市場にはいっていくべき。ルールを変えられない市場に入っていくということは、ある意味自社がその市場に勝ち負けを支配されているようである。逆に、ルールを変えられる市場で、自社が自らの新しいルールを適用しようとしている時は、自力で勝とうとしている瞬間といえる。
実際には、「ルールを変えやすい市場」と「ルールを変えにくい市場」がある。しかしこれは従来の分析手法からは導き出せない。新しいゲームなのです。そしてそのためには、「新しい技術」よりも「新しいコンセプト」を生み出す事。これは、個別マーケットと自社のリソースを見ながら、個別に思考実験で判断していくしかない。
(その他、事業計画書のフォーマットの添付あり)

0
2015年03月13日

Posted by ブクログ

新規事業の進め方を期待していたのだが、どちらかというと立ち上げ方の話だった。新規事業という失敗が前提のプロジェクトを会社の中でどういう位置づけにもっていくべきか、などが書かれている。

ちょっとはためになる。

0
2011年02月03日

「ビジネス・経済」ランキング