感情タグBEST3
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昔の中国を舞台に普通の人間と人間ではない存在とが交わっている様子を自然なこととして描写しているところは僕僕先生シリーズと同じです。
このような作品を得意とする作家を他に知らず、またいずれも面白いので、このジャンルでは無二の存在だと思っています。
五嶽真形図を巡る争いもひと通り決着したので先の展開の予想ができませんが、後半になってようやく性格がまともになり始めた千里が成長していく物語になるのでしょうね。
最後に解説を読んで、千里が仁木氏の創作ではなく歴史上の人物だったことに驚きました。
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人と呼ばれる存在は決して一つではないのだろう。感じ、思い、考えるものたちを「人」と呼ぶのであれば、きっと存在するもの全ては「人」となる。感じていること、思っていること、考えていることは自分にさえ定かでない。まして他人のそれは絶対にわからない。
だとすると繋がることはできないのか。そこにあるものが何を感じ生きてきたのか、何を思いそこにいるのか、「考える」ことはもしかして繋がることなのかもしれない。
内と外をつなげる。内力と外力をつなげる、つなげようとすること、そして他人のそれと繋げようと思える者こそ、きっとこの天地で生きていく資格がある者なのではないだろうか。
仁木さんの小説は難しいようでやさしい。奥深くに触る心地よさを与えてくれる。さぁ、私も修行にでないといけないな。
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現在中国の大問題である選民思想を体現しているような千里の身分思想を話の面白さを損なうことなく描いているのがすごい。バソンがちょっと出来すぎているけどね。普通は徹底して悪役に描かれる共工がいい漢である設定も秀逸。次巻が楽しみだ。
単行本と装丁が違いすぎるのをここで初めて見てビックリ。
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『僕僕先生』シリーズにはまりかけて、ついでに(といっちゃ失礼か)読んでみた。
本編を読み終わり、解説を読むまで、千里なる人物が実在のモデル(高駢)を持つとは知らなかった。
単なるファンタジー小説だと思ってしまった。
天地を占めることを争う、現世の人間と、今は「異界」に追いやられた「人々」。
その異界から来た女性を母とし、唐王朝の名だたる武人高承簡を父とする千里。
両親を「異界」に拉致され、それを取り戻すことで、中国全土を仲間たちと戦いながら旅をするという話。
終盤で、傲慢な千里が、天地の理を感得して、より大きな境地に達し・・・と、王道の英雄の成長物語。
見え見えのパターンと分かっていても、それなりに引き込まれてしまうところがこの作家の力か。
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中国歴史ファンタジー。
堅苦しくなくて、ストーリーにもぐんぐん引き込まれる。凄く面白かった。
ただ、心のどこかで武侠小説を求めていた節があったので、ちょっとファンタジー色が強いなと思ってしまったけど、こういうのを待ってた。
続編の文庫化が楽しみ。
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舞台は中国唐代。
外見は幼児(5歳)のまま十八歳に成長した千里。
吐藩王国の狩人バソン。
少林寺の少年僧、絶海。
謎の同地、趙帰真。
この4人が伝説の秘法「五獄真形図」を求めて旅をするお話。
中国ファンタジーです^^
最初は、この世界観にすんなり入れなくて戸惑いましたが、
主人公、千里の旅の仲間が増えていくたびにどんどん
この世界観に飲み込まれていきました。
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僕僕先生と言い、仁木さんの話はすいすいと読めていいです。主人公の千里が終盤までかなり性格悪くてどうしようかと思ったけど少しは成長したみたいでよかった。3人のこれからに期待。
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最初は千里の性格の悪さが受け付けられなくて、結構読むのが苦痛だったけど、最後はやっぱりよかった。マトモになった千里が、これからどんな旅をしていくのか楽しみ!
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こんなに傲慢、高慢な主人公は珍しい。終盤、わりとあっさりと良い子になってしまったのは物足りないかも?でも狩人君や(元)僧侶君の活躍が光って良いです。
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とっかかりなんでしょうか?
此処から始まって行くんだなとは思いましたが、
うーん、イマイチ。
登場人物に夢中になれないのか、丸く収まったようで
何か納得出来ないような。
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18歳なのに外見5歳の高家のおぼっちゃま、千里が主人公。
行方不明となった両親を探して旅に出る。
仲間は吐蕃のバソン、僧・絶海、道士・趙帰真。
世界を変える秘宝を求める異界の敵の登場。
自分の母親は人間ではなくその異界の出身と知る。
あれ、元々知ってたんだっけ?
とにかく生意気な千里といつもケンカしていたバソンが
最後ちょっと仲良くしているのが可愛かった。
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先日読んだ話があまりにアレだったので戦々恐々として読みましたが、これはサクサク楽しく読めました! 話はだいぶ強引ではありますが、バリエーション豊かな登場人物の勢いで結構読めてしまう感じ。ラスト、メインの三人の関係は予想できたとはいえ、やっぱり嬉しくなっちゃいました。続刊からは良い雰囲気で冒険を繰り広げるのかな?
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千里のとーちゃんとかーちゃん、息子にどういうしつけをして育ててきたんだーー;
僕僕先生もだけど、こういうの漫画で読んでみたいよね。
好みの絵の・・・・って、誰って具体的な人はいないけど。
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人間の姿をしていながら、5歳から一向に成長しない千里と、吐蕃人のバソン、山奥の僧侶、絶海の三人の奇妙な珍道中の物語。
それぞれはてんでばらばらな志で、一つのものを目指して旅をする。彼らに求められたものは、そんなばらばらな互いのことを認め合うこと。
自分と違うものを認めるのはどんな試練よりも難しい。けれど、そんな自分こそが他と違うのだと気づくことで、受け入れることはとても簡単なことになる。
主人公たちとともに、気持ちを一つにしていける物語です。
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傲慢すぎね?千里。
二木さんは中国に造詣が深いんでしょうね。だから御曹司の傲慢や異民族に対する態度にリアルさが出るのかと。だけど小説の主人公としてはちょっとなー。
最終的に和解っぽくなっても、今までこんな態度だった奴が、、と違和感を覚える。
結局悪い奴はいないんだぜ的な終わり方もちょっと食傷気味だ。
Posted by ブクログ
鳥山明の『ドラゴンボール』の原作だよ、と言われたら信じてしまいそう。そういうお話しです。
一度ジャンプ的な価値観と親和性が高いと感じてしまったのが運のつき、楽しめません。
はじめは敵だったけど、闘ううちに友情が芽生える。とてつもなく強い相手と戦い、弱かった主人公が強くなる。敵の強さはインフレ気味。
や、モチロン、著者のベースラインはかなり高いので普通には面白いんですが、『僕僕先生』シリーズの面白さとは違います。
Posted by ブクログ
第一章 高家の御曹司 第二章 それぞれの事情 第三章 図の在り処 第四章 風山の戦い 第五章 道士の本音 第六章 器の資格、図の選択
御曹司の千里 仲間とされた者たちとともに、図を求めて旅をする
なんてなまいきなガキだこと というのが千里の第一印象。ず~~っと生意気なんだ これが。終盤近くである出会いがあって、人が変わる。変わりすぎじゃない??と思うほど劇的に変化する。それだけの素養があったということか。図をめぐる最後の場面は手に汗を握りました。
千里のその後を目にしたくなりました。