人斬り抜刀斎・緋村剣心。
並み居る幕末の英雄たちの中で、フィクションにもかかわらずこんなにも知名度の高いキャラクターはほかにいないのではないでしょうか？
人を斬れぬ逆刃刀を手に「不殺（ころさず）」を誓ったかつての人斬りは、廃刀令発布後の平和な明治時代で、「おろ？」が口グセの飄々とした流浪人（るろうに）剣心としてさすらっていました。
ひょんなことから行き着いた神谷道場で、剣心はヒロインの神谷薫や“喧嘩屋” 相楽左之助、士族の息子である明神弥彦、“悪・即・斬”を掲げる斎藤一などと出会い、時に穏やかで時に血気盛んな日々を過ごします。
しかし、彼の元に集まるのは味方だけではもちろんなく……。
そう、今作は悪役もずば抜けてかっこいい！
四乃森蒼紫（しのもり あおし）率いる御庭番衆の絆は硬いし、志々雄真実（ししお まこと）は今日も元気に日本征服を企むし、雪代縁（ゆきしろ えにし）が出てきた時は度肝を抜かれましたもんね。いろんな意味で。
ずるくてせこい武田観柳（たけだ かんりゅう）のような小悪党ですら愛おしいから困ったものです。佐藤健さん主演の実写映画では香川照之さんが演じていました。配役が絶妙にもほどがある。
あらゆるキャラクターが全て自分の個性を押し売りしてくるので、推しの十人や二十人程度簡単に見つかるはずです。推しに飢えている人は今すぐ読むのです。
しかも今回は待望のフルカラー版！
剣心の「天翔龍閃（あまかけるりゅうのひらめき）」も左之助の「二重の極み」も斎藤の「牙突」も、より一層迫力たっぷりに楽しめちゃうのです。そして読んだら続きが気になるはずなので、『特筆版』も『北海道編』もまとめてダウンロードしておくのです。
全シリーズ、“読・即・了”間違いないのだから。
感情タグBEST3
幕末最強の人斬りが血刀を人を斬れぬ逆刃刀に持ちかえ、その咎を背負い人助けの道を歩むお話
─なぁんて今更この超メジャー作の解説なんか要らんでしょ。この一冊は懐かしくも最近、北海道編がスタートした名作をカラーで読めちゃうお得品。鮮やかなるもけしてケバケバしくない色調が明治の世を再現してくれるお手並みは...続きを読む見事。是非とも一読を
シリーズ作品レビュー
