【感想・ネタバレ】21世紀のキャリア論 想定外変化と専門性細分化深化の時代のキャリアのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

評価
 今コロナ禍だからこそ読むべきと思わせるポイントもあった。
 改めて、自分の考え方が間違っていないことや、繋がりを見いだせることがあると思った。動機の背景の意識や、日本人の価値観からみる仕事観など…
 一方で、語りたいことが多すぎる?のか、若干冗長というか、補足的な要素が多すぎたようにも思う。高橋先生のセミナーはいつも大変面白いです。

感想
・この本で求めたのは、自分の会社におけるキャリア開発の考え方を変えたかったから。
・これに対する解は、自らの専門領域や役割、責任、価値を常に一つではなく、複線的に考え続けることを、会社における起点と終点にさせないこと。
・ここから考えたのは、動機は内的なもので自由はあるが、行動は変えられるもので仕事観として利己的に留まらずに利他であるように(顧客)しておくこと。
支援の役割として、上司や先輩に限定しないこと。


内容
【キャリア自律】
・自分で自分のキャリアを考え、切り開くこと
・背景:現在のキャリア環境は、想定外変化と専門性の細分化によって、過去から大きく異なる。最大の課題は、この二つが同時発生することによる、「明日のわが身に起こるアイデンティティの喪失」である。
・従来の、この道一筋、この道を行けば右肩上がり、大きな価値観の変化。がすべて崩れ去った。

1.目標より習慣
 キャリアの開発に携わる行動を、キャリアコンピタンシーと呼ぶ
 主体的ジョブデザイン、ネットワーキング、スキル開発の3点を行い、内的な仕事の満足度や継続的な開発をしている人は、動機というドライブを自分の中に持っている

2.普遍性の高いまなび
 今後は、開発した能力が落ちる幅も速度も速くなるために、常に学び続けなければならない。そして、少しでも落ちないことを目指すためには普遍性の高い分野を学ぶとこが大切。

 理解型の人ー言われたことをすぐやるー正解を欲する
 納得型の人ーなぜやるのか?を考えてやるー答えを導く

 納得型の人は、関係のない話を結びつけることが得意、反対を考えたり、違いを考えることが習慣になっている。一方で、具体的な事例に落とし込めないで使うと、言葉が上滑りして評論家になる。また、過度な一般化や柔軟性を無くすと、歪んだ持論となり、新たな学習が進まない。

 納得型の能力は、適応とも考えられる。これを有するのは、原理原則の理解。

3.明確な仕事観
 想定外のことが起ころうとも、なにをすべき、なすべきかを見極めて取り組むために、意味付けや位置付けを持つことが重要
 
【企業内人材育成機能の弱体化】
従来の世代継承型人材育成だけでは成り立たないにもかかわらず、OJTの基本は上意下達、仕事観はベテランほど外に向かない、若手は理解型が多く答えを求める。これにより、大企業のようなヒエラルキーの強い組織では、学習や変革が阻害されている。

ITやコロナ禍の仕事やコミュニケーション
の見えない化は、OJT(育成)の弱体化に拍車を掛ける
可能性が高い。

【キャリア自律の開発】
生涯のプロフェッショナルとしての活躍
自分自身で継続してプロフェッショナルへ進む
何度も主体的に仕事観を作り替える
自分の立ち位置を変え続ける
提供価値を再定義し続ける
→自分らしいキャリアを自分で作る。自分のためだけに働くのではなく、世の中の変化の中でも価値提供をし続ける、内的な成功と利他的な成功を併せ持つこと。

⭐️発揮能力と動機のマッチングが重要
【内因的な仕事観】主体的な意思→動機→主体的行動→納得型の仕事→成果
【規範的な仕事観】
やるべき仕事→外因動機→規範的行動→理解型の仕事→成果

両方とも必要だが、最終的には内因が持てないと、燃え尽きる。(モチベーション3.0の話と理解)

【人材育成型のリーダーシップへの変革】
1.リーダーの人間観
 一度ダメでも立ち上がれるように考えや行動を変容させること
2.育成的なコミュニケーション
 教えるのではなく、教え合う場所や機会を作る
 そして、上位者は心理的な支援を行う(チャンスが来るぞ!と)
3.職場全体のフィードバック
 褒める、叱る、教えるを含めて全員が話し合えること。(上司だけでは育てられないことを伝え固有名詞で部下を名指しして育成議論する場を持つ)
 
4.一対一の主体性を引き出すコミュニケーション(考えを伝えて、引き出す)
 これをやれのタスクではなく、こう考えてやれのワットを伝えること。
 昔の育成は秘術を隠し伝えること。今の育成は、秘術を開き進化させる速度を早めること

これらをリーダーに実践させるには、
動機を知らせること(そもそも意識があるか)
実践の仕方を伝達すること
習慣化するまで支援すること(3〜6ヶ月)

【無色透明な人事制度】
さまざまな制約による不遇をなくすようになる。言い換えれば多様な働き方、生き方の受容。(転勤、介護、育児、出世、、、)

精緻な等級による管理から、柔軟でソフトな考え方で、キャリア自律をベースとして、節目ごとに個人が気づきを得られ、次のキャリアへ踏み出す連続的な流れを作る。

【仕事観へのコミットメント】
目標による管理から、目的による管理へ
報酬による動機づけから、内発的な動機へ

【固有の人事】
日本人が圧倒的に他国に対して持ち合わせているのは、感謝欲と徹底性。これにより、おもてなしやものづくりにひいでてきた。

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2021年08月10日

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