マンガ家・西原理恵子が「カネ」と自らの人生について、赤裸々に語った本。
「カネ」で家族が崩壊するという壮絶な経験をしたのち、高知から上京。貧乏生活を続けながら美大の予備校に通うも、成績は最下位…。そんな状況で「絵でお金を稼ぐ」という信念を持ち続けるのは容易ではなかったはずですが、彼女は自分のやり方で道を切り拓き、徐々に「絵を描くこと」でお金をもらえるようになっていきます。やがてマンガ家になった西原さんは、またしても「カネ」に翻弄されてしまうのですが…。
才能がある人と自分を比べて落ち込む暇があったら、自分が戦える場所を探し、そこで勝負する…そんな生き方を選択できたのも、お金を得ることの厳しさを幼い頃から身に染みてわかっていたからこそ。逆境から這い上がり成功した西原さんの生き方には敬服。お金や仕事への向き合い方を改めて考えさせられました。
感情タグBEST3
なんか切ない
カネの話なんだけどカネの話だけじゃない。
人が生きるってこういう事。リアルってこういう事という話。
1章の西原さんの子供時代の話は自分の家もこんな感じだったなと思ってしばらく目を閉じて湧き上がってくる感情を抑えた。
カネは生きていく力だ。そして人を殺す凶気の元だ。
リアルな体験に基づいて素直にカネと人を語ってくれる人はあまりいない。
良い本でした。
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色々と考えらさせられた。
貧困から抜け出すには?お金とは?と生々しいことが書かれている。
何より、絶対に貧困から抜け出すハングリーさに震えた。
豊かになったから、何をしたいか分からないという悩みが生まれたと書かれていたことにハッとした。稼ぐことは、自由になることだ。
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仕事にやりがいがない、自分のやりたいことが分からない、というのは多くを選択できるようになった贅沢な悩みなんだということが良く分かった。
特に終盤で書かれている海外の貧困層の例は非常に心に刺さるものがあった。この世界には生きることも死ぬことも選択できない人たちがいること。身売りをされるためにこの世に生まれ、命を削りながら1日の食費のみを稼ぐ子供がいる。そんな子供も隣人や友達になけなしのご飯を分けたりするというのは本当に衝撃だった。
仕事が嫌だ、行きたくないというのは本当に贅沢だと思う。どんなに仕事が辛くても、そのおかげで今日を生きることができている。3食食べて、布団で寝ることができている、家族と笑い合って生活できている事に感謝したいと思う。
人が人であることをやめないために人は働く
働くことが生きること
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正直、今なんで仕事してるのか、なんの仕事したいのか分かんない。西原理恵子さんの言葉はとても胸に響く。
「この人に負けたという人に出会ったら悔しがらずに喜ぶ。それが世間を知ること」「お金で自由を買う」「何かをやり始める時の最初の壁は自分の実力を知ること」「お金との接し方は人間関係と同じ」
これらのたくさんの言葉が私の心に突き刺さった。お金は卑しいし必要なもの?お金と向き合い人生と向き合う。
私もちゃんと仕事してお金もらってはたらく。人が人であるために働くんだ。
私は働きたい。
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「働く」ことが生きる「希望」。重い。ここまでの悲しい思いをしてきた事がない私は、決してお金持ちではないけど、恵まれてるのかもしれないなあ。コロナとか物価高とかで、なかなか生活も大変な昨今ではあるけど、働いていきましょう。
解説の勝間和代さんの「無収入生存年数」もヒントになったな。
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貧困の話、ギャンブルの話、アル中の話、アジアの話、お仕事の話、お金にまつわる絶望と希望の話。すべてのお話は切実で心を鷲掴みにされました。確かに働くことって救済なのかもしれないしお金で誰かを守るって事はそれもまた救済なのかもしれない。自分の子供時代を考えると貧乏だと思っていたが、本物の貧困というものと比べると全く貧乏ではなかったんだなぁとも。自分の現在の生活は貧困ではないと思っているが、貧困に転落した場合、どうなっちゃうんだろうと言うもやっとした気持ちを抱えたまま読書を終えることができました。多分貧困やカネと向き合い考え続けることになると思ったので、良い読書体験でした。
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西原氏の体験を基に、お金に絡む話が赤裸々に語られている。日本人はとかく金にまつわる話は下品だということにして語ることをしない。もっと友人知人はともかく、少なく都の家族とはお金について率直に話をするべきだと思う。5章の話、胸が痛む。中高生に読んでもらいたい本だ。自分もそのころに読んでおきたかった。当時は出版されていないけれど。
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貧乏がどれだけ人の心を病ませてしまうかということがわかる。
筆者のお母さん、男性を選ぶことがうまくいかなかった。再婚した夫。首を吊って亡くなった。筆者の試験日に。なんてこと!
葬式の日に、血だらけの母。お金がない父から暴力を振るったらしい。
「貧しさ」は連鎖する。それと一緒に埋められない「寂しさ」も連鎖していく。ループを立ち切れないまま、親と同じものを、次の世代の子供たちも背負っていく。私が大人になってから出会った人たちの中にも、子供時代に悲しい思いをいっぱいしてきた大人がたくさんいる。くぐり抜けてきたんだよね、そういうところを。くぐり抜けてちゃんと大人になったけど、それでも子供の頃の事は忘れてないし、忘れられない。
貧乏は病気だ。それも、どうあがいても治らない、心の病だ。それは、例えばあの窓ガラスが割れたまま、ほったらかされていた家みたいなもの。あれも何か1つの原因でそうなったわけじゃない。何年も何年もかけて、あーなって、いつからそうなったのかももはやわからない。
「そのまま行ったら破滅するに決まっている道を、人は突き進んでしまうことがある」
「こんなはずじゃなかった」という道を突き進んで、消えていった。
お金がないことに追い詰められると、人は人でなくなっていく。
人が落とし罠に落ちるきっかけは、多分1つではない。たったいっこの小さな事件で一家離散するようなあんな悲しいことが起きるわけがない。
才能なんて、天賦のものではなくて、ほとんど後からもらったのだと思う。他人が君のことを教えてくれる。
マイナスを味方につけなさい。今いるところがどうしても嫌だったら、ここからいつか絶対に抜け出すんだって心に決めるの。そうして抜け出すことができたなら、あの辛い場所にだけど絶対にならないって、そう決めなさい。そうしたら、どんな大変な時だって、きっと乗り越えることができるよ。だって、私もそうだったから。
人は反省しない生き物。
だからこそ、反省を心にとめなくてはと思う。
銀玉親方だけじゃない。私が博打を教わった大人たちは、みんな、そうだった。ものすごい負けた時でも、それをどうお笑いにもっていくか。そっちの勝負。こんなときの身を切るような捨て身のギャグは、私が漫画を描く上でもものすごく勉強になった。
なぜ博打にいってしまったのか。仕事のためとはいえ、壮絶な道を選んでしまうことに疑問を感じる。でもそうせざるをえないような状況に陥る人間の愚かさもわかる。
ただ、私は漫画家だからね。そんな現実もそのまま書いてあって、お客さんを喜んではくれないだろう。だから貧しい境遇の中でも、へこたれないで生きていく子供の姿を描いた。子供の頃、貧しさの中で辛い思いをする友達の姿をいっぱい見てきた私が本当はこうあって欲しかったと思う願い事として。
そうやって叱られて、社会勉強できて、しかもお金がもらえるってことなのよアルバイトっていうのは。働くことの入門編だよね。
日本では年間で30,000人もの人が自殺をしていると言う。この数字は先進国の中でも異様な数数なんだって。交通事故死者数が年間で5000人と言うから、その6倍もの人が自殺を選んでいる。それを思うと習性の音が聞こえないけど日本にも形の違う戦場があるのかもしれないって思う。
人の気持ちと人の金だけはあてにするな!合コンで男男子に怒られて当たり前と言う延長に左うちわな将来を思い描いているんだとしたら、いざ旦那が失業、いざ離婚てなったときにあなたはどうやって生きていくんだろう。
ここで何か商売を始めようよ。動き出すとそうやって考えをどんどん展開させることができる。自分から動いて何かをした人間は、そこから何かを始めることができる。なぜその子にそんなことができたんだと思う?それはきっと自分が生まれた環境がどんなに低く酷かろうとそれを受け入れてしまうことをしなかったから。希望をあきらめてしまうことをしなかったから。
アルコール依存症っていうのは恐ろしい病気なんだよ。家族の愛情や支えてどうにかしようっていうのが間違いなの。病気だから専門の病院にかかることが必要だった。
いざと言う時、大切な誰かを安心な場所に居させてあげたい。そう思うなら働きなさい。働いて、お金を稼ぎなさい。そうして強くなりなさい。それが大人になるって言うことなんだと思う。
貧しくて、悲しい出来事をたくさん見てきた子供時代のあの場所から、私もとうとうそう思える場所までたどり着いた。
家族の笑顔がある場所。幸せで安心な我が家に。
筆者の経験はなかなかないことだし、それを文章にして、子供にもわかりやすく発信されることは多くないと思う。貧困が病気のようなものであり、何か対策が必要だと思った。子供は親を選べない。
お金の大切さを理解するためにも、子供にも読ませたいと思った。
Posted by ブクログ
私はあまり個人の見解みたいな本は好きでないが、この本は面白かった。日本ではお金のはなしをすると、卑しい奴みたいなイメージがある。しかしながら、お金がないと何もできないということもまた、事実である。そのような事実を実体験を踏まえて書いてあります。
Posted by ブクログ
良くも悪くも衝撃が走った。作品というより、本での活字を通して生き様と経験を伝承、発信、打ち明けたいという気概が伝わってきた。
貧困に対しての基礎知識となっている20歳までの経験と、その後のお金を手に入れてからのギャンブルにハマるという急転換があまり結びつきはしないが、スタンスがはっきりしていて潔い。
自分の価値観、同じ1万円というお金に対しての価値が変わる瞬間が大人なるにつれて来る予感がしている。もう来ているかもしれない。
その分岐点で、ある種有限のお金の流れと価値観をつかみ、乗りこなすことが出来るかが大切。
人とご飯に行って奢られるのが当然という人はどうかと思う、お金を出さなくて知らんぷりという言葉にはドキッとした。『損』したくない、卑しさが自分の中にある限り、お金を持っても本当の意味で豊かというか、セレブというか、やりたいお金の使い方が出来ないんじゃないかと危惧した。
安物買いの銭失いを繰り返し、自己投資や成長・家族や大切な人のためにお金を使えず下手くそな使い方をしてしまうのではないか。
周囲からケチだなとか、卑しさがあるところにお金やいい話が集まるとは、客観的には思えない。
自分のお金に対してのスタンスや管理方法を見直すきっかけにしたい。アジアの貧しいスラムまで飛躍しては、自己投影できないけど、自分の今の暮らしが本当にこれでいいのか改めて考えるきっかけになった。
あと、買いっぱなしで全然動かしてない株券のことも思い出したし。
若林の人見知り学部卒、又吉の夜を乗り越えると並ぶ積読本のひとつになりそう。
Posted by ブクログ
単行本が出たのが理論社からだから、ヤングアダルトに向けて書かれたんだろう。読んでいてもそんな感じがする。
無頼ではちゃめちゃな生き方をしているようにも見える著者だけど、生まれ育った境遇とか、自分で道を切り拓いた若い頃の経験とか、わが子への思いやだんなとの関係とか、濃い経験から導かれるカッコつけてない無頼な生きる知恵が学べる感じ。「『カネ』の話」なんてタイトルだけど、内容は金じゃなくて生きることそのもの。
貧しさから抜け出すために
一部ご紹介します。
・「貧困」と「暴力」は仲良しだ。
貧しさは人からいろいろなものを奪う。
人並みの暮らし、子供に正しい教育を受けさせる権利など、お金がないと諦めなければならないことが次から次へと出てくる。
そして大人たちの心には、やり場のない怒りが蓄積されていく。
その怒りの矛先は常に弱いものへと向かう。子どもが理不尽な暴力の一番の被害者となる。
・「自分はどうやって稼ぐのか?」を考えると次の一手が見えてくる。
・「お金」は「自由」を手に入れるための手段である。
お金が稼げるようになれば、できることや行動範囲も広がっていく。
・いい仕事をすれば、それがまた次の仕事へと繋がる。その繰り返し。
ときには自分でも意識的に方向転換しながら、足を動かし続ける。
・「あぶく銭」は身につかない。降ってわいたお金を人は大事にしないものだ。
自分で汗水たらして稼いだお金は、大事にするものだ。
・好きなことでお金を稼いで、好きなご飯を毎日食べる。
・「返す当てのない借金」は人間関係を壊す。
楽しかった思い出や、大切な友情を駄目にしてしまう。
・金銭感覚は日々の習慣の積み重ねによって作られる。
・アルバイトと世界放浪は男の子の必修科目。
男の子は外の釜の飯を食べなければならない。
色々な仕事を経験して、大人から色々なものを教わり、社会勉強して、お金がもらえる「アルバイト」は働くことの入門編である。
・「いくら頑張ってもどうにもならない」ことを知るのは、極めて重要だ。
あまりにも疲れてしまっているなら、休む。逃げてもいい。
心と体を休めて、ちゃんとモノが考えられるようになったら、「これからどうするか」考えればいい。
・「人の気持ちと人の金」などあてにするべきでない。
「自分は他人におごられて当然」という延長に「左団扇で暮らす」ことを思い描いていたら、
「いざ(相手が)失業」「いざ離婚」となったときに生きていけなくなるからだ。
・働くことは生きること、人が人であり続けることである。
Posted by ブクログ
この本には生きて行くための真理がある。
「カネ」のことって、中々話せない。
でも多分一番大事なこと。
それはカネがあれば幸せになれるとか、そんな単純なことではない、もっと深いことなんだと考えさせられる。
Posted by ブクログ
働くことは希望。
働くことは生きること。
自分から外に出て心で感じること。
著者サイバラさんが、幼少期からのカネの負のループから抜け出す話。
特に子供の頃は今では考えられないような雑な環境。
そして、海外では仕事すらない、仕事をしてもその日の食事分の給料しからもらえていない現実。
自分がいかに恵まれているか。
今日の、明日からの仕事があることの幸せを、今までは全く意識していなかった。
そして、カネを稼ぐことへの執着もなく、むしろ働くことはカネではなくやりがいのみとだけ思っていたりした。
自分の子供にも今の暮らしが当たり前でないことを伝えて行きたいが、なかなか体験を伴わないと難しいかも。
だからこそ色々な経験や出会いを作ってあげたい。
Posted by ブクログ
P89
「才能」って人から教えられるもんだって。
野良猫ならぬ野良ペンギン。
高知県おそるべし・・・。
西原さんって作家さんが良く分かる一冊。
Posted by ブクログ
筆者の生い立ちがお金を絡ませて生々しく語られています。自分が育ってきた環境とはずいぶん違い、え?!そんな人生を歩んできたの??と驚きながら読みました。
でもこういった環境で育ったからこその視点でお金をめぐることへの考え方ができるのだな、と思います。自分とは全く違う視点でのお金のとらえ方、かかわり方をされてきた筆者ですが、なるほど、と深く考えさせられ、もっと真面目にお金と向き合って生きなくちゃ!と思いました。
2016/01/17 b
Posted by ブクログ
もっと若い時に出会いたかったと思う内容だけど、大人になった今読んでも十分楽しめるしためになる。
働き続けること、自分が生きていくために必要なお金は人に依存せずにちゃんと自分で稼げること、の大切さ。色々な貧困、そこから抜け出せない人々、そこから抜け出そうとする人々の話。興味深かった。
お金の話、もっとちゃんとしよう。
Posted by ブクログ
貧乏→貧乏脱出→ギャンブルにハマる
といった経歴を持つサイバラならではの
お金に関するお話。
私は幸運にも、食うに困るほどお金に困った記憶が無い。その分ハングリー精神は足りないだろうという自覚はあったが、改めて再認識させられた。
そんなサイバラですら、カンボジアの貧困層と比べるとまだまだマシな方だと感じたらしく、世界がいかに不平等なのかと思った。
Posted by ブクログ
私たちが全然違う世界だと思っていることも実は根底でつながっていて、全てに共通する法則(法則、という言葉を使うとなんだかスピリチュアル感があってあまり好きではないのだが)めいたものがあるのかもしれないと考えた。
「名だたる芸術家だって雇われてお金を払われていたから作品を描いた」。ごもっともだ。私たちは今日なんか適当に芸術とお金を切り離して金じゃないだの何だのと言っている。しかし結局その時代も多くの人が評価するものが良いものなのであって、良いものだから多くの人が評価しているわけではなかったのかもしれない。わかってるフリ選手権。大ウケ。
金に苦しみ、金を稼ぎ、失い、また稼ぐ筆者。親の見栄のために私立の中高一貫へ行き、そんな親が亡くなったときに葬儀に来た人々は乞食のような人たちばかり。類は友を呼んでいた。自由を手に入れるため、最下位なりの戦い方で筆者はカネを稼いでいく。そして見えてくる、人々が見ないようにしてきた差。
親に比較的自由にさせてもらっている自分よりはるかにカネで地獄を見ている。それでも正直自分が大貧乏になるところが想像つかないのは、自分は絶対大丈夫という慢心だろうか。
生存本能を刺激する力強い本
「そうだよ! これが現実だよ!」主人公が最後に死ぬ映画こそが、当時小学4年生の著者に刺さった。小さい頃から暴力の飛び交う父と母の間で眠り、窓ガラスの無い戦場みたいな家を目にし、窃盗集団とも言える不良友達を周りに抱えていた。周りにお手本が誰もいない中、何とか東京の美大へと向かうが、その矢先にギャンブル中毒の父親が自殺。同級生の女の子達は不安で仕方なくて、心の寄る辺を探してヤリマンになっている。それらの原因を「貧しさ(≒カネ)」であると断言し、最後に、自分で力強く稼いで生きる人間になれと訴える。力強かった。
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「自分で稼ぐ!」
耳が痛い話。
お金は下品だとか、変なプライドだとか、くそくらえだ!という内容(意訳)。
子ども?若者?向けだからか、少し綺麗事な文もあるんだけど、そんなの感じさせない程の、リアル。
若い内にこの本を読める人は幸いである。
第3章の博打やFXの部分は、少し熱量が薄いように私は感じた。
色々気になるところはあるけれど、いやーリアル。耳が痛い。自分で稼いでみろや!
Posted by ブクログ
漢字にルビが振られているので、小学生でも読めます・・いや刺激は強いが小学生から読むべきかもしれません。実は、本の体裁は全然違えど(自伝小説とエッセイ)、大平光代「だから、あなたも生き抜いて」を読んだ時と同じくらいのインパクトを受けました、そして感動しました。
本書で指摘する、お金がない=精神的余裕がなくなる=ストレスがたまる=持っていきどころのない鬱憤を家庭で爆発させる=家族がその負の連鎖から抜け出せない・・という流れは、もしかしたら最近騒がせている我が子の虐待問題の原因にもつながっているのかもしれません。
また、年間3万人の自殺を防ぐことは、今できる最も効果のある少子化の歯止めだという点にも気づかせてもらいました。
そして、私が小学生が読むべきだと思ったのは、世界にはその日の食べ物を確保するだけで身を粉にして働かざるを得ない子供たちが大勢いることを知った上で、自分の現状を嘆いても遅くはないということからです。
もちろん、悩みの大小だけで、その人の苦しみの大きさを断定できませんが、それでも日本人は恵まれていると知っておくことは意味があることです。
一見マンガ付きで軽めにみえますが、決して侮れない本です。
Posted by ブクログ
話し言葉で、読みやすい文章とはうらはらに、西原さんの体験からくる言葉の重みが凄い。
【心に残った箇所】
・子どものころって、誰でも、心がうんとやわらかいからね。でも、そのぶん、心の風邪をひきやすいんだと思う。
・「どうしたら夢が叶うか?」って考えると、ぜんぶを諦めてしまいそうになるけど、そうじゃなくって「どうしたらそれで稼げるか?」って考えてみてごらん。そうすると、必ず、次の一手が見えてくるものなんだよ。
・(著者が美大の学生だったころの話。)絵の具がチューブ一本千円。キャンバスが一万円。
・よく「自分に向いている仕事がない」って言う人がいるけど、食わず嫌いしてるってことも、あるんじゃないかな。やってみなきゃわからない、そんなことって、この世の中には、いっぱい、あるからね。
・(ギャンブルの話。)じゃあ、負けて当たり前のものを、なぜ、やるのか?それは、ギャンブルが本来は「そういうものだとわかっているけれど、だまされることを楽しむ」という、大人の粋な遊びだからだと思う。それなのに欲をかいて、本気で儲けようなんて思ったらダメ!
・働けることのしあわせ、働く場所があることのありがたさについて、考えたことがありますか?
・バングラデシュの「グラミン銀行」。少額無担保融資事業。融資している実に97%が女性。
Posted by ブクログ
共感できたし、考えさせられました。人の心に余裕を持たせてくれるのはお金だと痛いほど分かる。働けるありがたさを感じた。子供にも読んで貰いたい1冊。
Posted by ブクログ
とにかく外に向けて働きかける
壁にぶつかったら逃げ道を探すことも大事な戦略
そうすると求められる場所が見つかる
そこでアクションを続ければ成果につながる
そして生業になる
自分で稼ぐことが大事
自分で自分の心を落ち着かせることができる分の
お金を稼ぐことが大事
自分の今に不満があるなら、
とにかく1円でも稼げることにエネルギーをぶつけたい
Posted by ブクログ
お金は大事。
綺麗事でなく、自身の生活に直結した形でそれを訴えかけていると思う。
人は自分の常識で物事を考えてしまうし、本を読んで知らない世界を知ることはすごく重要。
お金にだらしない人にはならないよう気をつけよう。。。
Posted by ブクログ
毎日かあさんを楽しくずーっと読ませてもらってますが、その作者の生い立ちや環境は想像なかった。自分で考えて行動して生き抜いてきたのだと思った。そうだね、引き続き働こう。。と思った。
Posted by ブクログ
なんかよかった。若い人達にむけて母目線で貧困とはどういうことか教えてくれる。
あんまり西原さんの作風が好きじゃなかったけどこれ読んだら他のも読んでみたいなと思った。
Posted by ブクログ
お金がないことに追い詰められると、本来の自分ではいられなくなり、人格まで変わってしまう。
だから、自分が生活する上で最低限必要な金額は、把握しておく必要がある。
そして、それを上回る余裕があれば安定した状態が得られる。
筆者が自身の経験を通して、主張していたこと
・プライドは一銭にもならないこと
・"やりたいことはお金にならなくてもいい"ではなく、"それでどう稼ぐか"を本気で考え、実行することで夢は現実に近づくこと
自分から実際に動き、心で感じることを大切にすべき!