【感想・ネタバレ】蜘蛛の糸・地獄変のレビュー

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Posted by ブクログ 2022年12月03日

未完の『邪宗門』を初めて読んだ。序盤から芥川らしい世界観に浸り面白かったが、終盤、摩利信乃法師と僧都の法力合戦になったあたりで未完のまま放置したのもわかるような気がした。あのあたりで詰んだ感じがした。最後まで長編をものにできなかった芥川に足りなかったものは何だったのだろうかと思う。

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Posted by ブクログ 2021年11月05日

芥川作品の中で蜘蛛の糸が1番好きな小説。お釈迦様は何でもお見通しですね。人間とは醜い生き物でもあるなと。私もカンダタの立場なら、同じようにしていたのかもしれません。私の中の教訓本。卑しい心ではなく、相手を思いやるキレイな心を持って生きたい。

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Posted by ブクログ 2019年06月24日

考えながら読む、ということが許されなかった。それほどに話に引き込む言葉選び、描写の仕方、構成。ただただ面白く、貪るように読み進めていきました。
解説を読んではじめて考察することができました。
これは一度だけでは考察しきれない作品だと思います。それほどに、お話の一つひとつが面白すぎるので。

蜘蛛の糸...続きを読むはずっと小さい、それこそ小学生のころに杜子春などと一緒に読んだ記憶がありますが、大人になってから読むとまた違った見方ができて面白いですね。
解説をうけて、確かにこれを子供に読ませるのは、酷いかもしれないなぁと思いました。あまりにも現実を突きつけすぎていますよね。ここから反省をして次に生かしていると知り、納得しました。

この本は、一度めは純粋にお話を楽しみながら読む。
二度めは芥川の考え、思いを推し量りながら読む。
二度だけではきっと足りないでしょう、何度も読むことで芥川の考え方を理解できると思いました。
すぐに2周目にいきたいところですが、ほかにも読みたい本がたくさんあるので、また後日、日を置いてから読んでみたいと思います。
でも、それでもまた「面白い!」と思って考えられないのかな…そんな気もしています。

芥川は芸術家ということが、この一冊からでもよく理解できました。本当におもしろかったです。

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Posted by ブクログ 2014年04月05日

羅生門を読んでから、芥川龍之介さんの作品に触れてみたいと思い買ってみましたが、凄く面白かったです。
所々言葉の意味が理解できず、読めないところもありましたが、勉強になりました。個人的に、「蜘蛛の糸」、「毛利先生」、「犬と笛」が心に残っています。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年02月12日

収録されている作品すべて面白い。特に地獄変は絵仏師良秀を題材に描かれていて芥川の芸術観が表れているように感じられる。

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Posted by ブクログ 2012年05月05日

恐ろしくて狂気を感じる「地獄変」
愚かさを感じる「蜘蛛の糸」
どちらも私はとても好きな作品です。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2011年07月11日

『袈裟と盛遠』

『蜘蛛の糸』

『地獄変』

『奉教人の死』

『枯野抄』

『邪宗門』

『毛利先生』

『犬と笛』

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Posted by ブクログ 2024年04月29日

蜘蛛の糸は小学生の頃読んで好きだったなぁと懐かしくなりました。
地獄変は独特の雰囲気と簡潔で深い物語で好きです。オマージュ作品も多数あるみたいなので少しずつ追っていきたいな。

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Posted by ブクログ 2024年02月26日

“地獄変”はアーティストとは?という問いを芥川が投げかけているようだった。自分もアーティストとはどんな人なのかよく考える。類まれな才能があって、ストイックで、人生より芸術に重きを置いている人、私生活や人付き合いを犠牲にしてでもただひたすら、独りで何かを考えたり作り上げたりしている人なのかなと思う。例...続きを読むを出すと、ハリウッドの巨匠、スピルバーグや毎日コントを上げているジャルジャルとかかな。

ただ地獄変の絵師、良秀は娘を殺されてまでも、自分の求める芸術を追い求め続けた。作中の高僧は仏教的な立場から、いくら芸に優れていても、人を殺してはダメだ的なことを言っていたが、実際はどうなんだろう。自分もこれはやりすぎなのかなと思ったけど、芸術的な観点から言えば、良秀の生き方は美しく正しいのかもしれないし、芸術家とはこういう人を指すのかもしれない。もしかしたら芥川は自身の芸術家としての生き方や決意を良秀に投影したのかもしれない。

“奉教人の死”も結構好きだった。芥川の作品はこういう儚くて救いようがない話の方が好き。人物の機微をしっかり描いているから本当に面白くて読み応えがある。それと芥川の歴史ものは古文で書かれているものが多くて、古文単語とか慣れていない自分には読みにくいけど、これを機に源氏物語とか今昔物語とか読んでみようかなと思う。

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Posted by ブクログ 2023年10月15日

短編の持つ力
きゅっとその物語の世界に
入り込んでしまう

「邪宗門」が未完なのが悲しい

一二三館書店にて購入

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Posted by ブクログ 2023年09月23日

新技巧派ならではの表現の癖を感じられて面白い。夢と現実を行き来するような虚構の遊戯性を強調する文体は反自然主義ならではで、どこか童話らしさをも感じさせる。
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①『地獄変』
完全な地獄屏風を完成させるために娘を豪華の炎に追いやる良秀。彼の中に「完璧な...続きを読むる芸術」を希求する欲求と、非人道的な方法で愛娘を美の遂行のために殺してしまう事への葛藤が相剋しており、なかなかに考えさせられる作品。特に炎の描写は圧巻。生きたことのない時代にも関わらず、燃え盛る馬車のイメージがまざまざと浮かんでくる。あっという間に物語に引き込まれてしまった。

地獄変が人々に認められたことで、芸術が道徳を超越したかのように見えたが、結局良秀は自殺してしまった。芸術至上主義へのアンチテーゼとも捉えられつつ、
真の芸術は、死を伴う葛藤の上にようやく実現可能なほど尊いものだと言われているような気もした。

記憶に焼き付く作品。

②『枯野抄』
松尾芭蕉の死を前にした弟子たちの「死」に対する赤裸々な矛盾が語られる。案外、人の死を前にした人間の感情は、利己的な感情や嫌悪感、恐怖など「悲しみ」だけで語れるものではないのかも知れない。芭蕉は夏目漱石をイメージして描かれたものであるという説もあるようだ。漱石というカリスマの呪縛から解放された自分自身と重ね合わせて描かれたのかもしれない。

「自分たちは師匠の最後を悼まずに、師匠を失った自分自身を悼んでいる。ーーそれを非難したところで、本来薄情に出来上がった自分たち人間をどうしようか」

③『邪宋門』
個人的には、人々の信仰心の脆さや危うさを描いていると解釈した。恋愛に対して若殿は、「いつ始まっていつ終わるかだけが気がかり」「始めから捨てられるつもりでいる」と述べている。そして、恋愛も宗教も、ただ世の中の無常から逃れるための救済措置の手段に過ぎない。つまり、恒久な恋愛感情の実現が不可能なように、宗教における信仰心も簡単に捨てられて、乗り換えられていく。という事か?
『奉公人の死』では殉死のようなものを描いていてかなり宗教に対しての信仰が熱い作家なのかと思っていたが、この解釈だと他の作品との調和が取れないか。。?

④『毛利先生』
自己の本質を不器用にしか表現できない人間の哀れを描きながら、それに侮蔑の目を向ける人々の倨傲に、作者の深いため息が聞こえてくるよう。不器用ながらも、自分らしい道を、自分らしく歩む先生の強さに感服。




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Posted by ブクログ 2022年06月02日

【2022年30冊目】
蜘蛛の糸、羅生門、杜子春しか読んだこと無かったので、久々に芥川に触れたいなと思ってこちらの短編集を読んだのですが…作風の幅広すぎてビビりました。同じ作者が書いたとは思えない、すごいですね…。邪宗門だけ全然理解できなかったのでまた時間を置いて読んでみたいと思います。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

最愛の娘を焼かれながらにして、良秀の悲しみや怒りが狂気に変わっていく様が何度読んでも凄みを感じる

芥川龍之介の短編小説はほんと凄い
いつまでも心に残ってふと読み返したくなる

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Posted by ブクログ 2021年08月25日

難しかったり、事前知識がないと理解できない話もあったが、解説なども見て「なるほど」と楽しめた。
普段小説を読まないのもあって、明示されてないけど汲み取って解釈するという習慣がなかったので、てとも刺激になった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年01月02日

芥川の文章は無駄がなく、冬の夜みたいな冷たい美しさだと思う。
蜘蛛の糸は学生時代ぶりに読んだけど、あのころと良い意味で抱いた感想は変わらない。人によって感想がわかれそうだから読んだ感想や解釈を話し合うのも楽しいかも。
地獄変は人を魅了するものを造るには人でいることを手放さなければならないのか、いや手...続きを読む放さずにいたから造ることが(描くことが)できたのか自分でもこれだという考えがまとまらないけどそれが芥川作品の良さでもある。
毛利先生は心が苦しく、切なくなる。
人のことを愚かだと嘲ったあとに知るその人の本質。
誰かのことをわかった気になることほど浅はかなことはないよなあ。

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Posted by ブクログ 2020年07月06日

一番心に残っている作品は、「蜘蛛の糸」。慈悲の心=心の中の明るさだと思った。自分よりも他人が一番という優しい心を学べる作品。

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Posted by ブクログ 2016年03月03日

「地獄変」を読んだ時…昔「羅生門」を授業で読んだ瞬間に心に湧いたのと同じ何かが蘇った。
私は芥川龍之介の「はっ…」っと息を飲むような苦しく切ない後味が好きかもしれない。
どの作品にもちょっとした苦味があるような、そして何かを考える余韻を残しているところが、難しいながらも読み続けてしまう理由に違いない...続きを読む
芭蕉が登場する作品もあれば最後は少しファンタジーもあって、幅広い世界を味わえる一冊。

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Posted by ブクログ 2015年03月08日

芥川の鋭い筆致によって人間の業、強さ弱さを浮かび上がらせた作品を、うまくまとめていると思う。装丁が美しいのもポイント。最後の一編だけすこし「ちがう」気もしたが、巻末には年表も付いていて十分に楽しめた。

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Posted by ブクログ 2012年11月22日

表紙にひとめぼれ。

芥川作品の中でもお気に入りの話が入っているので、個人的にうれしい一冊です。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

8つの話が入っています。
中でも、短いながらに人間の欲深さを描いた『蜘蛛の糸』、
怖い、でもどうなったのか知りたい、な『地獄変』、
後々胸がきゅうっとなる『毛利先生』。
この3つは特に心に残りました。

『邪宗門』は所々言葉が難しく、私の少ない知識では内容を理解し切れませんでした残念。
勉強してから...続きを読むまた来ます。

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Posted by ブクログ 2012年08月27日

やっぱり芥川龍之介はすごいですね。
個人的には『犬と笛』が面白かったかな。
『邪宗門』も続きが気になるなぁ

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Posted by ブクログ 2012年07月24日

「蜘蛛の糸・地獄変」芥川龍之介
教養小説。黄枯茶。

人の機微がいちばん分かるのって、文学だよなあ。
奇しくも明日(7/24)は、河童忌。芥川龍之介の没日だそう。
袈裟と盛遠/蜘蛛の糸/地獄変/奉教人の死/枯野抄/邪宗門/毛利先生/犬と笛
(4)

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Posted by ブクログ 2010年06月25日

地獄変にでてくる良秀の芸術に対する執念はすさまじいものがありますね.
あと短篇の毛利先生も好きです.小さいころに感じた思いと大人になって感じる思いって違うよねぇ,ってことを書いていてまたそれが自分自身にリンクしてるようで面白いなぁと.

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Posted by ブクログ 2024年04月30日

地獄変と邪宗門がよかった。続きがあって種を見破り鼻を明かして欲しかった。全部身振り手振りする語り手がいて、それを聞いているみたいな落語みたいなそんな気持ちになった。そういうテンポ感があったからか。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月26日

 地獄変は教科書で学んだ宇治拾遺物語の「絵仏師良秀」の続きのお話。
燃え盛る家の中で女房子供が燃えているのを見て、不動明王の背中の火を描いたというサイコ良秀は、今回も健在。
 地獄の様子を屏風にしろと言われ「私は見たものしか書けん!」と、自分の娘が牛車で燃やされても、絵を描いていた。
 良秀が芸術の...続きを読むためなら家族の命だって厭わないという狂信的な芸術至上主義なのはわかったけど、それだけじゃ「宇治拾遺物語」と同じ。
 ここからが芥川。語り手のうさんくささ(事実を言っていない可能性)と、大殿の実際の行動から、良秀も大概だけど、大殿もかなり性格が悪そう。
 そんな大殿が良秀を嗜めようと、見たこともないはずの地獄の様子を屏風に書けと命じたから、今回「も」悲劇が起こる。

 ただ、そのままだと、娘が浮かばれなさすぎるので、「猿」という救いの手を差し伸べたのは、芥川の優しさだったのかな。正直「猿」必要かなぁって思いながら読みました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月13日

久しぶりに読んだ芥川龍之介の作品でした。

今回強烈に感じたのは、和の様式美とでも言うべき彼の文章の美しさです。全作通じてカタカナが殆ど見当たらず、ほぼ全て漢字とひらがなのみ。熟語の並ぶ堅苦しさも若干感じこそすれ、それは日本語本来の美しさや様式美に通ずるように感じました。

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さて、本作に収め...続きを読むられている作品ですが、「袈裟と盛遠」、「蜘蛛の糸」、「地獄変」、「奉教人の死」、「枯野抄」、「邪宗門」、「毛利先生」、「犬と笛」の8作品。

「蜘蛛の糸」は非常に有名ですが、恥ずかしながら私は芥川龍之介といえば、これと「羅生門」くらいしか知りませんでした。

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で、今回本作をすべて読んで、「袈裟と盛遠」、「枯野抄」、「邪宗門」に興味を持ちました。どれも歴史を題材にした小説ですが、そこに芥川氏一流の創作が挿入されている形でしょうか。

「袈裟と盛遠」はどうやら源平盛衰記に典拠した作品のようですが、殺人者と被害者という対立関係に内在している一種の共犯関係ともいうべき心理を描いています。この二人は不倫関係の末に、男が、女の旦那を殺そうとして誤って女を殺すというもの。しかし本作ではこの誤認をお互いが予測しているという筋立てであり、その心理描写が絶妙。なお、ソースである源平盛衰記は違った書き方であるそう(未読なのですが、盛遠が誤って女を殺してしまい、それを悔いて出家するとか)。

今でこそ、心中テーマはもはや驚くほどでもありませんが、本作は初出が1918年。きっと今以上にセンセーショナルに映ったのではないかと思い致します。


「枯野抄」は、松尾芭蕉が亡くなる直前、その弟子たちが師匠の死を前にして、夫々の思惑を思い巡らす場面を描いています。人はおよそ、大切な人の死を前に、死者を悼むのではなくむしろ自分の行く末や顛末を考えていたりするという、シニカルな情景をあぶりだします。その節操のなさを本人たちが自覚している点もまたユニークです。これは舞台などで見たら映えるのではないかと夢想してしまいました。


「邪宗門」は平安時代を題材にした伝奇小説とでもいえる作品ですが、残念ながら未完。どうなるのかとワクワクしながら読んでいたので一層残念でありました。本作を読んで私は中学生の時に一瞬ドはまりした藤川圭介氏の「宇宙皇子」を思い出しました。歴史上の人物+超能力とか魔力とか、そういう取り合わせにどうやら弱いようです笑

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ということで、久方ぶり(30年ぶりくらい?)に芥川龍之介氏の作品を楽しみました。

氏の作品は日本文学・文芸の祖という扱いでか、中学や高校とかで取り上げられることが多いと思います。ただし、到底その年代では楽しめないのではと感じました。

学究から離れた大人の方が振り返って読まれることで、かつては分からなかった面白味が感じられるのではないでしょうか。また平安期を題材にした作品が多いので、京都方面にご縁がある方、関西の方は一層楽しめるのではと感じました。たしか「邪宗門」には烏丸とか河原町とかの描写が出てきていました。私には阪急線の急行の駅、という程度しか思い出がないのですが笑 本作を読みながら京都旅行にでも行きたいものです。

あ、あと最後に。これ、表紙がとっても素敵です。絵柄もそうですが、紙の素材が和紙のような手触り感になっています。そのザラザラ感も楽しめる作品です。

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Posted by ブクログ 2021年07月13日

カドフェス2021の中で最も価格が安かったため購入。
蜘蛛の糸は小学生時代に読書感想文を書くために読んでおり非常に懐かしかった。地獄変は読んだことはなかったが、高校時代に宇治拾遺物語の絵仏師良秀は読んでいたので、これまた懐かしく読めた。
個人的に気に入った話は犬と笛である。ストーリーが王道的で自分好...続きを読むみだった。逆に微妙だったのは袈裟と盛遠と枯野抄。前者は元ネタを知らなかったので物語に入っていけなかった。枯野抄は松尾芭蕉の弟子の知識が自分の中で乏しく、登場人物がかなり多くてこれまた話に入れなかった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2016年10月10日

短編集でクモの糸が入っている。地獄変では、娘を牛舎に入れて燃やしてしまう。絵のために。
毛利先生は、不器用ながら教えるのを生きがいにした先生の話。
犬と猫は欲がない主人公が家臣を助けて犬をもらい幸せになる話。
どの話も人間味があってよいと思う。

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Posted by ブクログ 2013年10月18日

歴史もの、キリストもの、エッセイ、童話(寓話?)と振り幅の広い短編集。おなじみ蜘蛛の糸でようやく見知った話に出会えた安心感があったものの。全体的にどう受け止めていいのか今二つ三つ困る構成。鬼灯の冷徹を読んでいたおかげで地獄変とかはあの世界観で脳内変換されて読みやすかった。と。

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Posted by ブクログ 2011年04月14日

読んでおくべきであろう
日本文学を読んでみた、その3

多分一番有名な「蜘蛛の糸」が
一番面白かった

あと個人的には「奉教人の死」も好きです

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