【感想・ネタバレ】畑村式「わかる」技術のレビュー

「考えても考えても、わからない」、「言っても言っても、わからない」。こんな状態はお手上げである。「なぜ、こんなに同じことを何度も言われるのだろう?」―― もしかしたらそれは、「わかって」いないせいかもしれない。

「わかる」とは、どういう状態なのだろう。なぜ「わかる」のか、逆に、なぜ「わからないのか」。
この本は、「わかる」がどういうことかを教えてくれる。「わからない」事態に陥っても、「おお、来たか」と余裕をもって迎えられるようになるはずである。

「わからない」ことへのアレルギーをなくしたい人、「わからない」ことに心が折れそうな人にオススメの一冊。

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Posted by ブクログ 2023年12月10日

論理的に書いてあるので、とても読みやすい。わかるということについての考察によって、理解すること、理解してもらうためにどうすればよいか、という思考が深まった。
問いを自ら立てれる人は、未知な問題を理解することが得意であるが、そもそもわかろうとする意欲のない人は思考停止となるため、わかるはずもない。

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Posted by ブクログ 2023年10月19日

わかるとは何か、ピンとくるとは何かについて理解できる。またわかる=理解する際の具体的な手法についても記載がある。

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Posted by ブクログ 2021年07月31日

わかるということについて構造的に整理してくれており、大変腹落ちした。
やはり、課題•問題に直面したとき、取り組むときに全体像を把握することがいかに大切かわかった。
そのために、要素分解を行い構造を捉える、要素を紡ぎ合わせ抽象化して捉える(上位概念から見下ろすイメージ)これこそが重要な頭の使い方のベー...続きを読むスであると理解した。ただ目の前のタスクをこなすだけの毎日にするのではなく、その課題をどうとらえ、関連づけ、対処するのか、それによって頭の良さ(知識、技術の定着)は段違いになるであろう。

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Posted by ブクログ 2021年02月12日

名著
私自身、研究をしている中で、自分の考えを相手に伝えることを不得手としていた。しかし、本書を通して、その原因が自分が“直感”で考えている“偽ベテラン”なためだとわかった。
加えて、自分のすべき改善策を知り、非常に視野が拓けた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年01月14日

何気なく使っていた、分かるという事について、何を以って分かるかを知る。

〈感想と適用〉
・要素、構造、全体構造の仕組みが斬新
・今後は、ノートの図式化、絵化+因果関係性を書くを行う。

〈要点〉
○わかるとは何か:蓄積されている要素、構造の一致、もしくは新しいテンプレート(構造)の構築
→・事象を...続きを読む観察、要素を抽出、構造にする、全体構造を見る、構造と構造、要素と要素がどう作用して全体構造になっているかを理解する
 └世の中の事象は複数の要素が絡み合い構成される構造で成り立つ。
 └一般的には、その構造が複数存在して、全体構造が成り立つ。
○わかるための技術とは
→様々な構造を自分の中に蓄積する
→数に親しみ、定量化を行う
→自分の身の丈を知る
○どうすれば身につくのか
→図や絵などにして、立体的に捉えるようにする
→自分が見ている事象ではなく、それは全体としてどう関連しているかまで見る

〈その他〉
○詭弁に騙されないためには:その話が成り立つ範囲や条件を確認する

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Posted by ブクログ 2018年10月21日

人が理解し「わかった」となるということは、どういうこと?を見える化しているのが本書。自らの理解を深めること、すなわち他者にわかりやすく伝えることができる人とそうでない人の差は何?他者にどのように伝えれば理解を得られるのか?自らの思考の経路を意識して積み立てることの大切さがわかる。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

本屋で偶然見つけた大当たり。「わかる」ことの本質を理解できます。裏を返せば、「わかってもらう」のに必要なツボが透けてきます。

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Posted by ブクログ 2024年04月09日

「わかる」と言うことを構造的に捉え、どうすればわかったと言うことなのかが非常にわかりやすく書かれていた。

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Posted by ブクログ 2023年04月24日

自分は人にわかるように説明するのが下手だ。でも、そもそも「わかる」ってなんだ?と思って読んでみた。自分の「わかる」状態を言語化してくれ、あぁそうだなと腑に落ちた。また、「わかる」の延長線上に「気づく」があるのかと感じさせてくれた。技術者としても人としても大切にしたい感覚を教えてくれた本。

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Posted by ブクログ 2023年01月16日

「わかる」について頭の中の作業を言語化して解説

「技術の創造と設計」の方が詳しいが、より簡素にまとまっていて読み易い。
創造は日々の活動から生まれるとのことで、アウトプットのすすめとして見学記や日記の一部も載せている

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年07月26日

畑村先生の「わかる」技術は、モノづくりと密接に絡んでいるため、創造ということに直接つながっており、ビジネスへの応用がききやすい。特に、現地・現物・現人という三現主義は、ややもすると論理的な理解だけで、頭の中のテンプレートと事象を一致させ満足してしまう自分の欠点を明確にしてくれる。その意味で、要素摘出...続きを読む→構造化→試動、により、実践で使えるものが本当の理解であるというのは、この本の 自分にとっての大きな付加価値。

以下、重要な点だが、拾いすぎか。

はじめに
第1章 「わかる」とは何か
第2章 自分の活動の中に「わかる」をとりこむ
第3章 「わかる」の積極的活用
おわりに

はじめに
・「創造であれ失敗であれ、それをやる人間の頭の中の動きを知らなければ話にならないことに気づいてきました」
・「創造や失敗について考えるときには、まず事象をしっかりと理解することから始める必要があります。「しっかりと理解する」ためには、まずは「わかる」ということの仕組みをきちんと知っておく必要があるし、さらに「わかる」仕組みを積極的に利用することが創造したり失敗を扱う上で大きなプラスになることがわかってきたのです」
・「「わかる」ということを巡っては現在ふたつの大きな流れがあることが見えてきます。ひとつは「もっとわかりやすく」という欲求の高まりです。・・・もうひとつは「わかる」人に対する需要の高まりです」
・「まず「わかる・理解する」というときの頭の中の動きを直視し、そこで得られる知見を積極的に応用し、さらにそれを継続的に実行する、ということなのです」

第1章 「わかる」とは何か:「本当にわかる」ことがなぜ創造と結びつくのか、「わかる」を巡る教育のおかしさ、「わかりやすい」ことの落とし穴
・「すべての事象(事実・現象)は、いくつかの「要素」が絡み合う形で、ある「構造」をつくりだしています。・・・この構造同士を組み合わせると、・・・「全体構造」になり、何等かの働き「機能」を持ちます」
・「人の頭の中には、すでにその事象についてのモデル(要素と構造)インプットされています。ですからモデルどおりの事象を目の前にすると、人は瞬時にそれを「わかった」と感じることができます。・・・このとき無意識のうちに行っているのは、それまで自分gあ学習してきたものとの一致点の確認です。・・・自分なりの頭の中のテンプレート(型紙)のようなものと比較します。そして一致していることが見つかったときにそのことが「わかる」と感じ、一致していることが見つけられなかったときに「わからない」と判断しているのではないでしょう」
・「新しい事象に触れる場合は・・・目の前の事象にうまくマッチするテンプレートが頭の中にできていないので最初は「わからない」のです。こうした事象を前にしたとき、そのことに興味を持ったり、理解できないことに不満を感じた人は、目の前の事象を理解しようと検討を始めます。そして自分がすでに頭の中に持っている要素や構造を使って新しくテンプレートをつくることで理解しようとするのです。・・・(これは)静止した状態にあるものを対象にしています」
・「動的な現象を理解する(には)、構成要素の摘出、構造化・試動を通じてはじめてわかったと思います」
・「政治経済は、時代によって条件(要素)が大きく変わるということもあるので、「従来のモデルで理解できていたはずのものが、あるときまったくわからなくなる」ということもよく起こるのです」
・「(コンビニエンスストアは)常に現象を観察しており、うまく機能するようにモデルの作り直しを絶えず行っているから、売り上げが大きく落ちることはない」

・数学が教えている定義や定理のすべては、もともとは私たちの身近にある事象を見つめる中で導き出されたものです」
・「相手が「これは自分とは無関係なものである」と受け止めているのをそのまま放置しては教育になりません。エッセンスだけ教わるので、教えられる側にとっては、授業がつまらなくてわかりにくいというのは、数学に限らずどの分野にも共通する問題です」
・「余計なものを取り去ってシンプルにした分だけ、それを理解するために必要な新しいテンプレートがなかなかつくれない」
・「本来、言葉を学ぶときには、概念をきちんと押さえることが求められます。そのうえで、ほかの概念との結びつきでそれを立体的にとらえることができたときに、はじめて正確に理解できるようになるのではないでしょうか」
・「ある事象を理解するときには、「直観でわかる」のがひとつの理想的な姿だと私は考えています。・・・「直観でわかる」というのは、「飛躍思考」のことなのです」
・「経験主義者は、人より多くの経験をしたことがあるというだけで、対象がどういう要素を持ち、どういう構造になっているかまで意識して観察し理解しているわけではありません」
・「現実にはだいたい、たいていのことは10個程度の要素のつながりで成り立っています。・・・10個の要素のつながりを考える場合、そのものの論理性を考えている人は、「三番目と四番目、あるいは八番目と九番目のつながりが最も重要である」というような見方ができます。どこを重点的に見るべきかがわかっているから、同じ1024通りについて考えるにしても正確かつ速い判断ができるのです。・・・1024通りのうち、本当にうまくいく組み合わせはだいたい三通りくらいしかありません。これが経験則として言い伝えられている「千三つ」の意味です」
・「直感を使っても思考のショートカットはできますが、そこで導き出される答えには「論理的な根拠」がありません。・・・「刺激を受けて思い浮かべたもの」くらいの意味合いしかないのです」
・「ある事象について、その内容を深く検討することなく形式面から真偽を問うような論理展開を一般的には「形式論理」と呼んでいます。・・・「狭い世界での真実」にしか過ぎないものを、どんな分野にもでも当てはまるかのように扱ってしまう、というのが形式論理の持つ大きな問題点なのです」
・「新しく考えを構築するやり方にも二種類あります。ひとつが自分の力で新しいテンプレートを頭の中でつくりあげていく方法、もう一方が新しいテンプレートをひたすら頭の中に詰め込んでいく方法です」
・「現代社会で本当に必要とされていることは、与えられた課題を解決する「課題解決」ではなく、事象を観察して何が問題なのかを決める「課題設定」です。課題解決と課題設定の違いは、「HOW」と「WHAT」のちがいと言ってもいいでしょう。そしていまは何よりも「WHAT」が社会で必要とされる時代なのです」
・「理論を先に学ぶやり方では、本当の意味での理解に到達できないと私は思っています。それどころか、現物を見る前に知識として学ぶことで、その人は「自分はこのことについて確認するまでもなくすべて理解している」と錯覚する危険もあります」

第2章 自分の活動の中に「わかる」をとりこむ:「わかる」ためには日々の活動でどうすればよいか
・「いろいろなことが、「わかる」ようになるベースを頭の中につくるときには、むしろ暗記は必要不可欠だと考えています」(九九、2の累乗、ルート、漢字、英単語、百人一首、いろはがるた)
・「同時におすすめなのは、「数と親しむ」ということです」(10にする遊び、百マス計算)
・「自分の周りにあるものをきちんと観察して数として把握する「定量化」を行ってことも有効です。そのための小さな努力として、自分なりの物差しを持つことをあげたいと思います」
・「創造のために必要なのは、まず自分で体感することだということを述べていますが、その体感もさらに数字の裏付けがあると、より一層本人の頭の中にその出来事が強くインプットされ、なおかつ別の場面でも応用がきくものになるのではないかと考えています」
・「いろいろなことを体験したり学ぶことで自分の中に経験や知識を備えることは大事ですが、それ以上に大切なのは、自分で得た経験や知識を使って自分自身で新しい知見をつくれるようになることです」
・「仮説立証というのは、文字どおり、「この状況ではこういう考え方が使えるのではないか」という仮説を立てて、それを立証すべく実際に当てはめて試してみることを言います。論理だけでなく実践を伴うので、自分がよいと考えてものがそのシチュエーションで使えるか使えないかがはっきりわかるのが特徴です。このような試行錯誤を繰り返すことこそが、創造的な仕事をするための第一歩です。・・・試行錯誤の訓練を繰り返すうちに、正しい解法を選択するスピードもどんどん速くなります」
・「自分で立案をしない、課題を設定しないというのは、じつはリスクを伴う賭けを一切しないし、責任ある行動を放棄するというのとほぼ同義です」
・「根本的な解決をする場合は、いま目の前にある問題と同じような種類、同じような脈絡、同じような性質を持っている問題は、全部一体で解決すべき課題であると考えます」

第3章 「わかる」の積極的活用:「わかる」ということの具体的ノウハウ
・「多くの場合、こういう(なかなかうまく伝わらない)問題は、話を聞いている側にその事柄を理解するためのテンプレートがないことが原因で起こります。
・「聞き手は理解のためのテンプレートそのものは持っていなくても、理解の手がかりになる種は持っていることが多いのです」
・「結局、面白い話をする人は、話を通じて聞き手のテンプレートを豊かなものにしてゆける人なのです。・・・話してをうまくエスコートして、ゴチャゴチャの話をうまく構造化してテンプレートをつくる手伝いをしているのです」
・「図や絵を使うメリットは、一度に伝達できる情報量が圧倒的に多い点にあります。事実を事実として説明するには、やはり文章として表したものが持つ一般性は頼りになります。・・・つまりわかりやすく伝達することを考えると、どちらか一方に限定するのではなく、互いに補完し合うような形で使うのが理想だと考えています」
・「私がいつも絵を描くときにいちばん心がけるのは、伝えたい内容をどうやって強調するかということです」
・「現場に出かけていって、ものごとを観察する際、どんなことに心がけて観察すればよいか。自分が直接見ている部分にだけ注目するのではなく、関連するものとのリンクを見る視点、逆演算の思考。
・「自分が理解したことを人に伝えようとするとき、自分の理解ではまだまだ考えの抜けがあったことに気づくことがあります。自分が理解したことを記録に残すことも同じことで、記録することで考えの抜け、完全に理解できていなかったことに気づくこともあれば、さらに考えを深めることもできます」
・「創造とは日々の実際の活動の中からしか生まれない」

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Posted by ブクログ 2019年03月04日

「分かりやすく」は、物事を単純化して話したり、平易なことばで表現すれば実現できるというのは間違いである。
現代ははっきりした答えが見つからない時代。

本当のことをわかるには現地・現物・現人の「三現」を実践する必要がある。

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Posted by ブクログ 2015年02月18日

この本を読んでいて気になったので、直観でわかる数学を先に読んだ。実に楽しい数学コラムだった。この本で気になったのは、手帳の書き方。1年後でも何があったが再現できるように書くというのは参考にしたい。

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Posted by ブクログ 2013年09月14日

本書では「わかる」とは何かということを、大学で創造工学を教える著者の経験から述べている。理系らしく、比喩に例えられるのは工学関係が多いが、難しくは書かれていない。「分かる」とは何かということを求めるよりも、「分からない」ときになぜ分からないのか考えるきっかけになる書だと思う。

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Posted by ブクログ 2013年06月14日

「わかる」とはテンプレートの一致である.
要素が集まって構造をなす.→新たなテンプレートの構築.

自分でテンプレート、モデルを作れば、想定外の変化にも臨機応変に対応できる.

教育で身につけるべきは、「課題決定の力」である.

事実/知識から抽象化、上位概念を創りだすのだが、これらは抽象的であるが...続きを読むゆえに素人にはわかりにくい.

思考プロセス:馬鹿丁寧に逐一虱潰しに選択肢を当たるのではなく、思考のショートカット=飛躍思考を利用する.

「経験主義」の誤り=偽ベテラン:経験のみで論理性がない.
その反対に、要素や構造をきちんと理解していると、第三者にもわかりやすく説明できる.

「形式論理」(内容を深く検討しない):決まった道を歩くリスク.=応用が効かない.
経験や知識から自分で新しい知見を作れるようになること.

マニュアル=公式=対症療法であり、真の理解ではない.

「話が面白い人」:話が立体的かどうか=種同士のリンクが意識されているか、上位概念が意識されているか.利き手に応じて話し方を変える=利き手のテンプレートを豊かなものにできる.

「成功例を真似る」だけでは、発展がない、「想定外」に対処できない.
「三現」を大切にする.(現地、現物、現人)

「部分最適・全体最悪」にならないようにする.(直接見えている部分のみならず、関連のリンクを見る視点が大切)

「逆演算の思考」:起こりうる自己や失敗を想定して底から逆上って考える.「順演算の思考」と組み合わせて使用する.

失敗は(1)ヒューマンエラー(2)組織の失敗に集約される.


畑村洋太郎の「わかる」とはどういうことか、「わかる」ためにはどのようなことを意識すればいいのかについての書籍.
表面的な理解や模倣、マニュアル化では終わらせず、物事に含まれる種や構造を見つけ出し、自分の中でテンプレートを作ることが深い理解やその後の応用力につながることを論理的に教えてくれる.

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Posted by ブクログ 2012年03月22日

わかるとはなにかを考察した第1章の内容は、僕もそうだろうと思い今まで実践してきた内容でした。しかしその後の活用の段階を読んで、「この人はこんなに普段から考えているんだ」とびっくり。まだまだ僕は思慮が足りないなあ。

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Posted by ブクログ 2010年09月16日

比較的読みやすい文章です。
「課題設定能力」と「話が立体的かどうかを意識する」の2点が印象に残りました。

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Posted by ブクログ 2010年06月01日

[ 内容 ]
なぜ「わからない」のか、どうすれば「わかる」のか。
『失敗学』『直観でわかる数学』の著者によるまったく新しい知的生産の技術。

[ 目次 ]
第1章 「わかる」とは何か(「わかる」とはどういうことか 『直観でわかる数学』を書いた理由 学校の教科書や授業はなぜわかりにくいのか ほか)
...続きを読む2章 自分の活動の中に「わかる」を取り込む(まず身につけておくべきもの 「わからない」けどつくりだす 自分でテンプレートをつくる)
第3章 「わかる」の積極的活用(「面白い話」をする人は何がどうちがうのか 絵を描くことの意味  「現地・現物・現人」が、わかるための基本 ほか)

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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Posted by ブクログ 2010年02月14日

『はじめに』
・私が長年考えてきたのは,「創造の方法」です.そしてその中から「失敗学」が生まれてきましたが,それは創造の過程で,失敗の扱いがいかに大切であるかに気付いたからです.ところがさらに考えを進めていくと,創造であれ失敗であれ,まず,事象をしっかりと理解することから始める必要がある.「わかる」...続きを読む仕組みをきちんと知っておくこと,積極的に利用することが創造や失敗を扱う上で大きなプラスになることがわかってきたのです.

『第1章 「わかる」とは何か』
・「わかる」とは何か?世の中のすべての事象は,いくつかの「要素」が「構造」を,「構造」が「全体構造」をつくりだしている.「全体構造」は何らかの「機能」を持つ.自らの頭の中のテンプレートが見つかったときにそのことが「わかる」と感じる.
・順番で考える考え方を「逐次思考」,一気に飛ぶ考え方は「飛躍思考」と呼ぶ.「直観でわかる」のは後者.過去に徹底的にそのことについて考え,演習をして答えあわせまでおこなう経験をしているから.最初から思考のショートカットに依存してはいけない.
・「直感」は,「直観」と異なり,過去の経験という判断基準があるが論理的な証拠がない.経験もない場合の判断を,「勘」と呼ぶ.
・詭弁の論理.(イ)という条件下ではA→Bが成り立つ事象.(ロ)に変わっているにもかかわらず,A→Bが成り立つと言って説得してしまうこと.だまされないためには,前提条件,成立する範囲を聞く必要がある.
・「わかる」という頭の中で新しい考えを構築する構造には二つある.①自分の力で新しいテンプレートを頭の中で作り上げていく方法.②新しいテンプレートを,ひたすら頭の中に詰め込んでいく方法.
・「課題設定」から始めないと,創造をすることはできない.「課題解決人間」には敬意をはらわなくなっている.いまは何よりもWHATが社会で必要とされる時代.企画を立てるにも,製品をつくるにも,「自分が解決すべき課題はどういったことか」と自分で問を立てることが大事.

『第2章 自分の活動の中に「わかる」を取り込む』
・暗記とは,わかるために必要最低限の知識を準備するためのもの.

『第3章 「わかる」の積極的活用』
・聞き上手.相槌をうちながら,話し手にテンプレートを作ってあげている.
・私は,自分の考えを人に伝えるとき,意識して文章だけでなく,図を書くことにしている.一度に伝達できる情報量が圧倒的に多い.補完しあいながら使用する.注意すべきことは,伝えたい内容をどうやって強調するかということだ.ポイントを整理して言葉や絵で説明する「定式化」から,何を学ぶかという「知識化」の作業が始まる.
・「逆演算の思考」.規格,設計,計画などはすべて順演算でおこなわれる.まず目標を決めて,それを分析し,一つひとつやらなければならない課題に落とし込んでいくという作業.順演算に必ず付随する「想定漏れ」が後々事故や失敗の要因になっていく.

----------以下感想----------
畑村洋太郎先生の本は,「そういうことだったのか」と感じる言葉の定義が必ず出てくる.本書では,「わかる」という言葉の定義・行為の成り立ちについて知ることが出来た.
「わかる」という行為の成り立ちを理解することによって,「わかる」作業がよりよいものに変わる.

問題を指摘されたときは,目的・目標は何なのかを明確にしなければならない.目標が無い船は,効率的な経路をたどれない.

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

個人的に畑村さん好きです。「失敗学」とか「直観でわかる数学」とか。。。いいですねよね(^^)ただちょっとゼミの発表で紹介したのですが、ボロボロに言われまくりましたよ。教育工学の世界で「わかる」という言葉を使用するのは危険です。本当にそう感じました。

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Posted by ブクログ 2023年11月25日

◯「わかる」とは事象の要素と構造が頭の中のテンプレートと一致すること。
◯頭の中のテンプレートを増やすためには、知識経験を増やすだけでなく、課題だと思うことを要素に分けて構造化する日頃のトレーニングが必要。
◯目の前の課題だけでなく、その上に共通する問題を意識しつつ、「自分が解決すべき課題は何か」常...続きを読むに考える。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年02月24日

・本書の設定課題
世の中複雑化したため、わかることへのニーズが増えてきた。わかることを深める必要あり。

・キーワード
体系化
直感、直観の違い
直観と経験主義との違い
形式論理が成り立たない場合
詭弁の論理-前提不成立を無視
2通りのテンプレート
 完全合致、組み合わせ応用
Howではなく、wha...続きを読むt思考
 つまり課題設定が自分でできるか。
 課題を与えられて解ける人は多い
課題を見つける
 上位レベルの課題を追求
話が立体的なら面白い話手
 聞き手のニーズを把握
三ナイ思考
 見ない、考えない、歩かない
三現
 現地、現物、現人
逆演算の思考

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Posted by ブクログ 2020年02月02日

●感想
「わかる」とはどういう状態なのかが書かれている。
同じような内容をどこかで読んだので、理解しやすかったが、はじめて読む場合だと理解しづらいかもしれない。

●なぜ読んだか
・「わかる」メカニズムを知りたかった

●学んだこと
・「わかる」とは、自分の知っている「要素」と「構造」の新しい組み合...続きを読むわせ
・直観=飛躍思考は、過去に深く考えたことがある状態で起こる
・前提条件に気をつけないと「わかったつもり」になる
・日常生活でも定量化を意識的にするとよい
・話し上手や聞き上手は、話に立体感を持たせている

●今後やること
・「要素」と「構造」を意識してメモする=「具体」と「抽象」
・成功事例は前提条件がどうかチェックする
・相槌は相手の興味に沿って強弱をつける

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Posted by ブクログ 2010年01月31日

理科系の教授がかいた作品。
「分かる」こととはなにか、を丁寧に記してある。

理科系の方が描いた本だけに、理解することについての定義が明確で
わかりやすい。

要は、「分かること、とは本質を知ること」
「なぜ、こうなっているのか」の根本を知ることだと説いている。
なんちゃない当たり前のことだと思うが...続きを読む、いくつか印象にのこったのが、「分かるとはテンプレートを理解すること」という一節。

テンプレートとは、物事を理解するときに、同一の切り口で見ること、だと思う。
「原因と結果」「課題と解決法」「長所と短所」「根本と枝葉」
物事に、切り口をもって、理解を深めることが大切。その切り口は、自分が意識すればするほど増えるのだと思う。

たとえば、あるデータを見たときに「油温との関係」など様々な切り口で現象を語ることもできる。

「フレームワーク」とはこれなんだと、やっと理解できた。


以下本文より
「現象や物事を理解するには、①要素を理解する ②構造を理解する ③機能を理解する 
 これらを見たときに、従来の経験から「同様のテンプレート」を見つけたときに、そのことについて理解したといえる」
「こうしたモデルを自分自身で検討し、自力で作り上げることが大切です」

「人間は、納得いかないことがあるとそこから先が考えられなくなります。これは、真面目な人ほどその傾向があるようです」

「形式論理のインチキかどうか、はその論理が成り立たない場合があることを指摘できればよい。つまり、前提条件は何か、成り立つ範囲はどこまでか、など」
(論理とは、数学のように抽象化された場合には明確だが、言葉にしてしまうとその不明瞭さゆえに対象がぼやけることがままあると思う。毅然とした態度で臨もう)

「必要な数量を自分で作れないような人は、技術者にもなれない」
(数に親しむ。身の丈を知る)

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Posted by ブクログ 2009年10月07日

東洋経済に載ってた畑村さんの話がやたら面白かったから買ってみたけど、まぁそうですねみたいな話しか書いてなかった。社会人になったら腑に落ちる話なんだろうかこれ。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

「わかる」「理解する」メカニズムが分かりやすく書かれている。この類の本はたいてい心理学関係の先生が書かれて、やや難解(専門用語を使うので)なものが多い。しかし、この本は工学を専門とする畑村先生が書かれているので、心理学の先生方が書かれたものより理解できる。このような本を学校の先生が読んで教授方法を工...続きを読む夫すれば多くの生徒のストレスが減るのにと思った。

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