感情タグBEST3
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さすが本屋大賞の一言に尽きる。
囲碁打ちの渋川春海は徳川将軍の名を受け、新しい暦を作るべく奔走する!
どこかナヨっとした晴海の人間臭さに惹かれ、謎の天才算術家、関孝和との算術問題を通したやり取りからも目が離せない。
江戸時代にここまで天文学や測量の技術が栄えていたのかということは非常に勉強になる。また、技術者魂に何度も心揺さぶられた。
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上巻にして、この読後感。しきりに人にお薦めしたい本に登り上がった。
時代は江戸が泰平の世として安定しようとする時期で、自身の生まれが、その人の人生をほぼ決定してしまう世において、囲碁の家に産まれた安井算哲こと渋川春海が、ただ研鑽することでなく、決められた手筋を教示する囲碁の世界、仕事に倦み、算術への尽きぬ興味から、偶然(いや必然なのか)ながら一気に話は北極星測定、暦作成の命を授かる。
それにしても登場人物が、何とも生き生きとして魅力的である。才能漲る、何処か主人公と対極的な位置で碁の道に生きる本因坊道策、磯村塾の村瀬義益と神社に奉公している女性の、えんの会話などついついこちらがニヤニヤとしてしまう。そして観測隊隊長の建部昌明と副隊長の伊藤重孝の老練コンビの、決して老いを感じさせない、子供心と探究心を持続している素晴らしさなど、このような魅力的な人物が織り重なり、日頃当然のように成り立っていて、今や疑ってもいない暦の真実に気づかされ、今よりも誤りを正すことの難しい時代において、未知のものへの挑戦に自然と吸い寄せられてしまった。
下巻が楽しみである。
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以前、新婚旅行の際に異国に携えて行って読んで以来、ちょうど10年ぶりの再読。
ストーリーなど、ほぼ忘れてしまっていて、新鮮な気持ちで読めたのだが…こんなに面白かったっけ!?というのが素直な感想。
春海をはじめとする登場人物が皆魅力的だし、どんでん返しが何度もあったり、伏線回収がしっかりあったり、ラストが序章につながっていたりと、構成も秀逸。
読んでいて何度も涙が出た。
この小説を選んで読んだこと、まさに”明察”!
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江戸時代、囲碁棋士安井算哲又の名を渋川春海が改暦に挑む話。上巻は算術に心掴まれ、北極星観測に向かう話で面白くワクワクする。算術を挑む所は緊張して、北極星を初めて3人で測る所は心が震える。ちょっとそこで感極まったもん。何より伊藤さん建部さんが好きになる。最後はふぅと一息吐いた。下巻が大変気になる
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よかった。読み応えもあり、文章もしっかり地に足がついてると言うか、浮かれた感じのない、信憑性を感じる。
作文してる会話なども当然あるはずだけど、全て史実のように感動して読んだ。
天才と努力と、そして、関わってきた人たちのタスキを繋ぐという思い。じんときた。
保科正之もかっこよ。
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算術の世界がこんなにも楽しく感じるのは、正直意外過ぎました。塾で、神社で…いろんなところで問題を出し合い、解き合う。「失敗を恐れてはいけない」この言葉が胸に響く。だからこそ、解けたときの「明察」って気持ち良いのだろうな。学生時代に、この本に出会えていたら、数学に対しての意識が少しは変わっていたかもしれないと思うと惜しい。この算術が、これからどう関わってくるのか…楽しみです。
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良かったよ。数学できる人の頭の中覗いてみたい。昔の人が肺で死ぬのって苦しいだろうな。没頭できることっていいよな、数学できる人ってむかしからある一定の割合でいたんだろうな。学問ってつみかさねやなあ、歴史の。下巻も楽しみ。
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どんな話か知らずに読み始めたが、気持ちの良い話でした。主人公の晴海はもとより、周りの人たちの清々しいこと。
そして、江戸時代のプロジェクトマネジメントだなと思いました。目的のために其々の利害関係を勘案し手を打つところはまさにステークホルダーマネジメントですね。
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算額絵馬をきっかけに、春海が関孝和という存在に出会い勝負を挑む場面がとても印象深い。そしてこの出会いが春海と算術、そして暦…全ての始まりになっている。
碁打ちの家に生まれ、その才能もありながら、どこか自分の生に飽きてしまっている渋川春海の人生が、北極出地をきっかけに大きく動き出す。建部や伊藤という、高齢でありながら大きすぎる夢を見る彼らの姿には感じるものがある。
人生を丸ごとかけて挑みたいと思う夢に出会えることは幸せだと思うし、それが大きすぎて叶わないと分かっていても求めることをやめられない。自分にとってそう思えるものに出会いたいと思った。
改暦事業という壮絶な勝負が待ち受けていることを、春海はまだ知らない。
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春海は人に恵まれていたのだなぁ。
建部と伊藤という『しわくちゃの顔をしただけで実はまったく歳を取っていない二人の少年』との出会い。非常に気さくな村瀬さん。まだ会ってはいないけれど算学の関さん。会津藩の安藤さん。
非常に爽やかな風が吹くような物語で、とても楽しく、あっという間に読めた。下巻も楽しみ。
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登場人物全員が素敵な人たち!
主人公の春海を筆頭に、真っ直ぐに生きる人達がキラキラして眩しいくらい。
好きなことに没頭する春海たちが爽やかで優しい気持ちにさせてくれる。
上巻は改暦の前段階のお話だけど、春海の想いが強く印象づけられた。
下巻ではいよいよ改暦の事業を拝命されるのかと思うと、続きが楽しみでしょうがない!
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熱さと清々しさ。
主人公の春海、そして周りの人々がとても魅力的です。
なにかにこんなに一生懸命になれるなんて、本当に羨ましい。
江戸時代に、こんなにも算術が盛んだったなんて。
そろばんひとつで、こんな計算が出来るなんて!
今、図面の仕事に携わり日々電卓を叩いている私は、心底驚きました。
暦を改革するということの、事の大きさ!
どう進めていくのだろう!?と、ドキドキワクワクしながら下巻に突入します。
Posted by ブクログ
なんて 胸の熱くなる話
キャラクター全てが愛おしい
打ち込むものを持ち
ひたむきに それに向かい
新しい出会いと 才能を 無邪気に喜び 受け入れる
こんな人たちばかりなら
きっと 平和で豊かな世界になるだろう
いやいや
いまだ 話の前半
下巻を 読むのが 楽しみで仕方がない
Posted by ブクログ
徳川家全盛の江戸時代を舞台にしたお話ですが、御城碁という文化があった事は初めて知りました。
江戸時代の登場人物に強い人間味を感じたことは初めてで、どこまでがフィクションか承知はしておりませんが、歴史は単なる出来事でなく、人の思いの積み重ねであると今更ながら気付きました。
Posted by ブクログ
上を読み終わった…。
なんて素晴らしいの!好き!
春海を筆頭に好い人しか出てこない。
こんな好青年あり?
道策と建部&伊藤のおじいちゃんズも好き!
下巻では、関さんと会いたいし、えんと再会したいし、道策と勝負したいし、序章の泰福の登場も気になるところ。
さて、行きますか!下巻!
面白い。
難しい内容だと思い込んで読み始めたが、とても分かりやすくスラスラと読めてビックリ。
作者的にSFのイメージが強かったので、こういう系統の内容も面白くて、すごいと思った。
Posted by ブクログ
歴史小説だから読めるか心配だったけどキャラクターが立っててするする読めました!
伊藤さんと建部さんが観測中に二人ではしゃいでる場面と春海さんが二回目に貼り出した問いに明察と書く場面が気に入ってます。
下巻も楽しみ
Posted by ブクログ
読んでいてすごく爽やかな風が吹き抜けた気になる上巻。上巻のテーマは算術と測量でしょうか。塾や神社の絵馬に算術の問題を書いて、答えを解かせるというこの時代の風習に、へえーと思いました。主人公は碁打ちを職業としつつ、算術、測量、暦術に優れた若き侍。上巻の後半は測量。各地を巡って星を観測して、緯度を計測するというもの。この時代は大変だなぁと月並みな感想ですが、思いました。一緒に旅をしていた2人も良かった。年をとっても常に探究心が大事だなぁと感じました。自分も見習いたい!そして算術については、主人公は、江戸時代の天才、関孝和に挑みます。『明察』なのか、『無術』なのか、最後はドキドキして読みました。下巻もすっごく楽しみです。
Posted by ブクログ
つまるところ暦とは、絶対的な必需品であると同時に、それ以上のものとして、毎年決まった季節に、人々の間に広まる「何か」なのであろう。
それはまず単純にいって娯楽だった。(略)さらにそれは教養でもあった。信仰の結晶でもあった。吉凶の列挙であり、様々な日取りの選択基準だった。それは万人の生活を写す鏡であり、尺度であり、天体の運行という巨大な事象がもたらしてくれる、「昨日が今日へ、今日が明日へ、ずっと続いてゆく」という、人間にとってはなくてはならない確信の賜物だった。そしてそれゆえに、頒暦は発行する者にとっての権威だった。(第三章「北極出地」より)
‥‥という難しい学問を説明した小説ではありません。
冒頭は、神社の絵馬に現れたる「算額奉納」(公開算数問題)を軽々と明察(正解)とした御仁は誰かというお話。面白い。なかなか良い掴みでした。
安井算哲。あ、いや渋川春海はお抱え囲碁打ちの世界に飽きがきていた。そういう時、彼の周りには様々な「才能」が集まってゆく。どうやらそれは一つの大プロジェクトの序章のようだ。そのプロジェクトとは暦作りである。でも、それは下巻で展開されるみたい。
渋川春海、関孝和、山崎闇斎、水戸光圀、保科正之などの歴史教科書上の人物が生き生きと動き、語っているのを見るのは楽しい。「カムイ伝」では憎々しい敵役だった大老・酒井雅楽頭忠清でさえも、好人物のように描かれる。それは作者・冲方丁の性格なのかもしれない。春海は当然好人物である。
時は寛文年間、17世紀後半である。コペルニクス前夜(15世紀)のように、地動説(科学的真実)のために多くの血が流れた(cf.マンガ「チ。ー地球の運動についてー」)のは、今は昔になりつつある、らしい。それでも、おそらく後進国・日本ではそれなりの「知」への戦いが展開された筈だ。
本屋大賞コンプリートプロジェクトの一環。10年前の映画「天地明察」は映画館で観た。推し女優の宮崎あおい(後に春海の妻になる役)が可愛かったなぁ。あおいちゃんが岡田准一を見る目が、なんか真剣だったんで、嫌な予感がしたんだよね。‥‥それはともかく、本文冒頭で引用したように暦作りは「権威」なわけだから、
何事も
科学VS宗教
新興VS権威
革新VS保守
の対立はあるわけで、飄々とした青年春海が宗教、権威、保守と戦います。
因みに、
あくまで「娯楽」として捉えて欲しいのですが、
暦で2023年を占えばwebでは、
2023年は大きな変革が起こる年
“改革の星”水瓶座と、“破壊と再構築の星”五黄土星の影響が増す
と何処かに書いていました(^^;)。
今年も宜しくお願いします。
Posted by ブクログ
時代小説でもあり、青春小説でもある。
最初の数行に惹かれて読みすすめ、図形が出てきたときにはミスったかなとも思いましたが、不要な心配でした。算術・天文学・人間関係・そして春海の心境までとても読みやすく面白い。やっぱり、人は好きなことをしているときが1番輝けるんだなぁ。
Posted by ブクログ
明察に面白い。こんな人物が居たか居ないか、フィクションなのかノンフィクションなのか、を超越した面白さがある。人物の心情描写での面白さが際立っており、史実か否かよりも、学ぶ楽しさを感じさせてくれる名著。おすすめ。
Posted by ブクログ
光圀繋がりで読み始めた渋川春海が新しい暦を造る話だが、やはり面白い。結構読み易い。後半が楽しみ。いろいろ気になる登場人物が多いが、特にまさかえんさんとはこれで終わりじゃないよね・・・
Posted by ブクログ
こういった歴史小説は司馬遼太郎意外読んだことがなかったがとても、胸にくる作品だった。まだ上巻だけであるがそれぞれの人物の生き方、先達から学ぶことがたくさんある。下巻も楽しみだ。
Posted by ブクログ
主人公渋川春海の可愛げのあるキャラが好き
天測を終えた彼らが下巻では暦作りに奮闘するのかな?
久しぶりに星をたくさん見たくなった上巻でした⭐️
Posted by 読むコレ
悔しいことに、作家の側にはもちろん、読み手の側にも力量が必要なのではないか。子育てにもひと段落して本を読む量が多くなった最近、とみに思うようになりました。というのも、本書の冲方丁だけでなく、伊坂幸太郎、海外ミステリ全般など、過去に挑戦しては挫折した作家の本について、面白いと考えを改め直す機会が多くなったからです。
冲方さんの本ですが、過去になにがしかのSFものを手に取って、挫折した記憶があって、話題作となった本書も手を伸ばすのに非常に勇気が必要でした。
が、面白い!
感想は下巻に譲るとして、春海の人間らしさを素直に応援したくなる、気持ちの良い一冊と感じました。
ただ、えんちゃんの件が・・うぉぉーい!
Posted by ブクログ
タイトルから想像していた話とは全然違った
江戸時代の日本にも数学…算術というべきものがあった事に今更気付いたり、図形問題とかどのようにして解いていたのかなどおもしろかった
また暦の作成が国にとっていかに大事かなどがあらためて分かった
えんとのラブストーリーも期待していたのだが残念だった
いつになれば関さんは出てくるのか?下巻に続く
Posted by ブクログ
渋川春海(しぶかわ はるみ)は、幕府で
碁を打つ役職の人。
碁打ちとしての名前は、安井算哲。
春海は、碁も楽しいが算術も好きだった。
どんな難しい問題もあっという間に解く「関」さん。
そんな関さんに問題をぶつけるものの、
問題にすらならなかった…。
そんな問題を見せてしまった後悔。
恥ずかしい、恥ずかしい( ノД`)…
そんな春海に老中が大きなプロジェクトを任せる。
全国をまわって、北極星を観測し、
緯度経度を測定する(と、私は解釈しました)。
自分よりも歳上の方が大きな夢を持っていること、
それを果たせなくても、若い人に繋いでいきたいこと、
いろいろなことに感銘を受ける春海。
とにかく、読んでて難しかったー笑
算術とか「むっ、難しすぎるー」って頭で認識しちゃって
そういうところは、サラーっと読みー笑
でも、春海の算術に対する思いや、
えんちゃん、関さんに対する感情などは
可愛いと思えるくらい、楽しませてもらった!!
えんちゃんと結ばれて欲しかったなー。
下巻はどういう話になっていくのか、
楽しみです!!
Posted by ブクログ
徳川四代将軍家綱の世、当時使われていた宣明暦は正確さを失い、ずれが生じ始めていました。
そこで、日本独自の暦を作り上げるという、壮大なプロジェクトが立ち上がります。
実行者として選ばれたのは渋川春海。
碁打ちの名門に生まれながらも、算術に生き甲斐を見出していた男。
日本文化を変えた大計画を描きます。
人には持って生まれた寿命がある。だが、だからといって何かを始めるのに遅いということはない。 ー 256ページ