感情タグBEST3
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性リテラシーの必要性と行政の無理解の狭間で
論理的に展開していて面白かった。
性の問題を論理的に考えるということがどういうことかわかって、あらゆる?問題解決の方法を提示していて考え方の整理ができる。
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著者は障害者の射精サービスを行うホワイトハンズ設立者。タイトルがちょっと恥ずかしいかもしれないけど、壮大な社会実験をしている著者の思考とか行動力とか、ひたすら感服する。障害者や性に関心が無くても、今の社会に対して問題意識を持って活動したい人にはヒントが一杯。僕は障害者と彼らを取り巻く環境を知っているから分かりやすいのかも知れないけど。あとがきは何か泣ける。
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著者は男性でありながら上野千鶴子のゼミ出身という
変わり種である
この少々無理のあるタイトルもなんとなく納得がいく
まず彼がやったことは母性に溺れる形ではなく
客観性に基づいて性をいとぐちとして人をつなごうとした
アニミズムによる開放的な性の問題を
キリスト教が隠蔽し脅迫的に裏社会に押しやり
その嘘と秘密でドロドロとした人間関係を
明治政府が輸入して依頼の抑圧されたセックス環境の
新たなる社会的公共性を求めて
最も弱者に仕立てあげられた障害者の射精介助を
目的とする非営利組織を起業するして全国に展開して行く
その後は処女と同定を卒業するための合宿を模索し始め
実験的に立ち上げて当事者同士の問題はないようだ
それどころかコレを切っ掛けに
人々の心は意識革命を引き起こそうとしていると思う
日本で言えば江戸時代のオオラカな環境の復活であると共に
更なる意識の向上と視野の広がりを見せることだろう
それはあらゆる人間環境に波及して物理的な関所というものをなくし
文化的な違いを乗り越えてあらゆることに対して慣用で
好奇心を持って迎え入れる懐の広さを備えるだろう
組織は参加者の一人ひとりのために働き
一人ひとりは組織を支え競争や権利の矛盾を理解して
シェアし合えるオープンな関係を築くことになるだろう
坂爪さんによる造語:
一:セクシャル・リテラシー=性に関する情報や知識を仕舞いこむだけでなく
体験で理解した上で主体的に活用できる能力
その一:噂やメディアからの洗脳を冷静に読み解く力
その二:暮らしと性の持つ多様な面を客観的に理解する力
その三:暮らしと性のリスクだけでなくリターンについても理解する力
その四:自分を認識することで心と意識のギャップを肯定できる力
その五:相手を理解してその違いを尊重できる力
その五:パートナーと円滑の性生活を送ることのできる力
以上を踏まえる事のできる役人や議員や教師などによって
社会が運営される必要がある
二:性蒙せいもう社会=性に対する無知蒙昧の蔓延する社会
コレを克服し
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数あるタブーをブチ破る為に日々戦う姿は正に革命戦士。
日本の未熟な部分にメスを入れ、理想と現実を生々しく綴ってる。
社会が教えられない人間の在り方の一つを優しく語りかけてくれる。
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障害者の性の問題を扱うNPOホワイトハンズの活動についての報告が本書の柱となっているが、その射程は性に対する日本社会の問題(筆者の言葉では、「性蒙社会」の問題)にも広がる。日本の近代が性というものをいかに周辺化してきたかを筆者の実践から理解できる良書。
性教育に使って欲しい本の1冊
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東大在学中に上野ゼミに所属し、そこで研究の方法や議論の仕方を学んだ著者が性風俗産業を研究したところから、誰もが安全に性サービスを受けられる「性の公共」を求めて障害者へのサービスを行う「ホワイトハンズ」を作り上げる中で我が国の問題点を掘り下げた本。
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不穏すぎるタイトルだが坂爪氏は性産業と国家に挑戦状をたたき付けた革命家といえる。
卒論からして大胆だが水商売、ヘルパー等実地に体験してからの分析と次に移す行動が痛快である。
坂爪氏は結婚に対しての考えも独特かつ正論で一読の価値はあると思う次第です。
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どのように事業を切り開いて行ったか、事業展開の過程で何を考え、どのようなトラブルがあったか書かれており、参考になった。
業種が特殊で、サービスの提供側として先入観を持ちようがないテーマなのも良かった。
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い・やー、語る語るよ赤裸々に。
大学(最恐の上野千鶴子ゼミ)でした研究を実社会に生かして武器にするところがよかったですね。机上の空論にならない実践(ホストとして働きながらで水商売研究したり、コムスンで夜間の派遣介護業務についてオムツ替えをしたり)がアクティブ!
「性とは、生殖とは」を語るためには、自身のオリジナル婚活法まで語ってしまう尋常ならざる情熱。
もう、ほんとに、一読の価値あり!
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「障害者の性」についての本、と思って読むと、健常者も含めた我々全員の「性」のあり方を考えさせられる。『セックスボランティア』を読んだときもそう思った。言われてみればという感じだったけど、「『結婚は、恋愛の延長線上にあるもの』という概念が...わずか30〜40年程度の、ごくごく最近の話にすぎ」ないことは、もっと認識した方がいいのだろう。
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確かに尋常ではない。著者の性の公共化に関する熱意が、である。
著者は一般社団法人ホワイトハンズの代表である。この組織は、障害者への射精介護などを行っている組織だ。河合香織著「セックスボランティア」を読んだ直後に読んだため、実際に活動されている方の取り組みを知って驚いた。というか、このような活動を知らなかった自分を恥じた。
今の日本では、風俗やAVなどが流通しているにもかかわらず、警察は取り締まらないが、障害者への射精介護という、社会的に意義のある取り組みには前例がないとして真っ向から否定する。だからいまだにNPO法人の認証は得ていないらしい。
警察や行政とのやりあいやネットが炎上してしまったときの対処など、読んでいて痛快であった。そこには悲観的な文言は一切ない。
昔の日本は性が当たり前のものとしてあり、むしろ今の恋愛から結婚につながる習慣のほうが戦後に出てきた流れだというのは驚いた。
この書籍を読んで、一人でも多くの方が性の公共化について当事者として考える機会を得てほしい。
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いやはや、まさしく尋常ならざる情熱でした。
友人が「最も尊敬する人のひとり」に挙げた実兄の著書。
友人やマスコミを通して著者の活動については
なんとなく知ってはいましたが、
正直穿った見方をしていたかもしれません。
「障害者の性」
未だどこかタブーのニュアンスがありますが、
著書はこれを介護サービスとする非営利団体を立ち上げます。
その背景、創業に際してのエピソード満載の本書、
単に東大の社会学者が机上の空論をふるっているのではなく
泥臭く行動した実践にもとづく内容で読みやすいです。
ところどころ攻撃的で、少し偏った主張かなぁと
思うところもあったのですが、
その熱さ故かもしれません。
賛否両論なこと間違いなしですが、社会学好きにはぜひ。
本書の冒頭で非常に共感したのが、社会学のあり方。
現在ある〝当たり前〟のものに、疑いの目を向けてみる。
問題解決は、みな存外得意なものです。
肝心なのは、解決すべき問題の設定。
日頃から世界に対して意識を向けていくことが大事だな、と。
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手にするのをためらってしまうタイトルだが、障害者も生殖機能的な健康を維持する権利があると説き、障害者の射精サービスや性教育プログラムを立ち上げるまでの奮闘記。
内容が内容なのでどうしても第三者的に見てしまうが、著者の行動力にはあっぱれ。その行動力を下支えしているのは知識と自信なんだろうな。面白かったです。
Posted by ブクログ
入門の位置づけとしてオススメ。
タイトルは好みではない(帯の文句も全然好みではない。)のですが、中身は真面目そうだったので読んでみました。
著者ご自身が、本の中で書いているが、この分野に入るキッカケが、
・大学ゼミにて、「ここは一発、センセーショナルな研究をぶちかまして、ゼミに嵐を巻き起こしてやろう!」と思い、性風俗業界の研究をすることに。
↓
・「性産業の社会化」仮説をテーマにして事業を行ったら面白いのでは?
↓
・「漠然と「障害者・高齢者向け」の性サービスの構想」
とのことですので、そこを踏まえて読むと良いと思います。
つまり、強烈な個人的な体験が先立っているわけではないです。まず考え、実地調査、実践、という流れです。このため、この分野にあまりかかわりがなかった私でも、恐らく視点が近く、とっつきやすく読みやすかったと思います。
著者ご自身の体験・思い・考えを軸に話が展開されていきます。「なるほどね」と新鮮に思う点もあれば、ちょっとまだついていけないし腑に落ちない点もあります。(特に第3章以降。)
異論・反論を持たれる方もいらっしゃると思います。異論・反論を持つこの分野での方との対談や討論があれば、見てみたい!
性に関する内容の他に、警察や行政とのやりとりにおける苦労話や課題点、NPO設立・起業物語、認知度向上に向けての取り組み、といった部分も非常に面白かったです。
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・ベーシック・セックス社会 (著者オリジナルの単語?)
尊厳を持った人間として生きていくために必要な、最低限度の性の健康と権利が、全ての人に、当たり前に保障されている社会
Posted by ブクログ
性は人間の基本的欲求であり自尊心の基盤なのに、ケアの対象外であり、リテラシーを得るノウハウやインフラがない。
セクシュアル・リテラシー、指摘されると確かに、重要だけれど学んでない。
Posted by ブクログ
今まで考えたことのなかった新たな視点で語られている。
論理的思考能力
・問題設定そのものを疑う
・外在的批判と内在的批判を区別する
・先行研究を徹底的に調べる
Posted by ブクログ
僕は性に関する問題を単なるエロでなく、やましいものでなくオープンにした方がいいと思っているので、著者がやっていることに対して共感できる部分もあるんだけど…
本書の中に書いてあるように色々大変だったんだと思うけど、対行政に関する部分は感情に走ってる感じがして。この本に書かれていることに対し行政側に言いたいことがあってもそれを聞くことはできないから(多分そういうことは行政はしないだろうが)、その点がひっかかった
Posted by ブクログ
障害者への射精介護をする為の非営利組織ホワイトハンズを設立した坂爪真吾氏の著作である。
障害者の性のゴールを「障害者が、毎日の暮らしの中で、最低限度の性の健康を保ち、最低限度の性の権利を理解・行使するために必要な、社会的サービス・支援制度を整備すること」と定義している。
公に語られる事がなかったであろう障害者の性について真っ正面から向き合い、組織を立ち上げることから話はスタートする。前例のない活動に対して、警察や行政と戦いながら関係者の理解を得ながらなんとか市民権を得ようとしている。
この本が面白いのは、ここで話が終わるのではなく、性を取り巻く問題を障害者に限定するのではなく、「性の公共」を求めて活動範囲を広げようとしているところである。
「性に対するおおらかさ」を求め、【ベーシック・セックス社会】を目指すことにまで話が発展する。決してフリー・セックス社会でなく、セックスに対する正しい理解がある健全な社会を作ろうという発想である。
全てにおいて著者の意見に賛同する訳ではないが、セックスに関連して不必要に不幸になる人達が少しでも減るという願いは共感できる。