感情タグBEST3
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「農業」や「森」といった植物に関連する作品を多く収めた短編集。
収録作品全てが面白いからすごい。
「架空の森」という作品に出てくるおしゃべり少年・御門織戸のおしゃべりが、川原作品らしい言葉の面白さに満ち溢れていて楽しい。
なんか川原さんのデフォルメの使い方って独特だなーと思った。
普通キャラクターをデフォルメして描くのはギャグの場面がほとんどだったりするのだろうが、川原作品では、作品中で最も盛り上がる場面でも容赦なくキャラクターがデフォルメ化されている。
この本で言うと、「大地の貴族」の牛に乗ってヒロインを救いにパーティー会場へ乗り込む場面や「森には真理が落ちている」の恋が成就する瞬間とか・・・
少女マンガ的には「ギャグ絵になっちゃいかんだろ」という場面だが、なんとなく照れ隠しのようで微笑ましく、思わず口元が緩んでしまう。
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マンガ界の「教授」「仏」
とも慕われるカーラ先生。
マンガ好きの友人に「笑うミカエル」を
教えてもらったことをきっかけに、
ほぼ全作拝読しています。
SF大作へのオマージュ、野球、ゲーム、
庶民派グルメ、
ときに労働問題をも織り交ぜて。
ダメ人間へのあたたかな眼差しも
さることながら、
動物たちの表情やキャラクターが、
いじらしくて、かわいくて、
本ごとぎゅっと抱きしめたくなる。
「大地の貴族」に登場する
聖なる牛さま・バースが、
たまらなく好きです。
「笑うミカエル」の黒犬・ダミアン、
「オペラ座の怪人」の怪熊・ルドルフも好きー!
「アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?」の続編
「ブレーメンⅡ」では、動物たちがむしろ主役に。
宇宙サイズでものごとを俯瞰すると、
ちっぽけな人間の存在そのものも
見直さなくては…とも思わせてくれる作品。
哀しいできごとを哀しいままで終わらせない、
ラストが好きです。
ひと味違う少女漫画
いわゆるイケメンにキュンキュンときめくハラハラドキドキな少女漫画とは違い、ゆるゆると…しかし確実に心をあたたかくしてくれる漫画です。
心なしか主人公に『のんき者』が多い気がします(笑)
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らじママがお子ちゃまの頃から愛している漫画家:川原泉さんの傑作集です。
らじママは山梨に行ってワインを飲むたびに今回表題にもなっている川原さんの『美貌の果実』を思い出すそうです。
面白くてためになるとっても素晴らしいまんがだよ!
この本に収録されている第一次産業シリーズ3部作はどれも素晴らしいのだ♪
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農業やワイン作り、牧畜とか、普段はあまり縁のない分野を、大笑いしながら知ることができるコミック。中学生のときに始めて読んで以来、大好きです。短編集なのですが、一番好きなのは『愚者の楽園』、鹿児島のフルーツ農園の話です。脱力して笑いながら、ちょっとホロリとさせるのが素敵。しかもこのマンガで覚えた知識は、いまだに忘れてないからスゴイ!
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川原泉らしさがぎゅっとつまった傑作ぞろい。川原泉を一冊あげるなら迷わずこれを選ぶ。
なかでも「架空の森」は、川原泉でもっとも好きな話のひとつ。最後ひとこまの不思議な感動は忘れられない。
とぼけた絵柄とふざけた話でどうしてここまで感動できるのかよくわからない。
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農業3部作(笑)を中心とした短編集。
勢いで、農業ってすんばらしいっ!と思わされる1冊、
かもしれない。
【収録内容】
・愚者の楽園―8月はとぼけてる
・大地の貴族―9月はなごんでる
・美貌の果実―10月はゆがんでる
・架空の森
・森には真理が落ちている
・パセリを摘みに
<解説>小林恭二
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笑いあり、涙あり、雑学あり。
少女漫画界の『教授』こと、川原 泉の短編集です。
どの短編も主人公は「ごく普通の女子高生」。
……ただし、妙に冷静だったり、のんきだったり。
妙に共感できてしまう方も、多いのでは?
読んだあと、心がほっこりと温かくなること請け合い。
個人的に最高傑作として推薦したい短編集です。
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川原さんの中でもかなり好きな作品集。
三部作はどれも面白かった。
なぜか「架空の森」では泣けます。あのラストシーンは少女マンガでそれはいいのか、と突っ込みたくなるけど川原作品では納得してしまう。
「パセリを摘みに」もお気に入り。
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収録作すべて良い。泣けます。どうでもいいことですが、「愚者の楽園」「大地の貴族」「美貌の果実」は「ぼくらの第一産業シリーズ」と呼ばれていたかと。誰も覚えていないと思うけれど、昔「カルトQ」というクイズ番組がありまして(ゴールデン進出したから知っている人もいるかもしれない)、「少女漫画」か「漫画」というテーマの時に、「この三部作をなんと呼ぶか」という問題が出たときに、画面に向かって「ぼくらの第一産業シリーズだっ!」と叫んだのは未だに覚えている。
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川原泉というひとは……なんだってこう、余人には真似のできない変てこなお話を描くのだろう(笑)
展開が読めない。果たして何を訴えたいのかも、実はそんなに読み取れなかったりする。いや、いつだって何かしら伝わってくるものはあるのだけど、何とものらくらと描かれているので、読み手としてものらくらと受け止めてしまう。なんてことだ、川原マジック。
でも、好きなんですよね。
この本でも期待にもれず、登場人物はみんなおかしな人たちでありました。ワケがわからないまま川原節に巻き込まれ、気がついたらニヤニヤ笑ったり、じんわり泣いたりしておりました。
なんとも不思議な漫画家さんです、川原泉という方は。この、全体的にやる気ねぇというか、「へろっ」とした感じにやたらホッとします。ユルさが魅力だなんて、不思議なひとだ、やっぱり。
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ありそうでない、まとまりがないようで最後はいい感じに締まる、突拍子ないけど呑気な話は…どうやって考えてるんだ。
「架空の森」「森には真理が落ちている」が特に好き。タイトルがまたいい〜。
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不覚にも、この短編集を読んでいなかった。ばかばかばか!!
愚者の楽園で涙腺がぶっ壊れ、そしてつづくすべての作品でも落涙。川原泉ファンののぞむ川原作品が詰まっている。裏切りなし!!
怖いくらい美しく、清らかで、マイペースなキャラたちの発する、長い長いうんちくのまた美しいこと。いちばんいいころの川原ワールドを堪能したい方には完璧におすすめです。くそ、なんて本当にこれを今まで読まなかった、私…。
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川原泉さんの漫画は大抵好きです。絵も綺麗で面白味があって、お話はちょっと哲学的なんだけれど能天気。そして健気で優しい。そんな印象が全ての作品に共通しています。もちろんお話の展開も面白いです。
そんな中で思わず心がキューッとなったのが美貌の果実でした。
ぶどうの精さん、ありがとう。他の作品もオススメです!
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農業系恋愛漫画。
「架空の森」以外は、どの話も、同じ様な主人公が傍目には淡々とした生活をして最後はハッピーエンドになる展開なのに、読み出したら止まりませんでした。多分、何よりも間が素晴らしいんだと思います。
蘊蓄も多すぎず少なすぎず、丁度良い感じでした。
解説抜きで値段下げてくれたら言うことないのに。
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名作ぞろいの文庫版。知的でユーモラスな語り口、温かくも鋭く描写されるそれぞれの人生。そして、ほんわかな恋。この時期の川原泉を読まずして、何を読む!(勢い余った…)
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農業を題材としたマンガがメインの短編集。
舞台は北海道から九州まで。
実は川原教授作品、初めて読んだのですが、
人間関係といいエピソードといい、
ギスギスしてなくていいなぁ、これ。
そして、食べ物が物凄く美味しそう。
Posted by ブクログ
川原漫画は初めてだけれど、ちょっと語り部のクチが悪いのと、主人公がみーんなのん気なのが長所なのかもしれない。
たぶん川原先生自身も、飾ったりお高くとまるのがいやな人なんじゃないかなー、と思った。
いかにも少女漫画、な、ありえない展開になるときも、「ま〜、こんなことありえないけどね〜」という声が聞こえてくるシュールさを醸し出し、笑いの方向へ。
先生は「愚者の楽園」の麻子に性格が似ているのでは、と思う。のんびりしているけれど着実で、ラッキーな人。頭が控えめというのは謙遜で。
私は「森には真理が落ちている」が好きです。
最初“真理“をマリと読んで、マリちゃんという女の子がでてくるのかと(笑)