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Posted by ブクログ
日本にハンス・ベルメールの名を伝え、四谷シモン氏を始めとした、今日まで続く球体関節人形のカルチャーが生まれる契機となった……と言っても過言ではないほどの伝説的エッセイ「女の王国」が収録されています。かく言う私もベルメールを知ったことで、シュルレアリスムや幻想絵画といったジャンルにのめり込んでいったので、ずっと読みたかった本でした。本書ではベルメールの他にも、今ではすっかり有名になったダリやエルンスト、バルテュスやマグリットなどの紹介もしっかりと網羅されていて、読んでいて面白くって面白くって止まらない(笑)。当時の人たちの衝撃はもっと凄かったんだろうなぁ。現代で読んでも劣らない正確な知識で紹介している澁澤龍彦氏には本当に尊敬します。ゾンネンシュターンやモンス・デシデリオは初耳だったので、触れてみようと思います。
Posted by ブクログ
ペダントリーに充ち満ちた澁澤龍彦の評論は愉しい。お説ごもっとも、拳拳服膺しながら読んでいる。ただ、引用される図版がモノクロームというのは目に寂しい。
彼の著書は、将来も読者を獲得することだろう。ハイパーテキスト化し、ワンクリックで当該の絵画が鑑賞できるようになることを願いたい。
追記:「クレーの魚は、クレーの水を離れた途端に破裂して死ぬだろうし、エルンストの鳥は、エルンストの空気が吸えなくなった途端に窒息して落ちるだろう」。この決めつけこそ澁澤調。