【感想・ネタバレ】地下鉄(メトロ)に乗って(特別版)のレビュー

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Posted by ブクログ

映画も観ましたが、小説の方がずっとおもしろいです。
タイムスリップを利用して、理解したくもない父親の良く見えない、見せていない一面を迫力満点で見せつけてくれます。
親の心子知らず、子の心親知らずで、最後はほろりとします。

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2018年02月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

(作品紹介より)
町に地下鉄がやってきたその日、真次は不思議な錯覚に捉われる。ホームに立ちつくす自分を、もうひとりの自分が地下鉄の窓の中から見つめているのだ…。


***

浅田次郎さんの著書は多く、何から手をつけて良いか分からず手にとった本だったのですが、本当に読んで良かったと心から思える作品でした。
内容自体は地下鉄に乗ってタイムスリップする微ファンタジーものです。そこに引かれて読み始めたのですが、タイムスリップなんて言葉では言い尽くせない程のストーリー構成、登場人物と登場人物の関係に、読み始めると止まらなくなってしまいます。

主人公は地下鉄構内に事務所をかまえる小さな会社の営業マンです。大企業の社長であるが家族に厳しい父の存在を疎ましく思いながらも日々を生き、その日もいつも通りに地下鉄を利用したところ、地下から地上に昇ってみると、そこは見たことがあるようで現在とは違う、過去の、兄が死んだ日で―――。

過去の力強い描写、時間と時間の交わり、そして徐々に明るみになってくる真実――父に対するどうしようもない気持ちと、父が過ごして来た時代の波。
ラストはどうしようもなくて泣いてしまいそうになったのですが、全ての文章が輝いていて、読者を引きつける素晴らしい物語です。

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2012年02月10日

Posted by ブクログ

地下鉄に飛び込んだ兄がいたため真次は毎日の通勤でつかうだけでなく、地下鉄に特別な想いを持っていた。
その地下鉄で不思議なことがおこる。ホームからの階段をのぼると、兄が死んだ日にタイムトリップしていた。
また別の日には戦時中に紛れ込んでしまう。タイムトリップをしているうちに倦厭していた父の若き姿を見ることになる。
久々に読んだ浅田次郎。映画化されるのもよくわかる。著者の父へのオマージュなど書き下ろしロングエッセイを収録してある。本編とよく似た父の生涯。父に捧げた作品であることを知った。

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2009年10月04日

購入済み

非常に面白かった

我々の世代には背景がこの目で見たので非常によく解るが、いまの若い人にはどうだるうか、それと映画版は原作と時間経過は同様であるが、省略が多き、映画だけをみたらよくわからない部分が多い

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2021年03月10日

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戦後の混乱の最中に財をなした父に反目して家を出た『真次』は、兄の命日の夜地下鉄から階段を上って出て行くと、そこには懐かしい風景が広がっていた。ちょうど兄の死んだ日に辿りついた彼は、兄の自殺を止めるべく行動したのだが戻った先は変わっていなかった。
その日を境に、どんどん古い時代へと地下鉄は彼を運んでいく。その先で出会ったのは、若かりし日の父の姿だった。

メトロというの言葉は、なんとなく哀愁のある響きをしている。
そしてこの物語で紡がれる時代も、直に知ってはいないけれど何故か郷愁を感じさせてくれる。貧しく苦しい時代だったはずなのに、活気というか生そのものが息づいているような、今は失われてしまった何かがあるような気がしてならない。
苦く、哀しい話だったけど、読後感は悪くない。

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2015年12月09日

購入済み

うまいなあ

久しぶりに読み返した。あの地下鉄の感じいいなあ。
壬生義士伝では涙したがこの作品は何か暖かいものに触れた気がする

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2015年06月13日

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タイムスリップして、生命力あふれる父親の若いときの姿に触れる、なんていいね
現実世界と仮想世界の狭間で揺れる、みち子がなんとも哀しい
一抹の哀感をおぼえる作品

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2014年12月13日

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面白い。読みだしたら止まらなくなって、一気に読んだ。
主人公やその恋人が物語の中でタイムスリップするのだが、その中で彼らに関係する人間の人生が見え、物語が深まっていく。時代が行ったり来たりするが、混乱せず読み入っていける。
こういった物語を作れるのは、本当にすごいと思う。

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2014年11月11日

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地下鉄銀座線は、空襲にもまけず、戦争中も、がんばって動いていたらしい。その戦争中の銀座線に乗り、出征してゆく父親に、タイムスリップして車内で出会う息子の思い。日輪の遺産の遺産、と著者は言う。日輪では母の勤労動員を描き、地下鉄では父の出征を描く。小説の大衆食堂と言われる、浅田次郎の傑作です。

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2013年03月23日

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ネタバレ

父親の、一人の男としての一生を息子がタイムスリップして始めて知る。
大嫌いな父親にも嫌なところだけではなく魅力的なところだってあったんだ。

最後に、お父さんに会ってほしかったな・・・。

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2013年01月30日

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結構意外な結末。

過去に戻って現在を変えられるなら、私はやっぱりお兄さんに死なないで欲しかったな…。

あとがきに書いてあるM子とは一体誰のことなのでしょう?
有名な人なんだよね、一応?

結局先生が一番不思議な存在だったな…。
そういえば主人公の母親は過去の世界に行ったのか行かなかったのか。
人でメトロに乗ったことに意味はあったのかどうか。

結構前に書かれた話だから、そういえば昔は二子玉川じゃなくて二子玉川園だったなぁとか、田園都市線じゃなくて新玉川線だったなぁとか思い出しました。
懐かしい。私が小学校低学年の頃に変わったんだっけ。田園都市なんて、ずいぶんおしゃれな名前だなーって思ったんだよね。

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2012年02月18日

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過去を変えることが許されるたったひとつのことがあるならばそれは誰かの命を救うことではなく自分自身の存在を消すことである

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2011年10月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 正直主人公にとってはバッドエンドだったかもしれない。決してハッピーエンドではなかったと思う。正直これからの行動にかかっている時に終わってしまって残念。
今までのことがただ経験した事というだけだったので、経験した事を生かせてない主人公、もしくはそこまで書かなかった作者に失望した。過去は変えられなくても未来は変えられるのに、そうしなかった。みんなが不幸のままの気がする。
でも他の登場人物から見るとまた違った結果で面白いと思うので、何度も読みたいと思う。
あと、個人的にハチ公がどうなったのかがとても気になる

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2011年01月30日

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不思議で悲しい物語。 映画化されているみたいで、登場人物、立ち上がっていく日本がどのように描かれているのか、映画が見たくなりました。

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2010年11月23日

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確執のある父と息子が、息子が父の若かったころにタイムスリップして、父の半生を垣間見ることで、理解を深めていくという内容です。賞をとっている作品ということだけあって、面白かったです。

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2010年11月06日

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偶然この小説が原作のミュージカルを見て感動したのがきっかけで読んでみた.

結末を知ってしまっていただけに,感動は半減だったけど,名作には違いない.

すごく切ないけど,ただのラブストーリーでもない.他の作品も読んでみたくなった.

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

偶然この小説が原作のミュージカルを見て感動したのがきっかけで読んでみた.

結末を知ってしまっていただけに,感動は半減だったけど,名作には違いない.

すごく切ないけど,ただのラブストーリーでもない.他の作品も読んでみたくなった.

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2009年10月04日

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地下鉄は昔からいろんな想いを持ったたくさんの人を乗せてきたんだなぁと思った。タイムスリップして父親の若かりし日の姿を見て、父親に対する思いが変わっていく。父への思いが変わるのと同時に、未来も変わっていたのは、少し切なかった。

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2009年10月04日

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見たばかりなので、映画のシーンが影響しますね。わりと原作に忠実でしたので、本を読みながら情景が浮かぶというのは悪くありませんけど・・人物が固まってしまいます。それでも映画を補佐的な物と考えれば、判り易いとも言えます。
ネタバレしていますが、楽しめました。カレーライスか、ライスカレーかなんて、変な所で考えたり(笑)懐かしさを覚える部分もありました。
浅田さんにとって、吉川英治賞を獲得して極道小説、競馬ジャーナリストから脱皮する作品になったそうです。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

タイムスリップモノは色々読んだけど、これはまた先の読めない感じが新しくて面白かった。
私も昔の両親に会ってみたいかも。
きっとすごく気が合いそう。

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2009年10月04日

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【10/11-10/12】映画化された本。
似たような話を続けて読んだ。若かりし頃の親は、きっといいヤツだったんだろうね

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

彼の人生はいつも地下鉄とともにあった。いつもどおりに道を歩いていると、彼は時折過去の世界に迷い込んでしまうようになる。その世界で見えてくるのは彼の、そして家族の過去。すべてを知ると、全く違う光が差し込んでくるようで。

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2018年06月06日

Posted by ブクログ

中盤までどうも情景を想像出来ず、時代の言葉も難しい…、読むのを諦めようかと思ったけど、段々世界観が分かってきて謎も明らかになっていって、読み続けて良かったなと\(^^)/
真次の性格はあまり好きになれず、節子が真次に進言した時は激しく同意した(^^)笑
映画化もされてるならそっちの方が見やすいのかな

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2017年08月28日

Posted by ブクログ

映画化にもなっているので読んでみようと思いました。
最初は、話があちこちに飛ぶので混乱しましたが、だんだんと繋がって先がきになって一気に読んでしまいました。
最後は、なんだか分からないうちに終わってしまった感じで、ちょっと悲しい話だったかなと思いました。

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2014年04月14日

Posted by ブクログ

初めて浅田次郎の本を読んだ。
結構硬い本を書く人なのかと思いきや、とてもファンタジーと言うか・・・・いいか感じの空気をおりなす素敵でなつかsく、ちょっと切ない話だった。

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2013年03月23日

Posted by ブクログ

地下鉄やバスは神秘の世界に通じる乗り物として、子どものころよく想像していた。本作品は、それをタイムマシンとして織りなす物語。設定が面白い。

読後に何か物足りなさを感じてしまった。浅田次郎の作品は意図的なのか、個人の感情の複雑に重なった葛藤(コンプレックス)が表現されていない。
悲しい作品や深刻な作品であるほどそれが気になってしまって、どこかで泥臭さからの逃げを感じてしまう。

それが神秘的な優しい作品においては効果的。だから「鉄道員」の短編集の方が好きだ。

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2012年12月05日

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地下鉄が繋ぐ、過去と現在。
出口の階段を上ると目の前に広がる、今はもうない街並。
過去の風景の中で眩しい笑顔を見せる、若かりし頃の父。

父の暴言が優しかった兄を死に追い込んだのだ、と憎しみを募らせ
20数年間縁を切ったまま、父が病に倒れても見舞いに行く気など毛頭ない真次が
兄の命日をきっかけに、地下鉄で過去の世界へと運ばれ、
父が重ねてきた歴史を遡りながら
時代に翻弄され、変わらねば生きられなかった父の哀しみを知り
「僕らはただ、父のように生きるだけです」と静かな共感をもって歩き始める物語

と書いてしまうと、とてもノスタルジックで美しい物語になってしまうのですが。。。

その美しさが、自らの存在を消してでも真次の幸せを守ろうと願う、愛人みち子の献身や
真次が父の許に置き去りにした弟の苦しみをただひとり受け止め、
離婚まで考えるほど親身になって考えてやる妻の慈愛を踏み台にして
成り立っている感じがするのが気になってしまって。

殴られ、足蹴にされても父の横暴に耐えていた母を見て育ったのに、
狭い家で義母と同居し、子ども2人を世話しながらパートに出て家計を支え
義弟の苦労まで慮ってくれる妻を捨てて愛人と出奔する決意をあっさり固める
真次がどうしても許せなくて

最後に遺されたルビーの指輪を、記憶がないとはいえ
箱だけ買って妻にプレゼントするなんて、みち子にも奥さんにもひどすぎる!
それは大切にどこかに仕舞い込んで、奥さんには別のをきちんと選んで
プレゼントしてあげて!と言いたくなってしまう。

情に篤く曇りのない瞳をしていた少年の佐吉が、戦争をくぐりぬけ
抜け目ないアムールとなって成り上がり、押しも押されぬ成功者として君臨するために
幾重もの汚れた鎧を見に纏わねばならなかった切なさは伝わるし
タイムスリップした過去の風景の描写のすばらしさには感動するけれど

出てくる男性のほとんどが、女性の愛情を当然のように享受するだけで
踏みつけにしている感じがするのがやるせなく、胸が痛い作品でした。

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2012年11月05日

Posted by ブクログ

うだつのあがらないサラリーマン、小沼真次の父は立志伝中の人、小沼佐吉。
世間的には成功者だが、家庭内では横暴で家族を家族とも思わない父に嫌気がさし家を飛び出したままだった。
中高一貫校の同窓会へ出席した帰り、元旧友たちの毒気にあてられた真次は不思議な体験をする。
地下鉄のエアポケットのような場所からタイムスリップしたのだ。
それは30年前、兄が自殺をする数時間前。
その出来事を皮切りに、頻繁に時間を飛ぶようになり、飛んでゆく時代もどんどん遡ってゆく。
そして真次はついに若いころの父に出会い・・・。

浅田さん続きです。
「地下鉄」は「メトロ」とルビがふってあります。いい響きですね、メトロ。

はじめは「兄の自殺を食い止めることができるか」が焦点だと思っていましたが、それから「父と子の和解の物語」なんだ、と思いながら読みました。
それらはいい意味で裏切られ、衝撃のラストへ。
非常に驚きました。なんなんですか、これは。
いまだに頭の中が混乱しています。

戦前、戦中、戦後の描写がとても生き生きとしており、あの時代の日本人の生命力がとてもまぶしかったです。
さすがの筆力に圧倒されました。

残念だったのは地下鉄に全くなじみがないこと。
せめて簡単な路線図でも載せておいてほしかったです。
そしてああいう父になってしまう決定的な何かをもう少し描いてほしかったかな。
だって昔の佐吉さんはとても魅力的だったんだもん。

いやでも、さすが浅田さん、としか言いようのないしみじみとする人間ドラマ。
よかったです。

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2010年10月15日

Posted by ブクログ

父親の本当の姿も垣間見え、主人公の心の揺れを詳細に表現していた。ちょっと重いですが・・・
詠み応えがある作品です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

途中までは想像ついたけど最後がそんな終わり方とは・・・。

かなり切ない終わり方。

しかし、みよ子の最後のやり方は真治の幸せを思っての事なんだろうけど、実際幸せになってるのか??と少し疑問。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

映画化/
父親に反抗していた次男坊が地下鉄を通って、過去へタイムスリップ。
父親の若いころを知って理解していくが、現在の父親にどう対応するのか。

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2009年10月04日

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