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Posted by ブクログ
面白かった。最後の章で「過熱した市民探偵」への警鐘が鳴らされる。しかしそれ以外は訓話的でなく、ジェーン・ドゥに対して名前を見つけるような、もっとヒューマニティある市民探偵の、狂気と執念について書かれているので安心して欲しい。
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「アンナチュラル」というドラマを夢中になって見ていた。ドラマの主演の石原さとみが「何で焼いちゃうかなぁ」と不平を漏らすシーンを覚えている。火葬だとDNAが残らないからだ。
未解決事件に興味を持つ人は多くいると思う。しかしその解決に心血を注いで活動している人は、日本では少ないのではないだろうか。
市民探偵、と書かれているが、日本ではまず無理だろうな、と感じる。自らの安全は自らが構築しなければならない、ということを骨の髄まで染みわたっているアメリカ人だからこそ出来るように思える。もちろん法制度が違う、というのはあるけれど。
この本はパソコンやスマホで調べながら読むのがおすすめだと思う。私もパソコンで事件名を検索バーに何度も入れながら読んでいた。
市民探偵と呼ぶには凄すぎる人々がたくさんいる。
DOEにもアクセスしてみて、その後、日本の行旅死亡人サイトも見てみた。DOEは、英語表記なので詳しくは分からなかったけれど、画像が沢山あるのが驚きである。日本は行旅死亡人サイトに写真はほぼない。ケースによっては復顔されているものもあるのかもしれないけれど。
テッド・バンディから逃れることが出来た女性が市民探偵になるなんて、運命を感じる。
黄金州の殺人鬼の逮捕に関しては本当に驚いた。一人でここまでの犯罪を起こせるものなのか、と。しかも気づかれずに。
ルカマグノッタ事件は全く知らなかった。仔猫を殺す動画を沢山の人が躍起になって犯人を捕まえようとする。それはそれで狂気を感じるけれど(私が別に大の猫好きではないからかもしれないけれど)、殺人に移行するのも恐怖を感じる。自己顕示欲がこじれるとこうなってしまうのだろうか。
最後の章、探偵がしくじるときを読んで、思い出したことがある。
以前、ある県で学生がイジメによる自殺をした。そのイジメをした側の学生たちの個人情報がネットに流れ、住所を特定されていた。そしてその学生と同じ名字の会社が業務妨害と言えるくらいの電話がかかってきたということがニュースになったのだ。その会社は学生と何も関係がなかった、という。
鬼女板という名称で呼ばれる掲示板サイトがあり、そのサイトの中で、写真から場所を特定したり、実際に現地に行ったりする人がいる、と知っていたが、そのイジメ自殺騒動をパソコンで見ていて、ちょっとした高揚感があったものだ。
間違えられた人、は一生トラウマになりかねない。
書籍の始めに捧げられたジャーナリストが何故行方不明なのか、知りたい。
Posted by ブクログ
ネットで見かけて。
あらら、また読んだことのある本が登場するとは。
しかもいきなり「まえがき」とは、「木曜殺人クラブ」は有名なのか。
警官でもなく私立探偵でもない一般市民が、
インターネットでの検索や情報交換、情報収集、画像分析を通じて、
身元不明の遺体の身元を探し当てたり、殺人犯の居場所を突き止めたりする。
それぞれの理由で、困難な調査の沼にはまっていくが、
最初の方に紹介されていたトッドが印象的だった。
トッド・マシューズは高校で出会った女の子から、
彼女の父親が遺体を発見した話を聞く。
遺体は19年たっても身元が分からず、テントに包まれていたため「テント・ガール」
と呼ばれていた。
彼は、話をしてくれた女の子と9か月後に結婚するが、
新婚の時からテント・ガールの身元調査に明け暮れ、
昼間は調査をして、夜工場で働く生活が続く。
収入は少なく、調査にかかる費用の負担は重くとなれば、
いかに知り合ったきっかけとはいえ、奥さんとけんかになるでしょ。
11年の調査の結果、とうとう身元をつきとめられて良かった。
娘を殺され、犯人のギャングを突き止めるべくSNSで偽サイトを作った母親の話や、
猫殺しの犯人を追ったが、捕まえられないうちに犯人が人を殺してしまう話とか、
思っていたより重い話もあったが、全体的に面白かった。
ただ、一番印象に残ったのは訳者のあとがきだった。
先日、子供が寝る時に横溝正史的な本を読み聞かせる親はいないだろと突っ込んだが、
子供を寝かしつけるために公園で首つり死体を発見した話をする母親が実在した。
その「どんぐり公園」にすべてを持っていかれた気がする。
Posted by ブクログ
ネットの発展で誰もが私立探偵になれるようになった時代。それは警察も匙を投げた未解決事件を解決に導く事もある。
政府捜査機関以上に勤勉に仕事をする私立探偵の姿には目頭が熱くなるものの、それだけではなくネットの発展から来る探偵たちの暴走にも警鐘が鳴らされている。これは面白い。