【感想・ネタバレ】福翁夢中伝 下のレビュー

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Posted by ブクログ

上巻は福沢諭吉とそれを取り巻く人々という構図だったが、下巻はやや福沢本人からは離れ、小泉信吉や川上音二郎貞奴夫妻、福澤桃介といった福沢イズムを受け継いだ人達についての話が主だ。各々福沢から学び取ったことが異なり、その比較が面白い。
終章は福沢諭吉の最晩年の大仕事、「修身綱領」の制作記になっている。慶應出身者であれば耳にタコができるほど聞かされるであろう「独立自尊」だが、そこに至るまでの過程が描かれる。無事に制作を終え、20世紀に入り福沢の生涯が閉じるところで物語は終わる。
福沢が内心で何を考えていたのか、真なる部分に触れることは難しい作業だ。しかし作者は膨大な資料に触れ、その復元をできる限り精巧に行なっているように見える。ある程度人となりの輪郭を掴めているのではないだろうか。
ちなみにエピローグにあるエピソードは嘘のような本当の話。

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2024年02月20日

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