【感想・ネタバレ】龍の髭 小烏神社奇譚のレビュー

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Posted by ブクログ

〈小烏神社奇譚〉シリーズ第八作。

今回はタイムスリップの巻。再び現れた蜃気楼には小烏丸が良く知る風景が映り、その蜃気楼に小烏丸が吸い取られてしまう。
小烏丸を助けるために蜃気楼を吐きだす蜃(巨大な蛤)の元へ向かった竜晴、抜丸、泰山の一行。
再び蜃が吐き出した蜃気楼に呑み込まれた一行は、小烏丸と抜丸が付喪神になる前の時代の京へたどり着く。

陰陽師として妖や霊などと闘ってきた竜晴たちだが、今回は過去の京、それも蜃気楼の中の世界ということで竜晴の術が使えない。
さらにかつての主人・平重盛の屋敷に住みついている小烏丸は竜晴と対立してしまい、小烏丸と一緒に元の世界に帰るどころではなくなってしまう。
なのに竜晴はこの世界で初めての恋をしてしまう。

なんともハラハラする展開だったが、泰山の存在が頼もしい。医師として竜晴の友人として、出発前に竜晴に掛けられた術のおかげで抜丸とも心を通わせて、彼らの仲立ちとなっている。

平重盛も小烏丸が慕うだけの人格でこのまま若死にしてしまうのが惜しい人。それだけに彼には許されぬ人からも慕われていた(これは作家さんの創作なのかどうかは知らない)。

今回は再びの鵺との闘いが最大の山場。重盛、頼政、竜晴一行と皆で闘っている。
この時代、陰陽師や妖や夢のお告げや神仏が当たり前のように受け入れられているのが興味深い。
闘いの行方は読まれてのお楽しみとして、個人的にはエピローグでの竜晴と花枝とのやり取りがこれまでの一方通行ではなくてホッとした。
また玉水もしっかり留守を守っていてちょっとだけ頼もしくなっていた。

次は小烏丸の本体探しの旅になるのか、それとも島原の乱になるのか。

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2024年03月23日

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