【感想・ネタバレ】トモちゃんはすごいブス 3巻のレビュー

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Posted by ブクログ 2012年11月24日

3巻に至って、チコちゃんは風俗まがいから本物の風俗に移行する。それはただの深入りではなく、チコちゃんが社会性を獲得するための通過儀礼でもある。チコちゃんが社会性を獲得してゆくのは、極めてパーソナルな事情の積み重ねたプロセスの結果としてある。自分の手の届く範囲で出会った人々の個人的な事情、その奥の深淵...続きを読むを覗き込みそれに寄り添う。そうして少しづつチコちゃんは世界を広げ社会性を得ていく。ソーシャルなんちゃら的な何かとは逆の地味なプロセスといえる。
このプロセスを実現させているのも、ドブスのトモちゃんがいてこそ。チコちゃんにとってトモちゃんは世界と接続するためのただひとつの扉。
チコちゃんが自らの世界を徐々に広げていくにしたがって、トモちゃんの役割はチコちゃんを世界と繋げる主体的な役割から、繋がりを見守る役割へと変化していく。そして、タイトルとは裏腹に、その存在意義は不可避的に減少していく。
やがてチコちゃんが一人で世界と対峙できるようになった時、おそらくトモちゃんとチコちゃんはさよならするだろうし、その時こそ物語が終わるときだろう。

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