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多くの新聞には「書評」コーナーがありますが、我が家で購読している読売新聞のそれが毎週日曜日に掲載される「本よみうり堂」。そしてその読書委員の一人が私が大好きな宮部みゆきさんなのです。
ファンとしては、それだけで読売さんに感謝したくなるというもの。毎週楽しみに開く書評ページの中に宮部さんの名前を見つけると、より一層ワクワクしながら読んでいます。
宮部さんは本当に文章がお上手。
それがどういった要因から来るものなのか言語化するのは難しいのですが、とにかく時代小説でも現代ミステリーでもホラーを読んでも「上手い」と感じます。
そしてそんな宮部さんは、書評もとにかく上手い。
あらすじの文量や軽妙な語り口、本だけでなく映画や実際の出来事の知識も絡めた紹介はとにかくバランスがよく、どんな本も「面白そう!」と感じてしまうのです。
それがこのたび書籍化したということで、いざ付箋を手に開巻。……気付けば、両手に両足の指を足しても余るくらいの量の付箋が貼られてしまいました。
その中でも、とくに気になる本たちを備忘録としてピックアップ(敬称略)。
『営繕かるかや怪異譚』小野不由美
『深夜百太郎 入口・出口』舞城王太郎
『ミッドナイト・ジャーナル』本城雅人
『ファット・キャット・アート』スヴェトラーナ・ペトロヴァ
『21匹のネコがさっくり教えるアート史』ニア・グールド
紹介されるおよそ120以上の本は、ご自身が書かれるミステリーにとどまらず、アート、現代史、ビジネス、人情物と実に豊富なジャンルから成っています。宮部さんがお好きだという猫ちゃんの本も多くてほっこり。それにしても、作家さんは本当にたくさんの本を読まれるんだなあ……。
宮部さんファンに限らず、これから読む面白い本を探している方に、ぜひおすすめの読書ガイドでした。
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作家さんってどんな本を読むんだろうと気になり手に取った本書。宮部さんがミステリー作家なだけあり、紹介されている本の大部分がミステリー・ホラー・SF・ノンフィクションでした。でも恐竜関連の本や怪談系の本も出てきたりと、ちょっとクスっとするような選書もあります。
元が新聞の書評欄向けとのことで、一冊に割く文字数はそれほど多くなく、さくっと読み進めることができます。その少ない字数の中で、ネタバレをすることなくおすすめポイントをまとめ上げていく技術がお見事です。
読んだことないどころか知らない本だらけでしたが、気になる本がたくさんできてしまいました。これらの本にもそのうち手を出してみます。
・誰そ彼の殺人
・ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく
・なぜ倒産 23社の破綻に学ぶ失敗の法則
・湖畔荘
・新 怖い絵
・大統領の疑惑
・ネットロア ウェブ時代の「ハナシ」の伝承
・薬で読み解く江戸の事件史
・闇からの贈り物
・日本発掘! ここまでわかった日本の歴史
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タイトル通り、著者が読売新聞に書いた書評集。
小説以外にも、歴史や社会、ペット、恐竜など、まさに著者が楽しんで読んでいたのが伝わってきます。そして、軽妙かつ優しさを感じるのは、小説と同じでした。
タイトルに「2015-2019」がついているということは、何年か待てばまた続編が出る?
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「宮部みゆき」さんと言えば、言わずと知れた人気作家ですが、作品を読んだのは本書が初めてです。
初めて読む作品が小説(数えきれないほどの名作がありますね)ではなく、本書(書評エッセイ)というのも我ながら”どうか”とは思いましたが、
・あの「宮部みゆき」さんが選んだ本とは?
・それらの本に対する書評(文章)は?
等々を「知りたい・読みたい」という願望が勝りました。
さて、本書は読売新聞の「本よみうり堂」で2015年~2019年に掲載された128冊を集めたもののようですが、私の願望を満たすための行動は「正解」でした。
先ず、128冊で網羅されている範囲の広さ(ミステリー、ビジネス書、絵本、図鑑、ノンフィクション等)に好奇心と読書欲を刺激されました。
過去に(今もそうです)、立花隆さん、松岡正剛さん、成毛眞さん等の書評を参考にして本を選んできたことがありますが、本書からも(今のところ、10冊程度)、”これは面白そうだ”と感じた本を読みたいと思っています。
次に、書評(文章)についてですが、これは”流石に小説家の書評は違うな”と感心しました。先に挙げた皆さんはいわゆる小説家ではありませんので、やはり書評(文章)に違いがあると感じました(優劣ではありません)。
ここでは、とりわけ心に残った書評(文章)を、(作品名は書かずに)二つだけ抜粋します。
・怪異という形で立ち現れている時間の積み重ねを、壊して祓って断ち切ってしまうのではなく、受容しやすいように直した上で引き継いでいく。これは至極まっとうで現実的なやり方であることは、<怪異>を<不仲>や<揉め事>等のより日常な言葉に置き換えてみれば、すぐ腑に落ちるだろう。
・本書を読み、自分の「現実を物語化したい」という欲求がどれほど根深く無自覚なものであるかを悟って、私はいささか動揺した。犯罪そのものではなく、その報道のされ方と社会の受け止め方が、年々「物語」へ傾斜していると感じていたし、それに対する危機感を持ってミステリーを書いているつもりだったのに。本書を読めば、おそらく多くの方が様々な点で、私と同じように驚いたり、あらためて恐れたり悲しんだりするだろうと思う。
最後に、次回、本屋さんに立ち寄った際には、「宮部みゆき」さんの小説(名作が多くて、どの作品を選ぶか迷いますね)を持ってレジに向かいたいと思います。
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これだけ書くためには、この何倍もは読んでなければいけない。
沢山の作品を書き、沢山の本を読む。
確か、宮部さんはゲーマーでもあった気がする。
自分だったら1日24時間では足りないですね。
たまには人がおすすめする本を読んでみるのもいい。
自分では思いつかなかった新しいジャンルが開ける。
Posted by ブクログ
宮部みゆきファンには必読本。でなくても、世のレビュアーには教科書になるような本です。
人は人を評しながら多くは自分を語っているという。本書も他人の書物を語りながら、自分の著作世界を語っている様な気がしてならない。時代小説、推理小説、SF小説作家としての宮部みゆきの創作の源泉のひとつは、類稀なる好奇心と読書欲だと常々思っている私にとっては、様(さも)ありなんというラインナップだった。
もう一つ感心したのは、500字から多くて800字という、極めて短いけれども、新聞書評欄としたら当然の長さの中に納めていること。これくらいの長さが、人が「序でに読んでやろう」と思えるギリギリのところなのだろう。しかも、「これ読みたい!」と思わせる仕掛けが、ひとつやふたつじゃなくて、それこそ、書評ごとに仕掛けている。「読んでみたくなる書評」になっている。全部が全部成功していないけど(それは私の好みだから、他の人はそうは感じないかもしれないけど)、正に総ての創作で、エンタメに徹している彼女の真骨頂である。
事実、この128編の中で、私が「読みたい!」と心動かされ栞を挟んだのは、なんと28編なのだ!読むべき本が異様に増えてしまった。ホントに困った事になっているんですよ、笑いごとじゃない。
ここまで、530字。
Posted by ブクログ
ただでさえ読みたい本がたくさんあるのに、この本を読んだら更に倍増。
こんなにも世の中は読むたい本で溢れている。
幸せなことだ。ともすれば偏りがちな私の読書範囲も著者おすすめによって違うジャンルのも手にとれる喜び。
まずはS・キングの「ドクター・スリープ上下巻」と
宮沢章夫の爆笑エッセイ「長くなるのでまたにする」
と映画にもなった、「スポットライト世紀のスクープ、カトリック教会の大罪」をチェック。
Posted by ブクログ
ネットで見かけて。
そりゃ、読むでしょ。
「宮部みゆき」が読んで面白いと思った本なら。
とりあえず興味を持ったのは、
「絶対に行けない世界の非公開区域99」とか、
「スポットライト 世紀のスクープ カトリック教会の大罪」とか。
好きな作家さんの読んだことのある本が出て来たのには、
ちょっとガッツポーズをしてしまった。
ただし、問題は、
紹介する文章がとても面白いがゆえに期待値があがりすぎて、
実際に読むと今一つに感じてしまうことがあるということ。
自分も過去に痛い目に遭いました。
もちろん、そんなことをおそれていては、
読書はおろか人生も楽しめない。
読みますよ、もちろん。
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初読。好きな作家さんがおすすめする本は読みたいといつも思うのだが、どうしてだか実際に読むまでに到達できない。でも今回はとりあえず購入までたどり着きました。『インソムニア』と『誰そ彼の殺人』。さていつ読めることか・・・。すべての本のおすすめ内容が見開き2ページにおさめられていて、簡潔さもよい。その中から何を選ぶかで自分の好みを再確認できそうです。
Posted by ブクログ
宮部書評集となると、それはもう読まない理由はない。短期間、読売新聞を取っていた頃、気になって手に取った作品も数作見つけられた。そしてさらに、読んでみたい作品が下記のごとくずらり。ノンフについては厳しめにピックアップしたんだけど、それでもこれだけあった。慌てず少しずつ、って感じやね。
つくられる偽りの記憶 △
絶対に行けない世界の非公開区域 △
定職をもたない息子への手紙 △
長くなるのでまたにする。 △
ドクタースリープ ○
へんな生きもの へんな生きざま ○
深夜百太郎 ○
謎の毒親 ○
火打箱 △
よこまち余話 △
未確認動物UMAを科学する ○
ぼくたちが越してきた日から〜 ○
恐怖の地政学 △
ネットリンチで人生を壊された人たち △
植物はなぜ薬を作るのか △
嘘の木 ○
その情報、本当ですか? △
職場のハラスメント △
週刊文春シネマチャート全記録 ○
国宝の解剖図鑑 △
凡人の怪談 △
不意打ち △
死ぬまでに一度は訪ねたい東京の文学館 ○
ディストピア・フィクション論 ○
生類憐みの令の真実 △
怪奇日和 △
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⚫︎本概要より転載
ミステリー、海外ノンフィクションから、社会時評、歴史、恐竜まで――作家の好奇心を刺激した125冊を一挙公開!『読売新聞』「本よみうり堂」の読書エッセイ、待望の書籍化。作家デビュー36年目、初めての新書刊行!
⚫︎感想
いろんなジャンルの本が見開きで紹介されていて、いくつか興味がわき、読みたいリストにアップした。さらっと参考にするのに良い