【感想・ネタバレ】エンブリオ 上のレビュー

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天才産婦人科医、岸川。
胎児から取り出した脳や卵巣を使っての移植手術、またファームにて人工的にエンブリオを作り出し、臓器培養も手がけている。
そして次に行っているのは男性の妊娠。

次巻に続く。

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2013年12月10日

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エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。生命の尊厳を揺るがす衝撃の問題作。

さすが帚木さん!すごく興味深く読めたしほんっとうに面白い!
ただ岸川の人となりがあまりイメージできないような・・・

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2010年08月06日

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まずミステリーとして見るならば、全体を貫くストーリーや様々な仕掛けと呼ぶに値する伏線などは秀逸だと思うし、早く先の展開を読み進めたくなる気持ちははやるばかりなんだけど、肝心なところの多くが明かされぬまま、おそらくは意図的に曖昧なまま置いて小説は閉幕しているので、何だかかゆいところに手が届かないような、指に刺さった棘がなかなか抜けないようなモヤーっとしたものが残る。
ただ、あえてそんな不満点から述べてしまったけれど、この小説の最大にして唯一のテーマはそういった類のものではないので、謎の多くが明文化して示されていないというモヤモヤ感を打ち消して余りある満足を読後は得ることができた。
じゃあそのテーマとは一体何なのかと問われても一言では言い表せられないのがもどかしくもあり、自分の知識、語彙の至らなさが嘆かわしくもあるのだが、とにかく、21世紀の最先端生殖医療とはここまでのものなのか、と素直に驚いたし、また非常に陳腐で月並みな表現なんだけど、生命発生のメカニズムというものに人の手を加えることについての是非なんかに関しても、どんな読者だってこれを読めば少なからず考えを及ばさざるをえない、そんな圧倒的で根源的な問い掛けを大いに感じた。

「自然」という言葉は、たとえば木の枝を集めて巣を作るビーヴァーにも、山を削り木を伐ってビルディングを建てる人間にも等しく用いられるべきである、という考えを私は持っているんだけど、その延長線上、とまで言えるのかどうかは分からないが、作中に登場する“生殖活動に人為的に手を加えることを背徳的というのならば、自然な生命の終焉を阻害するすべての医療行為はあまねく認められないことになる”という主旨の表現には強く共感を覚える。
本当にそうだと思う。
できる限り病や怪我や死というものを遠ざけよう遠ざけようとしているすべての医療行為は、広義で言えば“神の意志”に反している。
癌を早期発見して外科手術によって根治させるのは推奨するけれど、たとえ患者の望みであっても受精のメカニズムをいたずらに人の手が左右することはあってはならない、と勝手にどこかでラインを引いてしまい、あたかも人間が神の意志を代弁しているかのように振る舞うことこそが、最も背徳的なのかもしれない。

それにしたってこの作品の主人公のように、一方では不特定の患者たちの幸福を実現するためという信念で以って既成の倫理を無視する先端治療を行い、他方では邪魔になった人間の命を虫けらのごとく消し去るなどという完全乖離したアイデンティティの持ち主なんているわけないよ、それ以外の部分では極めて常識的かつ聡明な人格と知性を備えながらさあ、と読者に思わせてしまうところがほんの少しだけ残念。

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2009年12月23日

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帚木さんの書く医療サスペンスが好き。本当に恐ろしいものは、悪意なんかじゃないというこを知った。岸川が行う行為は、自分の栄誉のためや金儲けのためじゃない。ただ岸川が持つものは、純粋な科学の追求。飽くなき好奇心。人間は、倫理という曖昧なものによって形作られてるって実感。それを失くした、というより持っていない岸川は、神か悪魔か。エンブリオを使った医療云々ももちろん面白かったけど、今回は岸川の人間性がまた興味深く、かなり印象深い作品になっている。岸川が行う数々の行為は倫理的にはもちろん、時に法律的にも問題を孕むけれど、彼が目指す医療の姿には考えさせることが多い。でも医療に関する法律は日々変わっているし、倫理観も変わってくる。今は岸川の行為に反感を抱いても、いずれ普通になるかも。それに、医療に助けられて生き長らえている私たちは、簡単に岸川を批判することはできないとも思う。

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2009年10月09日

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「エンブリオ」というのは受精後八週までの胎児のこと。
産婦人科医の岸川は、人為的に流産させたエンブリオや、様々な手を使って手に入れた卵巣等を培養し臓器移植をするという異常な医療行為を行っていた。
その技術は異常ながらも、世界の最先端をいっている。
しかし、そうなるともう歯止めが効かなくなってくる…次は男性の妊娠実験…
とにかく、全体的にかなり衝撃的な内容。

2018.11.25

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2018年11月25日

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エンブリオ―それは受精後八週までの胎児。天才産婦人科医・岸川は、人為的に流産させたエンブリオを培養し臓器移植をするという、異常な「医療行為」に手を染めていた。優しい院長として患者に慕われる裏で、彼は法の盲点をつき、倫理を無視した試みを重ねる。彼が次に挑むのは、男性の妊娠実験…。神の領域に踏み込んだ先端医療はどこへ向かうのか。生命の尊厳を揺るがす衝撃の問題作。

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2017年04月08日

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大学で研究する内容に近いジャンルだったので手にとった一冊。
生殖医療において、法的な規律がちゃんとしていない事実を再認識させられた。学会の中での規律が暗黙の了解のルールになっている現在、法的処置も取らねば岸川のような医師が現れる可能性も否定できない。
ただ、倫理的問題が一切無くなれば、生殖医療、再生医療での技術開発スピードが急速に上がるであろうことも事実。生殖器官、配偶子から受精卵、着床時、妊娠、出産......、どこからが倫理的問題が発生するのかと改めて考えさせられる一冊。
下巻も気になる。

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2015年02月05日

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ネタバレ

中絶した胎児を保存
死体から子宮を摘出して卵子を凍結、そして妊娠
男性の妊娠、胎児の脳を摘出して手術に使われる・・・・
夢のような話が書かれているのだけど
実際に近いうちに行われるのではないかと考えさせられる
倫理的にそれは悪なのか善なのかわからないが
研究を追及し続ける主人公の危うさ感じられ目が離せない

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2013年04月26日

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 小説でなければ書けなかった医療現場の飽くなき探究心、生命誕生にどこまで人為的な行動が許されるか?そして日本の医療の法的規制のない事実。倫理とか常識とかいった心情に訴えるだけで、現実として未出生になる胎児は、年間出生胎児とほぼ同数か倍数に百万から二十万という事実。特に医学・医療が延命に対して先端医療が認められるのならば、生命誕生にはどうななのか?という課題を衝き付ける13章は読ませる。
 山中教授のノーベル賞受賞報道の頃に本書の紹介文があり知りました。子孫を残していくという本能に近い部分と、それが叶わなかった人にも機会を、ここではips細胞発見まえだったので、血縁ある胎児細胞を移植に利用するという未来医療。突き詰めればつきつめるほど人の業が見えてくる。
 読み始めて程なく濡場があったり、モロッコ観光があったりは
、散漫になってどうもいただけなかった。

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2013年03月03日

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SF(実際現実がどこまで行ってるか知らんけど)映画なとこと小説らしい書き方流れ(お約束的な)。おもしろいし安定感(引き込まれる)だけど物足りないような(下巻の展開に期待)。とともに下巻しだい。

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2012年11月08日

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てっきり『インターセックス』の後の話だと思って読んでいたのですが、前の話だったのですね。『インターセックス』に少ししか登場しないのになぜか存在感を放っている人物が生き生き描かれています。
もしかして、こちらも推理小説仕立てなのでしょうか?だとすると『インターセックス』でちょっとなぞのままだったところのパズルのピースが嵌るのかも。と言うわけで、下巻に乞うご期待。

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2012年08月13日

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天才産婦人科医による、法の網をかいくぐる生殖医療、あるいはもはや生殖産業か。
生命倫理を考えるととんでもない医療技術なのだろうけれど、あくなき探究心で次々に新しい研究を進めていくのはとてもエキサイティングなのだと思う。医学の進歩には、過去に多くの黒歴史があり、その上に現代医学が成り立っていると考えれば、この小説のようにエンブリオを利用した技術がすでにどこかで開発されていたとしても決して不思議ではない。
倫理、善悪を抜きにするならば、興奮でぞくぞくしてしまうほどの研究の数々。なじみのない生殖医療の用語もわかりやすく、読みやすい。
下巻はどのような展開になるのか楽しみ。天才医・岸川がドナーになり続ける心の闇が解かれることに期待。

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2012年06月18日

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医学ぜんぜんわからんけどおもしろかった 善し悪しはわからんけど あくなき探究心はすごい
終わり方がすごくよかった!

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2011年11月03日

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ネタバレ

最初の部分で、かなりグロイです。
犠牲にするものがすごい。
胎児って。。。女性は引く人多そうな内容だと思いました。

でも、次どうなるの?と下巻を買いに行きました。

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2011年10月10日

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ネタバレ

医学はどこまで進んでるんだろう・・・
エンブリオを読んでやっと「インターセックス」の変死事件の謎がわかったよ。要するに企業スパイに絡んだ事件だったのね。

しかし、今回のエピソードはあまりにすごくて、思いっきり倫理に抵触する内容ばかりだろうな。男性の妊娠とか胎児の臓器培養とか。こわいこわい。
確かに必要としている人はいるわけで。。。
倫理的には大問題だけど、どの患者さんも満足してる様子を見ると複雑。
臓器を求めて海外へ行く人たちもたくさんいるわけで。日本国内で何とかならないかと思うのはわかるなぁ。

表はすばらしい医師、裏の顔はかなりダークな主人公ですが、なんとなく憎めない。

一番びっくりしたのが、生まれる前の胎児は物扱いということ。人間として認められないとは・・・

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2011年06月03日

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天才医師といえば外科医のイメージが強いが、この本の主人公・産婦人科医の岸川はまさに天才。天才ゆえの倫理を無視した医療の研究と実践の数々が、難しいことなのに分かりやすく描かれており、圧倒的に引き込まれる。岸川視点でひとつひとつの行動・言動についての経緯や考えがものすごく丁寧に書かれているおかげだと思う。上巻ではまだ大きな事件とか事故は起こっていないので、小説としての盛り上がりはないが、今後の展開に期待せずにはいられない。人工受精〜エンブリオ産業・・・人間にとって何が正しくてどう進むべきなのか? ある程度自分の考えをもちながら下巻も読み進めていきたいと思う。

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2011年08月06日

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どこまでが真実なのでしょう?
妊娠中なので、結構身近な問題にただ驚愕です!
でも面白かったです。

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2009年10月04日

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帚木さんっぽい作品。

いま医療の様々な場面で取り上げられる難しい問題である、生命倫理。
このことについて、色々考えさせられた。
決して彼(主人公)の考え方が正しいと言うわけではないけれど、妙に納得させられたり。。。

『反倫理とは反自然に他ならなく、自然でない行為が、倫理的でないと難詰される。
 では医学・医療とはなんなのか。
 人の死・病を回避する術だとすれば、それは反自然的行為であり、従って反倫理行為となってしまう。』

医療に携わる者として1番心に残った場面。
これから先色んな生命倫理の問題に直面するのだろう。
そんな時、今はまだ自分の倫理観は確立していないけど、確実に影響を受ける1冊となるんだろうな。
最後がいまいちだけど、難しい題材だけにしょうがないね。
一気に読んでしまいました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

上下巻で完結、なのに、
「これはまだ序章じゃないのか?」と思わせます。
ラストまで一気に盛り上がり、その頂点で終わる。
も、もどかしい…!
かといって続編は望みません。

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2009年10月04日

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上流階級の患者を受け入れる病院。
地下には秘密の施設・・・
病院で起こるなぞの死
産婦人科事情も垣間見れます。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

『さすが』の一言。
この人の作品で、読み応えの無いもの、読んでて飽きてくるものってほとんど無いですよね。
面白かった。個人的には産婦人科さんとは全く関係の無い生活をしているのに、こないだ知り合ったお医者さんに「え?、そっち関係の勉強してるの?」と言われるほど、知識だけはついてくる。

で、知識だけの本かといえば全然そんなことも無い。終末医療、産婦人科業界そんな中に生きるのもやはりニンゲン。う〜ん、考えさせる一冊でした。

それにしても、この人の本は京極なみに薀蓄が増えて本の面白さとは別に楽しいな〜。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

天才が野心を持つと狂気をはらむのか。
冷静で、人間関係もそつなく軽やかにこなし
スマートで知的。

だけど怖い。怖すぎる。

どんな道を歩んでいくのか下巻も興味深い。

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

これは物語(小説)の形を借りた、現代医療の倫理上の問題点を啓発する書でしょう。確かにミステリー仕掛けで小説としての姿は整っているのですが、作者の書きたかったテーマはそこにあるようです。
主人公の岸川医師は、献身的で優秀な医者として描かれます。その結果、全ての患者から信頼され、かつ、それを裏切らない医者です。しかし一方で、彼が、そして日本の法律が人間とは見なさない胎児、卵子、精子については”物”としての取り扱いです。その行為は恐ろしく、グロテスクです。
こうした問題に対し、興味がある方以外には、余りお勧めできる本では有りません。

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2017年10月30日

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医療、倫理について考えさせられました。お話は極端だったり、物語として読めますが、読んだ後いろいろ考えてみることが出来るきっかけ本でした。

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2015年03月18日

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 患者からの信頼の厚く国際的にも評価の高い産婦人科医の岸川。彼は人為的に流産させた胎児の臓器移植や男性の妊娠実験などを成功させ国際学会でも発表するのだが…

 冒頭からいきなり胎児の臓器移植の場面があって、「おいおい、まじかよ」となりましたが(笑)、しかし読んでいくと岸川の色々な実験や手術はグレーゾーンの範囲内ということが分かります。

 自分はてっきりこの手の行為は中絶や不妊治療といったものを除いてほとんど違法だと思っていたのですが、どうやら法律は追いついてなくて、学会の倫理ガイドライン程度の規制しかないみたいです。ガイドラインもあくまで目安程度のもので、破れば罰則があるというわけでもないらしいです。その上、岸川は学会に所属してないので実質、個人の倫理だけの問題になります。

 岸川についてはちょっとナルシストかな、と思うところはありますが、治療は基本患者のためであり、不妊や親子の関係性を考えるためのものであり、医学の発展という点では岸川の行為は全く責めようがないように思われます。

 読んでいて自分の中の生命倫理を考え直してみたのですが、作物の遺伝子組み換えをやったりペットの去勢手術と、よくよく考えると人間ってすでに人以外の生命に関しては結構干渉してるんですよね…。そう考えると岸川の行為は医療が発展した上での当然の帰結のように思えます。

 印象的なのは岸川が国際学会で男性の妊娠実験を発表した時の他の研究者の反応。欧米の研究者もいるのでてっきりもっと反発があるものかと思っていたのですが、みんな好意的で興味津々という感じだったのが意外でした。先端を行く人にとっては人の誕生って高尚なものじゃなくて好奇心の対象なのかもしれませんね。

 医学や実験の話、倫理の話など興味深いところは多かったのですが、小説としては今一つ流れが見えてこないのが気になるところ。下巻は話をどう進めるのかな?

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2015年03月23日

Posted by ブクログ

岸川という天才産婦人科医が男性の妊娠を試みる。ちょっと非現実的ではないかと思うけど、まぁそれはよいとして、内容がグロいところがあった。人工授精、体外受精が法的に認められる現代の延長をみてるようで、興味深いものもある。

下巻に期待。

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2011年09月11日

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天才産婦人科医師の話。
天才ゆえに極端な研究へ進んでしまい、人を助ける為に人を殺してしまう主人公。
そんな彼は正しいのか間違っているのか。
読み進めるうちに生命とは何なのか分からなくなってしまった。
不妊に悩み人工授精を行う人もいれば簡単に堕胎する人もいる。
色々と考えさせられる作品。

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2010年06月10日

Posted by ブクログ

 取り上げている内容の怖さを際立たせるためなのか、登場人物の心象描写が極めて少なく感じる。あくまで上巻の感想なので、怒涛の巻き返しを期待して下巻を読みすすめるとしよう。

 産婦人科の岸川はマッドサイエンティストなのか、異常な医療行為の数々は鳥肌がたつ思いだ。岸川医師の心のどこかに、自分自身が非配偶者間人工授精による、不自然な誕生の仕方を悲しむ気持ちがあるのだろう。その裏返しとして、心無い医療行為に手を染めるのだと思う。 

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2013年11月20日

Posted by ブクログ

胎児を利用する部分は、抵抗があって読み進めるのをやめようかと思ったが、読んでみた。
手術のところなどリアルな部分はさすが。

上巻ではたんたんと話がすすむ。
下巻ではどうなるか。

あと、カジノのシーンは退屈だった。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

倫理と理想と科学と技術と希望と絶望と・・・・いろいろ入り組んでる雰囲気を感じました。読んでる感じでは連ドラを見てる気分でした。

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2009年10月04日

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