【感想・ネタバレ】日本沈没(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

なんかの小説で「SFは難しい」と書かれてて、そのときはよく分からなかったのですが…ああそういうことね、と骨身にしみて理解させられた一作。
製作当時、やっとこさっとこ一般化したくらいのプレートテクトニクスを理解しきった上で、その上にフィクション的な設定を載せてきてる。フィクション設定を載せる前の背景が正確・緻密であるが故に、フィクションであるにも関わらずどこまでがホントでどこからがフィクションかが分からなくなる、そんな一作。
製作当時は「SF」であった部分の一部が、40年の年月を経て「現実の科学的モデル」となっているところもあり、さらに読みとくのが難しくなっている一冊。

こんな本も含めて乱読し消化するのが「文芸趣味」の人で、それを消化しきって新たなものを作り出すのが「文学者」なのか、といろんな意味で思い知らされた一冊でした。

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2013年06月20日

Posted by ブクログ

本当に怖かった。
戦中戦後の食料不足は知らないけど、親となった今、こどもを飢えさせる恐怖は理解できる。
そういった極限状態に陥ったときに、自分は理性を保てるのだろうか。ヒステリーをおこしたり、周りの人にストレスをぶつけたりするのではないだろうか。
また、着の身着のままで脱出する、つまり、外国で難民となり貧乏や差別に対峙する覚悟も、自分にあるだろうか。

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2011年12月08日

Posted by ブクログ

奥付をみると、初版の3月20日から7月16日で134刷しており、すさまじい勢いで売れていたことが分かる。こんな刷数をみたのは『試験に出る英単語』以来だ。
それはともかく、下巻では日本沈没が公になるところから、実際に沈没してしまうところまでが描かれている。
最後には「第一部完」と書かれており、作者としてはまだ書き足りなかったところがあったようで、去年続編が出ている。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

日本とは、日本人とは何なのか?今の日本人には、日本が沈むという位の大風呂敷を敷かなければ真剣に考えようとしない民族に成り下がってしまったんでしょうね。

日本と心中する渡老人と田所博士…。

日本民族とは少々距離を置いて日本を見つめ愛した渡老人と日本人として、日本の学者として最初に日本の異変の発見者となってしまった田所博士…。この二人それぞれの日本観が素晴らしいです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

最初に読んだのはほんのガキの頃。なるほど、こういう話であったかと、今更ながらに理解した箇所が多数あり。表紙の絵も当時のカッパ・ノヴェルズのものと同じ。文庫本の奥付を見てみますと、先の大震災からさほど時をおかずして復刊され、その後版を重ねている模様。うーん、なんだか節操がないというか。

今日、阪神大震災という現実を経てこのシミュレーション小説を読み返してみますと、都市が瓦解する情景の数々が細部に至るまで恐ろしくリアルな映像として伝わってきます。三十数年前、地震による破壊のメカニズムの一端を垣間見せた先見性はさすが、正統SF作家の真骨頂ってとこでしょうか。

政治、民族、国家等のいずれの事柄に関しても、現在の情勢と照らし合わせつつ、尽きることのない興味を喚起され、最後まで面白く読み通すこととなりました。

終盤、渡老人が今際の際に発した自らの出自に当惑させられたり。そう、日本人って単一の民族ではないのだ、とあらためて思い至る。あたしゃ、そんな風に解釈するけどね。
(2005年記)

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2014年07月12日

Posted by ブクログ

これを読んでいると、作中の197X年も現在も大災害に対する反応って、あまり変わりないなという気がした。
このようなことにならないことを祈るのみ。
てか第一部!?続きがあるとは知らなかった…

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2021年12月29日

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