【感想・ネタバレ】身体知―カラダをちゃんと使うと幸せがやってくるのレビュー

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Posted by ブクログ

内田先生と「オニババ化する女たち」の著書で何年か前に物議を巻き起こした⁉︎三砂ちづる先生の対談集です。
内田先生は日本古来の武道の心得と主夫体験から、三砂先生はお産の体験の重要性を説く立場からお二人とも、身体を通して得られる知性、知恵を語ってくれます。これまでのお二人の意図する考えが随所に出てきます
その中でも‥人間関係で傷つくのは、生命力を奪ってしまうようなタイプの人がそばにいるからとか自分の人間的成長を大事にしていない人、自分を解決できていない人は地位があって仕事をしていても人間として尊敬されない。‥歳の取り方が下手になってきた。無惨な老人が増えている。「枯れ方」がわからない。‥など思い当たるような言葉が満載でうなずきながら読みました。

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2015年06月20日

Posted by ブクログ

はぁ、内田樹はよいですね。
身体感覚に興味があり、読みました。
「オニババ化する女たち」三砂さんと内田樹さんの対談。女性の性・出産を軸に、身体感覚と個人の生き方、社会、組織のあり方についての対談。

目からウロコ。
▼コミュニケーションと身体感覚について。
余白、ノイズ、それを感じる、受け止める、待つ感性。

ビジネスの現場では、費用対効果(費用は時間的コスト)を考えて、「結論から先に、論点をまとめて、決めない会議は必要ない」などと言われたりするもの。
それを否定はしないし、チームのメンバーがそうした配慮をすることはお互いの時間と、仕事の先にあるお客さんを大切にすることになる。

なんでもシステマチックにいかない部分、余白の部分が必要で、それが、身体感覚でわかる部分なのだと思った。
赤ちゃんが発達する過程において、「身体があらわすメッセージと、言葉にするメッセージが一致しているという経験を誰かを相手に感じることができれば、コミュニケーションの力がついてくる。」P168

「コミュニケーション能力が高い人というのは、『何を言っているかわからないメッセージ』であっても、それをちゃんと『聴きとって』『返事ができる』という能力。」「明確なメッセージを送受信するのがコミュニケーション能力ではない。」(P171)

それをしているのは、母性的な関わりと子どもの関係と言っている。これは、組織にも言えるのではないかと思う。これっていいよね、これって大事だね、これが価値だね、やりたくないことだね・・・と、組織の中ではミッション、理念と言葉になっているものがどんなことかと、感じたことの共有。それは、うまく言葉にならないことも、まとまらないこともある。
もやもやとしたこと(ノイズ)から、共感する中で合意形成は生まれ、理念、目標も共有でき、未来を描けるものではないかね。

決めない、結論のない会議、おしゃべり、飲み会が大事ってことなのです。ファシリテーターとなる人、リーダーとなる人は、結論や効果をすぐに求めるのではなく、母性的な関わりが必要ってことですな。

個別支援の仕事やファシリテータにとって、母性、待つという姿勢、ノイズから感じ取ることはとても大切な能力ではないかと思う。

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2014年03月30日

Posted by ブクログ

読んでて、これは違うな、とか、これは腹立つな、とかもありましたが、総じて興味深い内容でした。
身体知を大事にするところなどは、よくよく共感。
あと、社会内での役割についても、これまでずっと考えていたことが、おかげで少し言葉になりそうな気がした。今の日本の社会は、ドロップアウトすることを極端に嫌うから、余計に一度どこかでラインを降りてしまうと行き場がなくなるのかも知れない。

親子関係のところは特に面白い。
自分の家庭が機能不全だった時期があるからか、色々と考えされられた。
父母の役割は、いわゆるジェンダーに依るものではなく、機能によるなど。

私なりの解釈では、この本は、要するに「定量化して測るべきものと、定量化せずに曖昧糢糊として測った方が良いものとがある」ということを言いたいのではないかなと思った。
「こうあるべき」「こうするべき」と思い迷い振り回されるのではなく、「こうしてみたらこうなった」「ああしてみたらああなった」のように試行錯誤で、計画性と偶発性をうまくバランスを取りながら生きてけということなのだろうか。

時間が経ってから再読すると面白そうな本である。



完全なる余談だけど、一つの本を取っても、皆、作者の言いたいことを知るよりも、”自分が考えていたけれど言葉になっていなかったこと”を本を通じて汲み取るものなのかもしれない。

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2012年05月14日

Posted by ブクログ

体はなんでも知っている、直感に従おう、頭でばかり考えないで直感を磨こう、というような本。

いいから黙って結婚しなさい、そして黙って子供を産みなさい、子育ての間は細々と仕事して、早く子育てを終えたらまたバリバリ働けばいい、というようなお話を、民話やらなんかで裏づけしながら話す対談集でした。
結婚は誰としたって結局同じだ、とか、批判を浴びそうなこともたくさん書いてあったけど、面白かった。私も割りとそう思う(夫よ、ごめん)。

内田先生は男性なのに、父子家庭で子育ての時期は仕事は細々とつないでいたそうな。こんな男性は珍しいよね。子育てガッツリしてたからこその感性というのもあるのだろうなーと思った。

あとはルーティンな毎日の大切さ、とか。共感できた。

一気に読むと疲れてしまって、割と時間が読むのにかかった。なぜだろう。

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2012年04月13日

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ネタバレ

なにかを学び始めてすぐは、「見えなかった」ものがすこしでも「見えた」、ということに興奮して、
じつはまだ「見えてないものもある」ってことには文字通り目を向けなくなりがちです。
ですから、別の視点を切り開くために、
内田樹の意見は定期的にチェックするようにしています。

この本でも、脳科学の発達とともに、否定されたわけじゃないけどなんとなく目を向けられなくなってしまった「脳以外の身体の感覚」に着目しています。
そのうち話はしぜんと人間の歴史や文化にとび、
ふるくなったものにもかわらず真理がある、ということを感じさせられます。

論理的にはっきりわかるものとおなじくらい、あいまいなものも大切にすべき、というこの人のスタンスはとても好きです。

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2011年11月16日

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理解するのに難しいところもあったけど、いろいろなことを察知する身体能力の大切さをあらためて認識できた。1番いいな、と思ったところは定点で見守る人、の話で「自分に与えられた場所からあまり動かないで、そこできちんと仕事をするという「分をわきまえる」というあり方って、すごく大事だと思う」「「私は」役割があるからやらせてもらってるだけです」というところ。

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2011年05月29日

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体育会系なオジサンと、女性の生活や出産などに詳しいオバサンが対談しているんだけど、ウンウンと頷ける所もあれば、ウ〜ンと思う所もあるけど、全体的に勉強になるところが多い著書。黙って結婚しろ!と言う三沙氏。早く結婚して子供を生んで、40くらいでキャリア積めばいいらしい。そして、結婚に向いた男は早く片付いてしまうので、早めに結婚した方が良い男に恵まれるとも。まぁワタシはサッサと結婚したが、子供には最近まで恵まれず、やっと40代で妊娠出産育児に突入した。いろいろ考えて今で良かったと思う。仕事に結婚にとうじうじ悩むくらいなら、とっとと結婚して子供を産んだ方が良いかもしれないね。やはり、40代の育児はかなり大変だから…体力無いわ、キャリアも登り詰めた所だわ、そして頼りになる親も高齢で使い物にならぬ…でも今時代、女性が40歳から職でキャリアを積み始めるのは並大抵の事ではない。それにとっとと結婚して子供を産んでも離婚と言う場合もある。そうなると、早々と誰でも良いから結婚しろとは言えないかも。離婚しなくて良い男の子供をじっくり育てたいと女は思うだろう。子供の経済援助を100%国が面倒見てくれないと無理だわ。それに離婚すると日本は単独親権なので、子供を巡っての争いも多い。片親なので、養育費の支払いも滞りがちで経済的にも苦しくなる。共同親権に法律を変えなきゃ、安心して早期結婚をお勧めできないかな!日本は結婚に不利な法律がいっぱい有るから、キャリアな女性が多くなった今、結婚率も下がる一方なのよね…その辺も考慮すると、夢のような話しが多い著書かな?まぁでも、明るい未来になるにはどうすれば成れば良いのか?と言う事を知るには良い本です。

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2011年06月24日

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個人的にとても納得できることが書いてあった。

特に、《コミュニケーション能力が高いというのは、理路整然とした明確なメッセージを送受信することじゃなくて、「理解できない言葉」に対して耳を塞ぐとかノイズとして切り捨てるということはしないで受け止める、他者が発する「ノイズ」を「声」に変換して聴き取る強引な力業》だということに、涙が出るほど納得した。

閉じない家の在り方とか、昔ながらのお産についてとか、異質なものに直面したときの対応とか、親になるまえに考えておくべきことだろうと思う。
東京に住んでるけど、わたしは沖縄の人みたいな出産観を持ってる。
多分それは歓ぶべきことなんだろうな。

将来職業として何になるかと同じような感じでこういう話もできたらいいのにな。

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2010年12月02日

Posted by ブクログ

子供を育てるというのは、「世の中思いどおりにならない」ということを骨の髄まで味わうということですからね(内田)

ポルトガル語で「マオ・レゾルビーダ」という言葉があります。英語で無理やり言うと、badly resolvedとでもいうのでしょうか。ある地位を得て、ひとかどの人間のように思われているけれども、実際には、自分の個人的な生活とか人間的成長を大事にしていない人、自分ではそういうことを解決したと思っているけれども、本質的には何も解決してない人のことをさすんです。(三砂)

評価コストって、けっこう深刻なシステム問題なんですよ。精密な評価をするということが自己目的化すると組織の中の人間は活気を失って、消耗していくんです。エビデンスもアセスメントもいいんですけれども、人間は有限なリソースしか持っていないということをwすれちゃいけない。大切なのは精密な査定にどこまでコストを使えば「勘定が合う」のかということなんです。査定のための負荷で本来の仕事に回すべきリソースが食われるというのは本末転倒なんです。(内田)

「妥協」と「許容」って、違うでしょう。自分と違うものが自分の世界に入ってきた時に「そういうものもありか」と思って自分の範囲を広げて応援するのは「許容」であって「妥協」じゃない。(略)異質のものを受け入れることが人間の自然だと言うことがわかっていない。それが人間にとってある種の尽きせぬ快楽であることがわかっていない。(内田)

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2019年10月07日

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早く結婚しろ、と言うのはいい男から順番に売れていくから、と内田氏。
どんな女の子とでもそこそこハッピーになれる才能がある、こだわり、好き嫌いがない、硬直したイデオロギーがない、そんな人がいい夫、と。
そういう人が好みかは別として、売れ残っていくのは確か。お互いに。

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2013年12月15日

Posted by ブクログ

 買った後帯び見て愕然。

 「いいから黙って結婚しなさい」

 耳の痛い言葉で。

 別れちゃってごめんなさい。

 鬼婆予備軍でごめんなさい。

 未来に希望が持てなくってごめんなさい。


 別れたときに、私はこれで一生結婚しない可能性がとてつもなく増えたと思いました。

 それは絶望的な感覚ではないのです。

 わたしにはまだ、身が滅ぼされるような孤独と言うものが
 よく分かっていないのかもしれません。


 元彼は、いい男です。
 絶対に私のことを否定しません。
 「別れてくれ」と言っても否定しないくらいですから。

 今後この人と一緒になったとき、私はこの人となら生活できるだろうなぁと思いました。そんな人今までいませんでした。

 でも、結婚とかそういうのがちらついたときに、

 子供が生まれたらとかそういうの考えてみたときに、


 わたし、パパにならんと育てられんわ。と言うような確信がありました。っていうか6年間付き合ってみてたどり着いた結論でした。


 規律も、社会的なルールも、倫理観も、
 およそ彼も持っているのでしょうが、
 絶対にこいつは子供が出来てもそういうこと言わないだろうな、

 「あなたについていく」
 「あなたの言うことは正しい」

 そういってやり過ごすのだろうなと。

 ある意味とても楽で、死ぬほどしんどい。
 

 あらゆることを否定しないけれど、
 自分で絶対責任を取らない男。


 わたしはきっと多分5年くらいはそのことに頭を悩ませていたのだと思う。


 その結果が、今なのだと思う。

 彼はいつだって、
 「ほら、行くよ!」って

 私が手を差し伸べるのを待っていた。

 「よし、結婚するよ!」
 「子ども作るよ!」
 「子ども育てるんだから、私の指針に従ってよね!」


 
 6年間で、彼の変わったところと、変わらないところを考えて、
 しんどさばかりが積み重なって

 それが一生続くのだろうと思うと、

 一気に心が疲弊して言った。


 なんでも肯定してくれる男は楽だが、

 責任を取るべきところや、自分が介入してこなければものごとがすすまないであろうことから、

 うまく逃れようとする態度は


 とても疲れる。

 わたしは、それでも彼といるべきだったのか。

 分からない。

 私の下した決断が

 間違っていなかったと思えるように

 私は今出来ることをきちんと一つ一つ

 行って生きたい。

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2013年10月15日

Posted by ブクログ

内田センセイのおっしゃってることはだいたいいつもと同じです。
対談本なので相手によって、少しずつ切り口が変わるのが面白いです。
今回は女性問題に詳しい疫学の先生がお相手。

コミュニケーション論がとても参考になりました。

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2013年02月11日

Posted by ブクログ

〝オニババ〟なんてレッテルの考案者が絡んでいるからと、身構えて読み始めたけれど、予想よりうんとおもしろく、考えさせられること多々。でも、〝オニババ〟本はやっぱり読まないね。

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2011年09月23日

Posted by ブクログ

うーん。バックラッシュととらえるか、身体を取り戻すと捕らえるかによって評価は分かれると思う。私の立ち位置は微妙。でも、女という生物はこうで、男という生物はこういう役割だから、それに逆らうと・・・・。みたいなことをいわれても、もう頭が困っちゃう。頭を捨てるしかないのか。。

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2011年09月03日

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