【感想・ネタバレ】運命の人(一)のレビュー

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真実をいつまでも国民から隠そうとする外務省の役人達へは嫌悪感しかない。もちろん、外交交渉を成功させるためには時には秘密裏に物事をすすめる必要もあろう。沖縄密約についても、秘密裏にすすめたからこそ交渉が成立し、返還が実現した、オープンにやっていたらいつまでも実現しなかった、というのが外務省の言い分であろう。であったとしとも、やはり、アメリカのように、一定期間後はちゃんと外交資料を国民に開示し、その時の外務省の判断が妥当であったかを検証できるようにすべきである。

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2023年06月16日

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「西山事件」をもとに書かれた作品です。山崎さんの作品はどれを手にとっても非常に勉強になります。日本のこと、日本人のことを知らなさ過ぎる自分には刺激的なものばかりです。この「運命の人」もそんな感じを受けました。

新聞記者の主人公が公文書、とくに極秘文書を手に入れながら記事を書き、世の中に伝えていく・・・ペンと紙を武器とする人たちの強さが伝わってきました。一方で今も昔も変わらない国民へ明らかにしないお金の使い方や取引など、政治家の裏側にイライラする気持ちが起こりました。

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2021年09月03日

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良かった!の一言。
続きが楽しみ。
山崎豊子の本は、他の作品も知らなかった歴史や職業を知る事が出来、夢中で最後まで読めてしまう。

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2020年09月11日

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ネタバレ

実話をもとにした小説。沖縄返還時に、米国が支払うことになっていた地権者への土地原状回復費400万ドルを、日本が肩代わりするという密約外交文書を、新聞記者が国家議員に漏えいした事件。第一巻は政治部敏腕記者である主人公の漏えいが発覚し、警察に拘留されるまで。ここから先、最高裁判決が出るまで法廷闘争が続くのか。結構きつい内容です。
そういえば、ドラマにもなっていたのですね。見てはいませんが。

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2013年02月24日

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(一巻から四巻まで合わせたレビューです。)

大好きな山崎さんの(もしかすると最後になるかもしれない)長編小説。

沖縄返還時の機密文書漏洩事件(西山事件)をテーマに、
相変わらずの取材力&構成力で読者をぐいぐい引っ張っていきます。

この分野は完全に無知でしたが、小説を通じて、
昔の自民党の政治のやり方を目にすることができました。
主人公の機密文書を入手した手段は、
倫理的によい方法だとは言えませんが、
それ以上に、臭いものに蓋をする昔の自民党の政治家や官僚にも、
沖縄の人たちだけでなく、日本人全員が
もっと憤りを感じるべきなんでしょう。
現在も普天間基地移設問題で民主党が揺れていますが、
少しばかり当事者意識を持って
この問題を受け止めれるようになった気がします。

山崎さん、もう一冊書いて欲しいなぁ。。

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2021年06月24日

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ネタバレ

膨大な資料や取材から濃密な作品を作り上げる山崎さんの作品、本作は、いわゆる『外務省漏洩事件』『西山事件』が題材です。

文庫本は四巻分あり、全般は記者弓成の三十余年に渡る紆余曲折を描きます。

・・・
第一巻では特ダネ記者としてぶいぶい言わせる弓成が、外交官や政治家に食い込み、情報を取ってくる様子をビビッドに描写しています。

空気はひとことで言えば『昭和』。仕事は朝から晩まで。取材先には夜討ち朝駆け、酒とたばこは必需品。そして奥様の定位置は家庭。
そうした雰囲気のなかグレーな取材攻勢で外務省の女性事務員三木から情報を取った弓成ですが、政府の動きに対し義憤を感じたことから別ルートで当該情報をリークしたところ、取材元がばれる事態となり、刑事事件へと発展していく。

沖縄返還問題についての米国と日本の政府の在り方。こうした政治・国益等の問題を浮かび上がらせる一方、弓成と三木との関係、弓成の妻の葛藤、弓成と仕事上の関係者の変化など、ドラマに富み、面白く読める。

令和の現代からすると前時代的な雰囲気ながら、政治・歴史・ジャーナリズム等に関心のかる方にはお勧めできる作品であると思います。

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2023年08月06日

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第一巻では新聞記者が沖縄返還に関する外交上の機密情報を漏洩した罪で逮捕され、この第二巻では、この裁判が行われる。
どうやって機密情報を入手したかがミソ。
やっぱり、この主人公は好きになれない。
感情移入できないです。

けど、実際にあった事件を、ここまでドラマチックに書く山崎豊子は流石。
三巻、四巻、まだ入手してないんだよなぁ。
ってか、もう発売されたんだろうか?
買って来なきゃ。

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2023年05月01日

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昭和46年、大詰めを迎えた沖縄返還交渉。
毎朝新聞政治部・弓成亮太はある密約があることに気づく…

熾烈なスクープ合戦が繰り広げられるなか、外務省の機密文書を手に入れた弓成はある一手を打つ…

弓成はどうなるのか…

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2023年01月22日

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初めて読む、山崎豊子さんの作品。

文体に良い意味で女性らしさがなく、作品の内容に合っています。
沖縄返還協定を巡る政治家の交渉、それに纏わる疑惑を追う新聞記者・弓成を主人公に現代に通じる政治の裏側、巧みながらも誉められるべきではない政治家の手法が描かれています。

1巻は、外務省から漏れた機密文書の存在が明るみに出たところで終了。
続きが楽しみです。

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2022年10月17日

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後藤田正晴氏を尊敬していて、西山事件をその縁で知り、興味を持って読んでみた。なので、登場人物の中では十時推しです。
描かれた時代は自分が生まれるよりもさらに昔のことで、当時の雰囲気は分からないが、同じ日本であるのに沖縄に対して多くの人がどこか他人事だったんじゃないか。だから知る権利が男女の痴情のもつれに矮小化された時に世間の見方の潮目が変わってしまったんじゃないかと感じた。
時代が変わっても大衆の本質はそれほど変わらないのかもしれず、自戒を込めつつ読んだ。

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2022年03月16日

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 平成21年、第63回毎日出版文化賞特別賞を受賞した巨編小説。文庫では全4巻。
 戦後の沖縄返還を巡る密約の内実について描かれている。
 ジャーナリストにとって、如何にしてスクープをモノにできるかは人生を左右する大きなことである。しかし、そのスクープがあまりに大きすぎる場合は、どう公にするのかの判断が問われる。公開すると基本である情報源の秘匿が守り通せない。しかし、公開しないと国民に真実を知らしめることができない。
 そしてそれがどのような形であれ公開されてしまうと、一気に歯車が動き出す。今回はそれが政府にとって不都合なものであった。その情報源について政府は記者の逮捕に踏み切り、全力で潰しにかかる。戦後史を彩る、国家権力vsジャーナリズム。

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2021年03月28日

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綿密な調査をもとにしたリアリティの高い作者ならではの作品。新聞記者を主人公にどう展開してゆくのか楽しみ。そして、運命の人とは。

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2021年01月03日

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全4巻通してのレビュー

毎朝新聞政治記者、弓成亮太。
政治家・官僚に食い込む力は天下一品、自他共に認める特ダネ記者だ。昭和46年春、大詰めを迎えた沖縄返還交渉の取材中、弓成はある密約が結ばれようとしていることに気づいた。
熾烈なスクープ合戦の中、確証を求める弓成に、蠱惑的な女性の影が……。

読み進めていくうちに、久しぶりに胃がキリキリした。
裁判に向けた準備や法廷でのシーンは特に圧巻。
国家権力のあり方、外務省の伏魔殿ぶり、個人のあり方…どれもこれも、いつの世も変わらないものである。
最も本質的なことが隠し立てされ、最も多くの被害を被った方々がいつまでも救われない世の中。


山崎豊子氏の作品は重厚感と臨場感が深く、読み応えがある。
「この作品は事実を取材し、小説的に構築したフィクションである」と冒頭にあるが、事実は限りなく小説に近いのではないだろうか。

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2020年09月25日

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力を持った期待と憤懣が空高く飛び上がり、急襲する。

(以下抜粋)
○日々、国政を国民に伝達するーー、それは新聞社にしか出来ない事であり、それ故に新聞記者は常に勉強し、政治家、官僚と対等にわたり合える優秀な人材であらねばならないというのが、弓成の信条であった。(P.19)

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2020年01月01日

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1971年の沖縄返還協定に関する機密情報が漏洩した西山事件がモデル。まだ1冊目なのでとりあえず星4つ。

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2018年06月24日

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長編四巻の第1冊目。
凄腕新聞記者である弓成の仕事っぷりと、新聞記者と政治家との関係に驚きながらもこういう世界なのか…と読み進めていました。
そして弓成が掴んだ「沖縄返還にまつわる密約」と失敗。
そこからは怒涛の展開でした。
大きな権力って怖い。
何てことだ…というところで二巻へ続く。

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2016年03月26日

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今まで辺野古の話題は他人事だった。他に選択肢がないので辺野古移転はやむなしと思っていた。長い間耐え抜いてきて未だ続いている沖縄の苦痛を分かっていなかった。報道は何故正確な情報を伝えないのか。その事実を盾にアメリカ返還の交渉しないのか。
運命の人の圧巻は第4巻に集約されている。第1巻の単調ぶりに山崎登代子の衰えを感じたが、最後には取材の鬼の姿を見せつけられた。

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2015年12月11日

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沖縄返還の際、日米の首脳の間に不透明な約束があった。外交機密文書を手にした敏腕記者の弓成が野党の国会議員に手渡したことで、揺れ動く人々の様を描く さもありなんと思う

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2015年12月05日

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沖縄返還の裏でアメリカとの間で秘密裏に行われた取引を暴く記者が政治家の怒りをかい、貶められていく。こんな事実があった事すら知らなかったのが幸いし、この後の展開がとても気になり楽しく読み進められる。やはりノンフィクションものは緊張感が違います。
作者の取材力、書くことに対する使命感のようなものが伝わる
長編だが、読み始めたら止まりませんね。この章の最後、主人公のまさかの…に驚嘆します。

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2015年09月30日

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ネタバレ

政治に疎く、以前挫折したもの。再読。
・・・めっちゃ面白いやないか。
時間はかかるけど、読み解けるようになった感じがするのは大人になった証拠かしら。

機密文書を巡り、幾人かの人生が狂い出す1巻。
自信に満ちていて、類い稀なる資質も兼ね備えた弓成亮太は魅力的だが向かうところ敵多し。
新聞って、国民の知る権利のためにあるとばかり思っていた。
国政にメディア操作は欠かせない要素で、記者たちはどちらかというと国民のほうより政治家を向いて仕事をしてるような印象を受けた。安倍さんなんかはその操作がほんと上手なんだろうなあ。
しかしこんな人たちを相手に、抜いた抜かれたとまさに生き馬の目を抜くような仕事をするなんてハートの小さなわたしには考えられない。。
もう機密文書が流出してから胃が痛くて仕方なかった。
でもなんであんな簡単に渡しちゃったんだろうね。軽率すぎ。

「運命の人」のタイトルの意味はーー
弓成逮捕の裏側になにがあるのかーー
一気読み必至やーーん!

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2015年05月28日

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ネタバレ

ドラマを先に観ていたから、わたしの中で、主人公で敏腕新聞記者の弓成はもっくんでその妻が松たか子。外務省事務官の三木昭子は真木よう子でその夫が原田泰三。
時代は1971年。沖縄返還交渉を背景とした西山事件がベースになっています。政治、警察、司法などの国家権力と報道の関係、沖縄返還時の不平等な密約など、問題は今日のマスコミのありかたや、辺野古でおこなわれていることに至るわけです。
全4巻の最初の1巻は、弓成逮捕まで。

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2015年03月31日

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第1巻は、沖縄返還の外交交渉を新聞記者の視点から俯瞰。

当時の自民党内の派閥政治のパワーバランスが書かれており、興味深い。

昭和時代の東京の風景が脳裏に浮かぶ。

主人公の新聞記者「弓成」と外務省事務員「三木」の間に何があったかは詳述がされず、読者の想像に任される形となっている。

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2014年05月27日

Posted by ブクログ

交渉上の機密と報道による軌道修正、いずれの機能も必要ではあるが、両立させるためには信用と不信用のバランスか。それ以上の仕組みはないのか。

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2014年02月15日

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特定秘密保護法案に触発されて。知る権利と秘密保護法の対立。バランスは難しいが、しかし、メディアすら公平ではないという真理。

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2013年12月20日

Posted by ブクログ

特定秘密保護法案が審議されている今、国民の知る権利を考えるうえで、この作品を読むことは、タイムリーではないか。

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2013年12月05日

Posted by ブクログ

後半まで最高だったか逃走してからの失速感が凄い。
ジョジョリオンか!みたいな。だって山豊ですよ?
そこまではそらもう凄げくおもそろかったです。

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2013年04月17日

Posted by ブクログ

新聞記者弓長は政治家、官僚と巧みな人脈を持つ敏腕記者。沖縄返還交渉の取材中密約に関わる文書漏洩疑惑により告発されてしまう。
山崎豊子さんの作品としては1冊づつのボリュームが少なめで読みやすい。

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2023年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新聞記者が外務省とアメリカの密約を知り、野党議員に情報を明かして、追及してもらうが、それが原因で逮捕起訴されてしまう。その背後には…という話。最近モデルとなった人が亡くなったことで本作を知った。ドラマチックな話ではあるが、主人公がどうしても好きになれず。

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2023年06月26日

Posted by ブクログ

山崎豊子さんならではの、どこまでが事実でどこまでがフィクションなのか分からなくなる。

しかし女はやはり弱いのか。

いやそんなことはない。彼の妻は強かった、立派だった。
郵政省疑惑で冤罪となった女性も本当に立派だった。


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2020年01月11日

Posted by ブクログ

新聞記者として、国民に真実を伝えたいと情報が飛び交う紙面。
沖縄返還交渉の取材中、大きなスクープを得るも、簡単には表沙汰に出来ない事態に。
しかし、その情報が思いもよらぬ展開となる。

2013.6.2

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2013年06月02日

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