【感想・ネタバレ】雑草学研究室の踏まれたら立ち上がらない面々のレビュー

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Posted by ブクログ

「雑草魂」
雑草のように、踏まれても、厳しい環境にあっても立ち上がる、不屈の精神を指す。

ところが、雑草の研究者である著者によると、
雑草は、踏まれたら、すぐには立ち上がらず、
種を温存して、時期が来てから立ち上がる。
雑草の種類によって、種のつけ方が違うように、
種の多様性は、居場所の多様性。
「人間も生き物だから、できるだけ多様性を保って、ばらつこうとする。」
様々な学生の性格に寄り添って、暖かい指導で、
ザッソウケンがとても楽しそう。

フリースクールの子供達のように、
学校に居場所がなくても、違う場所で立派に立ち上がっていく力を秘めている。

雑草=邪魔な草、
邪魔になるかは人によって違い、
人が勝手に分類しているだけ。

全ての生き物が微生物によって、土が作られる。
1センチの土がおよそ100年~400年を要するなんて、凄い壮大!

Z世代の生きづらい若者たちに、
「頑張らないことを、頑張ること」
そんなエールを送ってくれる。

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2024年01月19日

Posted by ブクログ

ユーモアもあって、とっても面白い。
これから大学に入る高校生とかにもおすすめしたい。

よく、雑草は踏まれても踏まれても立ち上がるというけれど、実は、そうでもなくて、雑草は、倒れたまま、一番重要なことのためにエネルギーを取っておくらしい。
雑草は、種子のまま環境が整うまで待っていて、無理して芽を出さない。

なんか、涙が出そうになった。

他の章も面白くて、雑草と、それを研究する学生とのやりとりが面白い。ああ、研究って、雑草って面白そうだな、そう思わされた。
身近な雑草が、今までとは違って感じられる。早速、裏庭の雑草を抜きに行きたくなる。
最後の方に、「まだまだ書き足りないことがあるけれど、それは続編のお話にすることにしよう。続編がありますとはまだ誰からも言われていないが‥‥‥。」とあるが、続編を切望します。

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2023年12月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あなたはまだ雑草を知らない。

雑草をテーマとする研究室の教授が、学生たちの研究を小説形式で紹介。ちいかわ、ジブリ、ワッフルさん、Z世代と縦横無尽な「雑草」研究の世界へようこそ!

タイトルに惹かれて手に取った。冒頭のとっつきやすい小説のような会話文で一気に引き込まれて読み切った。そのタイトルに関連する7章の鳥海さんの気付きは印象的である。「置かれた場所で芽を出さない」ことも大事。雑草は踏まれても立ち上がらない。雑草魂は、踏まれても立ち上がらずにタネを残す方向にエネルギーを使う強かさなのである。

他にもナウシカの農業について語られる章では、雑草にとっての1000年が「少し先」であること、それを「平家のかくれ里」の言い伝えに関する研究と繋げていくところに壮大な物語を感じた。理屈がわからずとも伝わってきた知恵と、1000年変わらずにある植物のロマンは大変興味深い。

雑草で探究的な授業を考える学生との、校庭の雑草の研究の様子を語る章は、わくわくする授業のアイデアが次々と湧いてくる先生たちの姿に微笑ましいものを感じつつ、今はなかなか見られない雑草が校庭に残ることを面白いと思った。自分もすぐ何か面白いことを授業に結びつけようとするから多分これは教師の職業病である。しかし学会発表で出てきた意見で、著者と同じようにハッとする。お勉強にせず、ただワクワクするだけでいいのだ。

雑草のように様々な個性を持ち、それぞれの強みでそれぞれのペースで研究を進める学生たちのエピソードをまた読みたい。そして明日は道端の雑草に注目してみよう。何か面白いことが見つかりそうだ。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

 世の中は「答えのない問題を自分で作り、答えのない問題を解く」その連続だ(P.188)、と著者の稲垣先生は記している。
 ある意味で未知への挑戦である(P.188)、と言い、学生と同じ目線で雑草と向き合う姿勢は、違う分野に置き換えて考えることもできる。
 雑草について知ると同時に、考えて生きることを改めて感じた。

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2024年01月22日

Posted by ブクログ

稲垣先生の学生さんへの眼差しが伝わってきてとても素敵な本だった。

そして、思いがけず倉貫さんのザッソウが取り上げられていてびっくり。倉貫さん、稲垣先生と知己なのですね。

自分も農学部出身で、学生の時に雑草学という講義を取ったのも思い出した。確か、その年に定年退官される教授の最後の講義でもあった。最終日に先生と記念撮影したなぁ。懐かしい。

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2023年11月11日

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