【感想・ネタバレ】血も涙もある(新潮文庫)のレビュー

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Posted by ブクログ

そもそも。今から〇十年前、絵のない物語の醍醐味を知るきっかけになったのも、こちらの著者でしたから。
いや~。流石っす‼ポンちゃん‼
あれから、年月が経ち。
これまで読んできた彼女の小説に登場した女性たちが綴っていた想いも、多少なりとも経験した上で、今この本を読んで良かったと思えた一冊でした。

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2024年02月23日

Posted by ブクログ

久しぶりに小説を一気読み。
高校生の時から山田詠美大好き。
そして40を超えたからこそ読み応えがあったこの小説。登場人物の3人ともに、わかるよその気持ち、となった。

若い頃はモモのような女性に憧れたけど、今は喜久江のような女性に惹かれる。そしてそんな2人に心底愛されている太郎はうだつが上がらなくて、小心者で、自分は何者でもないのに喜久江からもモモからも愛されることをなんの疑いもなく享受している図々しい男!でも言い表せないオスとしての魅力があるんだろう、詠美先生の作品の中の登場人物だから。

これを映画化したらだれが太郎を演じてくれるのかなー、と頭をよぎった。
大泉洋がもう少しだらしない体になったようなイメージ。笑

最近自己啓発本と実務書ばかり読んできたけど、こういう洒落たやりとりが楽しめる詠美先生の他の作品も読みたいと思った。

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2023年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「私のことだま漂流記」を読んで、
これまで読んだことのなかった山田詠美作品を読みたくなった。

個人的には表紙が好き。タイトルも。
料理と恋愛(不倫?)という、似てないようで似ているところがある。上手いなぁ。
不倫に興味はないし、否定派だけど、
3人とも応援したくなる。
みんなそれぞれの本音があるよね。当人にしかわからない。幸せになってほしいと思いながら読む。

月が綺麗ですね。なんて、ベタだけど、好き。
似合ってる。

他の作品も読みたくなった。

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2023年10月04日

Posted by ブクログ

普段小説を読む時は情景が映像として頭の中に想像できるけど、本書は文章のスピード感が早過ぎて、、、言葉そのものとしてスッと入ってきました。恋人、妻、夫の3人から話をそれぞれ聞いているような錯覚に陥るくらい。

山田詠美さんは人生において“たいせつなもの”を教えてくれる。さすが、山田詠美さんな一冊でした

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2023年09月22日

Posted by ブクログ

久しぶりに読んだ山田詠美氏の作品。
言葉の表現の端々から、独特な響きが溢れて来る。
やはり私は作者の作品が好きだと思った。

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2023年09月14日

Posted by ブクログ

不倫を扱った小説なので、人間関係における泥臭い部分が見えると期待していましたが、予想以上のものを見れたと思います。三角関係にあるそれぞれの主観が各章で見れるため、面白いですし、何よりユーモアが溢れていると思いました。
桃子の考え方や会話の返しなどが非常に面白く、解像度の高い描写が多く、予想外の所で楽しませて頂きました。

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2024年03月26日

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不倫の三角形を形作る、愛人・妻・夫それぞれの視点からの日記風な文章で構成される小説。不倫もののドロドロや、どうなるんだろう?というハラハラ感で引っ張るお話ではなく、なんだか哲学的でエッセイっぽい淡々とした雰囲気の物語。

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2024年01月07日

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「私の趣味は人の夫を寝とることです。」の一言から始まる本作。
少し皮肉めいて、でも、仕方ないと言わんばかりの開き直り方でそう語る主人公の一人がとても魅力的に思えた。

私は器用ではないので浮気はしたことがないが、自分の気持ちに素直に行動できるのが羨ましいと思った。

同時に、「寝取られる側」にもプライドや意志があることも印象的だった。
浮気されても最後に帰ってくれればいいという覚悟。
そうやって我慢するのは癪だなと思うから、私の恋愛は長続きしないんだなと悟った。けど癪には変わりなくてもやもやした。

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2023年09月26日

Posted by ブクログ

大の山田詠美好きとしては最高の作品。というかエイミー語録として最高。

山田詠美の言い回し、比喩といった言葉の使い方が堪能出来る。もちろん内容もエイミーらしく爽やかでねちっこい。

今の時代、社会の倫理観に反することをすれば第三者からも責められてしまうけれど、男女の関係は男女の数だけ正解があるんだから、知らないやつは黙ってな、というエールだと受け取った。

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2023年09月25日

Posted by ブクログ

読み始めは、これあんまり好きじゃないかも…と思ってたが、さすが山田詠美先生という感じ。あんまり書くとネタバレになるから言わないけど、非常によかった…

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2023年09月18日

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山田詠美さんの作品はたしかもう10年以上前に読んだことがあるような気がする。
内容もほとんど覚えていないけれどこの独特な文章はぼんやりと記憶にある。新しいのにちょっと古い小説を読んでいるようだった。

不倫関係の2人とそれを眺める妻、3者の視点からユーモアを交えつつも淡々と語られる。話は展開して行くが、よくあるストーリーならポイントとなる出来事も淡々と語られて、全体としてはずっと穏やかさを保ったままとくに盛り上がることもなく終わりを向かえる。

3人はそれぞれとても人間らしかった。
それぞれ自分の信念に基づいて生きていた。自分らしく生きていた。でも気づけばキャラクターを背負っていた。すべて含めてそれぞれがとても人間らしかった。

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2024年02月27日

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「私の趣味は人の夫を寝盗ることです」

引き込まれる文頭。
3者の視点で書かれており、文の感じは好きでした。

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2024年02月25日

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ネタバレ

料理研究家の妻とイラストレーターの夫、夫の不倫相手は妻の有能な助手。設定だけ見るとドロドロの三角関係を想像してしまうが、1人の男を取り合う妻と愛人の話では決してない。

桃子は、不倫相手の妻である喜久江を敬愛してやまないし、喜久江も桃子の有能さを認めている。夫とのことを知って心は揺れるが信頼関係は揺るがない。桃子も罪悪感に苛まれる様子はない。

不倫ものでありながら終始軽妙洒脱だし、3人が交互に語る構成は、山田詠美が声色を変えながらしゃべってるように感じるくらい、作者が全面に出ていて、そこも楽しかった。

そして最終的には二人に去られた夫、沢口が実は自分は弱虫なんだと嘆く情けなさ。逆に喜久江には陰ながらずっと彼女を慕っていた男性がいたのだった。

今どきの恋愛小説は、性的マイノリティーとか含めてもはや何でもあり、複雑多様でめまいがしそう。男女の不倫なんて、テーマとしてはありきたりな感があったりもする。でも、この小説は、圧倒的に女性たちが優位であり、勝ち組であるところがとても今っぽいと感じた。

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

久しぶりに山田詠美を読んだ。
この、3人とも憎めない不倫を描けるのは彼女だけかもしれない。

男と女は鍵と鍵穴の関係と言ってたけど、
その表現が好きだなと思った。

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2024年02月09日

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不倫というドロリとした三角関係のはずなのに、軽快で、なんておもしろい人たちなの。
平和な不倫関係ではあるけれど、それが事を余計にややこしくさせていて、だから更におもしろい。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

のっけから仕舞いまで詠美節が炸裂しまくりで、読んでいて大変楽しい小説である。この前に、私が手にした彼女の作品はネグレクトを扱った「つみびと」だったが、それとこれとでは雰囲気が全く異なり、改めてその振り幅の大きさには感心させられるばかりだ。私にとって、軽妙洒脱な文章を書ける人は羨望の的でしかないが、なかでも山田詠美の、ヘビー過ぎず、かと言ってライト過ぎもしない、程良いバランスで成り立つ筆致への憧れは強い

高い人気を誇る料理研究家・喜久江、彼女の夫でイラストレーターの太郎、喜久江の助手且つ太郎の愛人・桃子。章ごとに、この三者が入れ替わり、それぞれの視点を一人称で語っていく構成が良い。フィクションにおける不倫ものの場合、兎角浮気をされる側の影が薄くなりがちだが、本作ではその立場にあたる喜久江の気持ちなどをちゃんと記述しているのが特長だ

料理は言うに及ばず、全てを卒なくこなす喜久江は傍から見れば完璧な妻に近いが、生活を共にする太郎からしてみれば、あまりにパーフェクトな故に却って窮屈さを感じた可能性も考えられる。彼が浮気を繰り返したのも、単に尻が軽い以前に、実はそこに根本の理由があったように思う。そんな太郎には桃子が謂わば砂漠のなかのオアシス的な存在なのだろうが、結局のところは都合のいい相手に他ならない

タイトルに反して、この話には血や涙の流れる修羅場はない。喜久江も桃子も当然ながら心の葛藤はあるものの、それを表に出して事を荒だてる真似はしないのだ。不倫が明るみになった後、ふたりは仕事をするうえで公私混同を避けた実に冷静な対応を取る。その彼女らに較べると、太郎はいかにも甘やかされた子供みたいで、いずれは桃子も愛想が尽きて彼のそばを離れていく気がする

倫ならぬ恋を描いた小説を評するのに「愉快」という言葉が適切かはわからないが、読み終えて本を閉じるのが惜しいほどに面白い一作だった

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2023年12月23日

Posted by ブクログ

まずタイトルに惹かれた。『血も涙もある』どういうことだろう?加えて意味深なカバー。よく見ると不気味なのだがそれよりもあらすじが気になり手に取った。そして、主人公が同世代の35歳の女性。これは読みたい!
山田詠美さんってどんな作風だっけ?というほど私にとってご無沙汰の作家さん。
登場人物は、料理研究家の沢口喜久江、夫の太郎、その不倫相手で沢口の助手を務める和泉桃子。章ごとに語り手が変わる。喜久江を尊敬し、太郎と不倫関係にあることとそれとは別次元の話であると考える桃子、夫の不倫を知りながら受け入れる喜久江、不倫をしながら妻を愛していると語る太郎。思考や言葉遣いが独特だが、ある種現代風で、読みやすい。誰かに共感できるわけではないが、こんな人もいるんだな、という、他人の心を覗きたくなるような心理に駆られてページをめくる手が止まらない。
平松洋子さんによる解説、「本作における料理」についての考察も秀逸なので最後まで読んでほしい。

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2023年11月05日

Posted by ブクログ

独特の言葉遣いのモノローグに最初は嫌気がさし、久しぶりに山田詠美の作品を読んだけどこんな感じだったっけ?という印象。
慣れてしまえば読み進められた。

桃子のモノローグ部分はイライラもしたけど共感するところも少しあって、喜久江のモノローグ部分は仕事も家庭も完璧な料理研究家、という自分が作り上げたイメージとは裏腹の心情に共感と哀しみを感じ、太郎のモノローグ部分は腹立つことばかりだった。

結末というより、過程を楽しむ作品なのかも。

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2023年11月01日

Posted by ブクログ

不倫の真っ只中にいる3人の男女の視点切り替え方式が、なんだか法廷に立ったような感じで色々と自分なりの論理や言い分を遠回しにこちらに投げかけてくるようなものを感じて面白かった。
ドロドロしていて、辛い。

同じ女としては、奥さんである料理研究家の先生がどうか報われて欲しいと1ページ1ページずつ捲っていた。悲劇ではない不倫、だとしても、夫である男性はなんとも罪深いとも思える。桃子にしたって。立派な共犯関係であるのだから。
そしてきっと桃子ちゃんはこれからも人の男を何食わぬ顔して掻っ攫って食い尽くすと思うな。誰と居ても。知らんけど。

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2023年09月10日

Posted by ブクログ

起きていることが1つですが、それぞれの目を通すと全く違うものに見えている、ということがあるのだなと思いました。

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2023年09月07日

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