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Posted by ブクログ
おもしろかった!
序盤はなんとなくハマらなかったが、だんだん止まらなくなった。最後の最後にもぞくっとした。
志半ばで命を落とすテロリスト、テロリスト殺害の流れ弾的に死亡する一般人など、人はどんどん殺される。
滝首相はともかく、プロメテウスの乙女たちは、確固たる理想があったわけでもなさそうな子まで立場のせいで暴走していく。
科学的な進歩はあれど第二次世界大戦の頃の日本にも近く、現実に起こるのだって十分にありえる。
こんな国の右傾化は、きっかけさえあればどんどん進んでしまうと思うと恐ろしい。
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20歳以下の女性だけの私設護衛隊、それがプロメテウスの乙女。
武装して、政治体制の規律を取り締まる。
政商の娘が首相から直々に勧誘され、入会する。
爆発物を使った暗殺計画が進行していて、
実はその一味でもある。
赤川次郎作品は、突拍子もないところが、
社会派小説として暗くなりすぎないところかもしれない。
Posted by ブクログ
「プロメテウスの乙女」は、本来なら学校に通い、恋をし、眩しい青春を送っていたであろう少女たちだ。そんな彼女たちも正義の名を借りれば人を殺すことだって厭わない。
そして軍事主義化していく日本に立ち向かう3人の女性テロリスト。これもまたごく普通の、どこにでもいるような社会に不満を持つ女性たちなのである。
それもこれも作中に描かれた歪んだ日本が原因なのだが、あながち夢物語と言えなくもないのではないか。
Posted by ブクログ
プロメテウスの乙女は、17〜20歳の少女たちの集団で、銃で武装し、社会の害虫を排除したり反政府活動を取り締まるというストーリー。過去に読んだ「三毛猫ホームズ」などの赤川作品と打って変わって、シリアスそのものの近未来的サスペンスだった。
ちなみに本書はクーリエジャポン編集長の手紙で薦められていて、気になって読んでみたもの。結局何だったの??と思い返すと、2014年の流行語大賞にもなった「集団的自衛権」から連想されたテーマなのでは。軍国化した10年後の日本の近未来への警告、正義という名のもとに、洗脳が洗脳でなくなってしまう社会。ナチス政権時と違って、プロパガンダの力以上に個々のメディアの存在感が増している今日ではあるけれど、プロメテウスの世界は、人間の本質が変わらない限り、意外と簡単に起こり得ることなのかも知れない。
Posted by ブクログ
独裁国家となった日本で、政府転覆を狙って人間爆弾となった女性、プロメテウスと呼ばれる良家の子女で構成された風紀粛正部隊、政治家達の思惑、普通の幸せを求めて生きる『一般人』。
そして、変わらない世界。
この作者特有の『軽さ』は否めないが、ディストピア作品としてはなかなか読みやすい佳作。
Posted by ブクログ
ダ・ヴィンチ11月号に載っていて、読んでみました。
たくさんのインテリたちが、文字通りの意味あるいは社会的な意味で抹殺されていきますが、音楽家に限っては・・あんな根性あることする人はいないんじゃ?と思いました。理由が決め手に欠けるというか。
あと、人間に火を与えたギリシア神話のプロメテウスから部隊の名前がとられているけれど、プロメテウスの名を冠している理由が知りたかった!
滝首相を娘が殺すことまでを、父・二宮が予想していたとしたら・・それが一番怖いかも。