【感想・ネタバレ】地獄の日本兵―ニューギニア戦線の真相―のレビュー

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Posted by ブクログ

「なぜあれだけ夥しい兵士たちが,戦場に上陸するや補給を絶たれ,飢え死にしなければならなかったのか.その事実こそが検証されねばならなかったのである」(p.177) 死亡要因の大多数(その比率が欲しいが)は ・飢えと悪疫(マラリア・アメーバ赤痢) ・補給兵力・物資の喪失(輸送船の沈没・空襲) 原因は攻勢終末点(兵力・補給の供給可能限界点)を超えて攻勢を行なったため. WW2関連の話は美化して終わりということが多いけれど,そこからの教訓は軍属でなくても知っておくと良いのかもしれないなと.

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2022年07月14日

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太平洋戦争の戦場の現実を知らないで(あるいは知らないふりをして)、靖国、安保条約、改憲(実情は反憲?)問題を議論するのは、机上の空論、歴史に対する侮辱 と思う。
海外で刑に服していた戦犯が日本に帰ってくる(スガモですが)ことができたのは、法廷を開いた宗主国が植民地の独立で主権を失ったから、警察予備隊の創設と旧職業軍人の行動に対して、スガモに収監された戦犯から、抗議の声があがったことなので、初めて知ること多かった。
「自らの行為を敢えてさらしながら、この原稿をまとめる作業をしてきました、「あの戦争は酷かったんですね」という感想で終わることを、深く懸念しているからです。」という一文を、全日本人が受け止めるべきメッセージと感じた。

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2016年11月20日

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戦争の映画は、よく見る方ですが、最近では、日輪の遺産、一枚のハガキをみて感動と言うか、涙がでて、戦争の悲惨さを感じました。ニューギニア戦線の真相を読み、映画では知り得ない戦争の実体、事実を知ることができました。私たちは、戦争の経験はありませんが、歴史の事実を若い方々に伝えていくことは大切な事と思います。日々の生活の中で、戦争で悲惨な死を遂げた御霊に対し哀悼の意を評したいと思います。

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2012年08月20日

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「英霊」などという言葉を軽々しくは使ってはならないですね〜。何百万もの兵士を餓死、病死に追いやったのは軍部の稚拙な作戦のせいだと思います。
そうした軍部の責任がいまだに追及されていません。それが一番の問題だと思います。

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2010年04月08日

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幽霊本 をみたら ある 陸軍跡地に 幽霊が出る 話が書いてあって その部隊っていうのが まさしく ニューギニアで 玉砕 した 部隊だったので その幽霊は いったい どんな姿で 現れるんだろう と 思ったことでした。幽鬼のように やせた姿で 現れるのか それとも 出陣の時の姿で 現れるのかだいたい 靖国にまつられて 神様になっているのなら 幽霊になって現れるはずもないのに 幽霊が出るというのは 生きて帰った人が 何らかの 心残りを 発言 していたってことなのかな と。 

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2011年09月20日

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『玉砕の島」「日本軍兵士」に続く、南洋で飢えと病に斃れていった多くの兵士たちの姿を、自らの経験も交えて描く。
彼らを死に追いやった軍参謀の多くが責任を取らず、戦後の警察予備隊創設に貢献し重用されたのとは対照的に、著者を始めとする多くの現場兵士達は現地での住民虐殺などの戦争犯罪人として裁かれ処刑されたり巣鴨プリズンで懲役刑を受けている。著者が釈放されるのは昭和31年(!)である。

「飢死した兵士たちのどこに経済的繁栄を築く要因があったでしょうか。怒り狂った死者たちの叫び声が聞こえて来るようです。そんな理由付けは生き残った者を慰める役割を果たしても、反省へはつながりません。逆に(あの戦争を)正当化に資するだけです。」

繰り返される『あなた方の尊い犠牲の上に今日の経済的繁栄があります」という空疎な慰霊の祭文に著者は怒りをぶつける。忘れてはいけません。4.0

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2019年12月07日

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大東亜戦争はまだまだ知らないことがたくさんあるってことだ。テレビや学校の教科書には出てこない。自分で書物・ネットで調べるしかないが、探せばたくさんあるのだろう。知っておく必要がある。この本ではガダルカナル、ラバウル含め、ニューギニアでの日本兵の実態をレポート。ここでは戦わずして餓死・病死した兵士がほとんどということだ。

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2019年01月20日

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ネタバレ

軍部は死んだ兵士の家族には、何処どこにて戦死したと告げたのであろうが、実際は戦場で敵弾に斃れたのではなく、多くの兵が無謀な作戦によって武器も食料も乏しいなか、病気や飢餓によってその貴い命を落としたのである。著者が言うように彼らが果して日本の将来の礎になったと言えるのであろうか。為政者は戦争の真実に目を瞑って、残された者たちへ美辞麗句を並べる。さあ、今後自衛隊員が万が一PKO活動で命を落としたとき、事実を国民に伝えるのであろうか。同じような事後処理をしないかと心配である。

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2017年02月11日

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 日本人が太平洋戦争で筆舌に尽くし難い犠牲を払って獲得した日本国憲法を、集団的自衛権の閣議決定をしてなし崩し的に無効化しようとしている人々がいる。戦争は絶対ダメだという、絶対的平和主義こそがこの憲法の肝要であろう。13条の個人の尊重も戦争状態にないことがそれを担保する。
 改めて、戦争の真実を知ることを始めよう、と思った。集団的自衛権の議論については、具体的な身体的な議論、あるいは想像をしなければならないと思った。戦争はそれこそ現場で起っているリアルなものだからである。
 著者はニューギニア戦線から奇跡的に帰還した元兵士。愚かな指導者の作戦指揮によって、悲惨きわまりない状況で餓死していく兵士。文字を追いながら想像する。でもたぶん間違いなく、その想像を何十倍も上回る悲惨がそこにあったに違いない、と思う。想像しきれないのだ。数百の遺体がジャングルに放置されている、それらからは靴や服や・・すべてが剥ぎ取られている、取っているのはもちろん同胞たち。身体からはウジが湧き、凄まじい臭気が辺り一面を覆っている・・・という状況は、やはりリアルには想像できない。個人が尊重される、なんてことは微塵もない。

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2014年08月31日

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文章を何度読んでも創造ができないくらい、まさに「地獄」の現実。
史実は色々な噂や戦勝国の都合のいい歴史にすりかわっているんじゃないかということもあるけど、これはまぎれもない現実だと思う。
リアリティがありすぎるけど、全く絵が思い浮かばない。
いい時代に生まれた幸せと、昔からお上は下を平気で切り捨てるということがかろうじて理解できた。

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2013年02月11日

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[ 内容 ]
敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった―。
昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。
西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。
幾度なく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令…。
「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

[ 目次 ]
第1章 大調査隊をニューギニアへ
第2章 餓死の序幕
第3章 命を吸いとる山を越えて
第4章 底なしの大湿地帯を行く
第5章 幻と消えた「あ号作戦」
第6章 ビアク島の玉砕戦
第7章 私の犯した「戦争犯罪」
第8章 敗戦と収監、そして日本へ

[ POP ]


[ おすすめ度 ]

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[ 関連図書 ]


[ 参考となる書評 ]

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2011年05月21日

Posted by ブクログ

ある程度知っていたつもりだったが・・・さらに、想像を超える内容が描かれている。
著者のやり場のない怒りも心を打つ。
この気持ちと事実は語り伝えるべきもののような気がします。

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2010年06月11日

Posted by ブクログ

ニューギニアからの帰還者伯父の話を裏付けるための資料として読んだが、類似しているところが多々あり、参考となった。

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

著者は1943年海軍民政府・資源調査員として
ニューギニアへ。

この本の冒頭で綴られている文に心うたれる。
生命判断
「①立つことできる人間は・・・寿命は30日間
②身体を起こして坐れる人間は・・・3週間
③寝たきり起きれない人間は・・・1週間
④寝たまま小便をするものは・・・3日間
⑤もの言わなくなったものは・・・2日間
⑥またたきもしなくなったものは・・・明日」

そんな惨酷な生活の中で著者は何を考えて行動したのか。
この本を読むと戦争の恐ろしさがわかる。

内容(「BOOK」データベースより)
敵と撃ち合って死ぬ兵士より、飢え死にした兵士の方が遥かに多かった―。昭和十七年十一月、日本軍が駐留するニューギニア島に連合軍の侵攻が開始される。西へ退却する兵士たちを待っていたのは、魔境と呼ばれる熱帯雨林だった。幾度なく発症するマラリア、友軍の死体が折り重なる山道、クモまで口にする飢餓、先住民の恨みと襲撃、そしてさらなる転進命令…。「見捨てられた戦線」の真実をいま描き出す。

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2015年07月05日

Posted by ブクログ

無念。立つことのできる人間は寿命は30日間。身体を起こして坐れる人間は3週間。寝たり起きれない人間は一週間。寝たまま小便をするものは三日間。ものいはなくなったものは二日間 またたきをしなくなったものは明日

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2009年10月07日

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