【感想・ネタバレ】壬生義士伝(上)のレビュー

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購入済み

面白い‼︎

2013年12月18日

面白い!

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電車で読んではいけません

2013年10月09日

いくつか映像化されてますが、どれも表現できなかった魅力が原作にあります。
ひたすら泣かされます。色々な泣かされ方します。
幕末や新選組に興味を持たない方にもおすすめしたいです。
読んだ後盛岡に行きたくなります。石割桜に会いたくなります。自分は行って来ました。
おもさげながんす。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月26日

新撰組のことは知っているけれど、吉村貫一郎という人物のことは知らず読み始めた。
初めの方では守銭奴、剣豪でかつ学もあり脱藩し、妻子のために遠く離れて稼ぎ…というイメージ。
彼に対してはそれだけの印象だったのが、関係各者へのインタビューが進むにつれ、彼の人となりが少しずつ解ってくる。
そして、吉村貫一...続きを読む郎への情も少しずつ深まってきたところで、下巻へ続く。
これからどう語られていくのか、凄く楽しみになってきた。
吉村貫一郎の生き様に、惚れつつある。

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Posted by ブクログ 2024年03月15日

吉村貫一郎が描写の通りの人なら、その人柄の良さに好きにならざるを得ない。全てのエピソードが涙なしでは読めない、素晴らしい一冊に出会えた。
新選組っていう乱暴で変質的な集団の中に、こんな人がいてほしいと思う。

いざ下巻へ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月03日

盛岡藩を脱藩し、家族の為に命をなげうった男のそしてその周りの人たちをも呑み込んでゆく歴史の波。
新選組のこと、明治維新のこと、知っていたようで今まで何も知らなかったということがわかった。
涙なくしては読めない小説。

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Posted by ブクログ 2023年11月30日

映画を観てから小説を読みました。映画も良かったけど小説のほうがずっといい。上下巻あって長いので、なかなか手が伸びなかったんですが、読み始めたら一気でした。
新撰組に集まった食い詰め武士たち。
国元に残してきた吉村の家族。
吉村を慕う子供たち。
吉村をとりまく人たちの話で浮き上がる吉村勘一郎という人物...続きを読むの人柄。
斎藤一の話もすごく良かった。
下巻もきっと一気読みだな。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

初時代小説
吉村貫一郎の優しさがよく分かる。
当時のことはあまり知らないが評価されねども自分自身の義を全うした男。
現代であれば評価されただろう。
男の中の男であると思う。

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Posted by ブクログ 2023年11月17日

初の時代小説&浅田次郎さんでしたが、とても面白く読みやすく、スイスイ読めました。
新撰組とか当時の時代背景などは、大河ドラマでチラッと見た浅い知識しかない私でも、充分に楽しめました。
こういう優れた小説を読めるのって、本当にありがたい事だなぁと思います。下巻も楽しみです。

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Posted by ブクログ 2023年09月15日

おすすめで。

歴史は本当に知らないけど、侍のこと、その時代のこと、話しながら楽しく読めた
むごいけど、すごくおもしろい

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Posted by ブクログ 2023年08月17日

 優しすぎる侍、吉村貫一郎。妻子を養う為、落藩して人を斬る道を選んだ男である。ゆかりのある人々が彼の事を語っていく展開が面白い。様々な角度から見る人物像とは?本当の優しさとは?先が必ず読みたくなるストーリー。

総合感想は下巻へ

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Posted by ブクログ 2023年07月16日

※作品全体を通しての感想は、下巻に纏めて書きます。

【読もうと思った理由】
直近で読んだ「破戒」の感想欄(雑感)にも書いたが、本書を読もうと思った理由は、会社の同僚に勧められたからというのが、一つのの理由である。実はもう一つ心を動かされたエピソードがある。それは、何度か感想にも書いたが、いま時代小...続きを読む説を書いている現役作家の中で、もっとも勢いのある作家の一人といえば、今村翔吾氏であろう。ご多分に洩れず、僕も好きな作家だ。

僕が作家を好きになるときは、小説から好きになる作家も勿論いるが、最近はその作者が書いたエッセイや対談集、はたまたYouTubeなどを観て興味関心を持つことも、多くなってきた。今村翔吾氏は、ご自身でYouTubeチャンネルも持ってはるし、他のチャンネルにゲスト出演していることも、実は結構ある。おそらくではあるが、メディアに露出することが、嫌いではないタイプなんだろう。その今村翔吾氏が、“ブックマちゃん“というYouTubeチャンネルの「作家今村翔吾が好きな本ベスト3 」という動画で話していた。

そこで取り上げていた本のタイトルは、一冊目が、池波正太郎氏の「真田太平記」、二冊目が、北方謙三氏の「破軍の星」、三冊目が、浅田次郎氏の「壬生義士伝」であった。デビューしてたった5年で直木賞を受賞した今村翔吾氏をして「壬生義士伝」は、小説を書く際の「教科書」だと、動画ではっきり言い切っていた。読者を作品に没入させる能力を、僕が今もっとも感じられる現役作家が、今村翔吾氏だ。その今村翔吾氏をして、小説を書く時の教科書にしているという作品は、読むべき作品だと思った。

【浅田次郎氏って、どんな人?】
1951年12月13日、東京生まれ。13歳の時に「小説ジュニア」(集英社)への初投稿以降、様々な職に就きながら執筆活動を続け、1991年『とられてたまるか!』で小説家デビュー。1995年『地下鉄(メトロ)に乗って』(徳間書店)で吉川英治文学新人賞受賞。1997年『鉄道員(ぽっぽや)』(集英社)で直木賞を受賞し、1999年には高倉健主演により映画化、第23回日本アカデミー賞最優秀作品賞、最優秀主演男優賞など数々の賞を受賞した。2011年から2017年まで、日本ペンクラブの会長を務める。 

初の時代小説である『壬生義士伝』は1998年9月から2000年3月まで、週刊文春にて掲載され、2000年に文藝春秋より単行本化、同年、第13回柴田錬三郎賞を受賞した。その後、2006年には『お腹召しませ』(中央公論)で第1回中央公論文芸賞と第10回司馬遼太郎賞、2008年には『中原の虹』(講談社)で第42回吉川英治文学賞、2015年には学術芸術上の事績著名な作品の創作者に授与される紫綬褒章など、数々の賞を受賞している。 商社マンとしての定年を迎えた日に脳梗塞で倒れた男の奇妙な体験を綴る、毎日新聞朝刊の連載小説『おもかげ」は、2017年に書籍化され、「浅田文学の傑作」と称賛された。

時代小説や短編・長編小説の他、エッセイも数多く手がける。JAL機内誌「スカイワード」に連載されていた『アイム・ファイン!』(小学館文庫)は2011年に、旅と食と感動のエッセー集『パリわずらい 江戸わずらい』(小学館文庫)は2016年に書籍化された。

【雑感】
現状、積読本が結構溜まっているので、このタイミングで、なるたけなら積読本を消化していこうと思っています。多分もっとも積読本で手付かずの本は、5年以上放置している本もあると思います。よって、現在の僕の興味関心のある本と、ズレている本も当然あるかと思いますが、そこはご容赦いただきたく存じます。当たり前のことだが、本は購入した時がもっとも興味関心があるのだから、そのタイミングで読まないといけないなぁと、心底思った。

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Posted by ブクログ 2023年04月29日

10年ほど前に読んだ時、心は震えたけれど涙は出なかった。 「壬生義士伝は映画になっているよ。」と、友人にDVDを勧められTVの前で号泣!
再読していて、さらに感動!
映画も良くできていたと思う。 下巻にも泣かせてもらいましょう。

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Posted by ブクログ 2022年09月12日

〜あの人、誰よりも強かったもの。それに、誰よりもやさしかったですよ。強くてやさしいのって男の値打ちじゃあないですか。ほかに何があるってんです。
あの人はね、まちがいだらけの世の中に向かって、いつもきっかり正眼に構えていたんです。その構えだけが、正しい姿勢だと信じてね。〜

新撰組隊士 吉村貫一郎 そ...続きを読むの生涯を彼にゆかりのある人たちのひとり語りによって形づくっていく
多くの読者に馴染みのあるであろう人物、あの斎藤一が登場し語り始めたところで上巻は幕を閉じる
んんんん、うまい!この引っ張りかた

そして最大の謎は聞き手が誰なのかというところだと思う
小出しにされてるようでもあるが、見当もつかない
これが明らかになったときにぐわわわわ〜んってのが来るんだと思われる
ぜんぜん見当違いのこと言ってたら恥ずかしいけどぐわわわわ〜んに備えておこう!
気を抜いたらやられる!
(いや、そもそもぐわわわわ〜んって何よ!)

いざ、尋常に下巻へ!

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Posted by ブクログ 2022年09月03日

映画やドラマでもある有名な作品ですが、絶対に映像よりこれは本を読まないとダメです。原作を読んでこそ、この時代の社会の様子、人間模様、刀を振り回していた人たちの生き様がはっきり見えてくると思います。
主人公の家族を思う気持ち、仲間を思う気持、そして何を思って刀を持っているのかという奥底の気持ちを、色々...続きを読むな視点から感じ取れることが魅力です。

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Posted by ブクログ 2022年05月16日

かなり楽しめる歴史小説。時代に置き去られ、武士以上に士道を行くしかなかった新選組の面々。
その中にも人斬り、壬生狼に似合わない優男がいた。胸が熱くなる1冊。下巻が楽しみ!

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Posted by ブクログ 2021年11月01日

(上下含む)
熱い、、、熱いよ!
友愛深く、義に熱く、しかし家族のためなら鬼になる。
男の生き様を見せつけられた。
歴史大河の個人的ベストです。

幕末の新選組を扱っているが、沖田総司を華奢な優男と表現しないところも個人的には高評価。

原作厨ではないが、映画は原作にはとても及んでいないと感じる。
...続きを読むもし先に小説を読んだのなら期待しないが吉。

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Posted by ブクログ 2021年07月13日

脱藩し新撰組に入隊した吉村貫一郎の生き様を描いた作品。
妻子思いで給料のほとんどを送金しているため、自身が身につけるのは痩せ刀につぎはぎした着物。
その貧相な風体からは想像もつかない剣の達人で、京の人々からは「人斬り貫一」、「鬼貫」と恐れられていた。
そんな吉村貫一郎のエピソードや人となりが周りの隊...続きを読む士や彼に武芸の手ほどきを受けた教え子たちから語られる。
吉村貫一郎のドケチエピソードに眉をひそめ、妻子や教え子達への人情にホロリとした。
なんといっても新撰組のメンバーがそれぞれキャラが立っていてよい!
よく無骨と描写されがちな近藤勇が土方に負けず劣らず洒落者で頭が切れる設定なのが新鮮でよかった。
斎藤一が度を越して人間嫌いでもはやサイコパスだった。
続きも楽しみ!

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月28日

久しぶりに時代物。新選組・吉村貫一郎を主人公とした壬生浪の話し。その生活の貧しさ故に脱藩。初っ端から吉村の切腹場面から始まる。鳥羽伏見の戦いで敗走する新選組。瀕死の傷を負った吉村は脱藩した大坂の南部藩屋敷へと向かい、吉村の旧友の大野次郎右衛門は彼から切腹を命じられる。この話しは吉村の人生・義を新選組...続きを読むの生き残りの語り部が熱く語る。池田七三郎、斎藤一の目線での吉村は優しく、剣にも優れ、家族想い。お金に厳しいのは家族への仕送りのためだった。新選組のへの新発見と目立たずも活躍をした吉村の人生を下巻でも追いたい。

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

新撰組にいながら、お金や生にしがみつく男のお話。
時代や組織に流されず、懸命に生きる。幕末の時代背景のおもしろさと相まって、惹きつけられる。
あっという間に読み終わってしまうし、主人公に感情移入してしまう。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月20日

『壬生義士伝』浅田次郎

2019年に宝塚雪組で上演されてから、ずっと読まなければと思っていた原作本。だいきほ退団前にちゃんと読めた。

が、つらすぎる。どうしようもなさすぎる。悲しくてつらくて切なくて、愛があふれすぎて、涙どころかずっと嗚咽がとまらない。

宝塚版を死ぬほど見たので、登場人物がみん...続きを読むな宝塚版キャストで再生される。あの切ない主題歌がずっと頭の中で流れている。切なさ二割増しだ。

「俺は生きる お前のために、俺は死なない お前のために」
って言ってたじゃない……!!!!と何度も唇を噛む。

武士とは、義とは、何だったんだろう。
最後のじろえの書状まで読んで、やっと少しわかった気がする。

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日本人の「義」とは何か。
小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。
“人斬り貫一"と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。
「死にたぐねえから人を斬るのす」新選組で、ただひとり庶民の心を失わなかった吉村貫一郎の非業の生涯を描く、浅田次郎版「新選組」。初の時代小説にして、浅田文学の金字塔。
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まず、1ページ目からクライマックスで面食らった。え、そこからはじまるの。
南部藩蔵屋敷にたどり着いた満身創痍の吉村貫一郎と、かつての幼なじみであり組頭の大野次郎右衛門が相対するシーン。命乞いをする吉村に対して、大野は冷酷に切腹を申し渡す。

物語は、御一新後の大正五年、北海道出身の記者が吉村を知る人達から聞き取り調査を行う形で綴られる。その章の合間合間に、蔵屋敷の奥座敷で最期の時を迎える吉村貫一郎の独白が挟まれる。妻へ、息子へ、娘へ、母へ、何度も語りかける。これがまたなんとも言えずつらい。

吉村貫一郎の話はもちろん辛かったのだけど、息子の嘉一郎の話が本当に辛かった。宝塚版ではそこまで詳しく描かれていなかったから、余計に。


吉村貫一郎の死に場所は、死を捧げる主は、主君ではなく、家族だったのだ。

そして嘉一郎もまた、父をひとりにさせてはならないと、ただそれだけのために、戦を口実に死地へ向かったのだ。

最後の大野次郎右衛門の書状が沁みる。
〝義之本領ハ正義ノ他無之(これなく)
人道正義之謂ニテ御座候〟

義とは、忠義ではなく、人道正義だ。妻子のために、尽くすこと。



内容もだけれど、描き方もとても素晴らしい物語だった。さすが浅田次郎…

南部の自然の描き方がとても上手。それぞれの語りの中で色々に語られるのだけれど、本当に風が吹いてくるようで。

映画も観よう…


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(以下、つらつらメモ。超ネタバレ)
・冒頭、吉村が大阪の南部藩蔵屋敷にたどり着く。


・吉村貫一郎の独白
〝お前さんの言う通り、さぱっと腹切って死にてども、わしは切腹の作法を知らねのす。〟


・角屋の主人(元新選組隊士、吉村貫一郎の同期。)
吉村の人柄がよくわかる数々のエピソード。
守銭奴とバカにしながらも、妻子のためになりふり構わないその姿をどこか羨ましく、いじらしく思っていたのだろうか。
〝「吉村、死ぬな」
本音の一言が咽からすべり出たとき、俺ァやっとわかったんだ。そうさ、やつは俺の、俺たちみんなの良心だったんだ。〟


・吉村貫一郎の独白
妻、しづとの出会い。
ここは完全に宝塚版だいきほで再現されてつらい。
〝嫁こさ来てくなんせ わしと夫婦になってくだんせ〟


・桜庭弥之助(南部盛岡の吉村の教え子。大野次郎右衛門の息子、千秋の同輩。)
南部時代の貫一郎、貫一郎脱藩後の、息子、嘉一郎の様子など。
宝塚編ではあまり意識して見ていなかった嘉一郎の強さが沁みる。嘉一郎の参陣シーンはその後も何度か語られるけれど、本当につらい。どうして、と皆が止めようとする。
しかしその獅子奮迅の働きぶりは、まさに南部武士の誉である、と。
〝「嘉一郎は、まことの南部武士にごあんすなっす。情けない話じゃが父上、わしは七回生まれ変わっても、嘉一郎の真似はでき申さぬ。足元にも及び申さぬ」〟


・吉村貫一郎の独白
わしは壬生浪にござんす。次郎衛への語りかけ。


・池田七三郎(元新選組隊士。近藤勇の近習)
油小路のエピソード。吉村先生の鎖帷子。殺されないための手だては、ただひとつ、殺される前に殺すこと。
壬生寺のこどもたちが吉村の言うことをよく聞くシーンがとてもよかったな。理屈ではなく、人を惹きつける人柄。
みよのエピソードも。みんなが揃って、貫一郎を死なせたくないと願う。
真正直で剛直で。
〝吉村先生は侍に憧れていたあたしらみんなの、憧れそのものだったからね。長い武士の世の中が続くうちに、侍の体にべたべたとまとわりついてきた嘘や飾りを、きれいに取っ払っちまえば、侍はああいう姿になるんです。〟

そしてあの吉村貫一郎の大音声で涙腺崩壊。
〝「新撰組隊士吉村貫一郎、徳川の殿軍ばお務め申っす。一天万乗の天皇様に弓引くつもりはござらねども、拙者は義のために戦ばせねばなり申さん。お相手いたす」〟
私には、義のため、という意味はやっぱりよくわからない。


・吉村貫一郎の独白
みつの入水自殺未遂のお話。脱藩の覚悟。


・斎藤一。
この章以降、涙が止まらないどころの騒ぎではなくなってくる。
人間が大嫌い、とりわけ他人を気遣う人間が大嫌いだった斎藤一が、死ぬな、吉村、と叫ぶ。
〝誰が死んでもよい。侍など死に絶えてもかまわぬ。だが、この日本一国と、引き替えてでも、あの男だけは殺してはならぬと思うた。〟

あーさで再生されてつらい。


・吉村貫一郎の独白
娘、みつに向けて。みつ…
巾着の中から、二分金が十枚も。


・大野千秋の手紙。(大野次郎右衛門の息子)
次郎右衛門の優しい人柄がつらい。こちらも青天の咲ちゃんで再生される。

嘉一郎がもうつらすぎる。黄金静水で水盃を酌み交わすシーン。
〝「ちあき。ちあき。ちあき」〟

千秋とみつのお惚気が唯一の良心…


・吉村貫一郎の独白
次郎衛との思い出。
〝ええな、けっして泣ぐのではねぞ、次郎衛……〟


・佐助。(大野次郎右衛門の中間)
ここも辛かったな。思ったことを思ったまま喋る佐助。義などというもののために、どうして、という思いが伝わってくる。
大野次郎右衛門のつらい心のうちを知りながら。

しづの声を聞いた、という吉村貫一郎とのやりとり。

〝「のう、後生じゃ貫一、今一度この目ば開けて、南部の百姓が丹精こめて作った米ば、腹一杯食って呉ろ。のう、貫一、後生じゃ」〟

なんかこの辺もう無理。もうつらいむり。
最後の佐助との別れのシーンも、やさしさがつらいね。

・吉村貫一郎の独白
父と母。しづや。嘉一郎や。みつや。
まだ見ぬおぼっこや。魂はお前とともに。
〝そんで、新しき世を生きたいつの日にか、父とともに盛岡さ帰るべ。父の魂ばしっかと背に負うて、ふるさとさ帰るべ〟


・角屋の主人、ふたたび。
嘉一郎も、父と同じく誰もが死なせたくないと願う人物だった。
なんか、もう、なんか。なんで、って声が出そうになる。


・吉村嘉一郎の独白
こちら息子、嘉一郎の独白。

〝わしは大好きな父上と ともに三途の川ば 渡りてえのす〟

涙で文字が読めないね。嘉一郎もまた、義のためではなく、父のために死んだのだ。


・吉村貫一郎(貫一郎が最後まで見ることのなかった末息子。東京帝国大学教授。)

父の名を付けられた末息子。大野次郎右衛門の計らいで、佐助に連れられて越後の豪農の家に養子に出された末息子。

米の研究に打ち込み、「吉村早生」という冷害にも旱害にも強い品種を開発した貫一郎は、この米をふるさと南部盛岡に運ぶ。
楽隊に出迎えられて盛岡に降り立つ貫一郎。吹きおろす、南部の風。

その背には、父の魂。

この華麗な回収にもう、ね。ね。


・大野次郎右衛門から越後の豪農、江藤への書状。

この書状の内容が、全てだと思った。少し読みにくいけれど、ぜひ読んでほしい。大野次郎右衛門のために。

日本男子、身命惜しまず妻子息女に尽くしたまえるおんこと、断じて賤卑にあらず

(できれば現代語訳をつけてほしい…これ読まれないとほんとにじろえが浮かばれない…)

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Posted by ブクログ 2024年02月23日

泥臭く人間臭い新撰組を描いた名著。
良くも悪くもお涙頂戴、浅田節。
忙しない日常を過ごしてるとたまに読みたくなるんだけど、現実との温度差に風邪ひきそうになる笑
こんなふうに生きられたらねぇ。

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Posted by ブクログ 2024年01月23日

新選組を題材にした作品は数あるけれど、明治の世になってから関係者に中堅の隊員であった吉村貫一郎について語らせることで当時の雰囲気を掴んでいくという構成は非常に斬新です。
また維新前をスター軍団ではなく最初から時代の捨て駒のように描いている作品も珍しい。
ここまで充実した内容にしてまだ半分。後半も楽し...続きを読むみです。

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Posted by ブクログ 2024年01月14日

新選組の実在の隊士 吉村貫一郎に関わりのあった人達に話を聞くことで、その人生を描きだしている。
下級武士がいくら文武に優れていても、食うのもやっとという生活から抜け出せず、妻や子を養うために脱藩。その中でも武士の矜持は持ち続け、自分の考える正しさに従い生きようとする主人公の強さ、哀しさ、…
生き残っ...続きを読むた子供が明治維新後にしっかりとした人生を生きているので救われる。
実在の人物ではあるが、内容はフィクションなのかな?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年06月25日

主人公は吉村貫一郎。誰?ってなった。よく聞く隊士しか知らなかったから。
口承形式で現代風に例えて話してくれてるからわかりやすい。語り手が変わるから見方も変わるのも面白い。ただそのせいか話が進まない?ので、先が気になる感じにならず、ダラダラ読んでた。が、最後の斎藤一が語り手の話は面白くて下巻気になる〜...続きを読むってなりました。

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Posted by ブクログ 2023年02月13日

吉村貫一郎の物語。
最初は守銭奴侍のイメージだったけど、色んな人の回顧録を聞いてどんどん印象が変わってきた!
その中でも斎藤一が登場したのが印象的。私の中の斎藤一とイメージがピッタリだった!
稗田利八、知らなかったけど実在の人物なのね。
写真見たけど綺麗なお顔だった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年02月19日

切腹を命じられるシーンから始まる
あまりにも貧しく、妻子を食べさせるため
南部藩から脱藩し、新撰組に入り
鬼のように恐れられた侍 吉村貫一郎

誰かはわからないですが、吉村貫一郎の人生を
取材して歩く形で物語が進みます


4人の人物を訪ねてそれぞれの吉村に対する印象はまじめである事、守銭奴と言われ...続きを読むてもお金を自分のためには使わず、妻子の元へ送ること
 
新撰組の人物や、内状など読んでいて興味深かった
それにしても、取材している人物は誰?

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Posted by ブクログ 2022年02月15日

どれだけ努力しても、報われない身分の差。現代はないように見えて、類まれな才能がある人はのし上がることができるかなと思うけど、やはりまだまだ格差が大きい様に感じる。
幕末の世の中で、妻子を守る為にここまでのことができる主人公に敬意を抱く。
剣での闘いの描写がリアルで、普段時代物を読まない私にとっては頭...続きを読むに残るシーンで、しばらく包丁を使う時に「この刃物が首にかかるとか‥」なんて考えてしまって怖かった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年03月13日

2022-1

ずっと読みたかった本
新撰組好きだけど難しい言葉が多くて大野千秋の辺りで挫折しそうになったけど最後まで読めた。
池田七三郎の語りが1番面白かったな。
道化の話の件が印象に残ってる。
吉村貫一郎はこの時代には真っ直ぐすぎたんだろうな。
自分が信じた義のために最後まで生きる新撰組に涙です...続きを読む

上でこんなに泣けたら下はどうなってしまうんだ…

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Posted by ブクログ 2021年06月23日

貫一郎に関わった周囲の人から本人の人物像がだんだんと浮き彫りになっていく様子にわくわくした。
ぼやけていたピントが段々合っていく感じで面白かった

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Posted by ブクログ 2021年05月02日

色々な語り手から吉村を中心とした新選組を書いている名作。上巻の最後の語り手で思わず唸ってしまうくらい、惹き込まれる。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年03月29日

吉村貫一郎のひたむきな生き方を、本人や関わった人々の言葉を紡いで浮かび上がらせていく。
一人の話が終わるたびに、貫一郎の人間像が少しずつ明らかになったいく。彼に対し様々な思いを持った人がいるが、そのまっすぐな人間性を皆愛していたのだろう。

激動の時代に翻弄されつつ、自らの思いを強く持ち、大切な人を...続きを読む守るための強いエネルギーに心を動かされた。

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Posted by ブクログ 2020年11月03日

司馬遼太郎が描く新撰組は時代の流れを理解できずに、暗殺という手段で世の中を変えようとしていた頭の悪い存在でした。

この本では、新選組の中にいる人の視点でなぜ彼らがそのような行動をとっていたのかを一つ一つ丁寧に描いています。

物事を様々な視点で見ることの重要性がわかります。

主人公が強すぎる点は...続きを読むもう少し説明が欲しいと感じるものの、ストーリーの組み立て方の上手さに思わず引き込まれます。

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