【感想・ネタバレ】鼻のレビュー

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Posted by ブクログ

どの作品も素晴らしい完成度。
この作品を読んでから本を読むことが好きになり、自分の好きなジャンルがわかるようになった。

先日上司にも貸し、高評価だったのか上司の旦那さんにまで読まれた。。。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

久しぶりの読書だったけど、すらすら読めた。難しい文書も無くて、読みやすい。内容は、ホラーに確立されてるけど、幽霊・心霊話じゃないのね。短編三つの中で、一番印象に残ったのが「暴落」。

野心家で、地位しか頭にない男が個人株価社会(これ、私の造語ですが)で、野心ゆえにどんどん転落していく物語です。ただ、その暴落ぶりが現代にも繋がる気がする。主人公は、野心はあるけど情けや愛情は殆どなくて、利己的に自分を一番大切にしている。

結末は、人によって「いい気味。因果応報」とも「暗い結末すぎる」とも分かれそう。でも、同じ野心ある(私の場合は夢で)彼を主人公にされると、何か同情してしまう。同時に、私ならどうしているか、と想像すると、やはり主人公程に悪にはなれない。

ただ、主人公を冷静に「因果応報だわ!」と遠くから言うほど、離れてまだ読めない。読めた方がいいのか、悪いのか……。

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2014年07月26日

Posted by ブクログ

自分の株価を上げるためにダメ兄の株を売ると
インサイダー取引だと告発され、そこから転落していく「暴落」
気づいたらビルの間に手錠でつながれていて、
助けを求めた女も少年も紳士も当てにならない「受難」
テングをブタに変えるモグリの医師を名乗る男と
少女行方不明事件を捜査する刑事の「鼻」
カバーイラスト:磯良一 カバーデザイン:大武尚貴

夏だからホラー、と思ったけれど特に夏向けではなかったです。
受賞作「鼻」は構成がすごい。
全然かみ合わない2人の話がパラレルだと思ったけれど
そんな繋がり方をしていたなんて。
恥ずかしながら水割りとオレンジジュースを出すまで気づきませんでした。
文体だけでは人を判断できないのね…

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2019年01月16日

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この作者には驚いた。何はともあれ、天才だろ! って思った。この不条理さは、かの筒井康隆を彷彿とさせる。収録された三つの短編、全てが馬鹿みたいに面白かった。先を気にさせる展開、とにかく発想が凄い。特に気に入ったのは『暴落』だ。人間に直裁<株>の概念を付与し、その上がり下がりによって人の価値を計るなんて……恐ろしいが面白い、面白いが恐ろしい……。しかし、矛盾を挟むことなく、秀逸な筆致によって、世界観を「本当にこんな世の中もあるかも……」と思わせるくらいの書きっぷりには恐れ入った。曽根圭介という作家が一番怖いのかも知れない。
また、これは蛇足に違いないが、どの話も(鼻は無理かも知れないが)是非『世にも奇妙な物語』のストーリーとして採用出来るんじゃないか? よく出来ている話以上に、どうにも物語の雰囲気がとても似通っている。是非とも映像化して欲しいと俺は願います。【278P】

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2019年01月16日

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軽い文体なのでサクッと読める。読みやすいが構成は複雑なので読後感も満足。
読んだ印象はテレビの「世にも奇妙な物語」的な感じ。不思議な世界で展開されるストーリー、どんでん返し。でも結末はブラックなのでそのままテレビ番組にはしづらい。

・暴落
国民全員に株価評価がついてまわる世界で、評価が暴落していく男の転落劇。

・受難
監禁された男の前に次々と現れる奇妙な人々。誰も男を解放しようとしない。監禁された理由は?助けてくれないのはなぜ?

・鼻
豚と呼ばれる人々がテングと呼ばれる人々を差別する世界で、豚の医者がテングの親子を助けようとするが…。

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2023年08月25日

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収録されている三篇がいずれもえげつなく、厭な顔をしながら読み進めた。どれも先が気になって手が止まらない。

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2022年11月05日

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幽霊ではなく人的な怖さのホラーでした。
なんだかんだ全部楽しく読ませてもらいました。鼻は、およ?という感じだったけどホラー大賞なのですね。
なんとなくハサミ男を思い出す感じがしました。
特に救いがない感じが好感触。

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2022年04月10日

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暴落:割り切った話し手と設定で面白かったが、最後の部分はいささかテンプレートで単純すぎ。
受難:宗教的意味合いはあり、深読み価値はある。救いのない展開には少し辛い気持ちだが、インパクトを感じる。
鼻:構図としてとても斬新とは言えないが物語は傑作!脳内世界の構築は素晴らしいし、二人の因縁の「再会」も皮肉で面白かった!「俺」の記述は更なるブラックユーモアを加えている。
とにかく最近で読んだ本で一番良いかな!

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2021年09月03日

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角川ホラー文庫、久しぶりに読んだかも。

暴落、受難、鼻、の3編。

私は「暴落」が一番好き。設定がまず面白かったし、先が気になる展開で一気に読んでしまった。主人公がどんどん悲惨なことになっていくのも読み応えがあった。

「受難」は終盤になるまで不可思議な部分が多くて、よくわからない状態ながらもやっぱり一気に読まずにいられなかった。

「鼻」は少し難しかった。読後にしばらく考えて、解説で補完もして、理解したくてもう1周した。そうしたらとても面白かった(笑)。

どの作品も、あり得ないような展開。救いの無さもすごい。だからこそ余計に面白いのかな。こういう、悪〜い話、けっこう好き。人間が一番こわいよね!

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2021年03月31日

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3つの短編からなるホラー小説。
それぞれが趣向を凝らしてあって面白かった。
3つとも世にも奇妙な‥的な物語だったが、(すでに原作になってたのかな?)特に「受難」のまともに話が通じない不条理さがなんとも言えずもどかしかった。

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2020年11月02日

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 収録作品は3編。

「暴落」はあらゆる人間の価値を株価で示すようになった世界が舞台。例えばいい会社に入ればその人の株価が上がり、逆に犯罪などを起こせば、株価が下落、さらには上場廃止となります。そして上場廃止された人間に待つ運命とは…

 なんともシニカルでブラックな展開となっています。社会的評価のない人間が地の底から這いあがることの難しさや、一度セーフティーネットからはみ出してしまうと、とことん落ちてしまう日本の現状を皮肉的にとらえた一編だとも思います。そういうわけで主人公の転落ぷりはなかなか笑えないところでもあったり…

「受難」は目が覚めると手錠で腕をパイプでつながれていた男が主人公。
こちらは不条理ものの作品。まったく理屈が通らない人間たちの理解不能さが不気味な短編でした。少し平山夢明さんの作品の雰囲気と似ているかも。

 そして表題作の「鼻」。人間がテングとブタという二つの種類に区別された世界。テングたちはブタに差別を受ける中、テングを救うため違法な転換手術を行おうとする医師と、連続幼女失踪事件を追う刑事の物語が交差する短編です。

 独特の世界観がしっかりと作品の中に落とし込まれていて、二つの話がつながる瞬間の驚きはかなりのものです! 真実と虚構、現実と幻想が読んでいる間ずっと自分の中でぐるぐるしているようで、読み終えるころにはそれが解決されるものなのかな、と思いきや、話を合理的に締められるのに、一方で読み終えた後も真実と虚構、現実と幻想が一緒くたとなった不思議な読み心地がずっと残ります。

 いずれもヒトクセのある個性的な作品ばかりで、楽しく読めました。

第14回日本ホラー小説大賞短編賞「鼻」

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2015年09月07日

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2015年、13冊目は完全初読みの作家さん、曽根圭介。

第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作含む3編収録。

収録順に簡単にあらすじ&感想を……。

「暴落」
人間の「株」を株式の「株」としたお話し。この波瀾万丈の展開と二段オチ的なトコは大好物。

「受難」
酒に酔い、目覚めるとビルの隙間に手錠で繋がれていたという話。いわゆる、不条理モノ。

「鼻」
人は、鼻を持たないブタと、鼻のあるテングに分かれ、テングはブタによって迫害を受けている。ソレをブタで医師の「私」とテングで刑事の「俺」の視点で綴っている。やがて、2つの物語が重なって……。途中、途中で引っ掛かるトコがあったが、そう言うコトだったのね。

「鼻」「暴落」「受難」の順で読んだが、好みもその順て感じ。「鼻」「暴落」は小林泰三的伏線の張りと展開、そして、オチ。「受難」はポップ感含んだ、平山夢明マイルドな感覚。

一晩一気読み。また、追いかけてみたい作家さん登場。

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2015年04月08日

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ホラー小説大賞受賞作。何が怖いって、出てくる人間の腐り具合が怖いから、読後感は正直かなり悪い。品がない小説だが、面白い。巻末の解説も、あまり品がない。こちらは、良い解説ではない。

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2014年12月20日

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3つの短編。全部引き込まれて止まらず最後まで読んだ。読後感はあまりよくない。世にも奇妙な物語のような話。

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2014年08月16日

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「暴落」「受難」「鼻」の三編。
「鼻」は第14回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作だそうです。
三編とも世にも奇妙な物語テイストで、じわ怖で面白かった。
特に「鼻」は大賞受賞作というだけあって、すっかりやられてしまいました。
後書きの解説読むまでいまいちわからなかったのですが、解説読んだ後思わずもう一回読み返してしまいました。よく作りこまれた話で、良質ミステリー読んだあとみたいな衝撃でした。これはすごい。

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2017年04月06日

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こう言ったもしかしたら実現できる?ような世界の中での人の怖さを存分に楽しめた。
個人的には暴落が好きで鼻はあまり話がわからなかったがうとうとしながら読んだので2度読みして見てから再度本の評価をしたいと思う。

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2024年04月09日

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個人的には『受難』が面白かった!
不思議な世界観があり、こういう内容の本を
読み慣れていない私にはなかなか読み進めなかった。

特に『鼻』は終わりの方で話が分かると
一気に読めるけど途中の方で
「テング?」「ブタ?」と
訳分からなくなってしまうことがあった(笑)

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2023年08月27日

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『暴落』『受難』『鼻』からなる三編の短編ホラー集。個人的に『受難』が面白かった。どれも独特な世界観があり、非日常感を味わえる。先が気になりあっという間に読み進めてしまった。

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2023年08月21日

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どす黒い物が読みたくて、手に取りました。
″恐怖″の深淵は″理不尽″にあると考えています。
そういった意味で
とても怖く、面白い作品です。

表題の『鼻』
面白かった。

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2023年08月20日

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そこそこに楽しく読めた。
人間の価値を株価のように表した世界「暴落」が面白かった。PSYCHO-PASS然り、高度な管理型社会も近いのかもしれない。

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2023年07月21日

Posted by ブクログ

「暴落」、「受難」、「鼻」の3編からなる。

暴落
人に価値を結びつけるとどうなるか、暴落するとどうなるか、というもの。
メガバンク勤務の主人公が法令に抵触しまくるあたりに疑問を抱く。
またミステリの読みすぎか、オチが読めてしまう。
ただその世界観から漂う臭気には、息の詰まるような凄まじいリアリティを感じた。

受難
都会の闇に閉じ込められる男。
ビルの間に構築したディストピア。
世界不信になる恐れのあるほど、重みのある現実味を帯びた描写。
様々な人が関わりながらも負の底へ落ち込んでいくさまが、受難一言では明らかに足りていない。いい意味で。


うまい。初読は意味がわからない。再読。
真実と向き合った時に訪れる反転。
ただアンフェアといえばアンフェア。
主人公の狂い方、世界の捉え方に、作者の意図した脚本上の調整を感じる。

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2022年11月27日

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ネタバレ

ホラーというよりブラックな怖さでした。
収録されている「暴落」「受難」「鼻」では、「受難」にゾッとしました。ピンチなのに、やってくる人誰一人まともに話が通じないの怖い。ひょこたんはこうやって霊騎士だと思った人を弱らせては埋めてるんだろうか……
「暴落」は筋が通ったわかりやすさ読みやすさでしたが、その分?「鼻」の狂気が際立った気がします。「私」はずっと彼だけの世界に居るんだろうなと。。体臭恐怖症の刑事も彼だけの世界だったけど、「私」の見ている世界の方が歪でした。

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2022年07月16日

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2022.05.07

「熱帯夜」に引き続き2作目。
熱帯夜と同じくテンポ良くほどよくグロいブラックユーモアな作風はそのまま。
ちょっとSF的な架空の近未来のような設定も新鮮で面白い。

「受難」は登場する助け?に来る奴ら3人とも話が通じなさすぎて混乱するし主人公と同じく絶望する。でもそこが面白かった。

「熱帯夜」の時も思ったけど、「鼻」もそれぞれ別の視点からの話がどうつながるんだ?と思いながら読み進んで、最後に見事に無理なく伏線が回収されてとても上手いなあと感心する。気持ち良い。
この作者さんの小説はすごく大好きな作風というわけじゃないけどどれも後味が悪くて次もなんとなく読みたくなる後引く読後感。

巻末の解説は滅多に読まないけれど、解説まできちんと読んでしまった。
作者さんの経歴と、仕事への動機が面白い。

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2022年05月07日

Posted by ブクログ

中編3本収録作。
最初の2作品は、「世にも奇妙な~」的な雰囲気を感じた。
読み始めは(なんじゃこりゃ笑)と思ったけど、これはこれで確かに恐ろしい結末。

表題作「鼻」は、色んな意味で最後の方まで「?」が抜けなかった。
結末には他の2作品と同じくびっくりはしたけど。

なかなか見破れなくてちょっと悔しかった(^_^;)

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2020年08月10日

Posted by ブクログ

再読。
曽根圭介『鼻』を読んだ。おもしろかった。
表題作はホラーというより、いわゆる叙述トリックで、驚きの結末。
他の収録作も充分楽しめた。いずれも実に後味が悪い。時代風刺の要素もあった。

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2020年07月18日

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ネタバレ

「暴落」が面白かった。ネットフリックスのドラマ「ブラックミラー」に似たような話がある。

「鼻」は結局、妄想の話!?

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2018年06月04日

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3編とも不条理と絶望にストンと落とされる感覚がスリル満点。表題作が一度読んだだけじゃわかりづらいけど、わかった時は狂気と狂気の暴風渦の中に取り残されて呆然。
こんなに自分は他人の不幸を楽しんでしまう人間だったのか…そんな後ろめたさも飛び抜けた発想の遥か彼方に遠ざかる。
著者の独特な切り口のホラーをまだまだ読みたくなる。

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2017年02月13日

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日本ホラー小説大賞短編賞受賞というから、期待大だったが
後味の悪さは保証します。
差別ありきで、徹底した管理社会という設定が嫌いってことだな(^◇^;)

個人的に設定が嫌いってだけで、文章は読みやすいし
アイデアも面白いと思います。
だって、うあぁ~(´Д`|||) って思いながらサクサク読めました。
こういの好きな人にはたまらないかもぉ~

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2016年12月01日

Posted by ブクログ

『暴落』と『受難』は楽しめたが、日本ホラー小説大賞短編受賞作の『鼻』はよくわからなかった。
いずれにしろ、どれも体験したくないことばかり(笑)。
『暴落』は個人が株式市場に上場されているという設定。株価でなくても他人の評価を気にする人というのはいるので、こんな感じだとみっともないなと思ったり。自分の価値を考えながら行動するのは窮屈そう。

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2016年09月29日

Posted by ブクログ

ホラーというよりも、不条理の世界を描いたものではないかと感じる。古くはカフカの変身、日本の作品では、不条理ものではないけれど、星新一とか、筒井康隆の作品に近いように感じた。それらと比較して斬新さを感じるほどでもないような気がする。落ちに捻りでもあるともっと面白いと思うのだけれど。

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2014年03月16日

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