【感想・ネタバレ】月刊サギサワのレビュー

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Posted by ブクログ

【月刊サギサワ】は、鷺沢萠が23歳〜25歳の時に書いた連載エッセイである。

エッセイというよりは日記に近いものがあって、鷺沢萠をとても身近に感じることができる。

基本的に酔っ払ってるか、麻雀してるか、締め切りに追われてる生活は、昔ながらの「飲む、打つ、買

う」的な文筆家みたいで凄まじいものがあるが、あの美貌と当時20代前半という若さでのこの生活だか

ら尚更、鷺沢萠という人間のスケールに驚くばかりである。

この頃の鷺沢萠は、ちょうど韓国留学をしている時期でもあり、その様子がうかがい知れて嬉しかった。

この韓国留学を経て、ぼくの大好きな【君はこの国を好きか】や【さいはての二人】が書かれたのかと

思うと、嬉しくてたまらなくなる。

このエッセイから垣間見える鷺沢萠は、とても豪快であり、強気であり、しかし、とても繊細な女性であ

り、寂しがりやで弱く儚い。

本当に絶妙なバランスで保たれている精神というものが、この頃からチラチラと顔を出していくのも見え

てなんだか切なくなってしまう文面もある。

生きていれば今年40歳だった鷺沢萠。

まだまだ名作を世に送り出していたに違いない。鷺沢萠の作品について、ここで書くたびにぼくは

「惜しい」とか「実に残念だ」とか書いているが、やはり、何度でもそう思ってしまう。

でも、こうして彼女が綴った活字が残っている限り、ぼくらが目にする限り、彼女の世界は未来永劫に

語り継がれ、残されていくのであろう。

文豪とはそうものである。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

学生の頃に愛読していた鷺沢さん。
実家で手に取り、久々の再読。
亡くなった年齢を超えてしまい感無量。
小説も読み返そう。

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2013年11月19日

Posted by ブクログ

こういう学びや学習に関するエッセイは好き。
日記エッセイなので、文体はライトでユーモラス。そんな中にも、鷺沢さんらしい真面目さ、賢さ、繊細さ、深い感受性を感じる。
わたしには及びもつかないほどの、パワフルさとで豪快さを持ち合わせており、恐れ多いのだけれど、でもちょっと自分に通じるところがあって、だからこの人の本はやめられない。ほぼ、中毒。誤解を承知で言えば、たぶん、通じるところ、というのは一言でいえば「何かを諦めていること」なのだと思う。

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2011年08月25日

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