【感想・ネタバレ】たんぽぽの日々 ~俵万智の子育て歌集~のレビュー

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俵万智さんの子育て歌集。
一つ一つの歌にその歌ができた背景がエッセイとして書かれています。

この歌集を読むと俵万智さんのとてもいいお母さんぶりがうかがえます。
その例として、歌はありませんが「あとがき」からお母さんぶりを引用します。

(前略)
「もしかしたら、幼稚園のお友だちとは、だんだん会わなくなるかもしれないけど、お友だちだったことは消えないんだよ。お別れするのが寂しいような、いいお友だちに会えて、よかったね。会えたことの積み重ねの上に、今の自分も、これからの自分もいるんだよ」
 そんなことを、ゆっくり話してやると、息子は涙をぽろぽろこぼしていた。はじまったばかりの人生で、これが初めての、意識する「別れ」なのだなあと思う。
(後略)



特に気に入った歌を以下に載せます。

○たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやるいつかおまえも飛んでゆくから

○自分の時間ほしくないかと問われれば自分の時間をこの子と過ごす

○あの赤い花がつつじでこの白い花もつつじと呼べる不思議さ

○みどりごと散歩をすれば人が木が光が話しかけてくるなり

○ぶらんこにうす青き風見ておりぬ風と呼ばねば見えぬ何かを

○ぼくの見た海は青くなかったと折り紙の青持ちて言うなり

○子の声で神の言葉を聞く夕べ「すべてのことに感謝しなさい」

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2023年10月02日

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何度読み返しても泣いてしまう。
好きなのは、自分の時間をこの子と過ごすという詩。今しかない子どもたちとの日々を味わいつくそうと思いなおせる私のバイブル

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2023年05月16日

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短歌のあとに、それを読んだ時の心情や情景などがとてもよくわかり、そうだったなあと思うと同時に、とても素敵なお母さんと思いました。

こんな時あったなあとずいぶん年代が違う私も子育て時代を思い返しました。

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2023年03月19日

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まずタイトルが素敵。

「たんぽぽの日々、、?」となって手に取った。
そういうことね…

わたしもこどもを産んで過ごしているとこんな風に感じられるときが来るのかな、と思うと少しわくわくする。いまのわたしにとっては大好きな彼との日々がたんぽぽのよう。風に吹かれてはすぐにいなくなってしまいそうで心配だけどずっとここにはきっと居られないし、隣で過ごせる時を丁寧に楽しみたいと思った。

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2022年07月20日

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ネタバレ

歌とそれにまつわるエピソードを見開きで紹介。
市橋さんの写真付きで更に歌の世界が広がる。
親子の素敵な関係が歌でこんなに豊かで自由に表現できるのだなあと感嘆しつつ温かい気持ちになれる。
『心のシャッターを切るように書いてきたので、リアルであることは間違いない』

好きな歌

みかん一つに言葉こんなにあふれおり
かわ・たね・あまい・しる・いいにおい

親は子を育ててきたと言うけれど勝手に赤い畑のトマト

クレヨンの一本一本一本に名前書く時四月と思う

はじめての波はじめての白い砂はじめての風はじめての海

振り向かぬ子を見送れり振り向いたときに振る手を用意しながら

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2021年11月14日

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さくっと読めて、心がじーんと温かくなる子育てエッセイです。
短歌も、言葉選びがとってもリアルで今子育て真っ最中の身としては、しみじみと共感できます。

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2021年07月23日

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さすが俵万智さん。重ね合わせるのもおこがましいが、同じ国語教師→母という今の自分にぴったりでした。言葉にしたいけどしっくりこない、それを言語化してもらえました。

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2020年06月12日

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著者の子供が幼稚園に通っていた頃の歌と
それに寄せたエッセイ集。

子育てを慈しむちょっと高齢ママの視点は
私にピッタリだった。

共感したり、気付かされたり、思い出させてくれたり
読んでる間はずっとニコニコ顔になっていて
日向ぼっこをしているような心持ちになった。

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2019年08月14日

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数学の定理が普遍の真理であるのと同じように、俵万智の当たり前のことが当たり前に書かれているように思わされる。
機嫌のいい母でありたいし、俵さんのように子の成長を見守っていきたい。

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2018年02月02日

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ネタバレ

「誰かに預かってもらうことの、最大のメリットは、自分が「やさしいおかあさん」になれることだ。数時間会わないだけで、子どもに対して、ずいぶん心が広くなるのを実感する。」p29

一番子どものためになるのは、完璧な母でいることではなく、良い母でいることではなく、「機嫌が良い母でいること」。

深く、深く、うなずく瞬間だった。

市橋織江さんの写真もいい。
歌もいい。エッセイもいい。

俵万智さんの著書を初めて読みましたが、とても良かったです。いつか母親になったら本棚に入れておきたい1冊です。
プレゼントにも良いかもしれません。

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2014年06月10日

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お母さんがみんな思うことが短歌にしてある。子どもがいる人みんなによんでほしいな。
こころあたたまります。

好きって思う歌はたくさんあったけど、子どもを寝かしつけながら読んだので一押しはこの歌かな。

 ぴったりと抱いてやるなり寝入りばな
 ジグソーパズルのピースのように

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2014年02月24日

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以前、俵万智さんの「生まれてバンザイ」を読みましたが、その後に読んだ「たんぽぽの日々」もとても良かったので、どちらも買って、手元に置いて、時々読み返しています。

こちらは、雑誌「エデュー」に連載している、子育て中のシーンを詠んだ短歌と、それにまつわるエッセイをまとめたもの。
「生まれてバンザイ」に比べると、紹介されている短歌の数は少ないのですが、子育てに関するエッセイとしても読めるし、短歌にあわせた市橋織江さんの写真もとても素敵で、短歌に馴染みのない方にも読みやすい1冊だと思います。

ちなみに、この本のタイトルは、この短歌から引用したものです。

たんぽぽの綿毛を吹いて見せてやる
いつかおまえも飛んでゆくから
(「たんぽぽの日々」10ページより)

自分が生んで、今は育てている子どもも、いつかはこの綿毛のように飛んでいく。
そう思いながら、綿毛を吹いて一緒に遊んでいると、子どもと自分の時間が限られたものであることを切実に感じる。
だから、子どもと一緒に過ごす時間は、「たんぽぽの日々」。
綿毛になって飛んでいったら、後はもう、親としては、ただ風に祈るしかない。

・・・そんな気持ちで、私も子どもたちとの限られた豊かな時間を過ごしたいと思い、子育てや日々の暮らしに少し疲れてしまった時に、この本を手にとります。

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2011年10月27日

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「母は言葉の国の人だから」。
子どもを授かってから、産み、育て、育てられているかけがえのない時間をと母である人すべてが共有できる想いを、短歌と言う凝縮した文字数とエッセイで記録し記憶に留めた秀作。いつか母になるかもしれない女性にも贈りたい1冊です。

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2011年08月07日

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朗らかでのびやか。一番のお気に入りは、「親は子を育ててきたというけれど 勝手に赤い畑のトマト」。子どもがいたら、こんな愛おしい経験ができるかもしれないのね、という感じの本。素敵です。

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2011年05月24日

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いつかは親元を離れていってしまう子どものことをたんぽぽの綿毛にたとえて詠った俳句「たんぽぽの日々」(本のタイトルにもなっている)は、子どものいるお父さんお母さんにぜひ読んでほしいです。

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2010年12月16日

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さすが俵万智さん。
子育ての経験を、こう残す&生かすとは!

リアルに綴った歌の数々、
育児奮闘中の私達に、癒しと共感と、一歩踏み出す勇気と…
エールとして、すべてのママに贈りたいです(*^o^*)

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2010年11月03日

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「機嫌のいいおかあさん」で私もいたい。子育てで煮詰まることもたくさんあるけどこの本を読んで、子供と一緒に過ごすかけがえのない時間を大事にしたいと思いました。
ブチっと切れそうになったら開いて心を落ち着かせたいです。

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2010年08月26日

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俵万智といえば『サラダ記念日』。そんな世代の自分。
その俵さんが子育てをテーマ!とは、時間は流れているんだなぁ。
幼稚園バスの後ろを走る姿とか、おっぱっぴーとか、クスリと笑える内容が、とても良かった。ほのぼのとした。

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2010年05月14日

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読みやすく覚えやすくて感じよく平凡すぎず非凡すぎぬ名

今日までに私がついた嘘なんてどうでもいいよというような海

親子という言葉見るとき
子ではなく親の側なる自分に気づく

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2019年11月16日

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マコトをウツスと書くけど、世界の一部を切り取ったものが、写真だと思う。
写真を見て、これを撮った人は、どんな気持ちでこう切り取ったのかな〜と想像するのが好き。

短歌も、限られた字数で世界を切り取り、表現している。

俵万智さんが、どんな気持ちでその歌を詠んだのか…、添えられた文章から、しみじみと伝わってくる。

市橋織江さんの写真も、穏やかな空気が漂っている。

写真と短歌は、違うけど似てるんだな〜と発見した一冊だった。

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2013年07月03日

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私もこれから直面するであろう育児のいろんな場面で、ユーモラスに子供に対応している著者に好感が持て、私もこんな風に出来たらいいなと思った。著者のお父様もまた魅力的な人柄だと伝わってくる。
全体的に『力の抜けて楽しい雰囲気の中に、なるほどと思える深み』があって私の好みに合っていた。
育児本も読まなければと思うが、それに捉われず臨機応変にニュートラルにいられる様に、この本をたまに読み返したい。

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2013年03月26日

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作者の等身大な子育て模様に共感と好感を覚える。
こうあるべき、とか、こう育てましょう、という育児本とは違い、素直に読める一冊。
母親として「今」を生きる同志、そうだよね〜と何度も頷いた。
続編が読みたい。

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2013年02月21日

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俵万智さんの育児の日々を、短歌とエッセイ、写真でつづる素敵な本。俵万智の短歌は恋愛もの、不倫ものなども良かったですが、私はこの育児ものが一番好きです。本書を読んでつくづくこの方の歌は素晴らしいと思いました。子供は恐らく幼稚園くらいの男の子だと思いますが、私も息子が幼稚園なのでとても共感します。

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2012年07月29日

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感動した考え方は
①自分の時間という宝物があってそれを子供に奪われていると考えたなら、つらくなるばかりだ。むしろなんてことない自分の時間を宝物に変えてくれるのが子供ではないか?

②信頼関係があれば、叱ることすら必要ない

③教育っていう言葉をつかっているが 教えることの方に比重がかかりすぎてはいませんか?育てることにも、力を注がなくては

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2011年03月05日

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久しぶりに俵万智さんの本・短歌を読んだ。
昔は好きでサラダ記念日やチョコレート革命など、いくつか読んだものだが、初めて子育ての話を読んだが、自分の環境と共通するものがあるため、共感もしやすく面白かった。
お父さんとのやり取りやおじさんの話には胸を打たれた。
星は4.5というところ。

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2011年02月09日

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 お子さんが小学生になる前までの子育て短歌&エッセイ。
 俵万智さんの育児短歌本はこれまでにも何かと読んでいたのでそれほど新鮮味は感じず。近くに住むはずが亡くなってしまった仙台のおじおじ(叔父さん)の話が印象に残った。そして、ここの保育園いいな、って東京から仙台に引っ越せる身軽さにちょっと憧れを抱いたり。

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2023年07月26日

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写真が綺麗だった。
辛いことがあっても、子育ては待ってくれない、そしていつの間にかそれが遠い出来事になっている、というのが共感できた。

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2021年10月03日

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ネタバレ

子育てについて。
子どもを見つめる目、
自分を見つめる目。
どちらも澄んでいて美しい、
と思った。
正直に、かざりけなく。

それを、やさしく縁取るような
市橋織江さんの写真も
ひとつひとつ、どれも
よかった。

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2018年06月11日

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