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Posted by ブクログ
見た目はおっさん、頭脳はイケメン。
警視庁特殊犯罪捜査課、海亀の亀さんこと海方惣稔(うみかたふさなり)と、新米刑事の小湊くんが奇妙な殺人事件を追う。
こういうバディもの、好きですよ。
なにより、主人公の亀さんのキャラクターがいい。
酒浸りでニラ臭い、ずんぐりむっくりのやる気のないおっさん。しかし、訊かれればいつも事件の核心を突き、じつは博識でグルメで芸術やファッションにも造詣が深く、女性のあしらいもうまい。
この小汚いおっさんのレクチャー通りに、小湊くんが見事に女性を口説き落とすシーンは最高に可笑しい。
でも、ユーモアミステリの様でいて中身は本格。さすが泡坂妻夫。
大きな仕掛けに小さな企みが沢山ちりばめられています。特にTVから聴こえてくる落語家の声で、犯行時刻を特定しようとするくだりはゾクッとしました。後半の伏線の回収も楽しいし、オチの付け方もうまい。
文庫本の表紙はバブル時代の官能小説みたいで、タイトルは『死者の輪舞』。これが泡坂妻夫じゃなかったら手にも取ってなかったかも。オススメしてくれた方、ありがとうございます。
Posted by ブクログ
面白かった。合計8人がお互い殺し、殺され合うんだから、警察からしたらそんなのんきな話はないって感じだけど。こういっちゃなんだが、昔の本の割にとても読みやすかった。字も小さいし、長いからそれなりに時間はかかったけど。泡坂妻夫はやっぱりいいなぁ。ぐうたら悪徳刑事の海方が秀逸。女の口説き方たるや。こんな特技があったらいいなぁ。てっきり秘書の沙織が何かかんでると思ったのに、全然違ったし。ベランダが落ちて、あっさり死んじゃうのが潔くて良い。
Posted by ブクログ
海方刑事が面倒臭がり屋で汚くて面白い。愛嬌がある。でも上司だったら最悪ってキャラクター。
長編力作!だが、途中から犯人が分かってしまう。泡坂作品になれてきてしまったからかな? でも、楽しい。巡るとか因縁とか連鎖とかは泡坂絶妙で、犯人が分かっても、そのトリック・文書に魅せられてシアワセな気持ちになる。
Posted by ブクログ
殺人事件の加害者が次の殺人事件の被害者になるという、奇妙な連続連鎖殺人事件。アクの強い登場人物に遊び心散りばめた展開、いかにも泡坂妻夫らしいなあと読んでいたら、思わぬ所に落とし穴が。何気ない描写も伏線となっているから油断なりません。